この規格ページの目次
4
C 62739-1 : 2015 (IEC 62739-1 : 2013)
単位 mm
1 レーザ刻印 : ステンレス鋼(SUS304)
図2−試験片の形状
4.4 試験条件
試験用材料及び試験装置の試験条件を,表1に規定する。
表1−試験条件
試験用材料及び試験装置 試験条件
試験用はんだ合金組成 個別規格に規定がない場合,JIS Z 3282に規定するSn96.5Ag3Cu0.5を用いる。
ハライド含有量が質量分率で0.2 %のロジン系フラックスを用いる。
試験用フラックス
フラックスの組成は,JIS C 60068-2-20の附属書B(フラックスの組成)による。
はんだ温度(測定箇所) 350 ℃±3 ℃(はんだ表面から深さ35 mm40 mm,かつ,試験片からの距離20 mm
30 mmで測定)
試験片の回転速度 100 r/min±3 r/min
試験片の回転半径 6 mm8 mm(回転ブロックの中心から試験片の外周面)
試験片の浸せき(漬)深さ 65 mm70 mm
試験時間 事前に適切な試験時間を設定する。
ドロス除去の周期 16時間に1回以上
注記 試験時間は,次の考え方が望ましい。
a) 侵食が発生する時間は,試験片の材料によって異なる。
b) 適切な試験時間とは,焦点深度測定法による侵食深さ測定時に基準とする未侵食部分が明白に識別する
ことができ,侵食深さの差による試料の差が識別できる時間を示す。
c) ステンレス鋼(JIS G 4304に規定するSUS316及びSUS304等級)の場合には,192時間がその時間に相
当している。
――――― [JIS C 62739-1 pdf 6] ―――――
5
C 62739-1 : 2015 (IEC 62739-1 : 2013)
4.5 試験方法
4.5.1 試験
試験は,次の手順によって実施する。
a) ガーゼ又はペーパータオルを用いて,試験片の表面を清浄する。
b) 清浄した試験片を,エタノールなどの洗浄液中に数秒間浸せき(漬)の後,新しいガーゼ又はペーパ
ータオルで試験片の表面を更に清浄する。
c) ) 及びb) に規定する手順を2度繰り返す。
d) 手順c) を終了後,1時間以内に,4.4に規定する試験用フラックス中に,清浄した試験片を,数秒間
浸せき(漬)する。
e) 浸せき(漬)後,試験片を試験用フラックスの中から引き上げ,その試験片の下端にペーパータオル
を当てて,試験片の余分なフラックスを除去する。
f) 試験片を大気中に宙づり状態で,5分10分間放置して,自然乾燥する。
g) 手順c) を終了から1時間以内に侵食試験を開始するため,手順e) の余分なフラックスの除去及び手
順f) の自然乾燥が終了後,試験片を溶融はんだ合金に触れないように,また,回転ブロックにB面
が接触するように固定する。
h) 4.5.2に規定するドロス除去手順によって,ポット内の溶融はんだ合金表面に浮くドロスを除去して,
回転ブロックに固定した試験片を,規定する試験温度に保持した溶融はんだ合金中に,4.4に規定する
深さまで浸せき(漬)し,4.4に規定する回転速度で回転モータを回転させる。回転直後から,試験時
間の計測を開始する。
i) 試験時間が設定時間に達した後,2時間以内に浸せき(漬)した試験片を溶融はんだ合金中から引き
上げ,木綿の布を用いて,試験片に付着しているはんだを拭き取り清浄する。
j) ポット内の溶融はんだ合金表面に浮くドロスの除去は,4.4に規定する間隔ごとに実施する。
k) 4.4に規定する試験時間終了後に,箇条5に規定する測定方法によって,試験片の侵食深さを測定する。
l) 試験時間が設定時間に到達しない間は,試験片を溶融はんだから取り出してはならない[ドロス除去
及び夜間停止時の電源オフ(Off)時を含む。]。
4.5.2 ドロス除去手順
ポット内の溶融はんだ表面に浮くドロスの除去は,次の手順によって実施する。
a) 回転モータの回転を止め,ステンレス製の穴の開いたおたまのような適切なジグを用いて,ポット内
の溶融はんだ合金表面に浮くドロスを除去する。そのドロスは,密閉可能な容器に入れる。
b) ポット内の溶融はんだ量として,4.4に規定する浸せき(漬)の深さが確保できることを確認する。そ
の結果,溶融はんだ合金が不足する場合は,4.4に規定するはんだ合金を供給する。
c) ドロスを除去した溶融はんだ合金の中に,試験片が4.4に規定する浸せき(漬)の深さを確保してい
ることを確認・調整し,4.5.1に規定する試験を継続する。
5 侵食深さの測定方法(光学顕微鏡による焦点深度法)
5.1 一般事項
試験終了後の試験片の侵食深さの測定方法は,5.25.4による。
5.2 試験片の準備
試験片の準備は,次の手順で実施する。
a) 4.4に規定する時間,試験した試験片は,回転を止めて取り出すまで浸せき(漬)しておく。
――――― [JIS C 62739-1 pdf 7] ―――――
6
C 62739-1 : 2015 (IEC 62739-1 : 2013)
b) 試験片を溶融はんだ合金から引き上げ,回転ブロックから取り外す。
c) その後,試験片を1本ずつ溶融はんだ合金中に再度浸せき(漬)して加熱して引き上げ後,直ちに,
その試験片の観察面を木綿の布で拭き取り,付着しているはんだ合金を除去する。
はんだ合金を完全に除去できない場合は,はんだが除去できるまでこの手順c) を繰り返す。
5.3 測定装置
