JIS C 6122-3-2:2006 光増幅器―測定方法―第3-2部:雑音指数パラメータ―電気スペクトラムアナライザ試験方法 | ページ 2

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C 6122-3-2 : 2006 (IEC 61290-3-2 : 2003)
に,OFAを測定系に接続する方法として,融着接続を用いることもできる(この方法が最も正確な方
法と考えられる。)。
g) 光フィルタ(オプション) 測定結果からASE間雑音成分を低減又は除去するために用いる。フィル
タの特性として,フィルタの帯域幅は,ASE間雑音を低減させるのに十分狭く,入力及び出力反射率
が−50 dB (*)未満であり,最大偏波依存変動幅が0.05 dB (*)未満であって,阻止帯域における減衰量
が30 dB以上でなければならない。

4. 試料

 OFAは,公称動作条件において動作させなければならない。OFA又は試験装置が測定系におい
て光干渉性の問題を起こす可能性がある場合は,被測定OFAの入力側及び出力側に光アイソレータを配置
することが望ましい。こうすれば,信号の不安定性及び測定の不確かさが最小限に抑えられる。
OFAの光入出力ポートは,光コネクタ又は裸ファイバピグテールでよい。
測定中,入力光の偏波状態を一定に維持するように注意することが望ましい。偏波状態が変化すると,
光入力パワーが変化したり,多重光路干渉による雑音が変化したりする可能性がある。したがって,雑音
指数が最大になるように入力偏波状態を調整する必要がある。

5. 手順

 電気スペクトラムアナライザによる信号及び雑音測定値の単位はすべてワットである。すべて
の雑音測定結果は,周波数の関数であって,(おそらく周波数依存性のある。)熱雑音を差し引いた後のも
のとして理解しなければならない(5.1.1のステップiを参照。)。
周波数掃引法と固定周波数法の2通りの手法がある。OFAで発生する雑音の周波数依存性が分かってい
ないか,又は単調でないときは,周波数掃引法を用いるのが望ましい。総雑音パワーN1()(OFAが挿入さ
れた状態で熱雑音を除外したもの)がほぼ周波数に無依存であるとき(すなわち,多重光路干渉による雑
音成分が無視できるとき),又は周波数とともに単調に減衰するとき(すなわち,多重光路干渉による雑音
成分が実質的にインコヒーレントであるとき)は,固定周波数法を用いてもよい。

5.1 周波数掃引法

5.1.1  校正 この手順では,周波数に依存するショット雑音及びレーザ強度雑音を,別々に求めなければ
ならない。この目的を達成するには,これら2種類の雑音を区別するために,異なる光パワーレベルにお
いて雑音を測定しなければならない。この手順では,光電流及び出力光減衰器の出力を測定する必要はな
い。光減衰器は線形である,すなわち,減衰量を3 dBに設定すればパワーレベルは3 dB減少するものと
仮定する。
偏波制御器の設定が校正結果に及ぼす影響は無視できるほど小さいと期待される。
次に規定するすべての雑音測定は,詳細仕様書に指定する周波数範囲内で,ベースバンド周波数の関数
として行わなければならない。変調周波数における雑音値は,内挿法によって求めることが望ましい。
校正は,次の手順による。
a) SAの場合,適切なベースバンド周波数範囲を選択し,その範囲内で適切な測定ステップを選択する
(例えば,範囲を10 MHz2 GHz,ステップを5 MHzとする。)。
備考 ベースバンド周波数範囲は,光源のFWHMスペクトル線幅 滿 変調状態での値)の少なくと
も30 (*)倍でなければならない。
b) 適切なレーザバイアス条件を設定する。校正又は測定中にこれらの条件を変えてはならない。
c) 入出力光減衰器を0 dBに設定する(最善の測定精度を得るため)。

