JIS C 61300-3-32:2013 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品―基本試験及び測定手順―第3-32部:光受動部品の偏波モード分散測定 | ページ 8

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偏光のスクランブリングに関するオプションは,IEC/TR 61282-9に記載している。複数の入力及び出力
偏光状態を測定する場合,9.2.4の計算で関係する量に添字iを付ける。
9.2.4 GINTYの計算
GINTYでは,TINTYのような仮定は必要ない。GINTYの計算は,次による。
− 相互相関及び自己相関の包絡線の二乗平均から, Ex2 2
及び E0 は,式(27)と表せる。
2 1 2 2 1 2
Ex Exi , E0 E0i (27)
N i N i
ここに, N : 入力及び出力偏光状態の数
− 相互相関及び自己相関から求めた Ex2 2
及び E0 の二乗平均の包絡線から,RMS幅σ0及びσxを求め
る。
計算のための標本化アルゴリズムは,IEC/TR 61282-9に記載している。これらのRMS幅の理想的
な定義を,式(28)に示す。
2
2
Ex
2
d E02 d
2 2
x , 0 (28)
2
Ex d E02 d
式(28)における期待値演算子(〈 〉)は,入力及び出力偏光状態の均一かつランダムな標本化に関連
している。
− PMDRMSを,式(29)によって求める。
3 2 2

(pdf 一覧ページ番号 )

                         PMDRMS       x   0
2
9.2.5 偏波モード分散値の記録
9.2.2及び9.2.4によって求めた供試品のPMD値を,ピコ秒(ps)で試験成績書に記載する。
9.2.6 測定の不確かさ
PMDについて,測定の不確かさの妥当性を確認する。

10 変調位相シフト(MPS)法

  この箇条では,時間領域解析を用いたDGD決定方法[14]を規定する。
この方法では,ある波長の変調光を供試品に入力し,最初のSOPに対する供試品の出力変調信号の位相
と,これと直交したSOPに対する出力変調信号の位相とを比較する。入力光のSOPを供試品の二つの主
軸に合わせて最大の位相差を求めた場合,これは遅延差として考えることができ,その遅延差をこの波長
におけるDGDとすることができる。
この測定方法では,供試品は,一つの波長だけで一つの測定を行う。そのため,この結果は特定の波長
における正確なDGDとなる。

10.1 測定装置

  反射光の測定を行う場合の接続法とともに,基本的な測定系を,図14に示す。

――――― [JIS C 61300-3-32 pdf 36] ―――――

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コンピュータ
光源 偏光 光カプラ又は 位相
変調器 光スイッチ
(例 : レーザ) 制御器 光サーキュレータ 比較器
受光装置
変調信号
供試品
高周波
信号発生器 参照信号
f=0.0110 GHz
GHz
f=0.0110
注記1 破線で示す項目は,代替法を表す。
注記2 変調器は,光源を変調させる方法の代替法である。
注記3 サーキュレータ及び光スイッチを用いることによって,透過形デバイス及び反射形デバイスの測定系を構成
することができる。
図14−DGD測定系
10.1.1 光源
測定に用いる光源は,次による。
− 規定の波長におけるDGDを測定するため,レーザダイオード(複数),波長可変レーザ又はLED[広
帯域光源(6.1.1,8.1.1及び9.1.1参照)]をモノクロメータ又は光フィルタによって単波長化した光源
を用いる。最適な光源として重要な点は,光源が供試品の通過帯域と同等又は狭い線幅をもつことで
ある(光増幅器を供試品とする場合は,利得波長幅を通過帯域とみなす。)。
− 一般に,極力狭い線幅の光を得るため,レーザ又は波長可変レーザを使う。
全ての場合において,波長可変レーザの線幅又はフィルタの通過帯域幅は,ナイキスト定理に従い,波
長間隔の2倍を超えることが望ましい。
a) レーザダイオード レーザ光源の中心波長及び変調出力光の位相は,測定を行っている間,測定中の
バイアス電流,変調周波数及び素子温度が変化しても安定していなければならない。
温度制御及び出力パワー安定制御(すなわちPINフィードバック)された単一縦モードレーザダイ
オードが最適である。
b) フィルタリングしたLED光 フィルタリングしたLEDは,次による。
− 1個のLED又は複数のLEDを使用する。
光源の中心波長及び変調出力光の位相は,測定を行っている間,測定中のバイアス電流,変調周
波数及び素子温度が変化しても安定していなければならない。
− 最大の半値全幅が15 nmの範囲となるスペクトル線幅を得るよう,光源からの光をフィルタリン
グする。
フィルタリング又は波長選択のために,モノクロメータを使用してもよい。
c) 波長可変レーザダイオード
− 1個のレーザダイオード又はレーザダイオードアレイを使用する。
測定波長における中心波長及び変調出力光の位相は,測定のバイアス電流,変調周波数及び素子
温度が変化しても安定していなければならない。一般には,内蔵形温度制御機能をもつ外部共振器
レーザを使用してもよい。

