JIS C 62133-1:2020 ポータブル機器用二次電池の安全性―第1部:アルカリ蓄電池 | ページ 3

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7.3.4 衝撃
a) 要求事項 取扱い又は運搬のときに衝撃を受けても,発火,破裂又は漏液を引き起こしてはならない。
b) 試験 満充電した単電池又は組電池を,電池が動かないように固定できる治工具にしっかり固定し,
その治工具を試験機器に装着する。単電池又は組電池に,同じ大きさの衝撃を互いに垂直な3方向に
それぞれ1回加える。それぞれの電池の表面に対して,垂直の方向に衝撃を加える。
なお,それらの衝撃試験のうち1回は,電池の平面に対して垂直でなければならない。
単電池又は組電池は,それぞれの衝撃において最初の3 msの間に最低平均加速度が735 m/s2となる
ように加速する。加速のピーク値は,1 226 m/s21 716 m/s2でなければならない。周囲温度20 ℃±5 ℃
で試験する。試験後,単電池又は組電池は,最低1時間放置して,目視検査を行う。
c) 判定基準 発火,破裂又は漏液がないこと。
7.3.5 加熱(単電池)
a) 要求事項 異常高温によって発火又は破裂を引き起こしてはならない。
b) 試験 満充電した単電池を20 ℃±5 ℃に安定させた後,自然対流式又は循環対流式オーブンの中に
置き,オーブンの温度を1分間に5 ℃±2 ℃の昇温速度で130 ℃±2 ℃まで上昇させる。その後,オ
ーブンの温度を130 ℃±2 ℃で30分間保持する。
c) 判定基準 発火又は破裂がないこと。
7.3.6 圧壊(単電池)
a) 要求事項 単電池が激しく圧壊されても(例えば,廃棄物圧縮機で処分されても),発火又は破裂を引
き起こしてはならない。
b) 試験 満充電した単電池を2枚の平板間に入れて,圧壊装置によって13 kN±0.78 kNの力で加圧する。
試験開始時の電圧の3分の1までの急激な電圧降下の後,又は最大の圧力が加わった後,加圧力を解
放する。円筒形又は角形単電池をその縦軸が圧壊装置の平板と平行になるように加圧する。角形単電
池は,その縦軸の周りに90°回転して同様の試験を施し,電池の長側面及び短側面の双方が加圧力を
受けるようにする。一つの試料は1方向だけに加圧力を受けるものとし,個々の試験において別々の
試料を使用する。
c) 判定基準 発火又は破裂がないこと。
7.3.7 低圧(単電池)
a) 要求事項 低圧(例えば,空輸の際)によって,発火,破裂又は漏液を引き起こしてはならない。
b) 試験 満充電した単電池を,周囲温度20 ℃±5 ℃の真空チャンバ内に置く。チャンバを閉めた後,
徐々に減圧して内部圧力11.6 kPa(高度15 240 mに相当)以下まで減圧し,この圧力下で6時間保持
する。試験後,目視検査を行う。
c) 判定基準 発火,破裂又は漏液がないこと。
7.3.8 過充電
a) 要求事項 製造業者が指定する充電電流値より大きい電流値で,かつ,長時間充電しても,発火又は
破裂を引き起こしてはならない。
b) 試験 放電した単電池又は組電池に対し,製造業者が推奨する充電電流の2.5倍の高率充電で,定格
容量の250 %まで通電する。
c) 判定基準 発火又は破裂がないこと。
7.3.9 強制放電(単電池)
a) 要求事項 複数の単電池を用いる用途で,ただ一つの単電池の極性を逆にして充電しても,発火又は

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破裂を引き起こしてはならない。
b) 試験 放電した単電池に対し,1 It Aの電流で90分間逆充電を行う。
c) 判定基準 発火又は破裂がないこと。

8 安全に関する情報

8.1 一般

  ポータブル機器用単電池及び組電池の使用,特にその常軌を逸した使用は,ハザードを生み出し,危害
を及ぼすおそれがある。単電池製造業者は,製品の電流,電圧及び温度限界に関する情報を提供しなけれ
ばならない。組電池製造業者は,機器製造業者及び使用者に直接に販売する場合には,使用者にハザード
を最低限度に抑えて緩和する情報(例えば,一般社団法人電池工業会発行の民生用小型二次電池および産
業用リチウム二次電池の安全確保のための表示ガイドラインなど)を提供しなければならない。
単電池及び組電池を内蔵する機器の使用に関わるハザードについて,機器製造業者には使用者に知らせ
る責務がある。
特別な組電池設計を行う場合,機器製造業者は,製品の使用期間中に発生するおそれがあるハザードを
回避するためにシステム解析を行うのが望ましい。必要に応じて,システム解析に基づく危険回避に関わ
る情報を使用者に提供することが望ましい。
IEC TR 62188にポータブル組電池の設計及び生産に関するガイダンスが示されている。また,全てを網
羅していないが,有益な助言を附属書A及び附属書Bに記載する。
安全に関する情報の適合性は,製造業者の文書によって確認が可能である。

