この規格ページの目次
4
C 62133-1 : 2020
d) 時間 : ±0.1 %
e) 寸法 : ±1 %
f) 容量1) : ±1 %
注1) 容量は,電流と時間との積で表す。
これらの許容差は,測定器具,使用する測定技術及び試験の手順における,その他全ての誤差の発生源
によって生じる総合的な精度を含む。
試験結果の報告に,使用した器具類の詳細を記載しなければならない。
5 安全性に関する一般事項
5.1 一般
単電池又は組電池の安全性に関して,次の適用条件を想定する必要がある。
− 意図する使用
− 合理的に予見可能な誤使用
単電池及び組電池を,意図する使用及び合理的に予見可能な誤使用の双方の場合に安全であるように設
計し,製造しなければならない。単電池又は組電池は,合理的に予見可能な誤使用の後に機能を失う場合
があるが,その際,次に示すような潜在的ハザードに対し,7.3に規定する要求事項を満たさなければな
らない。また,単電池又は組電池の意図する使用においては,安全で,かつ,あらゆる機能を継続しなけ
ればならない。
この規格が想定する潜在的ハザードは,次のとおりである。
a) 発火
b) 破裂
c) 漏液
d) 弁作動
e) 外部熱源による燃焼
f) 内容物が露出するような組電池容器の開裂
ボタン形単電池を除く単電池及び組電池の5.25.7に対する適合性は,箇条7の試験及び適切な規格(箇
条2及び表1)によって確認する。
5.2 絶縁及び配線
正極端子と組電池外部に露出した金属表面(電気的接触面を除く。)との間の絶縁抵抗は,直流500 Vを
60秒間印加後に5 MΩ以上でなければならない。
内部配線及び絶縁は,予想される最大の電流,電圧及び温度に関する要求事項に耐えることが望ましい。
内部配線は,各々の接続器の間に適切な間隙と沿面距離とを保つことが望ましい。また,内部接続の機械
的強度は,合理的に予見可能な誤使用に対して対応が十分であることが望ましい(例えば,はんだ付けだ
けは信頼できる接続方法として考慮されない。)。
5.3 弁作動
組電池の容器及び単電池には,内部圧力を低下する機構を設けるか,又は内部圧力が破裂又は発火を予
防するために設けた内部圧力の数値又は割合に至ったときに,過剰な内部圧力を低下するように設計しな
ければならない。外側容器の内部において単電池が支持材で固定されている場合,支持材の種類及び支持
の方法は,組電池が通常の作動において過熱を引き起こすものであってはならず,また,圧力低下を妨害
するものであってはならない。
――――― [JIS C 62133-1 pdf 6] ―――――
5
C 62133-1 : 2020
5.4 温度,電圧及び電流の管理
組電池は,異常な温度上昇が発生しないように設計しなければならない。また,組電池は,単電池製造
業者が指定する温度,電圧及び電流の制限値以内で設計しなければならない。温度,電圧及び電流の指定
された制限値以内で充電を維持する充電器を設計するために,組電池製造業者は,組電池の仕様及び充電
条件を機器製造業者に提供しなければならない。
必要に応じて,充電及び放電時に電流を安全なレベルに制限するための適切な手段を取ることが可能で
ある。
5.5 端子接続部
端子接続部は,接続部で予想される最大電流を確実に流すことができる寸法及び形状でなければならな
い。外部の端子接続面は,良好な機械的強度及び耐腐食性を備えた導電材料によって構成する。端子接続
部は,短絡のリスクが最小限となるように配置しなければならない。
5.6 組電池への単電池組込み
組電池内に用いる単電池は,ほぼ同等の容量をもち,同じ設計,同じ化学系,同じ製造会社が製造した
ものでなければならない。組電池は,安全な充電をするために必要な制御機能又は保護機能をもたなけれ
ばならない。ただし,充電器などがそれらの機能をもつ場合は,この限りではない。
単電池製造業者は,組電池製造業者及び組電池設計者が適切な設計及び組立ができるように,電流,電
圧及び温度の制限値を示さなければならない。
直列に接続された単電池の一部を選択して放電するよう設計した組電池は,単電池製造業者によって指
定された制限値外で,単電池が使用されることを防ぐために,保護回路を組み込まなければならない。
保護回路部品は,適切かつ熟慮して最終機器製品に加えることが望ましい。組電池を試験するときは,
組電池製造業者が,この規格への適合性を確認する試験報告書を提供することが望ましい。
5.7 品質計画
単電池製造業者及び組電池製造業者は,単電池又は組電池の型式ごとの生産工程について,材料及び部
