JIS C 60695-6-30:2001 環境試験方法―電気・電子―火災危険,火災のもつ潜在的・偶発的危険の試験方法―火災に遭った電気製品からの煙による光の不透過度に起因する視界のさえぎりの評価に関する指針及び試験方法:小規模静的試験方法―煙による光の不透過度測定―試験装置の記述 | ページ 2

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C 0080 : 2001 (IEC 60695-6-30 : 1996)

5.5 光度測定装置

(図A.5及び附属書BのB.5参照) 光度測定装置は,層状化した煙による測定値の変動を小さくするため,垂直に配置した光源及び光検出器から構成する。測光系は,0.000 1%100%の透
過率を測定するために光学密度を六つの感度範囲にわたって確実に記録できるものでなければならない。
光度計は,どの感度範囲においても最大読取値で±0.3%以内の精度をもたなければならない。検出器の
出力は記録計につなぐ。
5.5.1 光源は,白熱タングステンフィラメント電球(公称6.5V)とする。この電球は,光漏れのない箱
の中に取り付けて,試験チャンバ床にある窓によって分離する。
また,この箱は凝縮を防ぐために約50℃に加熱しておく。
この光漏れのない箱は,試験チャンバ内を垂直に透過する直径38.1mmの平行ビーム光線を出すために
必要な光学系を含まなければならない。
5.5.2 光検出器は,1nA未満の暗電流とILC(1)のS-4スペクトル感度をもつ光電子増倍管である。
光源の反対側の試験チャンバ天板にある窓によって分離されている光漏れのない箱の中に光検出器を取
り付け,光検出器上に平行光線の焦点を結ばせるために収束レンズを用いる。公称光学密度2の着脱可能
なニュートラルフィルタを光学密度の測定範囲拡大に使用する。
注(1) 国際照明協会 (International Lighting Commission)

5.6 測定及び記録装置

 データレコーダは,次の記録ができるものでなければならない。
− 炉を校正するときの放射計出力電圧(6.1参照)
− 試験中の光検出器の出力電圧(5.5.2参照)

6. 校正及び検証

 校正又は試験の前に,試験チャンバの後部壁パネルの温度は33℃±4Kで安定させ,
試験装置は前回の試験の残さ(渣)がないように清掃し,少なくとも空気で2分間吹き飛ばす。

6.1 炉の校正

 炉は,次の手順で校正する。
バーナを取り除き炉の待機位置に放射計を取り付け,電源及びガス回路に接続する。
炉の前の所定位置にブランク試験片ホルダを置く。支持枠組の止め具までブランク試験片ホルダを動か
して,代わりに放射計を炉の前に動かして持ってくる。
次に,炉の開口部と放射計との位置関係を正確に38.1mmのゲージを用いてチェックし,必要な調整を
する。(図C.1参照)
備考 この試験は,放射熱源に対する放射計及び試験片の位置の微妙な変動に大きく影響を受ける。
炉のゲージは,試験片ホルダの位置の検査にも用いる。
放射計及びブランク試験片ホルダを,それぞれ元の位置に戻し,試験チャンバの壁の温度を33℃±4K
で安定させる。試験装置を通常の操作条件にもっていき,その後,ブランク試験片ホルダを受け止め具ま
で移動させた後,放射計を炉の前にもってくる。
試験チャンバの扉を閉じ,吸入口を開放し,排気口を閉じる。空気を放射計冷却器に供給し放射計本体
の温度を93℃±3Kに保つ。放射計の出力を監視して,出力が平衡状態に達したことを確認する。
次に必要ならば25kW/m2±0.5kW/m2の定常放射と等価との校正値に対応する定常電圧読取値になるよ
う炉を調整する。調整するときは,放射計が平衡状態に達することを確実にするため炉の調整と調整との
間に約10分間,間隔を開ける。炉が校正中なんらかの理由で扉が開いたときは,扉を閉めた後,最終の電
圧を読み取る前に熱平衡に至るまで十分な時間をとる。
校正手順の最後に,ブランク試験片ホルダを炉の前の位置に戻し,放射計冷却空気の供給を停止し,試
験チャンバから放射計を外す。

