JIS C 61300-3-38:2015 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品―基本試験及び測定手順―第3-38部:群遅延,波長分散及び位相リップルの測定 | ページ 2

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C 61300-3-38 : 2015 (IEC 61300-3-38 : 2012)
補償器の干渉効果で生じる位相リップルは伝送品質に大きな影響を与えるため,光部品の群遅延(GD)特
性が光伝送品質に与える影響をはかる尺度として,GDから生じる位相リップルを測定することが重要で
ある。

5 測定装置

5.1 変調位相シフト法

5.1.1  一般事項
MPS法による光部品のGDの測定系を,図1に示す。この測定系に使用する測定器の詳細説明及び機能
を,5.1.25.1.13に規定する。
図1−MPS法測定系
5.1.2 波長可変光源 VWS
波長可変光源(VWS)は,規定の波長範囲において,選択した特定の波長を出力することのできる,偏
光特性をもった光源である。VWSは,次による。
− 位相比較に影響を及ぼす測定誤差を生じないよう,選択波長において,光出力は十分に安定であると
する。
− 相対的な波長精度及び波長再現性は,VWSの設定及び波長モニタ測定によって決まり,測定範囲内で
3 pmの精度をもつとする。
− 波長の不確かさは,供試品の波長仕様に適合する。
− 光源の線幅は,100 MHz未満とする。
− VWSの波長可変範囲は,供試品の規定波長範囲を含む。
− 光源は,可変する波長範囲でモードホッピングを起こさないものとする。
− VWSは,位相比較測定に十分な光出力を供給する。
− VWSの最小の波長可変ステップは,供試品の想定する群遅延リップル(GDR)周期の1/10に設定す
ることが望ましい。
5.1.3 トラッキングフィルタ(オプション)
供試品の透過特性及びVWSの広帯域な自然放出光(SSE)の影響によって,VWS及び受光装置の測定
ダイナミックレンジが40 dB未満の場合,トラッキングフィルタを測定に用いてもよい。トラッキングフ

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ィルタは,最大のSSE抑圧及び最大の出力を得るように,測定波長範囲内でVWSの波長が変化したとき,
VWSの波長に追従する。受光装置のダイナミックレンジが40 dB以上となるように,トラッキングフィル
タの通過帯域形状は,通過帯域外の成分を十分に抑圧するものとする。
5.1.4 基準光ブランチングデバイス RBD1及びRBD2
基準光ブランチングデバイス(RBD)の端子構成は,1×2又は2×2である。2×2端子構成の場合,一
つの端子は,50 dB以上の反射減衰量となるように終端する。RBDの分岐比は,波長に対して一定である
とする。偏光依存性は,測定に影響を与えないように小さく,偏光依存性損失は,デバイスの波長依存性
損失の1/10未満又は0.1 dB未満とする。また,ディレクティビティは,反射減衰量の最大値よりも10 dB
以上大きいものとする。RBDの分岐比は,伝達関数の測定において,十分なダイナミックレンジを確保で
き,波長モニタに必要なパワーが得られる値とする。
5.1.5 波長モニタ(オプション)
この規格に規定する試験手順において,光源の波長精度を詳細にモニタする必要がある。VWSの波長可
変時の精度が不十分である場合,波長モニタが必要である。この試験手順では,デバイスの通過帯域内で
3 pmの精度で,どのような入力信号のスペクトルのピークも測定できる必要がある。許容できる波長モニ
タは,波長計又はガス吸収セル(アセチレンセルなど)を含む。ガス吸収セルを使用する場合,VWSの波
長精度は,吸収線の波長を決定するのに十分な精度をもつこととする。VWSの出力波長は,吸収線と吸収
線との間で線形であることとする。
この規格には,VWS及びモニタの波長再現性を含む。試験装置が30 pmの周期で0.1 psのリップルをも
つ場合,リファレンス測定時から供試品の測定にかけて,ランダムな3 pmの変化が生じるということは,
群遅延特性に約0.03 psの測定雑音を含むことを意味する。測定雑音の概念図を,図1Aに示す。
注記 群遅延が振幅0.1 ps(peak-to-peak)かつ周期30 pmの正弦波状に変化する場合,任意の3 pmに
おける群遅延の最大変化量は0.03 psであり,これが測定雑音となる。
図1A−測定雑音の概念図
5.1.6 供試品
この規格の目的において,試験対象となる端子は単一の“入力−出力”経路とする。この規格に規定す
る測定方法は,m×nの端子をもつ部品の測定に拡張することができる。複数端子をもつ部品は,光ファイ

