JIS C 62024-2:2011 高周波誘導部品―電気的特性及び測定方法―第2部:DC/DCコンバータ用インダクタの定格電流の決め方 | ページ 2

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C 62024-2 : 2011 (IEC 62024-2 : 2008)
Xx : 供試インダクタのリアクタンス
Zx : 供試インダクタのインピーダンス
Lx : 供試インダクタの等価直列インダクタンス
E1 : 供試インダクタへの印加電圧
E2 : レンジ抵抗器への印加電圧(=Ir Rr)(E2は,電流としてみな
すことができる。)
燿 E1−E2間の位相角差

5.4 インダクタの取付けジグ

  供試インダクタの取付けジグは,個別規格に規定する。

5.5 測定方法

  測定方法は,次による。
a) 測定前にショート補正を行う。
b) 供試インダクタは,5.4に規定する取付けジグを用いて,図1に示す回路に接続する。
c) 供試インダクタをはんだ付けによって接続する場合には,十分に冷却するまで放置する。
d) 個別規格に規定する信号発生器の周波数fs及び電圧Esによって,電圧E1及びE2を測定する。インダ
クタンスの初期値を,5.3のb)の式によって算出する。
e) 供試インダクタに重畳する直流電流値を調節して,インダクタンス値を測定する。
f) インダクタンスの初期値からの低下率を算出する。個別規格に規定するインダクタンス値の低下率と
なる電流値によって直流重畳許容電流値を決定する。
g) 個別規格に規定するインダクタンスの低下率は,10 %又は30 %とすることが望ましい。
注記 10 %は,急しゅん(峻)に変化する場合のインダクタの設計ポイントの代表の一つで,30 %
は,緩やかに変化する場合のインダクタの設計ポイントの代表の一つである。附属書A参照。

5.6 品質確認検査

  個別規格に規定する直流電流を,5.35.5に規定する方法に従って供試インダクタに流し,その後,イ
ンダクタンスを測定する。インダクタンスの低下率は,規定値以内とする。

6 温度上昇許容電流の測定方法

6.1 一般

  直流電流をインダクタに流す場合には,インダクタは,その直流電流抵抗のため,流す直流電流値に応
じて自己発熱する。
注記1 温度上昇は,インダクタの自己発熱によって発生する。発熱の原因は,直流損失及び交流損
失である。この規格は,直流電流だけによる温度上昇を定義する。特殊な用途では,温度上
昇に対して交流損失を考慮する必要がある。交流損失は,波形,振幅及び周波数によって大
きく影響を受ける。
注記2 交流での温度上昇許容電流を基準に設定することは,用途によって交流電流を適用する条件
が無数にあるので,実用的ではない。DC/DCコンバータでは,交流損失は,直流損失と比較
してはるかに小さいことが多い。したがって,製造業者及び使用者は,共通の基準として直
流温度上昇許容電流を一般に用いている。

6.2 試験状態

  個別規格に規定がない場合には,標準試験状態は,箇条4による。
直流電流抵抗値は,温度の関数として増加するので,一部の用途では,温度上昇の試験に85 ℃,105 ℃

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又は125 ℃のような高い周囲温度を要求する。
注記1 インダクタの全損失は,巻線の交流電流による交流損失及び磁心で発生する交流磁束による
損失だけでなく,直流電流による導体損の組合せである。交流及び直流での抵抗(導体抵抗)
の値は,温度に従って増加する。その結果,導体抵抗による損失が温度とともに増加する。
磁心に関連する損失は,すべて交流励起に起因する。磁心損失は,磁心損失が最小となる温
度まで,温度上昇とともに低下し,その温度を超えると,増加し始める。その最小となる温
度及び損失の大きさは,磁性材料の種類及びグレードに依存する。ほとんどのフェライトは,
急しゅんな最小温度曲線を示すが,粉末合金では,異なる。使用温度が高く,直流損失だけ
でなく交流損失が少なくない用途に温度上昇許容電流を適用する場合は,これらのことを考
慮することが望ましい。温度による直流損失又は交流損失の変化と同様に,あらゆる温度で
の全損失は,室温における直流損失又は交流損失の損失配分に依存する。
注記2 高温域での温度上昇許容電流は,直流を前提にした場合には,室温での値からの推測が可能
である。さらに,高温域における直流温度上昇許容電流の測定は,一般に実用的ではない。
したがって,この規格が規定する室温での測定を一般に適用している。

6.3 測定ジグ

  測定ジグは,6.3.1に規定するプリント配線板を用いる方法又は6.3.2に規定するリード線を用いる方法
のいずれかとし,その詳細仕様を個別規格に規定する。
6.3.1 プリント配線板を用いる方法
プリント配線板は,ガラス布基材エポキシ樹脂(FR4)とする。寸法は,表1及び図2によることが望
ましい。
表1−回路のパターン幅
インダクタの定格電流 パターン幅a)
I W
A mm
I≦ 1 1.0±0.2
1 2 3 5 7 11 16 22 注a) 図2による。

