JIS C 6122-1-3:2011 光増幅器―測定方法―第1-3部:パワーパラメータ及び利得パラメータ―光パワーメータ法 | ページ 2

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ば容易に達成できる。
注記3 ECLの発振スペクトルの裾野の広がりは,最小限とすることが望ましい。
b) 光パワーメータ 測定確度は,OAの動作波長帯域内で,入力光の偏波状態によらず,±0.2 dB以内
とする。最大入力光パワーは十分に大きく[例えば,+20 dBm(*)],感度も十分に高く[例えば,−
40 dBm(*)]する。ダイナミックレンジは,測定対象の利得範囲以上とする(例えば,40 dB)。
c) 光アイソレータ OAを挟んで直近の両端に用いられるのが一般的である。光アイソレータの偏波依
存性損失(PDL)は0.2 dB(*)以下,アイソレーションは40 dB(*)以上,反射率は両端子とも−40 dB(*)
以下とする。
d) 可変光減衰器 光減衰器の減衰範囲及び安定性は,それぞれ40 dB(*)以上,±0.1 dB(*)以下,反射率
は両端子とも−40 dB(*)以下とする。
e) 偏波制御器 この装置は,入力信号光の全ての偏波[例えば,直線,だ(楕)円,円偏波]状態を提
供する。偏波制御器は,例えば,直線偏光子及びそれに続く全光ファイバタイプの偏波制御器,又は
直線偏光子,それに続く90°以上回転可能な四分の一波長板,及び180°以上回転可能な二分の一波
長板で構成される。この装置の損失変動は,0.2 dB(*)以下,反射率は両端子とも−40 dB(*)以下とする。
偏波制御器を用いることは,偏波依存利得変動の測定では必須である。また,大きな偏波依存利得変
動をもつOAのパワーパラメータ及び利得パラメータに高い測定精度が要求される場合には,偏波制
御器を用いることが望ましい。
f) 光ファイバコード 接続する光ファイバコードのモードフィールド径は,OAの入出力端子の光ファ
イバのモードフィールド径にできるだけ一致させる。反射率は,両端とも−40 dB(*)以下,長さは,2
m以下とする。
g) 光コネクタ 接続損失再現性は,±0.2 dB以内とする。反射率は,−40 dB(*)以下とする。
h) 光バンドパスフィルタ 波長可変及び固定のフィルタの光の通過帯域幅(FWHM)は3 nm(*)以下と
し,この帯域幅の中心波長と光源の中心波長との差は1.5 nm(*)以下程度とする。光バンドパスフィル
タの偏波依存性損失は0.2 dB(*)以下とし,反射率は−40 dB(*)以下とする。
注記4 光バンドパスフィルタのスペクトル帯域の最適化については,附属書Aを参照。
i) 光カプラ 光カプラの無接続端子は,反射率が−40 dB(*)以下になるように終端処理する。
注記5 光カプラの分岐比の偏波依存性は,最小限とすることが望ましい。入力光の偏波状態の変
化は,無視できるほど小さいものとすることが望ましい。
j) 波長計 波長の測定確度は,0.1 nm(*)以内とする。光源の波長が0.1 nm(*)以内に校正されている場合
は,波長計は必要ない。

5 試料

  OAは,公称動作条件で動作する。OAが不要な反射によるレーザ発振を引き起こす可能性がある場合は,
OAの前後に光アイソレータを用いる。これによって信号不安定性及び測定誤差を最小にすることができ
る。
箇条1のj)を除くa)からq)までのパラメータの測定では,測定の間,入力光の偏波状態を一定に維持す
る。入力光の偏波状態の変化は,用いている光部品のもつ僅かな偏波依存性が原因で入力光パワーを変動
させることから,測定誤差の原因となる。