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バピッグテール又は光コネクタで接続することによって終端する。この測定系は反射の影響を受けやすい
ため,供試品内で発生する反射を正しく検出するよう,測定系で発生する反射を起こさないようにするこ
とは重要である。
多くの場合,DWDM用の部品の特性は温度依存性をもつ。この規定における測定手順では,供試品は
一定温度に置くことを想定している。測定の不確かさは,一定温度に保つように加熱又は冷却するときの
温度精度によって制限を受ける。例えば,あるデバイスが1 ℃当たり0.01 nmの温度依存性をもち,測定
において温度が±1 ℃の範囲内に保たれる場合,この測定で得られる結果は,温度依存によって合計で0.02
nmの不確かさをもつ。
5.1.7 受光装置 D1及びD2
受光装置は,受光部分,それを制御する電気回路及び接続手段である光ファイバで構成する。受光装置
(D2)の使用はオプションであるが,6.1.3に規定する手順c) 及び手順d) による,光強度変調器と供試
品との間に挿入する装置の群遅延の不安定性を補正することができる。光コネクタプラグの場合は受光装
置のレセプタクルに直接接続する。光ファイバピッグテール,ベアファイバアダプタを用いて受光装置に
接続してもよい。受光装置D1及びD2からの反射は,最小限となるようにする。適切な方法は,APCコ
ネクタを使用することであり,APCコネクタを使用することで空気に対して良好な終端を行うことができ
るが,端面での空気に対する特性から,PDLが約0.03 dB発生し,測定に影響する場合があることに留意
する。
受光装置のダイナミックレンジ及び感度は,変調光源が供給する光出力パワーによって,要求測定範囲
において十分な値をもつこととする。受光装置は,変調信号のパワーを精度よく測定するために十分な線
形性をもつこととする。受光装置は,光信号レベルに依存せず,光変調位相を高周波(RF)信号の位相に
対して安定に変換するものとする。
測定中に受光装置と測定系とを外して再接続する場合には,再接続時の挿入損失の再現性は,光コネク
タの接続再現性以下とする。
5.1.8 高周波発生器
高周波発生器は,光強度変調器を駆動するための電気信号を供給する。電気信号は参照信号として受光
装置D1及びD2の位相比較器に入力する。高周波発生器は,例えば,正弦波変調波のような,単一フーリ
エスペクトルをもつ波形を生成する。一般的には,100 MHz3 GHzの周波数の正弦波を使用する。高周
波発生器は,その出力周波数が群遅延測定の時間的な基準を作り出すことを考慮した場合,十分な周波数
精度及び必要な測定精度が得られるように安定であることとする。
5.1.9 光強度変調器
光強度変調器は,高周波発生器からの変調信号を用いて,光源からの連続光を強度変調する。光強度変
調器は,高周波発生器からの変調信号を光変調信号に変換する。光強度変調器は整った正弦波変調信号を
生成するために,十分な線形性をもつ必要がある。また,変調振幅は,受光装置のダイナミックレンジを
超えてはならない。
5.1.10 位相比較器(オプション)
位相比較器は,光変調信号及び高周波信号の位相を比較するものであり,受光装置D1及びD2とともに
用いる。一般的に,ネットワークアナライザ又はロックイン増幅器を位相比較器として用いる。位相検出
として知られる方法は,決まった参照信号の周波数及び位相において,単一信号を出力するものである。
参照信号の周波数以外の周波数成分をもつ雑音信号は除去して位相測定に影響を与えないようにする。高
周波信号出力は,位相測定に影響を与えないレベルとする。

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5.1.11 テンポラリジョイント TJ1及びTJ2
テンポラリジョイントは,供試品へ入力信号を接続する部分及び供試品を受光装置(D1)に接続する部
分で用いる。テンポラリジョイントは一般的に,光コネクタ又はファイバ融着を用いるが,真空チャック,
微小調心機など,他の方法を用いることもできる。測定は,反射光の影響を大きく受けるので,これらの
方法によるテンポラリジョイントの反射減衰量は,50 dBを超えるものとする。
5.1.12 偏光制御器(オプション)
変調光信号の偏光状態を,ミュラー法におけるポアンカレ球上の四つの偏光状態に調整するために,偏
光制御器を用いてもよい。四つの偏光状態のうち三つは,0°,45°及び90°の直線偏光状態となるよう,
ポアンカレ球の赤道上で90°ずつ差をもつように配置する。四つ目の偏光状態は,円偏光としてポアンカ
レ球の極に配置する。供試品が偏光モード分散特性をもつ場合,直交する偏光状態での結果を平均処理し,
全ての入力偏光状態における群遅延量の平均として扱ってもよい。四つの偏光状態で群遅延測定を行った
結果から,群遅延差(DGD)を算出することができる。偏光制御器は,測定波長範囲において,測定に十
分な偏光安定性をもつものとする。
5.1.13 基準光パッチコード
基準光パッチコードは,シングルモード光ファイバを用い,光コネクタ,光ファイバピッグテール又は
光ファイバ素線を用いて接続する。基準光パッチコードは供試品と同じ光接続形態とする。

