JIS C 61280-2-10:2012 光ファイバ通信サブシステム試験方法―第2-10部:レーザ送信器の時間分解チャープ及びアルファファクタ測定 | ページ 2

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C 61280-2-10 : 2012 (IEC 61280-2-10 : 2005)

6 チャープ測定方法の概要

  時間分解チャープ測定は,伝送装置における部品の使用方法を模擬したビット列で変調する必要がある。
同期はトリガ信号の形で測定装置に提供する。周波数識別法,FROG法及びモノクロメータ法の3種類の
測定方法は,理論的には同じΔf(t)及びP(t)の値を提供する。時間平均アルファファクタは,例えばDevaux
ほかの小信号法のような非時間分解法[3]でも測定できる。
光入力 Σ Σ 光オシロスコープ
可変遅延器
トリガ
入力
図2−周波数識別法の略図
周波数識別法[4][5]は,一般的に図2に示すようにマッハツェンダ形干渉計及びその後段の光オシロスコ
ープで構成する。光オシロスコープはデジタルコミュニケーションアナライザともいい,広帯域光電変換
器及びサンプリングオシロスコープで構成する。2経路間の遅延差は周波数変化に対応する正弦波振幅変
化を生成する。周波数間隔はFSRという。周波数識別法では,レーザの中心周波数が正弦波関数の直角位
相点(図3のA点及びB点)となるように調整した干渉計を用いて周波数偏移を振幅変化に変換し,対応
する光パワー波形を光オシロスコープで測定する。レーザ送信器の光信号パワーは,式(3)によって算出す
る。
VA(t) B(t)
P(t) (3)
2
ここに, P(t) : 時間tにおける瞬間的な光パワー
VA(t)及びVB(t) : 図3に示す直角位相点の電圧波形
チャープは直角位相点での波形の差分[式(4)]及び干渉計の正弦波特性を補正し式(5)によって算出する。
VA(t) B(t)
V(t) (4)
2
t
f )(
t
FSR arcsin(V)(
) (5)
2 t
P)(
ここに, V(t) : 直角位相点での波形の差分
FSR : 図3に示す自由スペクトル領域

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1.0 自由スペクトル領域
直角位相点(動作点)
光パワー
0.5
B A
0
光周波数
図3−周波数識別法で必要とされる干渉計の直角位相点(動作点)測定
FROG法では,図4に示すように光ゲート及び後段の光スペクトラムアナライザを用いる。光ゲートは,
特定の時間ti位置に設定し,光スペクトラムアナライザでスペクトルを測定する。光ゲート時間を変更す
ることによって,表1の平均周波数偏差を求める。重み付け平均周波数(重心周波数ともいう)の偏差は,
式(6)によって算出する。
m
( fk
P(ti, fk) fmean )
f (ti) m (6)
k 1
P(t1, fk)
k 1
ここに, fmean : 時間平均光周波数
P(ti, fk) : 時間ti,周波数fkにおける瞬間的な光パワー
高速光ゲート 光スペクトラム
光入力
アナライザ
電気的パルス スペクトル測定
(可変タイミング) (各時間位置にて)
タイミング制御
トリガ入力
図4−FROG法の構成
表1−各時間窓tiにおける瞬間周波数fi及び算出した重み付け平均周波数偏差 t)
f1 f2 fm t)
t1 P(t1, f1) (t1, f2) P(t1, fm) t1)
t2 P(t2, f1) (t2, f2) P(t2, fm) t2)
tn P(tn, f1) (tn, f2) P(tn, fm) tn)
周波数分解光ゲート法は,次の二つの理由によって,実用的でない場合がある。

――――― [JIS C 61280-2-10 pdf 7] ―――――

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a) 光ゲートの消光比はゲートパルスのデューティの逆数を上回る必要がある。高い時間分解能で長いパ
ターン長の時間分解チャープの測定では50 dB以上の消光比を必要とする。
b) 各時間位置で光スペクトラムアナライザの掃引を必要とし,多くの時間位置のため多大の測定時間を
必要とする。
図5に示すモノクロメータ法[6]の構成はFROG法と概念がよく似ている。違いは,周波数分解手段が時
間分解手段より先に行われることである。妥当な性能を得るために,光スペクトラムアナライザは一般的
に図6に示すダブルパスモノクロメータで実現する非常に低分散特性を備える必要がある。
モノクロメータ 光オシロスコープ
光入力
トリガ
入力
図5−モノクロメータ法の構成
入力 開口(スリット)
光ファイバ
λ/2波長板
レンズ装置
出力
回折格子
低い分散を得るために,ダブルパス配置を一般的に用いる。
図6−ダブルパスモノクロメータの構成
この方式では,表1は列単位で埋められる。モノクロメータはfkに調整し,固定して,光オシロスコー
プで時間波形P(t1, fk) ··· P(tn, fk)を測定する。P(t)は信号を中心としたモノクロメータ(フィルタ)で測定す
る。Δf(t)は式(6)によって算出する。
上記の3種類の測定方法のうち,周波数識別法及びモノクロメータ法が時間分解チャープ測定に実用と

