JIS C 6821:1999 光ファイバ機械特性試験方法 | ページ 5

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図14 動的疲労のデータ構成

12. 引張りによる静的疲労係数測定法 (IEC 60793-1-B7C)

12.1 目的 この試験は,引張り状態における個々の光ファイバ長の静的疲労係数を決定するものである。
この方法は,印加応力レベルを変えることによって光ファイバの静的疲労特性を評価する。
12.2 装置 試験装置の概略図を図15に示す。各構成とも応力を光ファイバに加えて破断に至る時間を監
視する手段である。特に製品規格に規定されない限り,ゲージ長,すなわち,キャプスタン相互間の距離
は500mmとする。
12.2.1 試料の両端末の把持方法 10.2.1を参照すること。
12.2.2 光ファイバへの応力印加 応力は既知のおもりを一方のキャプスタンにつるすことによって印加
する(図15参照)。幾つかの試料を所定の公称応力レベルで評価する。所定の公称レベルに対する実際の
応力レベルの範囲が,測定の品質に影響する。簡単なメジアン計算法の場合,所定の公称値に対する応力
レベル範囲はその公称値の±0.5%以内とする。相同法 (homologous method) の場合と最ゆう(尤)推定法
(MLE : maximum likelihood estimate) の場合,各試料の個別応力レベルを計算で使用するために記録する。
10.5.2を参照すること。
12.2.3 破断時間の測定 この試験方法の要求事項に合致する破断に至る時間を監視する手法は多数ある。
破断に至る時間を監視する一つの方法は,応力を光ファイバに印加するために使用するつり下げ用おもり
の下にタイマーを設定することである。
12.3 被測定試料
12.3.1 各水準(公称応力)レベルごとの試料数 特に製品規格に規定されていない限り,各公称応力レベ
ルごとの試料数は少なくとも15とする。
12.4 手順 最低五つの異なる公称印加応力レベル ( 愀 ‰ 問 する。この公称応力は,破断に至るメジア
ン時間が対数目盛り上で,約1時間から約30日の範囲でほぼ等しい距離となるように選択する。標準石英
系光ファイバについてこれを達成するために必要な荷重は30Nから50Nの範囲内である。
破断に至る時間は光ファイバの破断応力と疲労係数の両方によって決まるため,印加される実際の公称

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応力レベルとその数は繰り返し決定できる。代わりに,広範囲なレベルを測定の開始時に印加することも
できる。あまりにも早く破断したり,破断までに長時間を要する試験セットからのデータは無視してもよ
い。
前処理が完了したら,光ファイバをユニットに装着する。各光ファイバの破断について破断に至る時間
を監視し,記録する。所定の公称応力レベルについて試料を評価し,メジアン試料が破損したら直ちに試
験を早期に終了する。すなわち,試料の半分以上が破損した場合,計算を行い,すべての残りの試料が破
断になる前に,破断に至るまでのメジアン時間を決定する。各測定ごとに推定値標準誤差 (SEE) を計算し,
報告する。特に製品規格に規定されない限り,推定値標準誤差 (SEE) は1未満とする。
12.5 計算
12.5.1 破断応力 10.5.1を参照すること。
12.5.2 引張りによる静的疲労係数 (ns) 特に規定されない限り,次の方法を使ってnsを決定する。代わ
りに,他の方法,例えば,相同法又は最大推定 (MLE) 法を使ってnsを決定することもできる(附属書A
のA.4を参照)。
12.5.2.1 シンプルメジアン法 この方法にはワイブル傾きの線形性の前提は不要である。すべてのデータ
を使用するわけではないため,他の方法よりも推定値標準誤差 (SEE) は大きくなる。各公称応力レベル
( 椀 ‰ 替 破断に至るメジアン時間 (ti) を決定する。二乗誤差 (squared errors) の和を最小にすること
によってデータを次の一次回帰モデルに合わせる。
−nsln ( 椀 intercept=ln (ti) (12)
nsの推定値標準誤差 (SEE) を最も統計的なパッケージによって報告する。ln ( 椀 ‰ ジアンとln (ti) の
メジアンも報告する。上記方程式のinterceptの値は次のとおりである。
intercept=median [ln (ti) ] +nsmedian [ln ( 椀 (13)
12.6 結果
12.6.1 次のデータを報告する。
− 光ファイバ識別記号
− 試験日
− 引張りによる静的疲労係数 (ns) (他のパラメータは検討中である。)
12.6.2 次のデータは,要求があれば,入手できるものとする。
− 光ファイバ径
− 被覆径(考慮する場合)
− 試験環境
− ゲージ長
− 各公称応力レベルごとの初期試料数及び公称応力レベルの数
− 適用可能な場合,試験前処理時間
− nsの計算法
− ln (ti) とln ( 椀 ‰ ジアン
− 破断応力計算法。A.3の方法を使用する場合,被覆とガラスのヤング率
− 公称応力レベル

