この規格ページの目次
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3.9
定格電流,Ir(rated current,Ir)
温度ヒューズを分類するための電流。
3.10
定格動作温度,Tf(rated functioning temperature,Tf)
温度ヒューズの動作検出のため10 mA以下の電流を通電した状態で,温度ヒューズが動作する温度。
3.11
定格電圧,Ur(rated voltage,Ur)
温度ヒューズを分類するための電圧。
3.12
熱素子(thermal element)
温度ヒューズを構成する一部であって,校正されているある温度で,固相から液相へというように状態
を変化させて温度に応答する金属又は非金属可溶材料。
3.13
温度ヒューズ(thermal-link)
熱素子を内蔵し,設計された温度より高い温度に十分な時間さらされたとき,1回だけ回路を開放する
非復帰形装置。
3.14
過渡過負荷電流,Ip(transient overload current,Ip)
温度ヒューズの特性が劣化することなく,温度ヒューズが耐えられる直流連続パルス。
3.15
形式試験(type test)
生産を代表する一つ又は複数の製品サンプルに基づく適合性試験。
3.16
長期保持温度,Th-100(extended holding temperature,Th-100)
(対応国際規格では,長期保持温度を定義しているが,本文で引用していないため,この用語を定義し
ない。)
3.17
伝導熱エージング試験,CHAT(conductive heat ageing test,CHAT)
機器で用いるための温度ヒューズを評価する試験。
注記1 満足する結果が得られた場合,温度ヒューズには伝導熱エージング試験の負荷が割り当てら
れる。この負荷は,最終製品を評価するときに,最終製品の使用者を考慮したものである。
注記2 伝導熱エージング試験は,附属書Cを参照。
4 一般要求事項
4.1 過度な温度上昇から適切に機器を保護するためには,温度ヒューズの特性だけでなく,温度ヒュー
ズをどのように機器に取り付けるかも非常に重要である。したがって,良好な技術的方法に加えて,附属
書Aに規定する使用ガイドラインも考慮しなければならない。
4.2 温度ヒューズは,十分な電気的及び機械的強度をもち,温度ヒューズをこの規格の要求事項の範囲
内で用いる場合,取付け及び使用中に発生する全ての取付条件に耐えられるように構成されていなければ
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ならない。
4.3 温度ヒューズが動作した場合,アーク及び炎が持続してはならない。また,周囲に悪影響を与えた
り,又は感電若しくは火災を引き起こす物質の放出があってはならない。さらに,危険を及ぼす物質(気
体,液体,粉じん,噴霧,蒸気など)を放出してはならない。
溶片又は可溶線を用いている温度ヒューズは,機器の絶縁システムが害される危険を避けるため,短絡
又は沿面距離及び空間距離の橋絡を防止するよう留意する。
動作後の温度ヒューズは,最高温度限度以下の温度にさらされたとき,感電,絶縁破壊などによって機
器の安全性が損なわれることがあってはならない。温度ヒューズは,動作後には再導通してはならない。
4.4 温度ヒューズパッケージ組立品の要求事項は,附属書Hによる。
5 試験についての留意事項
5.1 試験条件は,5.1.15.1.3による。
5.1.1 特に規定がない限り,恒温恒湿槽及び/又は試験オーブンの中で行う必要のない試験は,次の周囲
条件の下で実施する。
− 温度 : 15 ℃35 ℃
− 相対湿度 : 25 %75 %
− 気圧 : 8.6×104 Pa1.06×105 Pa
試験を実施するとき及び試験期間中,周囲条件を規定の範囲内で制御してもよい。規定する周囲条件は,
試験を実施しないときに試験室内で維持する必要はない。
5.1.2 5.1.1に規定する周囲条件の変化が,試験結果に影響する場合,試験中,これらの条件を実質的に
一定に維持する。
5.1.3 5.1.1に規定する周囲温度範囲が,試験結果に影響するとき,疑義がある場合は,これらの試験を
23 ℃±1 ℃の温度で繰り返す。
5.2 周囲温度は,全ての試験報告書に明記する。相対湿度又は気圧に関して5.1.1に規定する周囲条件が
試験中に満たされない場合,その影響に関する指摘を試験報告書に追加記載する。
5.3 サンプルの姿勢及び取付方法が,試験結果に影響する場合,関連する試験にとって最も不利な条件
を選択し,その旨を記録する。
5.4 温度ヒューズが,特殊な機器用に設計されており,また,独立して試験することができない場合,
その機器,又はその機器の該当部分若しくはその類似品とともに試験を行う。
5.5 同形シリーズの温度ヒューズを試験する場合,定格動作温度Tfの最低値及び最高値をもつ温度ヒュ
