JIS C 60068-2-70:2007 環境試験方法―電気・電子―第2-70部:指及び手の擦れによる印字の摩滅試験 | ページ 2

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C 60068-2-70 : 2007 (IEC 60068-2-70 : 1995)
布片は,摩擦の条件を再現するためにピストンと試験表面との間に設置する(ピストンを覆うか,又は
カーテンのようにピストンと試験表面との間につるす。)。この布は,乾いているか(乾燥試験),又は通常
の使用で生じる可能性がある流体汚れの影響について確認するために,製品規格で規定した溶液に浸せき
させたもの(浸せき試験)のいずれか一方でよい。これは,製品規格で規定する。

4 試験装置の概要

4.1 試験装置

  適切な装置の例を,附属書Aに示す。この装置は,被試験面に対して45°±5°の角度で接続棒を経由
してしゅう(摺)動ピストンが動く。力F(製品規格で規定する。)は,試験ピストンの弾性変形と被試験
面を横切るしゅう(摺)動幅sとを合わせたものとなる。しゅう(摺)動幅は,1 mm4 mmとする。
ピストンのしゅう(摺)動サイクルは,製品規格で規定した回数分繰り返す。
固定されていない供試品(例 キーボード)の規格は,追加要求を明示する(例 固定しなければなら
ない)。
試験ピストンは,試験溶液に反応しない弾性材料からなり,ショアA硬度47±5とする(例 合成ゴ
ム)。
試験ピストンの大きさは,供試品の形状・大きさ及び印字の種類によって表1から選ぶ。
表1−試験ピストンの形状・大きさ
寸法
大きさ mm
の種類 A B C
1 20 20 2
2 10 20 1
製品規格には,試験ピストンの大きさを規定する。必要であれば,供試品によって適した大きさのピス
トンを表1以外の大きさから選んでもよい。これらは,製品規格で規定する。
試験中に生じた削りくずは,試験結果に影響を及ぼさないようにする。したがって,供試品と試験ピス
トンとの間から継続的に取り除かなければならない。
注記 削りくずの蓄積は,試験面を垂直に取り付けるか(くずが落ちる),又は油及び汚染物質を含ん
でいない圧縮空気で吹き飛ばすことで防ぐことができる。

4.2 試験布

  供試品と試験ピストンとの間に移動可能な布地を置く。この布地は,試験ピストンを覆うことができる。
試験に使用できる布地は,次による。
材料 羊毛
縦糸 175±10本/dm
横糸 135±8本/dm
単位面積当たりの質量 ≧195 g/m2
“乾燥試験”では布地が擦り切れるのを防ぐために,10 000回の最大回数終了後には交換,又は供試品
に触れていない部分に動かす。
“浸せき試験”(4.3参照)では,布地の浸せきを10回ごとに繰り返す。10回ごとに別の新しい布片を

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試験ピストンと供試品との間に置いてもよい。浸せきは,布地を溶液に浸すか,又は溶液を布地に滴らせ
て行う。試験を開始するとき及び10 000回の最大回数終了後には,布の擦り切れなどによって不正確な結
果が出ないように,布地を新しくする。

4.3 試験溶液

  “浸せき試験”を製品規格に規定する場合には,試験溶液を規定しなければならない。
使用する溶液は,次による。
− 人工汗
− 潤滑油
− 油圧オイル
− その他,製品規格に規定する溶液
複数の種類の試験溶液を規定する場合,製品規格に規定がなければ,異なる供試品でそれぞれの溶液を
使用する。

5 厳しさ

  試験の厳しさは,供試品に対する試験ピストンの動き及び回数(往復)によって決まる。値は,次の中
から選び,製品規格に規定する。
力 : 1 N±0.2 N,5 N±1 N,10 N±2 N,50 N±10 N,100 N±20 N
回数 : 10,100,1 000,1万,10万,100万,1 000万

6 前処理条件

  試験表面は,通常の製造後に納品されたままの状態でなければならない。ただし,製品規格には,前処
理条件を記載してもよい[例 エージング,じんあい(塵埃)の付着,洗浄]。

7 初期測定

  供試品は,外観検査を行い,製品規格に規定があれば寸法検査・機能検査を行う。

8 試験

  製品規格に規定しない限り,JIS C 60068-1に従った標準大気環境で“乾燥試験”を実施する。
供試品には,試験装置(4.1参照)によって規定する圧力を加える。
試験ピストンは,60 mm/sの速度で供試品の表面へ向かって動かさなければならない。表面に対して選
択された強さの力で表面を圧迫する。試験条件は,ピストンの表面圧迫時間とピストン昇降時間とがほぼ
等しくなるように選択しなければならない。加圧している時間は,0.2 s以上でなければならない。試験サ
イクルの周波数は2±0.5回/sとする。これ以外の周波数を,製品規格に規定してもよい。
注記 高い周波数では,供試品の温度が許容温度以上に上がるおそれがある。

9 中間測定

  製品規格に規定があれば,試験の中間で測定してもよい。

10 後処理

  製品規格では,後処理を規定してもよい。

――――― [JIS C 60068-2-70 pdf 7] ―――――

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11 最終測定

  供試品の外観検査を行い,製品規格に規定があれば寸法検査・機能検査を行う。製品規格には,通常供
試品の合否判定基準を記載する。

12 製品規格に規定する事項

  製品規格に,この試験を規定する場合には,必要に応じて,次の項目を規定し,かつ,その細目に関す
る情報を記載しなければならない。特に,アスタリスク (*) 付きの事項は常に必要であるので,特別の注
意を払う。
a) 試験ピストンの寸法* (4.1参照)
b) 固定しない供試品での追加要求* (4.1参照)
c) 浸せき試験の場合* (8参照)
d) 浸せき試験のときの溶液* (4.3参照)
e) 溶液が複数の場合,試験品の振り分け及び試験数量 (4.3参照)
f) 強さ[力及び回数(往復)]* (5参照)
g) 前処理条件 (6参照)
h) 初期測定* (7参照)
i) 標準大気環境以外のときの試験条件 (8参照)
j) 2回/s以外の場合の周波数* (8参照)
k) 中間測定* (9参照)
l) 試験後の後処理 (10参照)
m) 最終測定* (11参照)

――――― [JIS C 60068-2-70 pdf 8] ―――――

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附属書A
(参考)
試験Xbの試験装置概念図

序文

  この附属書は,本体に関連する事柄を説明するもので,規定の一部ではない。
*
図A.1−試験装置概念図(4.1参照)
注* 垂直線に対して45度の意味で,ピストンの動きの方向を表している。

JIS C 60068-2-70:2007の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60068-2-70:1995(IDT)

JIS C 60068-2-70:2007の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 60068-2-70:2007の関連規格と引用規格一覧