8.2 小型単電池及び小型組電池の安全に関する情報

  小型単電池及び小型組電池は,誤飲の危険に関する情報とともに提供しなければならない。また,これ
らの電池を使用する機器は,誤飲の危険に関する情報とともに提供することが望ましい。誤飲の危険があ
る小型単電池及び小型組電池とは,図2に示す飲込み判定ゲージ内に収まるものである。
次の内容を示す警告文を,小型単電池及び小型組電池,並びにこれらの電池を使用する機器に同こん(梱)
する情報とともに提供することが望ましい。
− 乳幼児が飲み込む可能性がある電池は,手の届かないところに保管する。
− 電池を飲み込むと,粘膜でやけどをして穴が開き,死に至ることもある。重度のやけどは,飲み込ん
で2時間以内に起こり得る。
− 単電池又は組電池を飲み込んだ場合は,直ちに医師の診断を受ける。

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単位 mm
注記 このゲージは飲み込むことができる部品を判定するもので,ISO 8124-1による。
図2−飲込み判定ゲージ

9 表示

9.1 単電池の表示

  単電池の表示は,JIS C 8705又はJIS C 8708に従って表示しなければならない。
単電池製造業者と,組電池製造業者及び/又は最終製品製造業者との合意がある場合,組電池製品の部
品としての単電池は表示をする必要がない。しかし,単電池の表示は,組電池,取扱説明書及び/又は仕
様書に記載が可能である。
この表示は,目視によって検査する。

9.2 組電池の表示

  組電池の表示は,JIS C 8705又はJIS C 8708に従って表示しなければならない。これに加え,適切な警
告を表示しなければならない。
端子の極性を,組電池外部表面に明瞭に表示しなければならない。
特定の最終製品において組電池の端子が,外部機器との接続に対してプラス(+)及びマイナス(−)
を誤接続しないように設計している場合,組電池の極性の表示を省略してもよい。
この表示は,目視によって検査する。

9.3 小型単電池及び小型組電池の誤飲に関する注意

  8.2に規定する小型単電池及び小型組電池は,8.2に従い,誤飲の危険に関する情報とともに提供しなけ
ればならない。小型単電池及び小型組電池が,交換可能な用途の販売を意図する場合は,誤飲に関する注
意を,小型単電池及び小型組電池の包装に記載しなければならない。
この表示は,目視によって検査する。

9.4 その他の情報

  組電池製造業者は,次に示す情報を組電池に表示するか,又は機器製造業者に提供しなければならない。
− 保管及び廃棄に関する指示
− 推奨する充電方法に関する指示
この表示は,単電池製造業者又は組電池製造業者の文書,及び包装又は製品の表示検査によって確認す

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る。

10 包装

  ボタン形単電池の包装は,図2で示す飲込み判定ゲージ内に収まるものであってはならない。
包装に関する情報は,附属書Cを参照する。

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附属書A
(参考)
機器製造業者及び組電池組立業者への推奨
単電池及び組電池の製造業者から,機器製造業者及び組電池組立業者への有益な助言を,次に記載する。
この助言は,代表的なものであって,全てを網羅しているものではない。
a) 単電池を分解又は改造しない。組電池の分解は,訓練を受けた者だけによって行うのが望ましい。複
数の単電池を内蔵した組電池の容器は,特別な治工具を用いなければ開くことができないように設計
することが望ましい。
b) 電池収納部(電池室)は,子供が簡単に組電池に触ることができないように設計することが望ましい。
c) 単電池又は組電池を短絡させない。単電池又は組電池を,互いに短絡させるような,又は導電性物質
によって短絡を引き起こすような状態で,箱又は引出しの中に無秩序に保管しない。
d) 単電池又は組電池は,製造業者の包装状態で保管し,使用するまで取り出さない。
e) 単電池又は組電池を加熱したり,火中に投下しない。また,直射日光の当たる場所に保管することは
避ける。
f) 単電池又は組電池に衝撃を与えない。
g) 単電池から電解液が漏れた場合,電解液に直接触れない。万一皮膚に付着した場合又は目に入った場
合,接触部を大量の水で洗い流し,医師に連絡し指示を受ける。
h) 機器には,単電池又は組電池の誤った挿入を防止する設計を行うことが望ましく,明瞭な極性の表示
を付けることが望ましい。常に,単電池,組電池及び機器に明示されたプラス(+)及びマイナス(−)
の表示を確認し,正しい接続を確実に行う。
i) 単一の組電池の中に,異なる銘柄,容量,型式及び品種の単電池を混在させない。
j) 単電池又は組電池を誤って飲み込んだ場合,直ちに医師の診断を受ける。
k) 単一の組電池の中に組み込んだ単電池の最大数及び単電池の最も安全な接続方法について,単電池又
は組電池の製造業者に問合せを行う。
l) 機器には,専用充電器を用意することが望ましい。その場合は,販売する単電池及び組電池に,充電
に関する完全な取扱説明書を添付することが望ましい。
m) 単電池及び組電池は,清浄で湿気の少ない場所に保管する。
n) 単電池又は組電池の端子が汚れていた場合,乾いた布で拭き取る。
o) 単電池及び組電池を使用前に充電する。常に,単電池及び組電池の製造業者の取扱説明書を参照し,
正確な充電手順で行う。
p) 単電池及び組電池の充電終了後には,専用充電器から取り外し,つないだまま放置しない。
q) 長期間保存した場合,単電池又は組電池に対し充放電を繰り返さないと,規定の性能が得られない場
合がある。
r) 単電池及び組電池の取扱説明書を保管し,必要なときに参照する。
s) 使用済みの単電池及び組電池を廃棄するとき,化学系が異なる単電池及び組電池は,互いに分けて廃
棄する。

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JIS C 62133-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62133-1:2017(MOD)

JIS C 62133-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 62133-1:2020の関連規格と引用規格一覧