――――― [JIS C 61300-3-32 pdf 37] ―――――

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10.1.2 変調器
− 変調器は,単一のフーリエスペクトル成分をもつ波形を作り出すため,光源の出力光を強度変調する。
適切な測定精度が得られるよう,変調周波数は,十分に高くかつ十分に安定していなければならない。
変調は,光源に注入する電流を制御する(直接変調)ことによって行ってもよいし,他の変調方法(外
部変調)を用いてもよい。例えば,供試品に変調光を入力するため,光源の後に電気光学変調器を配置す
る事例を,図14に示す。変調器は,適切な測定精度を得るため,安定に動作しなければならない。
正弦状及び長方形状の変調波形を用いることができる。変調周波数は,一般に,0.01 ppmの安定性があ
れば十分である。
位相変化の測定において,360n度(nは整数)の曖昧さが生じることを防ぐことが重要である。大きな
PMDを測定する場合,変調周波数を低くするなどの方法によって,これを実現することができる。
例えば,変調周波数は,位相差が360度となる周波数を超えないようにしなければならない。この変調
周波数の上限fmaxは,式(30)によって概算できる。
12
10
fmax (30)
max
ここに, fmax : 変調周波数の上限(Hz)
Δτmax : 測定波長において予想する最大のDGD(ps)
実際,DGD値が100 psより小さい場合,fmaxは10 GHzより高くなり,変調周波数として一般に実現で
きる周波数を超える。
周波数fでの変調は,光源出力光の中心波長から±f離れた周波数のサイドバンド成分を生み出す。非常
に狭い帯域特性をもつ供試品においては,サイドバンドをもつことが測定に制限を与える場合がある。正
確な位相測定を行うため,変調によって生じるサイドバンド成分及び光源自体の線幅を含む全帯域は,供
試品のもつ帯域以下でなければならない。通常は,供試品のもつ制限範囲以下の変調周波数で,位相比較
器に適した変調周波数fを選ぶ。一般に,fは10 MHzから10 GHzまでの範囲内で選択する。
DGD測定におけるRMS分解能Δτres及び変調周波数の下限fminを使う。fminは,位相比較器の位相分解能
δによって,式(31)で決まる。
12
δ 10
fmin (31)
360 res
ここに, fmin : 変調周波数の下限(Hz)
Δτres : 測定波長におけるRMSでのDGD測定分解能(ps)
δ : RMSでの位相測定分解能(度)
10.1.3 偏光制御器
供試品に入力するSOPは,偏光制御器を用いて制御する。偏光制御器をコンピュータで制御して,SOP
を選択する。コンピュータは最適な直交する偏光成分を選択し,それぞれの条件における群遅延時間差を
測定する。
偏光制御器は,偏光した光を,設定したSOPで供試品に入力する。光源の出力光が無偏光状態である場
合,偏光制御器は入力部に偏光子を具備しなければならない。偏光子の後に配置する可変の複屈折素子に
よって,SOPを制御する。偏光制御器の例として,液晶を用いた位相子,ループ状にして機械的に可動の
複屈折光ファイバ及び電気光学結晶を用いたデバイスがある。
10.1.4 入力用及び出力用光学デバイス
入力用及び出力用光学デバイスは,次による。
a) 透過形デバイス