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6.2 光学装置の検証

(附属書CのC.1.3参照) 光路の中に標準ニュートラルデンシティフィルタを置くことによって,光度計の正確性と直線性を確認する(附属書CのC.1.3.2参照)。これらのフィルタは,
光学系のすべての開口部を覆っておく。また,光度計で測定した特定光学密度は,校正値の±5%以内とす
る。
備考 600nmで得られた特定光学密度の規定定格値を確認するために,これらフィルタの光透過度の
400nm900nmの範囲にわたりスペクトル分析によって調べる。なぜなら,この光源は広いス
ペクトル分布をもっているからである。それゆえ,このフィルタで測定された特定光学密度は
正確でないかもしれない。しかし,使用するランプのスペクトル分布が一致しているならば研
究所間のデータ比較には使用できる。

6.3 チャンバの気密性の検証

 チャンバの気密性は,定期的にU形マノメータ(図A.8及び図B.9参照)
を用い,漏えい度試験を実施し検証する。試験チャンバの天板のガス採取口から圧縮空気を導入して,試
験チャンバ内圧を水頭柱約76mmまで上げる。
圧力が水頭柱50mmまで下がる時間が,ストップウオッチで測定して5分以上でなければならない。

7. 標準材料の使用による装置の性能の検証

 装置の正常な動作と試験手順を照査するため二つの標準試
料を用いる。
− 無炎試験用のアルファセルロース紙(SRM 1006 標準)(備考参照)
− 有炎試験用のプラスチックシート(SRM 1007 標準)(備考参照)
備考 この二つの標準試料は,標準材料協会 (Office of Standards Reference Materials) から入手が可能
である。 [National Institute of Standards and Technology (NIST) , Gaithersburg, MD USA]

7.1 試験片

 試験に先立ち,各標準材料の証明書の指示に従って調整しなければならない。その際,試
験片のすべての面は空気に接しているものとする。
試験片は,76.2mm×76.2mmとする。
各試験片の厚さは,ISO 1923の方法で測定する。6試験片以上とった1バッチの厚さのばらつきは0.1mm
未満とする。
その後,各試験片は次の要領で準備する。平板を使って,約0.04mm厚さのアルミはくの試験片の非光
沢面上に試験片を上方に置く。そして端を折り曲げるのに十分な大きさで,試験片の周り6mm10mmを
覆うようにする。端部の上ではくを注意深く曲げ,試験片の上面に密着させて,しわを最小にする(角の
対角の切り込みは,しわを減らすのに役立つ。)。はくの破裂を避ける。
試験面の大きさ65mm×65mmがさらされるように上面と側面とのはみ出し部分を切り落とす。試験片
をホルダに挿入後,燃焼時のかすが試験片ホルダのトラフの中にゆっくり滑り落ちるように下面のはみ出
し部分は残しておく。アルミニウムはくを切るとき試験片の面が損傷しないように注意する。挿入後,硬
い材質のもので試験片ホルダの開口部に合わせて,アルミニウムはくをそろえることが必要である。
試験片をホルダに挿入後,乾燥密度850kg/m3±100kg/m3,大きさ75mm×75mm,厚さ12.5mmの不燃性
角形断熱板で後ろから支え,その後,ばねを挿入しクリップで押さえる。
厚さ16mm以上の試験片は,厚さ調整可能なクリップを使用する。もし必要ならば,試験片ホルダの開
口部の周囲に沿ってはくを切り,試験片ホルダのトラフへ導くシュートを作る。

7.2 装置の準備

 各試験に先立ち,光学装置の窓は清掃する。
備考 アルコール清浄は,適している。
光源とすべての測定装置の電源を入れ,安定化させる。

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有炎モードで試験するとき,空気とプロパンの流量比率を5.4によって調整しバーナに点火する。無炎
モードで試験するときは,バーナを取り除き,その校正したときの位置にバーナを固定する(6.1参照)。
検出器にNo.2フィルタを設置し,光度計を記録計に接続する。検出器が覆われているとき,検出器の読
みがゼロになるように調整し,検出器の覆いを取ったとき(100%透過),最小感度目盛で最大スケールに
なるように調整する。