――――― [JIS C 6122-3-2 pdf 6] ―――――

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d) 光源の変調周波数及び変調振幅を設定する(例えば,それぞれ200 MHz及び5 %程度)。この変調周
波数は,RIN及びMPIが小さいように選択することが望ましい。
変調周波数は,光源のスペクトル線幅の少なくとも3倍にすることが望ましい。それに合わせて変
調信号源を調節する。変調は,校正及び測定中,常に一定でなければならない。
e) パワーメータを用い,OFAの時間平均入力パワーPin,0を測定する。
f) 相対変調振幅をできる限り正確に測定する。これには,受信モジュールの伝達関数H()が既知かどう
かによって,2通りの方法がある。H()が既知ならば,時間平均入力パワーPin,0及び信号光パワーS0
を電気スペクトラムアナライザによって測定する。その後,式(1)を用いてmを算出する。
1 S0
m (1)
Pin, 0H
ここで,
S0
H 2
ΔPin, rms
Pin, rms
= 受信モジュールの入力におけるRMS光パワー変調振幅
H()が未知ならば,mはオシロスコープで測定することができる。その場合,変調をかけたレーザ光源
を,広帯域光検出器,負荷抵抗及び十分に広帯域なオシロスコープを組み合わせた受信系に接続する。こ
の測定において,光検出器及びオシロスコープの周波数応答は,変調周波数に至るまで平たんであるもの
と仮定する。光パワー変調振幅及び平均光パワーをオシロスコープで測定する。
式(2)を用い,mを算出する。
ΔPin, rms
m (2)
Pin, 0
ここで, = RMS光パワー変調振幅
ΔPin, rms
Pin, 0 = OFAの入力における時間平均光パワー
備考 光検出器は必ずしも平たんな周波数応答をもつとは限らない。光検出器の中には,検出器の寄
生静電容量で決まる周波数よりもはるかに低い周波数で,周波数応答の低下を示すものがある。
g) 光源のスペクトル線幅 定する。スペクトル線幅の測定には,次の2通りの方法が一般的に用い
られる。
− ヘテロダイン法 この方法では,光源スペクトルは,可変波長レーザのスペクトルと混合され,
光検出器でビートスペクトルが生成される。これを電気スペクトラムアナライザで分析する。
− 自己ヘテロダイン法 この方法では,光源スペクトルは,長さが十分に異なる二つのアームをも
つマッハ・ツェンダー干渉計を通して送られる。その後,光検出器で光源スペクトルとその遅延
スペクトルとを混合する。ビートスペクトルは,電気スペクトラムアナライザで分析することが
できる。
自己ヘテロダイン法を用いた測定に関するより詳細な説明は,IEC 60728-6の4.8に規定されて
いる。
h) SAの(校正された,雑音等価の)電気帯域幅Beを記録する。

――――― [JIS C 6122-3-2 pdf 7] ―――――

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電気帯域幅の求め方及び校正方法については,この規格の測定器の取扱説明書を参照する。
i) 光入力パワーがないときの熱雑音Nthermal()をESAで測定する。その後のすべての雑音測定値から
Nthermal()を差し引く。ここで,不確定性を避けるには,熱雑音が十分に小さい必要があることに注意
しなければならない(5.3参照)。
j) 変調信号の電気パワーS0を測定する。
k) 周波数に依存する雑音N0()を測定する(この数値にはショット雑音及びRIN雑音が含まれ,熱雑音
は既に差し引かれている。)。
l) 入力光減衰器を用い,光入力パワーを50 %(3 dB)低減する。これは,電気信号パワーを6 dB低減
することに相当する。
周波数に依存する雑音レベルN0()を測定する。
代替法として,入力パワーの低減率を変えてもよい。3 dBの減衰ではESAの熱雑音が大きすぎる
場合に,この方法を用いることが望ましい。
光パワー低減率kを記録する(通常はk = 0.5)。
周波数に依存する雑音レベルN0()を測定する。
受信モジュールにおいて光電流の測定ができるならば,代替法として,ステップk)及びl)を次のス
テップで置き換えることができる。
k) それまでどおり受信モジュールの入力に光入力パワーPin,0を加えた状態で,光電流Ipd,0を測定する。
l) 周波数に依存する雑音レベルN0()(熱雑音を差し引いたもの)を測定する。
5.1.2 測定 測定は,次による。
a) 入力光減衰器を適当に調節して,入力パワーを設定する。5.1.1と同じレーザ動作条件及び変調信号を
用いる。
光減衰器の透過率Tin(線形値)を記録する。
代替方法として,実際の入力パワーPinを光パワーメータで測定する。
b) FAを挿入する。
c) FA出力における総光パワーPoutを光パワーメータで測定する。OFAの出力ポートを直接光パワーメ
ータに接続できない場合は,光ファイバコードが必要である。その場合,真のOFA出力パワーを得る
ためには,追加した光コネクタの挿入損失を推定し,測定されたパワーに加算しなければならない。
出力光減衰器の出力ポートにおける測定が可能ならば,光減衰器を通過した出力パワーを測定してもよ
い。
d) SAによって信号光パワーを最善の精度で測定できるように,出力光減衰器を調節する。光減衰器の
透過率Toutを記録する。
e) 総雑音パワーN1()が最大になるよう入力偏波状態を調節する。総雑音パワーN1()をESAで測定し記
録する。5.1.1における校正で用いられたものと同じベースバンド周波数を用いる。
f) 信号光パワーS1を記録する。

5.2 固定周波数法

 校正及び測定は,次による。
なお,N1()がほぼ周波数に無依存である場合は,手順a) c)に従わなければならない。
a) 適切な周波数1(例えば,100 MHz)を選択する。
b) 5.1.1のステップb) l)に従い,すべての周波数依存雑音測定を1においてだけ実施する。
c) 5.1.2のステップa) f)に従い,すべての周波数依存雑音測定を1においてだけ実施する。
N1()が周波数に対して単調に減衰する場合は,手順a) d)に従わなければならない。

