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C 0098 : 2002(IEC 60068-2-68 : 1994)
4.1.4.1 試験用粉じん 試験用粉じんは,研削性がなく乾燥した細かい粒子の粉末とし,大きさは50 μm
径の線で75 μm間隔の正方形に編まれたふるいを通過する粉末でなければならない。
タルク粉末は,この要求を満たしている。4.3.4.2を参照。
試験用粉じんは,20回までしか使用してはならない。その細かさを維持するために,粉末は乾燥させて
おくよう注意するのが望ましい。使用前に80 ℃で2時間加熱乾燥する。
4.1.4.2 粉じん濃度 試験用粉じんの量は,試験槽内の基準面に毎時,1 m3当たり600±200 gの粉末が均
一にたい積する程度の量でなければならない。
4.1.4.3 気流 試験槽内の空気を全体として上から下へ,層流にならないように流す。
4.1.4.4 風速 試験槽内に粉じんを均一に分布できるような風速とする。
4.1.4.5 湿度 試験槽内の相対湿度は,25 %未満でなくてはならない。これは試験槽内空気温度を上昇さ
せることで実現できる(附属書A.3参照)。
4.1.4.6 供試品内部の空気圧 動作状態によって,供試エンクロージャは二つのカテゴリに分けられる。
カテゴリ1
: エンクロージャ内部の気圧が,例えば,稼働中の熱サイクル効果によって周囲の大気圧と
異なる場合。
: エンクロージャ内部の気圧が,周囲の大気圧と同じ場合。
カテゴリ2
製品規格には,エンクロージャのカテゴリ及び減圧量について規定する。
4.1.4.6.1カテゴリ1の供試品は,試験槽内に通常の使用状態で設置しなければならない。図2に規定する
周期の圧力変化を,真空ポンプを用いて行わなければならない。槽内圧力(減圧)は,製品規格の規定に従
い,周囲より2 kPa(20 mbar)又は5 kPa(50 mbar)低くなければならない。
粉じんは,図2に示すように各サイクルごとに噴き出させなければならない。
4.1.4.6.2カテゴリ2のエンクロージャは,試験槽内に通常の使用状態で設置する。この場合,真空ポンプ
を使用してはならない。
4.1.4.7 試験の厳しさ 試験の厳しさは,試験槽内の空気圧と試験時間で決められる。それはエンクロー
ジャのカテゴリ(4.1.4.6を参照)に依存することであり,製品規格で規定しなければならない。
: 製品規格に減圧量2 kPa(20 mbar)又は5 kPa(50 mbar)を要求する場合は,試験時間は2時
カテゴリ1
間である。
: 大気圧の場合は,試験時間は4時間である。
カテゴリ2
4.1.5 前処理 製品規格において前処理を要求してもよい。
4.1.6 初期測定 供試品は,製品規格に従って目視検査,寸法測定及び機能的点検を行う。
4.1.7 試験 試験槽内の空気は,相対湿度を25 %又はそれ以下に保つために十分高い温度にする。供試
品は試験室内周囲温度にした後,試験槽内に入れ,包装を取り去り,スイッチを切り,使用待機状態にし
て,通常使用状態又は製品規格で決められた姿勢に設置する。複数の供試品の場合は,供試品どうしが触
れないように,また粉じんの影響をお互いが妨げないように注意しなければならない。
試験中に供試品のスイッチをオンにするか,及び/又は動作状態にするかを製品規格に規定してもよい。
粉じんを試験槽内に入れ,カテゴリ1では決められた噴出時間の間,また,カテゴリ2では試験時間中
規定の濃度を保たなければならない。
試験終了後,供試品は粉じんが降下するまで,扉を閉じたまま試験槽内に放置する。
4.1.8 中間測定 製品規格において試験中又は試験終了時,供試品を試験槽内に置いたままの状態での測
定を要求してもよい。その場合は,製品規格に測定内容及び測定時間,又は測定間隔を規定する。
4.1.9 後処理 製品規格に他の規定がなければ,供試品は回復のために標準大気条件で2時間放置してお
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かなければならない。
4.1.10 クリーニング 製品規格によっては,最終測定の前に供試品の外表面に付着した粉じんを除去する
