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C 5916 : 2012
3.3.9
波長分散補償(chromatic dispersion compensation)
望ましくない過剰な波長分散によるシステム障害を抑制するための,一定量の波長分散の影響に対する
補償。
3.3.10
群遅延(group delay)
光部品中でパルスが遅れる時間。群遅延は,一般に,使用波長によって異なる値となる。
3.3.11
波長分散(chromatic dispersion)
群遅延の波長又は周波数に対する導関数。代表的な単位はps/nm又はps/GHz。波長分散は,一般に,使
用波長によって異なる値となる。
注記 ps/GHzの単位は通常使われていないが,システムへの影響を考慮すると,定義として優れてい
る。
3.3.12
(波長)分散スロープ(dispersion slope)
波長分散の波長又は周波数に対する導関数。代表的な単位はps/nm2又はps/GHz2。分散スロープは,一
般に,使用波長によって異なる値となる。
注記1 対応国際規格は,代表的な単位の一つをps/GHzで規定しているが,間違いであるため修正
した。
注記2 ps/GHz2の単位は通常使われていないが,システムへの影響を考慮すると,定義として優れて
いる。
3.3.13
性能指数,FOM(figure of merit)
特定の使用波長における,分散補償器の挿入損失に対する波長分散の比。
3.3.14
通過帯域リップル(passband ripple)
通過帯域での挿入損失の,最大値と最小値との差。
3.3.15
群遅延リップル(group delay ripple)
通過帯域において,群遅延と,群遅延特性の線形近似との最大最小差分。
注記 対応国際規格は,使用波長範囲での群遅延の最大値と最小値との差で規定しているが,間違い
であるため修正した。
3.3.16
位相リップル(phase ripple)
通過帯域において,群遅延によって発生する位相の遅延と,位相の遅延の二次曲線近似との最大最小差
分。
注記 対応国際規格は,使用波長範囲での位相の最大値と最小値の差で規定しているが,間違いであ
るため修正した。
――――― [JIS C 5916 pdf 6] ―――――
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4 分類
分散補償器の分類例を,表1に示す。特に分散補償器の用途及び適用技術についての具体的な分類例を,
表2に示す。
表1−分散補償器の分類例
分類項目 種類
形式(適用技術) 光ファイバ形,ファイバ・ブラッグ・グレーティング形,GTエタ
ロン形,VIPA形など
分散補償方式 分散スロープ補償形,非分散スロープ補償形など
使用波長 1 300 nm帯,1 550 nm帯,Cバンド(1 530 nm1 565 nm),
Lバンド(1 565 nm1 610 nm)など
入出力光ファイバ SSMA-9/125など
接続形態 プラグ形,レセプタクル形,光ファイバピッグテール形など
適用光コネクタ FC(F01形 : JIS C 5970),光コネクタなしなど
使用光ファイバコード シース外径2.8 mm,心線径0.9 mmなど
表2−分散補償器の用途及び形式
用途 形式(適用技術)
アプリケーション チャネル数 通過帯域
TDM(Time division 単一チャネル 狭帯域 光ファイバ形
multiplexing) ファイバ・ブラッグ・グレーティング形
GTエタロン形
WDM(Wavelength 単一チャネル 狭帯域 ファイバ・ブラッグ・グレーティング形
division multiplexing)
複数チャネルa) 狭帯域 ファイバ・ブラッグ・グレーティング形
GTエタロン形
VIPA形
広帯域 光ファイバ形
注a) DMの複数チャネル用途の分散補償器は,単一チャネル用途として用いることができる。
5 外観及び構造
5.1 外観
外観は,目視によって検査したとき,著しいきず,ディグ(くぼみ),欠け,クラック,汚れなどの異常
があってはならない。
5.2 構造
分散補償器の構造は,個別規格の規定による。難燃性材料を用いる必要がある場合は,個別規格に規定
する。
6 性能
6.1 光学特性
光学特性は,個別規格に規定する。個別規格の様式例を,附属書JAに示す。
6.2 環境及び耐久性特性
環境及び耐久性に対する性能に関する試験条件は,性能項目ごとに個別規格に規定する。試料数及び合
格判定数,又は検査水準は,必要に応じ,性能項目ごとに個別規格で規定してもよい。個別規格の様式例
を,附属書JAに示す。
――――― [JIS C 5916 pdf 7] ―――――
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7 試験方法
分散補償器の試験方法は,JIS C 5901の規定による。
なお,その他の分散補償器の試験方法は,受渡当事者間の協議による。
8 表示
分散補償器には,次の項目を表示する。ただし,個々の分散補償器に表示することが困難な場合には,