品並びに単電池及び組電池の検査手順を規定する品質計画を策定し,実施しなければならない。単電池製
造業者及び組電池製造業者は,自社の工程能力を把握し,製品の安全性に関連する必要な工程を管理する
ことが望ましい。
6 試験項目及び試験数量
試験は,表1に規定する個数の単電池又は組電池に対し行う。この単電池又は組電池は,製造してから
6か月以内のものとする。特に指定がない限り,試験は周囲温度20 ℃±5 ℃で行う。
注記 試験条件は試験のためだけのものであり,意図する使用がこれらの条件での使用を含むことを
意味するものではない。同様に,製造から6か月以内の単電池又は組電池を使用するのは,試
験の再現性を高めるために制限したもので,6か月を過ぎると単電池又は組電池の安全性が低
下することを意味するものではない。
――――― [JIS C 62133-1 pdf 7] ―――――
6
C 62133-1 : 2020
表1−試験項目及び試験数量
試験項目 試験数量(個) 適用箇条
単電池a) 組電池
連続低率充電(単電池) 5 − 7.2.1
振動 5 5 7.2.2
高温下での容器の変形(組電池) − 3 7.2.3
温度サイクル 5 5 7.2.4
誤った接続(単電池) 4個を5セット − 7.3.1
外部短絡 試験温度ごとに5 試験温度ごとに5 7.3.2
自然落下 3 3 7.3.3
衝撃 5 5 7.3.4
加熱(単電池) 5 − 7.3.5
圧壊(単電池) 円筒形5 − 7.3.6
角形10
低圧(単電池) 3 − 7.3.7
過充電 5 5 7.3.8
強制放電(単電池) 5 − 7.3.9
注a) ボタン形単電池には適用しない。
7 要求事項及び試験
7.1 試験を行うための充電手順
特に指定がない限り,試験を行うための充電手順は,周囲温度20 ℃±5 ℃で製造業者が指定する方法
による。単電池及び組電池を,充電に先立ち,周囲温度20 ℃±5 ℃,かつ,0.2 It Aの定電流で,規定す
る放電終止電圧まで放電しなければならない。
警告 これらの試験は,適切な対策を怠ると危害を及ぼすおそれがある。試験は,適切な資格及び経
験をもつ専門家だけが,適切な保護措置を装備した上で実施することが望ましい。やけどを防
ぐために,試験の結果,単電池及び組電池の外装が75 ℃を超える場合があることに,注意を
払うことが望ましい。
7.2 意図する使用
7.2.1 連続低率充電(単電池)
a) 要求事項 連続低率充電で,発火又は破裂を引き起こしてはならない。
b) 試験 満充電した単電池に対し,製造業者が指定する充電条件で充電を28日間行う。
c) 判定基準 発火又は破裂がないこと。
7.2.2 振動
a) 要求事項 運搬中に受ける振動によって,発火,破裂又は漏液を引き起してはならない。
b) 試験 満充電した単電池又は組電池に対し,次に示す条件並びに表2に規定する試験条件及び順番で
振動試験を行う。振幅0.76 mm及び最大全振幅1.52 mmの単振動を単電池又は組電池に加える。振動
数は,10 Hz55 Hzの範囲を1分間に1 Hzの割合で変化させる。それぞれの取付位置(振動の方向)
で,振動数の全範囲の増加(10 Hz55 Hz)及び減少(55 Hz10 Hz)を合わせて90分±5分間試験
する。互いに垂直な3方向のそれぞれについて,次に示す順番で振動させる。
第1段階 : 測定電圧が,試験製品の充電後の代表的な電圧であることを確認する。
第2段階第4段階 : 表2に規定する振動を加える。
第5段階 : 単電池又は組電池を1時間放置し,その後に目視検査を行う。
――――― [JIS C 62133-1 pdf 8] ―――――
7
C 62133-1 : 2020
c) 判定基準 発火,破裂又は漏液がないこと。
表2−振動試験条件
段階 振動の方向 振動数の範囲 振動時間 放置時間 目視検査
Hz min h
1 − − − − 試験前に実施
2 X軸方向 1055 90±5 − −
3 Y軸方向 1055 90±5 − −
4 Z軸方向 1055 90±5 − −
5 − − − 1 試験後に実施
注記 第2段階第4段階の順序の入替えが可能である。
7.2.3 高温下での容器の変形(組電池)
a) 要求事項 高温で使用したとき,内容物の露出を引き起こす組電池容器の変形が生じてはならない。
この要求事項は,成形された容器入りの組電池に適用する。
b) 試験 組電池容器の堅ろう(牢)さを評価するために,満充電した組電池を高温下に放置する。組電
池を温度70 ℃±2 ℃の空気循環式オーブンの中に7時間放置する。この後,オーブンから取り出し,