よう指示する場合がある。
4.1.11 最終測定 後処理後,供試品は製品規格に従って目視検査,寸法測定及び機能的点検を行う。
4.1.12 製品規格に規定する事項 製品規格にこの試験を含める場合,適用可能な範囲で次の詳細事項を
規定しなければならない。製品規格では,次の項目に必要な情報を提供する。ここで,(*)印の付いた事
項は,必す(須)事項であり,特に注意して規定する。
項目
a) 供試品の大きさが,この規格に合わない場合に適用する試験手順 4.1.3
b) エンクロージャのカテゴリと減圧法* 4.1.4.6
c) 厳しさ* 4.1.4.7
試験槽内の気圧*
試験時間*
d) 前処理 4.1.5
e) 初期測定* 4.1.6
f) 供試品の状態,試験中の電気的負荷又は動作状態* 4.1.7
g) 通常の稼働姿勢と異なる場合の供試品の姿勢 4.1.7
h) 中間測定 4.1.8
i) 後処理 4.1.9
j) 供試品のクリーニング 4.1.10
k) 最終測定* 4.1.11
4.2 試験方法La2 : 一定空気圧試験
4.2.1 目的 この試験は,細かい粉じんの侵入に対する電気・電子製品の保護の度合い決定することを目
的とする。
4.2.2 概要 試験方法La2は,供試品を非研削性の75 μm未満の粒子径の粉末が大量に激しく流れる環
境にさらすものである。この試験は,自然環境又は自然に誘引されて起こるような環境を模擬するもので
はない。
この試験で規定する空気の流れは,垂直で下向きである。
規定したカテゴリのエンクロージャは,粉末を侵入しやすくするためにその内部の気圧を周囲空気圧よ
り低くして試験する。
規定量の粉末は,粉じん濃度が極めて高く,均一になることを保証するものである。粉じん濃度の監視
方法は規定していない。
4.2.3 試験装置 試験槽は,供試品を,規定量の試験用粉じんを含んだ,主に垂直で下向きの層流になら
ない空気流にさらすものである。そのために,粉末をかく(撹)はん(拌)し,密閉した試験槽内に吹き込む。
製品規格に規定がある場合,供試品のすき間,ブッシングなどのようなところから粉じんを含んだ空気が
侵入できるように,真空ポンプを使用し供試品から空気を抜き取る。減圧は,調節可能で,かつ監視をし
なければならない。吸引速度も測定しなければならない。
試験槽の底にたまった粉じんは,循環して使うために運び戻さなければならない。
供試品の体積は,試験槽の体積の25 %以下でなければならない。また,供試品の底面積は,試験槽の
有効空間の水平断面積の50 %以下でなければならない。
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供試品の大きさがこの規格に合わない場合は,次の方法のどれを適用するかを製品規格に規定しなけれ
ばならない。
a) その供試品の密閉構造が幾つかの区分に分けられる構造の場合,その区分ごとに試験する。
b) ドア,換気窓,いす,シャフトシールなどのような部品を含む製品の場合,端子,集電子などのよう
な製品の壊れやすい部分のある代表的な部品について,試験時に正規の取付け位置に取り付けて試験
する。
c) 供試品と細かい点まで同じに設計された小形供試品による試験。
適切な試験装置の一例を,図4に示す。
4.2.4 試験条件
4.2.4.1 試験用粉じん 試験用粉じんは,試験方法La1の4.1.4.1で規定するものと同じとする。
4.2.4.2 粉じん濃度 試験用粉じんの量は,試験槽の体積1 m3当たり少なくとも2 kgでなければならない。
4.2.4.3 気流 試験槽内の空気の流れは,主に上から下への垂直方向とする。また,層流でないほうがよ
い。
4.2.4.4 風速 試験槽内に粉じんを均一に分布できるような風速とする。
4.2.4.5 湿度 試験槽内の相対湿度は,25 %未満でなければならない。これは試験槽内の空気温度を上げ
ることで実現できる(附属書A.3参照)。
4.2.4.6 供試品内部の空気圧 動作状態によって,供試エンクロージャを二つのカテゴリに分ける。
カテゴリ1
: エンクロージャ内部の気圧が,例えば,稼働中の熱サイクル効果によって周囲の大気圧と