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6 手順

  手順は,次による。
a) 公称出力信号光パワー 公称出力信号光パワーは,個別規格で規定する公称動作条件下で,規定した
入力信号光パワーに対する最小出力信号光パワーによって定める。この最小値を決定するために,入
力及び出力信号光パワーレベルを,個別規格の規定に従って偏波状態の変化及びその他の不安定性が
存在する条件下で,一定時間連続してモニタする。測定手順は,次による(図1参照)。
増幅された自然放出光(ASE)パワーのOAからの出力信号光パワーへの影響を最小にするため,
幾つかの方法が用いられる。次に光バンドパスフィルタ法について規定する。
1) 光源を個別規格で規定する測定波長に設定し,入力信号光波長を測定する(波長計などを用いる。)。
2) 光パワーメータを用いて,光カプラの2個の出力端から出射する信号光パワーレベルを測定し,光
カプラの分岐比を決定する。
3) 挿入損失測定法(IEC 60793-1-40の測定方法Bを参照)を用いて,OAと光パワーメータとの間を
接続する光バンドパスフィルタ,及び光ファイバコードの損失Lbjを測定する[図1 b)参照]。
4) 被測定OAを動作させ,図1 c)に示す構成で,入力信号光のない状態でのOAからの光出力パワー
を測定することで,光フィルタを透過するASEパワーレベルPASEを求める。
注記1 大信号条件では,ASEパワーの測定は省略できる。
注記2 測定精度については,光バンドパスフィルタ帯域幅の最適化に関する附属書Aを参照。
5) 光パワーがOAの入力端で個別規格で規定する入力信号光パワーPinになるように,光源及び可変光
減衰器を設定する。図1 a)に示すように,光カプラのもう一つの出力端子(第2出力端子)の光パ
ワーPOを光パワーメータによって測定して記録する。
注記3 動作中のOAに信号光を入射すると光サージが発生し,光部品を破壊するおそれがある。
光サージを防ぐため,最初にOAに入射する入力信号光のパワーは小さくする。その後,
入力光パワーをあるレベルまで徐々に増加させる。
6) 次の測定の間,光カプラの第2出力端子の光パワーPOをモニタし,これが一定となるように可変光
減衰器を調整することによって,OAの入力信号光パワーPinを,一定に保持する。
7) 図1 c)に示すように,光ファイバコードを被測定OAの入力ポート及び出力ポートに接続し,入力
信号光のある状態でのOAからの光出力パワーPoutを求める。
偏波制御器を用いる場合は,次の手順による。
8) 個別規格で規定する偏波状態に偏波制御器を設定し,OAを動作させ,OAの出力信号光パワーを光
パワーメータで規定の時間モニタして,最小値を記録する。
9) 偏波制御器によって入力信号光の偏波状態を個別規格で規定する種々の偏波状態に変化させ,手順
8)を繰り返す。
10) 光パワーメータで測定するOAの出力信号光パワーが最小,及び最大となる入力信号光の偏波状態
を手順9)によって探し,その絶対最小出力光パワーPout-min及び絶対最大出力光パワーPout-maxを記録
する。
注記4 光コネクタJ1及びJ2は,再接続による測定誤差を避けるために,測定中は取り外さない
ことが望ましい。
注記5 信号光と同時に検出されるASEの影響を取り除くことによって,測定誤差は小さくな
る。これは,光バンドパスフィルタ法によって,被測定OAの出力に狭帯域の光バンド
パスフィルタを設置することで達成できる。大信号光パワーレベルに対しては,正確な

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測定を行うために必ずしも光バンドパスフィルタは必要ではない。特にOAへの入力信
号光が小さい場合には,光バンドパスフィルタを用いることが重要となる。これは,入
力信号光が減るに従ってASEパワーは増加するためである。しかし,光フィルタの類が
既にOAの中に組み込まれている場合は,外部光フィルタは不要である。光バンドパス
フィルタの効果の更なる情報は,附属書Aを参照。
b) 利得 a)の手順1)から7)までと同様の操作を行い,OA入力光パワーPin及び信号波長におけるASEパ
ワーPASEを考慮したOA出力光パワーPoutの測定から利得を決定する。
c) 逆方向利得 b)の操作を入出力を入れ替えて行う。
d) 最大利得 波長可変光源を用いて,個別規格で規定する波長範囲を網羅するように,種々の波長でb)
の操作を繰り返す。ただし,手順1)は,次の手順に置き換える。
1) 規定する波長範囲内の一つの測定波長に波長可変光源を設定し,入力信号光波長を測定する(波長
計などを用いる。)。
注記6 入力信号光のない状態で(例えば,光スペクトラムアナライザ又は分光器によって)観
測されるASEスペクトルプロファイルが最大となる波長付近では,その他の規定がない
場合,波長は,1 nm(*)以下の間隔で変化させる。
注記7 OAの動作波長帯域内では,干渉じま(縞)計数法を用いた市販の波長計を用いること
によって±0.01 nmの波長測定確度が達成できる。幾つかの市販の波長可変の外部共振器
形半導体レーザ光源を用いることによって±0.2 nmの波長測定確度が得られる。
e) 最大利得波長 d)と同様とする。
f) 最大利得温度変動 検討中。
g) 利得波長帯域 d)と同様とする。
h) 利得波長変動 d)と同様とする。
i) 利得安定度 検討中。
j) 偏波依存利得変動 a)と同様とする。ただし,信号波長におけるOA入力光パワーPin並びにASEパワ
ーPASEを考慮したOA出力光パワーPout-min及びPout-maxの測定を,個別規格で規定する偏波の異なった
状態で全ての手順を繰り返すことで決定される。また,手順a)の10)以下に,次の注記を付記する。
注記8 測定中に原理的には全ての偏波状態が被測定OAの入力端子に連続的に入力できるように,
Pin,Pout及びPASEの測定後,偏波制御器によって入力信号光の偏波状態を変化させる。
注記9 偏波制御器は,個別規格で規定する方法で操作する。回転可能な四分の一波長板及び直線
偏光子を用いる場合の操作方法は,次による。
OAの出力光パワーが最大になるように直線偏光子を調節し,次いで四分の一波長板を
90°以上,数ステップにわたって回転し,その各ステップごとに二分の一波長板を180°
以上,数ステップにわたって回転する。
注記10 OAの入力側に接続する光ファイバコードは,応力及び異方性によって生じる偏波状態の
変化を最小にするため,短くかつできるだけ直線状態を保つ。
注記11 光コネクタの偏波依存損失変動は,0.2 dB(*)以下とする。
k) 大信号出力安定度 検討中。
l) 飽和出力光パワー 検討中。
m) 最大入力信号光パワー 検討中。
n) 最大出力信号光パワー 検討中。