包装に表示してもよい。
a) 形名(製造業者の規定による。)
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年月若しくは製造ロット番号,又はそれらの略号
9 包装
包装は,輸送中及び保管中に振動,衝撃などによる製品の破損又は品質の低下のおそれがないように行
う。また,短期間に劣化するおそれがある材料を含む場合には,安全管理,保管環境条件などに関する注
意及び要求事項とともに,有効期限を包装に表示する。
10 安全
光伝送システム及び装置に用いる場合は,出力端子から人体に影響を及ぼす光の放射が生じる可能性が
ある。したがって,製造業者は,システム設計者及び使用者に対して,安全性に関する十分な情報及び確
実な使用方法を明示する。
――――― [JIS C 5916 pdf 8] ―――――
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附属書A
(参考)
光ファイバ形分散補償器の技術例
A.1 概要
光ファイバの波長分散は,ガラス材料の屈折率の波長依存性による材料分散と,光ファイバの屈折率分
布による構造分散との和として表す(図A.1参照)。光ファイバとして石英ガラスを用いる場合は,材料分
散は,その値を大きく変えて制御することができない。構造分散は,光ファイバの屈折率分布を変えるこ
とによって制御できる。分散補償ファイバを設計するには,構造分散を制御することで所望の分散を得る
ことが一般的に行われている。
図A.1に,一般的に伝送路として用いられているシングルモード1 310 nmゼロ分散形光ファイバの波長
分散の波長依存性を示す。長距離光伝送システムにおいて一般的に用いられる波長1 550 nmでは,約17
ps/nm/kmの波長分散をもつ。
注記 光ファイバにおける波長分散は,通常,単位長さ当たりの波長分散をいい,単位はps/nm/kmで
表す。
/km )
40
材料分散
m)
s/nm
20
/k
波長分散
m
/n(p
0
spe
波長分散(prsin
s
構造分散
icdi
-20
at
-40
om
Ch r
-60
1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0
波長(μm)
図A.1−シングルモード1 310 nmゼロ分散形光ファイバの波長分散
一般的な光ファイバは,純石英のクラッドに対しコアの石英にゲルマニウムをドープすることによって
屈折率差をもたらせる。図A.2の挿入図は,クラッドとコアとの間の比屈折率差が テップイン
デックスコア形光ファイバの屈折率分布を示す。ここで,横軸は光ファイバの中心軸からの距離を表し,
縦軸は屈折率を表す。このような光ファイバの,波長1 550 nmでの波長分散の等高線を,コア径及び比屈
折率差 数として図A.2に示す。この図から,大きな負の波長分散をもつDCFを得るには,光ファイ
バの設計として,比屈折率差 かつ,コア径を小さくすればよいことが分かる。
――――― [JIS C 5916 pdf 9] ―――――
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図A.2−ステップインデックスコア形光ファイバの,波長1 550 nmにおける波長分散の等高線の計算値,
及び同光ファイバの屈折率分布(挿入図)
DCFの屈折率分布の二つの例を,図A.3に示す。いずれも,シングルモード1 310 nmゼロ分散形光ファ
イバに対し,コアとクラッドとの屈折率差は大きく,コア直径は小さくなっている。これらの光ファイバ
は,構造分散を負の方向に大きくして設計した事例である。ダブルクラッドタイプのDCFは,マッチドク
ラッドタイプのDCFよりもはるかに大きい構造分散をもっている。
ダブルクラッドタイプのDCFは,Cバンド及び/又はLバンドにおいて,負の分散スロープを与えるこ
とができる。したがって,このDCFを用いることによって,シングルモード1 310 nmゼロ分散形光ファ
イバの正の分散スロープを補償することができる。分散スロープ補償は,WDM伝送システムにおいて全
波長帯域にわたって一定の波長分散を得るための重要な特性となっている。
――――― [JIS C 5916 pdf 10] ―――――
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JIS C 5916:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61978-1:2009(MOD)
JIS C 5916:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.20 : 光ファイバ接続装備
JIS C 5916:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC5900:2019
- 光伝送用受動部品通則
- JISC5901:2001
- 光伝送用受動部品試験方法
- JISC5970:2015
- F01形単心光ファイバコネクタ(FCコネクタ)