異なる場合。
: エンクロージャ内部の気圧が,周囲の大気圧と同じ場合。
カテゴリ2
製品規格には,エンクロージャのカテゴリ及び減圧量について規定する。
4.2.4.6.1カテゴリ1のエンクロージャのある供試品を,試験槽内に通常の使用状態で設置する。そして周
囲空気圧より供試品内部の気圧を低く保つために真空ポンプに接続する。このためにエンクロージャに適
切な孔をあけることが望ましい。供試品に凝縮水用の抜き取り孔があるものはこれにパイプをつなぐ。こ
の場合には,試験用に別の孔をあける必要はない。エンクロージャに凝縮水用の孔が幾つかある場合は,
真空パイプをどれか一つにつなぎ,他の孔は試験中ふさいでおく。
4.2.4.6.2カテゴリ2のエンクロージャのある供試品は,試験槽内に通常の使用状態で設置する。開口部は
すべてそのままにしておく。
4.2.4.7 厳しさ 試験の厳しさは,エンクロージャのカテゴリ(4.2.4.6参照)に対応した,空気圧及び試験
時間で決定される。それらは製品規格にあらかじめ規定しなければならない。
カテゴリ1 :
空気圧 : ― 2 kPa(20 mbar),5 kPa(50 mbar) 又は10 kPa(100 mbar)
― 製品規格に規定する最大の減圧圧力において,もしも空気流量が1時間当たりエンクロー
試験時間 :
ジャ容積の40倍以下の場合は,80倍に達するまで試験を延長するか,又は8時間での停
止を一つの試験時間とする。
― 空気流量が1時間当たりエンクロージャ容積の40倍から60倍が得られる場合,試験時
間は2時間とする。
この試験の目的は,供試品のエンクロージャ内空間を占める空気体積の少なくとも80倍に相当する空
気を,供試品のエンクロージャを通して吸引することにある。しかし,その流量は1時間当たりその体積
の60倍を超えてはならない。
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カテゴリ2 :
空気圧 : ― 常圧
試験時間 : ― 8時間
4.2.5 前処理 製品規格に前処理を要求してもよい。
4.2.6 初期測定 供試品は,製品規格に従って目視検査,寸法測定及び機能的点検を行う。
4.2.7 試験 試験槽内の空気は,相対湿度を25 %又はそれ以下に保つために十分高い温度にする。供試
品は試験室内周囲温度にした後,試験槽内に入れ,包装を取り去り,スイッチを切り,使用待機状態にし
て,通常使用状態又は製品規格で規定する姿勢に設置する。複数の供試品の場合は,供試品どうしが触れ
ないように,また粉じんの影響をお互いが妨げないように注意しなければならない。
試験中に供試品のスイッチをオンにするか,及び/又は動作状態にするかを製品規格に規定してもよい。
供試品が試験槽内に設置されたなら,真空ポンプを接続し(カテゴリ1)要求があればスイッチを入れる。
試験は,試験用粉じんの注入をもって開始とする。
試験終了時に真空ポンプを停止し(カテゴリ1),供試品は粉じんの降下が終わるまで扉を閉じたままの
試験槽内に放置する。
4.2.8 中間測定 製品規格に試験中又は試験終了時,供試品を試験槽内に置いたままの状態での測定を要
求してもよい。その場合は,製品規格に測定内容及び測定時間,又は測定間隔を規定する。
4.2.9 後処理 製品規格に他の規定がなければ,供試品は回復のために標準大気条件で2時間放置してお
かなければならない。
4.2.10 クリーニング 製品規格には,最終測定の前に供試品の表面に付着した粉じんを除去するように指
示してもよい。
4.2.11 最終測定 後処理後,供試品は製品規格に従って目視検査,寸法測定及び機能的点検を行う。
4.2.12 製品規格に規定する事項 製品規格にこの試験を含める場合,適用可能な範囲で次の詳細事項を
規定しなければならない。製品規格では,次の項目に必要な情報(IEC 60068-5-1 11参照)を提供する。こ
こで,(*)印の付いた事項は,必す事項であり,特に注意して規定する。
項目
a) 供試品内部における減圧の生成 4.2.3
b) 供試品の大きさがこの規格に合わない場合に適用する試験手順 4.2.3
c) エンクロージャのカテゴリ及び減圧圧力* 4.2.4.6