ーズに対して,全ての試験を行う。それらの中間の定格動作温度Tfの温度ヒューズに対しては,10.3及び
11.311.5の試験だけ行う。
5.6 サンプル数は,5.6.15.6.3による。
5.6.1 必要なサンプルの総数は,48個とする。48個のサンプルのうち15個は,再試験用スペアとして保
管する。残り33個は,AKまでの英字を付けたグループに分割する。各グループは,3個のサンプルか
らなる。試験は,表1に記載するとおりに実施し,必要がある場合,表示に関する試験(箇条7参照)の
ように試験を繰り返す。表1に従って,追加のサンプルが必要になることがある。
オプション試験では,該当する附属書に従って,追加サンプルが必要である。
5.6.2 関連する箇条に従って行われた試験において,一つの不適合が記録された場合は,不適合の原因を
特定して,是正処置を講じる。不適合分析報告及び是正処置に基づいて,是正した3個のサンプルを,最
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低限,2倍の数で試験手順を繰り返さなければならず,再試験において新たな不適合は許容しない。
是正措置が必要でない場合は,2倍のサンプル数で試験を繰り返してもよい。
5.6.3 温度ヒューズパッケージ組立品の要求事項は,附属書Hによる。
5.7 附属書Cによる伝導熱エージング試験は,製造業者が指定した場合に適用する。
温度ヒューズに接点がない構造の場合,伝導熱エージング試験は省略できる。
注記 米国では,伝導熱エージング試験を行う必要がある。
表1−試験手順
箇条 試験 サンプルグループ
A B C D E F G H I J K
7 a) 表示(摩擦試験) × × − − − − − − − − −
7 a) 表示(目視検査だけ) × × − − − − − − − − −
9 構造要求事項
9.2.2 a)張力 × − − − − − − − − − −
9.2.3 a)押込み力 − × − − − − − − − − −
9.2.4 a)折曲げねじり力 − − × − − − − − − − −
9.6 a) 耐トラッキング性 − − − − − − − − − − ×
9.7 a) 沿面距離及び空間距離 − − − − − × × − − − −
9.8 温度湿度サイクル処理 × × × − − × × − − − −
10 電気的要求事項
10.1 耐電圧(該当する場合) × × × − − × × − − − −
10.2 絶縁抵抗(該当する場合) × × × − − × × − − − −
10.3 遮断電流 − − − − − × × − − − −
10.4 過渡過負荷電流 × × − − − − − × − − −
11 温度試験
11.2 Thの確認 − − − − − − − − − − ×
11.3 Tfの確認 × − × − − − − − − − −
11.4 Tmの確認に続く耐電圧試験及び絶縁− − × × − − − − − − −
抵抗試験
11.5 エージング − × − − × − − × × × −
ステップ1(任意) 21日間
ステップ2(必須) 21日間
ステップ3(必須) 14日間
ステップ4(必須) 7日間
ステップ5(必須) 7日間
ステップ6(必須) 24時間
10.1 耐電圧 × × − − × × × × × × −
10.2 絶縁抵抗 × × − − × × × × × × −
12 耐さび性
12 a) 耐さび性(鉄製部分だけ) × × × − − − − − − − −
10.3.2.4,10.3.2.6及び10.3.2.7の電圧,電力及び電流条件が一つの試験で網羅できない場合,各条件について,3
個以上のサンプルで試験する。
注a) 温度ヒューズが同形シリーズの場合,中間の定格動作温度に関する試験を省略してもよい。
6 分類
6.1 電気的条件
電気的条件に関する分類は,次による。
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a) 電圧
1) 交流
2) 直流
b) 電流
1) 抵抗負荷
2) 誘導負荷
c) モータ負荷
d) パイロット負荷
e) 放電ランプ負荷
f) 特殊負荷
6.2 熱条件
熱条件に関する分類は,次の記号による。
a) 定格動作温度 : Tf
b) 保持温度 : Th
c) 最高温度限度 : Tm
d) 伝導熱エージング試験 : CHAT
e) −
6.3 耐トラッキング性
耐トラッキング性に関する分類は,次による。
a) 保証トラッキング指数 : 175249
b) 保証トラッキング指数 : 250以上
注記 これらの分類は,JIS C 2134:2007で規定された表面トラッキングの試験方法に基づいている。
7 表示
7.1 各温度ヒューズには,次の事項を表示しなければならない。