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単位 mm
a) MDタイプ用プリント配線板
b) リード付きタイプ用プリント配線板
はんだ付け領域
非はんだ付け領域(はんだ付けできないように塗料で覆われている。)
a,b,c,d1,d2及びpは,個別規格による。パターン幅(W)は,表1による。
基板の材質 : ガラス布基材エポキシ樹脂(FR4)
パターンの材質 : 銅
パターンの厚さ : 0.035 mm±0.010 mm
図2−プリント配線板

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6.3.2 リード線を用いる方法
測定回路及びインダクタに接続するリード線径は,表2によることが望ましい。
表2−測定回路に用いるリード線径
インダクタの定格電流 リード線径
I mm AWG
A (参考)
I≦ 3 0.50±0.05 24
3 5 11 16 22 注記 AWGは,米国電線規格の線径である。

6.4 測定方法及び計算式

  測定方法は,6.4.1の抵抗値置換法又は6.4.2の熱電対法のいずれかとし,その詳細仕様を個別規格に規
定する。
6.4.1 抵抗値置換法
抵抗値置換法は,次による。
a) 供試インダクタは,6.3に規定する測定ジグを用いて,図3に示す回路に接続する。
図3−抵抗値置換法による温度上昇測定回路
b) 供試インダクタをはんだ付けによって接続する場合は,十分に冷却するまで放置する。
c) 供試インダクタは,空気の循環による温度変化を避けるために,各辺が約20 cmの立方体の箱の中で
測定することが望ましい。内側に熱がこもるのを防ぐために,箱の表面に幾つかの通気孔があっても
よい。
供試インダクタは,試験台に直接接触しない状態で測定する。プリント配線板に取り付けて測定す
る場合は,供試インダクタを取り付けるプリント配線板が,試験台に直接接触しないようにする。
d) 供試インダクタの抵抗値及び周囲温度ta1を,直流電流を流す前に,測定する。
e) 直流電源から供試インダクタに直流電流を流す。供試インダクタの直流電圧値が安定した後に,直流
電流値Ix及び直流電圧値Exを,電流計及び電圧計で測定し,周囲温度ta2も測定する。抵抗値Rxを,

――――― [JIS C 62024-2 pdf 9] ―――――

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次の式によって算出する。
Ex
Rx
Ix
ここに, Rx : 供試インダクタの抵抗値
Ex : 直流電圧値
Ix : 直流電流値
f) 供試インダクタの温度上昇値tは,金属の比抵抗率及び供試インダクタの抵抗値を用いて,次の式に
よって算出する。 ta1−ta2 は,5 ℃以下とする。
R2 R1
t t2 ta2 C ta1 ta1 ta2
R1
ここに, t : 温度上昇値(℃)
t2 : 直流電流を流したときの供試インダクタの温度(℃)
ta1 : 初期の周囲温度(℃)
ta2 : 直流電流を流したときの周囲温度(℃)
R1 : 温度t1=ta1での巻線の抵抗値(Ω)
R2 : 温度t2での巻線の抵抗値(Ω)
C : 材料定数。銅の場合は,C=234.5。
g) 流す直流電流の値を調節して,温度上昇値を測定する。
h) 温度上昇値が個別規格に規定する値になるときの直流電流を測定し,その値を温度上昇許容電流とす
る。
i) 個別規格に規定する温度上昇値は,20 ℃又は40 ℃とすることが望ましい。
6.4.2 熱電対法
熱電対法は,次による。
a) 供試インダクタは,6.3に規定する測定ジグを用いて,図4に示す回路に接続する。
図4−熱電対法による温度上昇測定回路
b) 供試インダクタをはんだ付けによって接続する場合は,十分に冷却するまで放置する。
c) 供試インダクタは,空気の循環による温度変化を避けるために,各辺が約20 cmの立方体の箱の中で
測定することが望ましい。内側に熱がこもるのを防ぐために,箱の表面に幾つかの通気孔があっても
よい。
供試インダクタを試験台に直接接触しない状態で測定する。プリント配線板に取り付けて測定する
場合は,供試インダクタを取り付けるプリント配線板が,試験台に直接接触しないようにする。
d) 温度測定のために熱電対が正しい測定位置になるように考慮する。インダクタが最高温度になる位置
に置くことが望ましい。供試インダクタの表面に直接接触させるか,又は熱電対を供試インダクタの

――――― [JIS C 62024-2 pdf 10] ―――――

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