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8.4.2 除去速度 光ファイバから被覆を除去するのに要する力は,被覆除去速度に一部左右される。異な
る試験結果を比較する場合は,同じ被覆除去速度の条件で評価する。試験装置は,光ファイバと被覆除去
工具間の相対運動を個別規格で規定する速度で処理できるように設定する(標準被覆径が250 ァ
イバの推奨値は100mm/分,又は500mm/分である。被覆径がそれより大きい場合の推奨値は100mm/
分である)。
8.4.3 前処理 特に指示がなければ,試料を温度25℃±5℃,相対湿度3060%で最低24時間放置する。
8.4.4 トランスデューサ増幅器の校正 トランスデューサ及びロードセルは,各一連の試験前,又は文書
化されている校正スケジュールの指示どおりに校正する。
8.4.5 試料の装着 試料を装着する前,被覆除去工具の両刃の周辺には前の使用から生じた破片及び/又
はたい積物があってはならない。
試料の一端を試験取付具に固定して装着時に滑らないようにする(例えば,試料を直径80mmのキャプ
スタンの回りに3回巻く。)。他の一端は被覆除去工具を通して光ファイバガイド/支持体から挿入する。
8.4.6 被覆除去
8.4.6.1 試験装置を始動して,光ファイバと被覆除去工具の間に一定の相対運動を与える。
8.4.6.2 試料から被覆を除去するために必要な力を観察して記録する。試験時に光ファイバが破断するデ
ータは除外する。
8.4.6.3 試料から被覆が完全に除去されれば,試験は完了である。
備考 肉眼で見える被覆の残留物は,試料を試験室用ティシュで軽くふけば,簡単に取れなければな
らない。
8.5 結果 各試験ごとに,次のデータを報告する。
− 試験日
− 被覆外径及び被覆材種別を含む試験対象光ファイバの識別記号
− 製造業者及び標準刃ホールサイズを含む使用被覆除去工具種別識別記号
− 被覆除去速度
− 被覆除去長
− 次の内容を含む試験結果
a) 破断のない,又は損傷のない試験対象光ファイバの数
b) 最初のピークを除いた平均被覆除去力に関して,10以上の試料で求めた結果の平均値
c) 試料母集団の標準偏差又は範囲
d) 被覆を完全に除去する前に,破断又は損傷した試験対象光ファイバの数
e) 温度及び相対湿度を含む前処理,及び試験中の環境条件
f) 被覆残留物が8.4.6.3の指示どおり,容易に除去できない場合は,その事実を報告する。
9. 疲労係数の説明
応力疲労係数の決定に関する五つの主要な試験方法を説明する。実際には,動的疲
労と静的疲労の両方の試験を採用する。いずれの試験でも,できるだけ実際の適用事例に近い条件の下で
破断応力と疲労特性を決定するものとする。次の一連の試験方法が利用できる。
a) 引張りによる動的疲労係数測定法(10.)
b) 曲げによる動的疲労係数測定法(11.)
c) 引張りによる静的疲労係数測定法(12.)
d) 曲げによる静的疲労係数測定法(13.)
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e) 均一な巻き付けによる静的疲労係数測定法(14.)
上記すべての試験方法は,一定の環境条件で実施する。製品規格に特に規定されない限り,公称温度値
は2023℃の範囲(公差は試験中±2℃)であり,公称相対湿度値 (RH) は4060%の範囲(公差は試験
中±5%)である。その解釈としては,推奨値により近いことが望ましい。推奨公称値は50%RHである。
また,特に規定されない限り,すべての試料を最低12時間試験環境において前処理する。
信頼性評価に関して,疲労係数(及びスクリーニング強度)を使用することはまだ検討中である。これ
らのパラメータを上記の環境とは異なる使用環境に適用する方法は開発されていない。
上記の試験によって得られる疲労係数nの値は,光ファイバを規定の温度と湿度以上に一定期間放置し
た後では,変化することが観測されている。
これらの方法の使用に関する指針を,附属書Bに示す。
備考 疲労係数の観測値であるnは疲労試験により異なる。測定時間と適用応力レベルにより,その
結果に影響を与えることが観測されている。試験方法を選択するときには注意すること。これ
は,使用者と製造業者の合意による。
静的及び動的疲労試験方法は,その両方の試験を同じ有効測定時間で実施すれば,同等の結果を示す。
動的疲労試験の場合,これは,静的疲労試験の測定時間よりも (n+1) 倍長い測定時間を意味する。
静的疲労試験方法を用いるとき,測定時間を長くして,その結果,適用応力レベルが低ければ,n値が
増大することが観測されている。この規格で与えた静的疲労試験の測定時間範囲は,一般に比較的短い時
間枠で実行される動的疲労試験よりも良好な実際的な状況に近づく。