a) タイプ名,カタログ番号又は参照番号
b) 製造業者名又は商標
c) 定格動作温度Tf及び摂氏温度。定格動作温度Tfと摂氏温度とは,続けて表示する。記号“Tf”は省略
してもよく,温度の単位は“℃”又は“C”を用いる。
d) 製造日又は10年間以上は繰り返さない製造日を特定する日付コード及び製造工場の場所又は工場識
別コード
工場が1か所しかない場合は,d)の製造工場の場所又は工場識別コードを省略してもよい。
カタログ番号又は参照番号は,温度ヒューズの分類とともに,温度,電流,電圧などのパラメータを定
義しなければならない。
7.2 7.1 c)の定格動作温度Tfの表示は,定格動作温度ごとに異なるタイプ名又はカタログ番号が設定され
ている場合には省略してもよい。
7.3 表示は,耐久性があって,判読しやすいものでなければならない。
表示の耐久性に対する適否は,図G.1に示す機器を用いて,附属書Gによる試験又は同等の手による試
験によって判定する。判読のしやすさは,目視検査によって判定する。さらに,11.5のエージング試験終
了後,適否は,目視検査によって判定する。
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注記 “同等の手による試験”とは,例えば,水に浸した布片で15秒間表示を軽く摩擦する試験であ
る。
7.4 7.1のa) d)の表示内容は,この規格番号と一緒に,包装容器(こん包)にも表示しなければならな
い。
7.5 温度ヒューズの寸法が小さく,交換することがない場合,包装容器(こん包)に,7.1のb) d)及び
この規格番号を追加して表示すれば,温度ヒューズには表示しなくてもよい。
適否は,目視検査によって判定する。
8 添付説明書
製造業者は,箇条7で規定する表示内容に加えて,技術文書,カタログ,取扱説明書などに,次の内容
を記載しなければならない。
a) 箇条6に基づく分類
b) 各分類には,次の内容
1) 温度特性 : 定格動作温度Tf,保持温度Th及び最高温度限度Tm
2) 電流特性 : 定格電流Ir,遮断電流Ib及び過渡過負荷電流(パルス電流)Ip
3) 定格電圧Ur
c) 樹脂への埋め込み,又は含浸液若しくは洗浄溶剤の使用についての適合性
d) 温度ヒューズの機器への取付方法に関する説明
e) 温度ヒューズは寸法が小さく,交換を意図しない場合は,その旨の記述
安全のため,温度ヒューズは,修理できないものであって,交換に当たっては,同一製造業者の同一タ
イプ又はカタログ番号の同等な温度ヒューズを同一方法で取り付けることを文書に明記することが望まし
い。
f) 露出した熱素子をもつ温度ヒューズの場合,金属スクリーンが通電部から12.7 mm離れた距離に位置
する場合を除き,その位置
9 構造要求事項
9.1 一般事項
9.1.1 温度ヒューズは,関連する最終機器の取扱い中,使用中及び故障時に生じる可能性のあるストレス
に耐えられるように,十分な機械的強度及び安定性をもっていなければならない。
9.1.2 タブ端子は,JIS C 2809:2014に従って製造され,タブ端子に用いる材料の最高許容温度は,JIS C
2809:2014の表A.1に規定する値を超えてはならない。
9.1.3 温度ヒューズがさらされる温度領域で十分な寸法安定性があると考えられるセラミックスなどの
材料以外の非金属素材を使用した場合には,その素材を通して,接触圧が通電部分に伝わらないような方
法で通電部分を組み立てなければならない。ただし,非金属素材の収縮及びひずみを相殺する十分な弾力
性が金属部分にある場合を除く。
通電部分は,必要な機械的強度をもち,定格電流Irを通電できなければならず,また,通電部分の材料
は,特定の用途に適した材料でなければならない。
通電部分については,JIS C 9730-1:2019の表13に従って,最高温度限度を考慮しなければならない。
9.1.4 端子を含む絶縁していない通電部を支持面に固定する場合,この通電部が回転して,又は外れて,
9.7に規定する沿面距離及び空間距離を下回るほど間隔が小さくなる危険性があるときは,摩擦抵抗による
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JIS C 6691:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60691:2015(MOD)
- IEC 60691:2015/AMENDMENT 1:2019(MOD)
JIS C 6691:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.120 : 電気付属部品 > 29.120.50 : ヒューズ及びその他過電流保護装備
JIS C 6691:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称