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o) 入力光パワー範囲 検討中。
p) 出力光パワー範囲 検討中。
q) 最大全出力光パワー 検討中。

7 計算

  計算方法は,次による。
a) 公称出力信号光パワー 公称出力信号光パワーP(dBm)は,次の式によって算出する。
P=10 log (Pout−PASE)+Lbj(dBm)
ここに, Pout : 測定された出力信号光パワーの絶対値(mW)
PASE : 光バンドパスフィルタを通して測定されたASEパワーの絶対
値(mW)
Lbj : OAと光パワーメータとの間に設置された光バンドパスフィ
ルタ及び光ファイバコードの挿入損失(dB)
注記1 OAに光バンドパスフィルタが内蔵されている場合は,外部光フィルタは必要ない。この
場合,挿入損失Lbjは,光ファイバコードの損失と等価である。
注記2 OSAによって得られた測定値と,様々なバンドパスフィルタを用いて光パワーメータによ
って得られた計算値との比較は附属書Aを参照。
b) 利得 信号光波長における利得Gは,次の式によって算出する。
G=(Pout−PASE)/Pin(リニア表示)
又は,
G=10 log [(Pout−PASE)/Pin](デシベル表示)
注記3 光フィルタが非常に狭帯域でPASEが十分小さい場合には,上の式でPASEはなしとしてよ
い。大信号領域において,PoutがPASEよりも十分大きい場合は,PASEはPoutに関しては無
視できる。OSAによって得られた測定値と,様々なバンドパスフィルタを用いて光パワー
メータによって得られた計算値との比較は附属書Aを参照。
注記4 被測定OAが線形領域で動作しているときが小信号領域であり,飽和領域で動作している
ときが大信号領域である。Pinに対してGをプロットすることによってこれを確認すること
ができる。線形領域は,利得が平均入力レベルによらないPinの領域である(図2参照)。
−30 dBmから−40 dBmまでの入力信号光レベルは,一般的にこの領域に入っている。飽
和領域では,信号光パワーは,ASEを抑圧するほど十分に大きい。
注記5 測定誤差は,±0.2 dB(*)以下にできる。誤差要因は,主に光パワーメータの確度による。
c) 逆方向利得 b)と同様とする。
d) 最大利得 b)によって,種々の波長における利得値を算出する。最大利得は,その最大値で与えられ
る。

――――― [JIS C 6122-1-3 pdf 9] ―――――

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図2−入力信号光パワー対利得特性
e) 最大利得波長 d)によって最大利得を算出する。最大利得を得る波長が最大利得波長である。
f) 最大利得温度変動 検討中。
g) 利得波長帯域 d)によって最大利得を算出する。利得が最大利得からN dB低下する波長を決定する。
利得波長帯域は,利得が最大利得と最大利得からN dB低下した利得との間の値となる波長区間によ
って与えられる。
注記6 N=3の値が代表的に適用される。
h) 利得波長変動 d)によって最大利得を算出する。規定する測定波長範囲で最小利得を計算する。利得
波長変動は,最大利得と最小利得との差である。
i) 利得安定度 検討中。
j) 偏波依存利得変動 b)によって種々の偏波状態での利得を算出し,最大利得Gmax及び最小利得Gmin
をそれぞれ決定する。偏波依存利得変動ΔGpは,次の式によって算出する。
ΔGp=Gmax−Gmin(デシベル表示)
注記7 Gminは,b)におけるGの算出式において,PoutをPout-minに置き換えた場合のGである。Gmax
は,PoutをPout-maxに置き換えた場合のGである。
注記8 ΔGpは,必ずしも偏波依存利得変動の最大値を示すわけではない。被測定OAの損失が最
大になるのは,OAを構成する各光部品へのそれぞれの入力光の偏波状態が同時に各部品
の光損失をそれぞれ最大とするときだけである。
注記9 測定誤差は,±0.5 dB(*)以下にできる。誤差要因は,主に光パワーメータの偏波依存性に
よる。
k) 大信号出力安定度 検討中。
l) 飽和出力光パワー 検討中。
m) 最大入力信号光パワー 検討中。
n) 最大出力信号光パワー 検討中。
o) 入力光パワー範囲 検討中。

――――― [JIS C 6122-1-3 pdf 10] ―――――

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JIS C 6122-1-3:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61290-1-3:2005(MOD)

JIS C 6122-1-3:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6122-1-3:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC6121:2010
光増幅器―通則