――――― [JIS C 6122-3-2 pdf 8] ―――――

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a) 第一の周波数1を選択する。その周波数において,総雑音パワーN1()は周波数範囲の上限における総
雑音パワーより十分に大きくなければならない。この値は,(非コヒーレント)多重光路干渉によって
影響されているものと仮定する。
b) 第二の周波数2を選択する。その周波数において,総雑音パワーN1()は定常状態のレベルにまで減衰
していなければならない。この値は,多重光路干渉の寄与分がない雑音を表すものと仮定する。
c) 5.1.1のステップb) l)に従い,すべての周波数依存雑音測定を1及び2においてだけ実施する。
d) 5.1.2のステップa) f)に従い,すべての周波数依存雑音測定を1及び2においてだけ実施する。

5.3 測定精度の制約

 校正手順において,良好な測定精度が期待されるのは,光入力パワーがない場合
にESAで測定される受信モジュールの熱雑音が,光検出器のショット雑音より少なくても3 dB (*)小さい
場合である。
Nthermal Nshot, 03dB (3)
OFAの雑音測定において,最も強い測定精度上の制約は,光源のRINによって生じる雑音によるものと
予想される。これは,この雑音パワー成分が信号出力パワーの2乗に比例して生じるのに対し,ショット
雑音及びOFAの雑音は,通常,信号出力パワー依存性がはるかに小さいことによる。
OFA測定において良好な精度が期待されるのは,光源のRINによる雑音成分が,少なくとも,OFA入
力パワーが最大(例えば0 dBm)の場合の光検出器からのショット雑音成分に比べ,小さい場合である。
なお,これは,測定の際,OFAの高い出力パワーを光減衰器の調節によって適切なレベルにまで減衰さ
せている,との仮定に基づく。
Nrin, 0 Nshot, 0

(pdf 一覧ページ番号 )

  実際の測定条件において関係式(3)及び式(4)が成り立っていることを確認することが望ましい。

6. 計算

 すべての雑音測定結果は,周波数の関数として理解すること。6.16.3におけるすべての式は,
デシベル表記ではなく,線形で表記されている。
備考 計算の背景については,IEC/TR 61292-2に記載されている。

6.1 校正結果の計算

 ESAによる2通りの雑音パワー測定結果を用いて,ショット雑音成分とRIN成分
を分離する。
a) SA雑音パワーのうちショット雑音の寄与分(この数値は周波数に依存しないことが望ましい。)を,
式(5)で算出する。
'
Nshot, 0 4N0 f N0 (5)
k = 0.5以外の光パワー低減率を用いた場合は,式(6)を用いる。
' 2
N0 f k N0 f
Nshot, 0 (6)
k1 k
b) SA雑音パワーのうち(周波数に依存する)光源相対強度雑音(RIN)の寄与分を,式(7)で算出する。
'
f
Nrin, 0 2N0 f 4N0 (7)

――――― [JIS C 6122-3-2 pdf 9] ―――――

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k = 0.5以外の光パワー低減率を用いた場合は,式(8)を用いる。
'
kN0 f N0 f
f
Nrin, 0 (8)
k1 k
b) 代替方法として光検出器電流を測定した場合は,式(9)から光検出器の実効受光感度(減衰量設定値0
dBにおける出力光減衰器の挿入損失を含む。)を算出する。
Ipd, 0
r0 (9)
Pin, 0
さらに,式(10)を用いてショット雑音の寄与分及びRINの寄与分を,算出する。
2e BeS0
Nshot, 0 2

(pdf 一覧ページ番号 )

                                    r0 mPin, 0
f
Nrin, 0 N0 f Nshot, 0

(pdf 一覧ページ番号 )

c) (周波数に依存する)光源RINを,式(12)から算出する(さらに,それが−150 dB/Hz (*)よりも小さ
いことを確認する)。
2e f
Nrin, o
RINsourcef [1/Hz] (12)
Nshot, 0
r0 Pin, 0
log
RINsourcef 10 log RINsourcef [dB/Hz] (13)
この手順の目的のためには,RINの概算値が分かれば十分である。この数値は,試験結果の計算に
は必要ない。したがって,式(12)におけるr0の値を推定すれば十分であると思われる。

6.2 周波数掃引法における試験結果の計算

 この手順の式(14)(16)では,次に示す上述の方法で算出さ
れた校正結果と測定結果とを用いる。
滿
− 校正により得られた結果 : Pin,o,m, Nthermal(),S0,Nshot,0,Nrin,0(),Be,
− 測定により得られた結果 : Tin,Tout,Pout,S1,N1()
a) (周波数に依存する)雑音係数及び雑音指数を,式(14)から算出する。
Pout m2Pin NOFA,1 f
Ff 2

(pdf 一覧ページ番号 )

                                   G Pin    2hvBe     S1
NF f 10 logF (14)
ここで, NOFA,1 f N1 f f
Nrin, 0 Nshot, 0 Tout Pout
S1 S1 S0 S1 Pin, 0
1 S1
G
TinTout S0

――――― [JIS C 6122-3-2 pdf 10] ―――――

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