20 ℃±5 ℃に戻す。
c) 判定基準 安全を確保するための内容物及び単電池の露出を引き起こす組電池容器の変形がないこと。
7.2.4 温度サイクル
a) 要求事項 高温及び低温の環境に繰り返し置いても,発火,破裂又は漏液を引き起こしてはならない。
b) 試験 次の手順及び図1の温度プロフィールに従って,満充電した単電池又は組電池を,チャンバ内
で,−20 ℃75 ℃の温度サイクルにさらす。
第1段階 : 単電池又は組電池を75 ℃±2 ℃の中に4時間放置する。
第2段階 : 30分間以内に20 ℃±5 ℃に移行し,最低2時間放置する。
第3段階 : 30分間以内に−20 ℃±2 ℃に移行し,4時間放置する。
第4段階 : 30分間以内に20 ℃±5 ℃に移行し,最低2時間放置する。
第5段階 : 第1段階から第4段階までを1サイクルとして,更に4回繰り返す。ただし,第4段
階から第1段階への移行時間は30分間以内とする。
第6段階 : 5回目のサイクルの後,単電池又は組電池を保管し,24時間以上放置した後に目視検
査する。
注記 この試験では,温度の変化する単一のチャンバか,又は異なる三つの温度を保持する三つの
別々のチャンバの使用が可能である。
c) 判定基準 発火,破裂又は漏液がないこと。
――――― [JIS C 62133-1 pdf 9] ―――――
8
C 62133-1 : 2020
図1−温度サイクル試験の温度プロフィール
7.3 合理的に予見可能な誤使用
7.3.1 誤った接続(単電池)
a) 要求事項 単電池を電池ホルダ内に複数個挿入して使用する場合などで,単電池を誤った極性に挿入
して用いる場合でも,発火又は破裂を引き起こしてはならない。
b) 試験 満充電した複数個の単電池を用い,その中の一つを逆接続して評価を行う。銘柄(例えば,製
造業者,製品など),型式,サイズ及び使用年数が同じ4個の満充電した単電池のうち1個だけを逆方
向にして直列に接続する。このように直列に接続した単電池を,ガス排出弁が開くまで又は逆向きに
接続した単電池の温度が周囲温度に戻るまで,1 Ωの抵抗に接続する。別の方法として,逆向きに接
続した単電池に加えられる条件をシミュレートするために,直流安定化電源を用いることが可能であ
る。
c) 判定基準 発火又は破裂がないこと。
7.3.2 外部短絡
a) 要求事項 正極端子と負極端子との短絡によって,発火又は破裂を引き起こしてはならない。
b) 試験 満充電した2個の単電池又は2組の組電池を,それぞれ周囲温度20 ℃±5 ℃及び55 ℃±5 ℃
の中に放置し,それぞれの温度に達するまで安定させる。正極端子及び負極端子を総計80 mΩ±20 mΩ
の外部抵抗に接続して,それぞれの単電池又は組電池を短絡させる。単電池又は組電池は24時間を経
過するか,又は電池容器の温度が最高温度から最大温度上昇幅(最高温度と周囲温度との差)の20 %
低下するか,そのいずれかになるまで放置する。
c) 判定基準 発火又は破裂がないこと。
7.3.3 自然落下
a) 要求事項 単電池又は組電池を落下させても(例えば,作業台の上から落下),発火又は破裂を引き起
こしてはならない。
b) 試験 満充電した単電池又は組電池を,高さ1.0 m±0.01 mの地点から任意の方向でコンクリートの
床に3回落下させる。試験後,単電池又は組電池は,最低1時間放置して,目視検査を行う。
c) 判定基準 発火又は破裂がないこと。
――――― [JIS C 62133-1 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS C 62133-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62133-1:2017(MOD)
JIS C 62133-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.220 : 電池及び蓄電池 > 29.220.30 : アルカリ二次電池(アルカリ蓄電池)
JIS C 62133-1:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC8705:2019
- ポータブル機器用密閉型ニッケル・カドミウム蓄電池(単電池及び組電池)
- JISC8708:2019
- ポータブル機器用密閉型ニッケル・水素蓄電池(単電池及び組電池)
- JISZ8051:2015
- 安全側面―規格への導入指針