――――― [JIS C 61300-3-32 pdf 38] ―――――

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− 測定を通じて光源から受光装置までの物理長及び光路長が一定となるように,光源の出力と供試品
の入力との接続及び供試品の出力と受光装置との接続,並びに光源の出力と位相校正用光ファイバ
(基準光ファイバ)との接続及び位相校正用光ファイバ(基準光ファイバ)と受光装置との接続を
行う。
この接続で,光路長の変化によって,それぞれのSOPにおける位相差が変化しないことを保証する。
最適な接続用のデバイスとしては,一般的に融着接続を用いるが,多チャンネルのシングルモード用
光スイッチ又は着脱可能な光コネクタを用いてもよい。
b) 反射形デバイス
− 測定を通じて光源から受光装置までの物理長及び光路長が一定となるように,光源の出力と供試品
の入力との接続及び供試品の出力と受光装置との接続を,光カプラ又は光サーキュレータを用いて
行う。
この接続で,光路長の変化によって,それぞれのSOPにおける位相差が変化しないことを保証する。
最適な接続用のデバイスは,多チャンネルのシングルモード用光スイッチ又は着脱可能な光コネクタ
を含んでもよい。さらに,光受動部品と測定装置との接続には,一般にスプライスを使う。
c) 光ファイバコード及び光ファイバピッグテール 偏光制御器の後に配置される全ての光ファイバコー
ド,光ファイバピッグテール及び他の受動光部品(例えば,図14に示す光スイッチ)は,供試品の予
想されるDGD値に比べて,十分小さいPMDをもたなければならない。
これら光ファイバコードにおけるPMDは,供試品のDGDを求める上で,不確かさが増える要因と
なる。
d) 一般的な注意事項
− クラッドモードを除去するデバイスを使用する。場合によっては,光ファイバ被覆がその機能をも
つ。
− 高次モードが伝搬する場合は,高次モードを除去するデバイスを使用する。
例えば,供試品の光ファイバコードを直径30 mmで1周巻くことで,曲げによる複屈折がDGD測
定への影響を及ぼさない範囲で,クラッドモードを除去することができる。
10.1.5 受光装置
− 測定する波長範囲で感度をもつ受光装置を,位相比較器と連結して使用する。
受光装置の感度を補うために,光増幅器を使用することができる。一般的な測定系では,PINフォトダ
イオード,FET増幅器及び位相比較器,又はベクトル電圧計を使用する。
可変光減衰器又は光ファイバ増幅器のような装置を,受光パワーを制御するために使用してもよい。必
要に応じて,偏光制御器又は偏光解析器をDGDを検出するのに使ってもよい。これらデバイスは,位相
比較器,受光装置などの直前に配置する。
受光装置−増幅器−位相比較器を配置した装置は,変調信号の基本フーリエ成分だけに応答しなければ
ならない。また,受信光パワー範囲にわたって,信号の位相シフトが一定でなければならない。
位相比較器及びコンピュータは,各SOPの位相を記録し,二つのSOP間の位相差及び遅延を出力する。
SOPの選択は,通常,コンピュータが行い,二つの直交するSOP間の相対的な位相関係の測定は,測定
結果が供試品の光ファイバの遅延量の温度ドリフトの影響を受けないよう,短時間で行わなければならな
い。入力のSOPを掃引し,供試品の出力で得られた最大の位相差をDGDとして求めることができる。位
相比較器及びコンピュータの系を実現する構成は幾つかある。二つの例を,次に示す。
図14に示す一つ目の例では,位相比較器及びコンピュータは,最初に一つ目のSOPの位相を記録する。

――――― [JIS C 61300-3-32 pdf 39] ―――――

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次に偏光制御器の偏光状態を,直交するSOPにセットする。この直交SOPにおける位相を,同様に記録
する。測定波長におけるDGDは,測定した二つの位相の差分から求める。
図15に示す二つ目の例では,偏光制御器への入力におけるSOPを変調するために,偏光スイッチを使
用する。偏光スイッチは,回転機構を備えた複屈折素子,電気光学変調器又は光弾性変調器などの部品で
構成してもよい。二つの直交するSOP間で,おおよそ数十Hzの周波数Fで交互に切替える。位相比較器
から正しい位相差出力が得られるよう,ロックイン検出を用いてもよい。この偏光変調によって,温度ド
リフト効果を効果的に除去することができる。位相比較器は,偏光変調に同期して,二つのSOP間の位相
差に比例した振幅の交流信号を出力する。続いて,位相差を表す直流成分を得るため,ロックインアンプ
によってこの信号を復調する。測定波長におけるDGDは,ポアンカレ球上の全てにわたってSOPを走査
して得た最大の位相差から求める。
F=11 Hz
000Hz
F=11000
参照信号
低周波 ロックイン
信号発生器 アンプ
制御信号
光源 偏光 偏光 光カプラ又は 位相
変調器 光スイッチ コンピュータ
(例 : レーザ) スイッチ 制御器 光サーキュレータ 比較器
受光装置
変調信号
供試品
高周波
信号発生器 参照信号
GHz
f=0.0110
f=0.0110 GHz
注記1 破線で示す項目は,代替法を表す。
注記2 変調器は光源を変調させる方法の代替法である。
注記3 サーキュレータ及び光スイッチを用いることによって,透過形デバイス及び反射形デバイスの測定系を構成
することができる。
図15−偏光変調を用いたDGD測定系
10.1.6 参照信号
− 高周波を出力することができる信号発生器から,光源又は変調器に変調信号を入力する。
その変調信号と同じフーリエ成分をもつ参照信号を位相比較器に入力し,信号源の位相との差分を測定
する。
参照信号は,変調信号と同期していなければならない。変調信号を分岐して,参照信号として使用して
もよい。参照信号の例を,次に示す。
− 信号発生器と位相比較器の参照信号入力部とを電気的に接続する。
− 供試品の前に光カプラを挿入し,光源出力を分岐して受光装置に接続する。受光装置の出力を増幅し
て位相比較器の参照信号として用いる。
10.1.7 反射及び透過の構成
図14及び図15は,供試品の出力光ファイバに光スイッチを接続し,反射モード(光カプラ又は光サー
キュレータを使用)と透過モードとの間で光路を選択する方法を示している。光スイッチは,測定の構成
又はモードを選択するために使用する。代替の方法として,光スイッチを別の光ファイバ接続手段又は二
つ目の受光装置及び電気的切替手段から成る系で置き換えて,測定の構成又はモードを選択してもよい。

――――― [JIS C 61300-3-32 pdf 40] ―――――

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