5.2 波長掃引干渉法

5.2.1  一般事項
SWI法による光部品のGDの測定系を,図2に示す。この測定系に使用する測定器の詳細説明及び機能
を,5.2.25.2.7に規定する。図2では,二つの端子がある供試品の透過測定について示す。
通常,群遅延の測定は,波長依存性及び偏光依存性の測定に影響する。ただし,光ファイバネットワー
クを構成する光ファイバ及び機器の群遅延は,温度,圧力,機械的応力,雑音などの外的要因に敏感であ
る。このため,群遅延の測定系は,測定中に光ファイバが動かないように,かつ,外的変化を与えないよ
うにする。SWI法は,光位相を追跡して測定する方法である。光位相は光ファイバの群遅延及び群遅延の
変化に敏感なため,測定系の安定性はこの測定において特に重要である。
図2−SWI法測定系
5.2.2 波長可変光源 VWS
SWI法はコヒーレント干渉を用いるため,波長が可変な狭帯域光源が必要である。波長可変光源(VWS)

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は,要求波長範囲において波長を変化させることができなければならない。標準的なコヒーレンス及び必
要な波長分解能を考慮すると,線幅は1 MHz未満とする。光ファイバピッグテールを含めた光受動部品に
光ファイバコードを接続した場合の標準的な長さである10 mでは,共振周波数間隔は約10 MHzである。
正確な特性評価には十分に小さい分解能が必要である。6.2.1に規定するように,供試品の長さ及び供試品
のもつ群遅延特性の範囲に依存するが,一般的に,狭い波長間隔で測定が必要であるため,連続的に光源
の波長を掃引して測定することを強く推奨する。したがって,測定系には,掃引中に規定の波長制御及び
波長モニタ機能を備える必要がある。
5.2.3 波長モニタ
VWSが適切な波長精度を備えていない場合は,波長モニタを使って高い精度で波長を測定する。波長モ
ニタは,波長掃引中の各測定点の波長精度及び相対波長精度を改善する。
5.2.4 基準光ブランチングデバイス RBD1,RBD2及びRBD3
干渉計を構成するために,基準光ブランチングデバイス(RBD2及びRBD3)を用いる。干渉計では,
光の一部が供試品を通過し,残りの光が基準光路に沿って伝搬するように光路を分岐する。二つの光路を
伝搬する光は再結合し,受光装置で干渉する。これらのブランチングデバイスは,標準的には50対50の
分岐比である。ブランチングデバイスは,波長モニタ用の光を分岐するためにも用いる。ブランチングデ
バイスは,1×2又は2×2の端子構成である。基準光ブランチングデバイスの未使用の端子は,反射減衰
量が50 dBを超えるように終端する。
5.2.5 受光装置 D1及びD2
受光装置は,波長に対する光パワーを測定するために用いる。推奨する構成では,直交する二つの直線
偏光状態における光パワーを測定する。5.2.1の規定によって,この測定では,一般的に,非常に短い波長
周期で光パワーが変化する。それゆえ,狭い波長間隔で光パワーを測定する必要がある。したがって,高
速でデータを取得する検出システムを推奨する。各測定方法における群遅延の算出では,出力信号が光パ
ワーに対応していることを前提としている。光パワーの相対変化を評価するため,実際の光入力パワーの
変化に対する,受光装置の光パワー測定値の変化の線形性がよいことが望ましく,飽和状態にならないよ
うに注意する。
5.2.6 偏光制御器
互いに直交する偏光の信号は干渉しないため,干渉計から十分な干渉信号を得るために,二つの光路か
らの光を確実に同じ偏光で結合する。一般に,供試品の出力光の偏光状態は定まらないため,偏光の制御
が必要である。偏光制御器及び5.2.7に規定する偏光アナライザは,この機能に適合している。一般に,
偏光制御器は,供試品に入力する偏光を定め,干渉計の参照経路から二つの受光装置における光パワーを
均等にするために用いる。偏光制御器は,例えば,ゼロ次の位相差板を使って,測定波長範囲において十
分な偏光安定性をもつこととする。偏光制御器と偏光アナライザとを組み合わせることで,異なる偏光条
件における一連の群遅延測定によって,群遅延差を算出することも可能となる。
5.2.7 偏光アナライザ
偏光アナライザは,偏光の観点から適切な干渉条件を実現するための二つ目の構成部分である。二つの
受光装置を組み合わせる偏光ビームスプリッタ(PBS)を使うことが一般的である。5.2.6に規定する偏光
制御器によって,参照経路からそれぞれの受光装置に同等の光パワーが入力することが保証できる場合,
供試品の出力光もまた,それぞれの受光装置へ参照光と同じ偏光成分で分離する。これは観測しやすい干
渉信号を得るために重要である。

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