7.3 手順

 炉から放射する熱に試験片をさらす。試験片表面の平均熱量は25kW/m2±0.5kW/m2でなけれ
ばならない。
パイロットバーナを適用しないときの標準試験片は,SRM 1006を用いる。
パイロットバーナを適用するときの標準試験片は,SRM 1007を用いる。
ダンパの吸入口を開け,排出口を閉じる(附属書D参照)。試験片ホルダを置き,炉の支持枠組上部ス
ライド上で試験片をブランク試験片ホルダの隣とする。ブランク試験片ホルダを取り除き炉の前に試験片
を移動する。
光の透過率 (T) と時間を記録するためデータ記録システムを始働する。
光の透過率が減少し始めたときダンパの吸入口を閉じる。
水頭柱圧150mmを超えたとき,排出口をしばらく開けて安全なレベルになるまで圧力を下げる。試験
中,記録計の感度は読みが最大目盛の10%100%の範囲になるように調整する。
光の透過率が0.01%以下の場合は外部から光が入らないように観測用の窓を閉じ,光路からレンジ拡大
用フィルタを取り除き,感度の倍率レベルを100にする。また,光の透過率が0.01%を超えるとフィルタ
を再挿入する。
20分間さらした後,有炎の場合はバーナを消し,ブランク試験片ホルダが炉の前にくるように試験片ホ
ルダを移動させる。
チャンバの放出物を吸入口及び排出口を開け押し流す。光の透過率 (Tc) のレベルが定常値になるまで
観測しこの値を記録する。各試験の終わりに(パイロット炎とともに)バーナを消す。各試験終了時,二
つの光学窓を清掃する。

7.4 試験結果

 このチャンバの特定光学密度 (Ds) は,次による。
Ds=G [log10 (100/T) +F]
ここに, G=V/AL
V : 試験チャンバの容積 (m3)
A : 試験片の暴露表面積 (m2)
L : 煙の中を通る光路の長さ (m)
T : 光感度検出器からの読みによる透過率
F : フィルタの光学密度
1/F : 光学系が着脱式フィルタを装着してない場合,又は着脱
式フィルタが透過率を測定中に光路にある場合は0
2/F : 着脱式フィルタが透過率を測定中に光路にない場合はフ
ィルタの既知の光学密度とする。
この場合,表A.1から得たDs値は附属書CのC.1.3.3
に示された方法によって決めた補正係数を加えるか減じ
て補正する。
最小光透過率に相当する最大特定光学密度 (Dm) を計算する。
一連の試験において,最大値Dmが最小値の1.5倍未満の場合は3試験片の平均値で表し,また,15倍
超過の場合は6試験片の平均値で表す。
計算したDm値及び厚さがNIST (NBS)(2)証明書に引用されている値と合致するか確認する。

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パイロット炎を消し,チャンバ内の煙が消え去った試験の終了時に算出された特定光学密度の値をDc
と表示する。
Ds (corr) =Dm−Dc
注(2) BS : National Bureau of Standards, USA現在のNIST (National Institute of Standards and
Technology)
備考 チャンバ内部の光学装置に付着したすすや他の粒子の沈殿物を考慮に入れ補正した最大特定光
学密度Ds (corr) の値は最大特定光学密度Dmから試験の終了時の特定光学密度のDcを差し引い
て算出する。

8. 試験報告書

(附属書E参照) 一連の試験において,試験報告書に次の情報を記入しなければならない。
− 記述
試験チャンバ : タイプ,製造社名,参考・・・・
サンプル : 参考・・・・
各試験片 : 抜取方法,平均厚さ・・・・・
試験片の数,処理条件と厚さ
試験条件 : 接源方法(有炎又は無炎),試験期間,校正と操作値(炉の電源電圧,チャンバの温度)
− 主要な詳細な試験の状態と各試験片の試験中の挙動観測
− 各試験片について試験時間 (Ds=f(t))の関数としての特定光学密度 (Ds),平均値Dm,Dc及びDs (corr)
を示すカーブ

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附属書A(規定) 試験装置の詳細
図A.1 試験装置

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  • IEC 60695-6-30:1996(IDT)

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