――――― [JIS C 61280-2-10 pdf 8] ―――――

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なる。箇条7及び箇条8にこれらの測定を実施するための装置及び手順を規定する。

7 周波数識別法

7.1 装置

  周波数識別法の構成を図7に示す。
パターン発生器
PRBS信号 パターントリガ
干渉計
偏波コントローラ
DUT EDFA 光オシロスコープ

Σ ・
Σ
可変遅延器
図7−周波数識別法の構成
7.1.1 パターン発生器 パターン発生器は,被試験物(DUT)にPRBS信号を供給するとともに,光オシ
ロスコープにトリガ信号を供給する。変調速度及び信号フォーマットは,被試験物の仕様に合わせる。PRBS
パターン長は,25−1以上とする。短いパターン長はチャープ効果によるパターン依存性を完全には確認
できない。一方,長いパターン長は測定時間が長くなる。トリガ信号は,クロックではなくPRBSパター
ンに同期しなければならない。
7.1.2 Er添加光ファイバ増幅器 Er添加光ファイバ増幅器の使用は,任意とする。被試験物からの信号
レベルが低すぎる場合だけ,光オシロスコープに十分な信号レベルを供給するために必要とする。C及び
Lバンド以外の光周波数には,代わりの増幅技術を使わなければならない。
7.1.3 偏波コントローラ 干渉計が高い偏波依存性をもつ場合は,干渉計の入力部のSOPを最適化して
おかなければならない。偏波コントローラは,任意の入力偏光状態を所定の出力偏光状態に変換する能力
が要求される。光ファイバ形偏波制御器又は波長板形偏波制御器がこの要求を満足する。
7.1.4 干渉計 干渉計は,最大のチャープに適応するために十分広い自由スペクトル領域をもったマッハ
ツェンダ形干渉計を用いる。可変遅延器は,被試験物の波長を図3のA及びBの直角位相点に合わせるこ
とができるような可変範囲Δtを必要とする。Δtの値は式(7)によって算出する。
t 1 1 (7)
FSR 2 f0
ここに, f0 : 光搬送周波数
7.1.5 光オシロスコープ 光オシロスコープは,DC結合の広帯域光/電気変換器とサンプリングオシロ
スコープとからなる。光/電気変換器とオシロスコープとの合成周波数応答は,ビットレートの2倍以上
で,インパルス応答は,リンギング,オーバシュート及びアンダシュートがないものでなければならない。
またトリガ入力があり,トリガ及び観測時間範囲を設定する手段をもたなければならない。

7.2 手順

  周波数識別法の手順を次に示す。

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a) 図7のように機器を接続する。被試験物から光オシロスコープに十分高い信号レベルを供給できない
場合にだけEDFAを必要とする。
b) 必要なビット数を表示するために,光オシロスコープの時間範囲を調整する。
c) 必要な時間分解能を得るために,光オシロスコープのデータポイント数nを設定する。平均的な値は,
n=1 000である。
d) 光オシロスコープ上で信号レベル最大となるように偏波コントローラを調整する。
e) 可変遅延素子によって直角位相点を図3のAのポイントに合わせVA(ti)を測定する。ここでiは1 i n
である。
f) 可変遅延素子によって直角位相点を図3のBのポイントに合わせ,VB(ti)を測定する。ここでiは1 i n
である。
g) アルファファクタは,式(8),式(9)及び式(10)によって算出する。
VA(ti) VB(ti)
P(ti) (8)
2
ここに, 1 i n
VA(ti) VB(ti)
V(ti) (9)
2
ここに, 1 i n
FSR arcsin (V(ti) )
f (ti) (10)
2 P(ti)
ここに, 1 i n

8 モノクロメータ法

8.1 装置

  モノクロメータ法の構成を図8に示す。
パターン
発生器
PRBS信号 パターントリガ
モノクロメータ 光オシロスコープ
DUT EDFA
図8−モノクロメータ法の構成
8.1.1 パターン発生器 パターン発生器は,被試験物にPRBS信号を供給するとともに,光オシロスコー
プにトリガ信号を供給する。変調速度及び信号フォーマットは,被試験物の仕様に合わせる。PRBSパタ
ーン長は,25−1以上にする。短いパターン長はチャープ効果によるパターン依存性を完全には確認でき
ない。一方,長いパターン長は測定時間が長くなる。トリガ信号は,クロックではなくPRBSパターンに
同期しなければならない。
8.1.2 Er添加光ファイバ増幅器 Er添加光ファイバ増幅器の使用は,任意とする。Er添加光ファイバ増

――――― [JIS C 61280-2-10 pdf 10] ―――――

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