10. 引張りによる動的疲労係数測定法 (IEC 60793-1-B7A)
10.1 目的 この方法は,指定した一定のひずみ率で光ファイバの動的疲労パラメータを決定するもので
ある。
この方法は,メジアン破断応力が最高指定ひずみ率において3 100MPaよりも大きい光ファイバにだけ
使用する。メジアン破断応力が3 100MPaより小さいファイバの場合,この条件は十分な精度を実証して
いない(10.4.2参照)。
この方法は,ひずみ率を変えることによって光ファイバの疲労特性を評価するものである。この試験は
ひずみ率特性と破断応力が対数的に線形である光ファイバに適用できる。
10.2 装置 この項では,動的破断応力の試験に使用する装置の基本的な要求事項を述べる。これらの要
求事項に合致する構成は多数ある。図8,図9,図10に幾つかの例を示す。
製品規格に規定されていない限り,引張試験試料には500mmのゲージ長を使用する。
10.2.1 試料の保持方法 試料光ファイバを両端で把持し,光ファイバのゲージ長の部分に破断が生じるま
で引っ張る。
把持部での光ファイバ破断は最小限に抑える。
把持部に生じる破損は記録するが,サンプルの一部とはみなさず,以後の計算では使用しない。
キャプスタン(オプションとしてエラストマシースで覆うことがある。)は,光ファイバを把持するため
に使用される(図8)。試験評価の対象ではない光ファイバの部分をキャプスタンの回りに数回巻き,例え
ば,弾性バンドやマスキングテープなどを使って端部を固定する。光ファイバは交差させずに巻く。ゲー
ジ長は,引き延ばす前の把持キャプスタンの軸から軸までの光ファイバ長である。
キャプスタンとプーリの径は,破損させる曲げ応力がキャプスタン上で光ファイバに加わらないように
決定する。代表的な石英系光ファイバの場合,曲げ応力は,光ファイバを図8に示すように巻く際,又は
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プーリを横断する際,175MPaを超えてはならない(125/250 クラッド/一次被覆−石英系光ファイバ
の場合,最小キャプスタン径は50mmである。)。キャプスタン表面は,光ファイバが完全に張力負荷され
ているとき,食い込まないような十分な堅さをもたせる。この状態は予備試験によって決定する。
10.2.2 光ファイバへの応力印加 光ファイバが破損するまで,一定のひずみ率速度で引き伸ばす。伸び速
度はゲージ長に対して,%/分として表現する。次にこの例を二つ示す。
a) 把持キャプスタンの一方又は両方を一定の速度で動かすことによって,キャプスタン間の間隔を大き
くする。この場合,開始間隔はゲージ長と同じとする(図8)。
b) 把持キャプスタンの一方又は両方を回転させて試料ファイバを巻き取る(図9及び図10参照)。
ひずみ速度は二つのキャプスタン間の長さの変化であり,単位は時間で割った%である。方法b)を使用
する場合,キャプスタン上の光ファイバを巻くとき,交差しないように注意する。
複数の光ファイバを同時に評価する場合,破断時における衝撃が他の試料光ファイバに損傷を与えない
ように,各光ファイバを隣接光ファイバから保護する。
10.2.3 破断応力の測定 各試料光ファイバの試験中及び破断時の引張応力は,荷重セルによって測定する。
その荷重セルは,各破断応力範囲について破断又は最大荷重の0.5% (0.005) 内に校正されているものとす
る。荷重セルは,光ファイバに荷重を加えて評価するときと同じような方向で校正する。方法b)の場合,
ひもと校正用おもりの付いている荷重セルで校正する際には,1個の軽い低摩擦プーリ(又は複数のプー
リ)を非回転キャプスタン(図9参照),又は回転キャプスタン(図10参照)の代わりに使用する。ひも
はその一端を荷重測定装置(又はそのキャプスタン)に接続し,実際の光ファイバ方向と同じにし,その
厚さ又は径は試料光ファイバの厚さ又は径と同等とする。荷重セルの校正には,代表的な破断又は最大荷
重を含む最低三つの校正用おもりを推奨する(最大より50%少ない,最大,最大より50%多いもの3種類)。
破断時における最大引張荷重を,例えば,ストリップチャートレコーダなどによって記録する。応答時
間は実際の1%以内で破断応力を記録するのに十分なものとする。
備考 プーリからの摩擦効果により,水平に取り付けた回転キャプスタンテスターの荷重セルの校正
に大幅な誤差が生じることがある。
10.2.4 ひずみ速度の設定 速度制御装置の設定は,規定ひずみ速度を満たすために試行によって決定する。
ひずみ速度は単位時間当たりのゲージ長の変化%として表現する。製品規格に規定されない限り,最大ひ
ずみ速度は100%/分以下とする。実際の最大ひずみ速度は,装置の注意事項,サンプルの材料特性など
試験方法の形態を考慮して選択する。
三つのひずみ速度を使用し,各ひずみ速度は最大値からほぼ10の累乗で順次減らす。