測定装置は,光学顕微鏡,デジタルインジケータ,CCDカメラ及びTVモニターで構成し,焦点深度が
測定できるものとする。測定装置の構成例を,図3に示す。
図3−光学顕微鏡による焦点深度法測定装置構成例
5.4 測定手順
試験片の焦点深度測定は,次の手順によって実施する。
a) 5.3に規定する測定装置を準備する(CCDカメラが付いていない場合は,直接目視する。)。
b) 4.3に規定する試験片のA面及びB面を目視によって観察し,侵食が一番深そうな位置を各面の3か
所以上,事前に特定しておく。
c) 試験片を測定装置にセットし,可能な限り顕微鏡の倍率を高くして,侵食が一番深い部位を特定する
(顕微鏡の倍率は,200倍以上であることが望ましい。)。
d) 観察部位を特定した後に,視野角内で侵食していない部位に,顕微鏡レンズの移動用つまみを回して
焦点を合わせる。
e) このとき,デジタルインジケータのゼロ調整ボタンを押して値をゼロにする。
f) 次に,顕微鏡レンズ移動用つまみを回して,侵食が一番深い部位に焦点を合わす。
――――― [JIS C 62739-1 pdf 8] ―――――
7
C 62739-1 : 2015 (IEC 62739-1 : 2013)
g) そのときのデジタルインジケータの値を読み取って記録する。
h) 可能である場合,その侵食の部位の写真を撮影しておくことが望ましい。
i) 侵食が一番深そうな位置を各面3か所以上測定し,それらの最大値を侵食深さとして採用している。
また,ドロスによる侵食発生への影響を排除するため,深度測定対象エリアを,浸せき(漬)深さ65
mm70 mmを前提として,試験片の下端から50 mmとしている。
最侵食深さの推定の必要がある場合は,附属書Bに記載する“極値統計解析法”を用いることが望
ましい。
6 試験報告書に記載する事項
試験報告書には,次の事項を記録する。
a) 測定年月日及び時刻
b) 試験装置の製造業者及び装置番号
c) 試験片
1) 材料及び番号
2) 調質
3) 加工(切断,削り出しなど)
4) 表面状態
d) はんだ材料
e) 試験条件
1) 溶融はんだ合金温度
2) 回転速度
f) 侵食の有無及び深さ
g) 侵食状態(侵食状態の詳細及び発生箇所が分かるような写真など)
――――― [JIS C 62739-1 pdf 9] ―――――
8
C 62739-1 : 2015 (IEC 62739-1 : 2013)
附属書A
(規定)
試験装置及び測定装置の仕様
A.1 概要
この附属書は,4.2.1に規定する試験装置及び5.3に規定する測定装置の仕様について規定する。
A.2 試験装置の特性
A.2.1 一般事項
この規格で用いる試験装置は,ポット部,回転部及び制御部で構成し,それぞれの構成は,A.2.2A.2.4
の特性をもっていなければならない。
A.2.2 ポット部
ポット部は,次の要件を満すものとする。
a) はんだ槽は,試験片が回転できるように,はんだ合金の質量が5 kg以上の容量をもっていることが望
ましい。
b) ポットの大きさは,4.4に規定する回転半径に影響しないもので,かつ,浸せき(漬)深さに対応でき
る。
c) ポットの材質は,鋼材を用いる場合,侵食が発生し難い表面処理などを施したものを用いることが望
ましい。表面処理などの種類及び方法は,特に規定しない。
d) ヒータは,溶融はんだ合金を400 ℃まで溶融できる能力をもつことが望ましい。
e) 溶融はんだ合金に浸せき(漬)するヒータを用いる場合は,侵食し難い表面処理などを施したものが
望ましい。
A.2.3 回転部
回転部は,次の要件を満すものとする。
a) 回転部は,試験片を回転させるモータをもっている。
b) 回転モータの軸は,試験片を固定する回転ブロックをもっている。
c) 回転ブロックに固定した試験片は,4.4に規定する浸せき(漬)深さで回転できる。
A.2.4 制御部
制御部は,次の要件を満すものとする。
a) 温度センサを用いて温度調節器などでヒータの制御を行い,溶融はんだ合金の温度を350 ℃±3 ℃に
維持できる機能をもっている。
b) 温度センサを4.4に規定する浸せき(漬)の深さの位置で用いる場合,温度センサは,表面処理を施
していることが望ましい。
c) モータの回転速度は,4.4に規定する100 r/min±3 r/minで制御できる。
d) 4.4に規定する試験時間は,自動記録できることが望ましい。
e) 安全性を考慮して溶融はんだ温度の過温防止機能などのインターロックを備えていることが望まし
い。
A.2.5 換気機構
換気機構は,その試験装置に,排気ダクトなどで換気する機構を備えていることが望ましい。その理由
――――― [JIS C 62739-1 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS C 62739-1:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62739-1:2013(IDT)
JIS C 62739-1:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 31 : エレクトロニクス > 31.240 : 電子設備の機械的構造
JIS C 62739-1:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ3282:2017
- はんだ―化学成分及び形状