d) 厳しさ* 4.2.4.7
― 空気圧力*
― 試験時間*
e) 前処理 4.2.5
f) 初期測定* 4.2.6
g) 供試品の状態,試験中の電気的負荷又は動作状態 4.2.7
h) 通常の稼働姿勢と異なる場合の供試品の姿勢 4.2.7
i) 中間測定 4.2.8
j) 後処理 4.2.9
k) クリーニング 4.2.10
l) 最終測定* 4.2.11
4.3 試験Laのためのガイダンス
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4.3.1 電気・電子製品のじんあいの侵入に対する保護度合の検証方法 試験方法における主要因は,次の
二つである。
a) 供試品の周りの大量に非研削性粉塵を含む空気
b) 周囲環境又は供試品内部の,模擬する圧力変化
ここに示す方法は,密閉性試験として設計したもので,自然の粉じん環境の模擬試験に適したものでも
意図したものでもない。
基本的考え方と試験条件の発生方法を記述し,代替の試験用粉じんについても論じる。
更に,厳しさと再現性に影響する要因について論じ,試験結果の解釈と安全のための予防策を与える。
試験方法La2の試験装置は,4.3.3.3 に規定するがJIS C 0920の附属書で明確に述べられている粉じん密
閉性試験のための試験装置と全く同様である。
4.3.2 試験La,非研削性の細かい粉じんによる試験の基本的考え方
4.3.2.1 概要 試験Laに従って実施する試験の目的は,電気・電子製品への細かい粉じんの侵入に対する
エンクロージャの保護度合いを決定することである。
試験Laに従って実施する試験は,第一には供試品の粉じん密閉性を検証することで,第二には供試品
に侵入したあらゆる粉じんの有害な影響を検証することである。供試品へ侵入する粉じんの安全性と危険
性もまた,この粉じん試験方法によって検証できる。
粉じんが原因となる,電気・電子製品が被る安全性及び危険性は,電導性粉じんによって生じる感電又
は可燃性粉じんによって引き起こされる火災と爆発であろう。
この試験に必要な条件と限界を分析するために,粉じん源,作用及び効果についての考察を次項で述べ
る。
4.3.2.2 粉じんの発生源 電気・電子製品の周囲に現れる粉じんは,幾つかの原因で生じる。例えば,通
気孔又は漏れのあるエンクロージャを通して製品内に侵入する石英,石炭,融雪塩,肥料などである。
居間や事務所で普通に使われている布又はじゅうたんから発生する綿又は羊毛(天然又は人造)の小さな
繊維もまた粉じんとなる。
他の発生源としては,納屋内の種子や製粉場でひかれた小麦粉からの粉じんがある。
粒子の大きさは,1 μmの断片から数100 μmまで様々である。
4.3.2.3 粉じんの挙動及び影響
4.3.2.3.1 侵入 試験品への粉じんの侵入は,次のようにして生じる。
― 強制的に循環された空気によって運び込まれる。例えば,冷却目的の循環空気。
― 空気の上昇気流動作によって運び込まれる。
― 気温変化による大気圧の変動で空気が圧入される。
― 風によって吹き込まれる。
4.3.2.3.2 一次的影響 粉じんは,それ自身次の一つ又はそれ以上の有害な影響を及ぼすことがある。
a) 可動部品の拘束
b) 可動部品の摩耗
c) 可動部品への付着によるアンバランスの発生
d) 電気絶縁性の低下
e) 誘電特性の低下
f) エアフィルタの目詰まり
g) 熱伝導度の低下
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JIS C 60068-2-68:2002の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60068-2-68:1994(IDT)
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- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.01 : 気質一般
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