荷重を減らすとともに,より速いひずみ速度を使って試験期間を最小限にすることが可能である。例え
ば,0.025%/分のひずみ速度を指定する場合,破断応力の範囲を設定するために,次の最も速いひずみ速
度(0.25%/分)で一部の試料を評価する。そして,初期試行試料より得られた最低の破断応力の80%以
下のレベルまで,最も速いひずみ速度で荷重を加える。
10.2.5 応力負荷速度の特性 応力負荷速度は光ファイバタイプ,装置,破断応力,光ファイバのすべり,
ひずみ速度によって変動する。次の式によって,疲労計算で使用する各ひずみ速度によって応力負荷速度
( σa ‰ 算する。
2.0 f
a= (1)
t( f) 8.0( )
f
ここに, 替 破断応力
t( 破断までの時間
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t (0.8× 破断応力の80%における時間
この勧告は検討中である。
図8 平行引張り試験の概略図
図9 回転引張り試験の概略図
図10 回転引張り試験の概略図
10.3 被測定試料
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10.3.1 試料数 試験結果は変動しやすいため,各ひずみ速度について最低15の試料を試験し,各ひずみ
速度について最も低い破断応力データポイントを除く。又は,対数 σa き推定値標準誤差
(SEE) が0.001 7以上であれば(10.5.3に説明されている。),各ひずみ速度について最低30の試料を評価
し,各ひずみ速度について最も低い二つの破断応力データポイントを除く。
10.3.2 試料数(オプション) 附属書AのA.1に説明されているように,動的疲労係数 (nd) の推定値に
関して信頼区間が判明している一部の適用事例には,試料を追加しなければならないことがある。予想さ
れる動的ワイブル傾き (md) によって決まる各種試料サイズについては,表A.1を参照すること。附属書
AのA.2に示すアルゴリズムの適切な使用方法は,同一の試料サイズが各ひずみ速度に指定されている試
験に限定されている。
10.4 手順 この手順は,所定のひずみ速度で評価する試料セットに加わる光ファイバ破断応力を求める
方法を述べる。母集団統計の計算を10.5に示す。
10.4.1 ゲージ長を設定し,記録する(10.2.2参照)。
10.4.2 ひずみ速度を設定し,記録する(10.2.4参照)。
10.4.3 方法a)を使用する場合,把持キャプスタンをゲージ長に合わせる。
10.4.4 試験試料を一度に一端ずつ把持キャプスタンに固定する。光ファイバの接線ポイントは荷重校正の
場合と同じ位置にある。光ファイバが交差せずにキャプスタンの周りに少なくとも必要巻数巻けるように
各試料を誘導する。
10.4.5 荷重記録計器をリセットする。
10.4.6 モータを始動させて光ファイバに応力を加える。光ファイバが破損するまで,応力対時間を記録す
る。
10.4.7 試料セット内のすべての光ファイバについて,ステップ10.4.3から10.4.6を繰り返す。
10.4.8 各破断について光ファイバ破断応力 ( ‰ 10.5.1の式を使用して計算する。
10.4.9 10.5.3の使用の有無のため,10.2.5によって応力負荷速度 ( 愀 ‰ 算する。
10.4.10 10.5.2の式を使用して,必要な母集団統計計算を行う。
10.5 計算
10.5.1 破断応力 被覆径が250 プラスチック被覆)の一般的な125 ァイバのように被覆の
影響を無視できる(5%未満)とき,破断応力 ( ‰ 湟 算できる。
T
f (2)
Ag
ここに, T : 破断時において複合試料が受ける力(引張り)
Ag : 光ファイバ公称断面積
被覆の影響が重要であるときは,より完全な方法として附属書AのA.3がある。
10.5.2 所定のひずみ速度における破断応力 母集団を特性化するワイブルプロットを作成するには,次の
ステップが必要である。
a) 破断応力を最小から最大まで分類する。各応力にランク (k) を割り当てる。ランクは1番目が最も弱
く,2番目が次に弱くなどの順番である。幾つかの破損の破断応力が同じであっても各破損には異な
るランクを割り当てる。
b) 各破損について,故障の累積確率 (Fk) を計算する。
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JIS C 6821:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60793-1-3:1995(MOD)
JIS C 6821:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.01 : 光ファイバシステム一般