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図15 引張りによる静的疲労係数の測定概略図

13. 曲げによる静的疲労係数測定法 (IEC 60793-1-B7D)

13.1 目的 この試験は,曲げにおける光ファイバの静的疲労パラメータを決定するものである。使用中
の光ファイバに加わる応力が曲げによって生じる場合,引張りに優先して曲げ試験を使用する。
13.2 装置
13.2.1 試験装置の概略図を図16に示す。溝のある並列平板とスペーサは熱に対して安定した材料(ステ
ンレススチールなど)で作る(スペーサは平板間に必要なギャップを作るのに使用する。)。並列平板の代
わりに精密ボアガラス管 (precision-bore glass tubes) や精密リーマ加工金属プレート
(precision-reamedmetal plates) を使用してもよい。この場合,管の壁は並列平板と同じ機能を果たす。
13.2.2 光ファイバの破断検出には,音響センサや適切な出力電圧モニタを使用する。光を光ファイバの中
に通し,パワーの急激な下降によって破断を検知する他の方法を使用してもよい。検知装置は1%以上の
精度で破断に至る時間を測定できなければならない。
13.3 被測定試料 試験試料は長さが約30mmから120mmの被覆光ファイバである。ガラス径は±1
で,被覆径は±5 7 しているものとする。特に製品規格に規定されない限り,各公称応力レベル
の試料数は少なくとも15とする。
13.4 手順 最低五つの異なる公称応力レベルで評価する。公称応力は,破断に至るメジアン時間が1時
間から約30日の範囲となるように選択する。
希望する最大応力を光ファイバの曲げの頂点に発生させるために,適切な長さのスペーサを使って曲げ
取付具を組み立てる。印加応力の希望値を発生させるスペーサの長さを計算するには,式(7),(8),(9)を使
用する。精密ボアガラス管や精密リーマ加工金属プレートを使用する場合,式(8)のdgはゼロである。前処
理が完了したら,光ファイバを取付具に装着する。検出器を使って各破断ごとに破断に至る時間を記録す
る。検出器が誤った破断を記録することがなく,真の破断を記録できることを確認する。
13.5 計算
13.5.1 破断応力 11.5.1を参照すること。
13.5.2 曲げによる静的疲労係数 (ns) 12.5.2を参照すること。

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13.6 結果
13.6.1 次のデータを報告する。
− 光ファイバ識別記号
− 試験日
− 曲げによる静的疲労係数 (ns) (他のパラメータは検討中である。)
13.6.2 次のデータは,要求があれば,入手できるものとする。
− 光ファイバ径
− 被覆径
− 試験環境
− 光ファイバのヤング率
− 各公称応力レベルごとの初期試料数及び公称応力レベルの数
− nsの計算法
− 各試験済のひずみ値。12.5.2からのワイブル形状パラメータ (ms)
− nsの推定値標準誤差 (SEE)
− 公称応力レベル
図16 曲げによる静的疲労係数の測定概略図

14. 均一な巻き付けによる静的疲労係数測定法 (IEC 60793-1-B7E)

14.1 目的 この試験は,一定曲げにより個々の光ファイバ長の静的疲労パラメータを決定するものであ
る。この方法は,マンドレル径を変えて光ファイバの静的疲労特性を評価するものである。
14.2 装置 曲げ応力の試験装置は径が異なる精密マンドレルから成る。光ファイバをマンドレルの周り
に巻くことによって,光ファイバに曲げ応力を加える(図17参照)。
14.2.1 試料の把持方法 試料光ファイバは,その両端で把持する。光ファイバは,例えば,ゴム輪,接着
剤,テープなどでマンドレルの両端に固定できる。保持は光ファイバが破断の前にすべらないようにし,
保持側での光ファイバの破断を最小限に抑える。保持側で生じる破壊を記録するが,サンプルの一部とは
みなさず,以後の計算で使用することはない。

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試料光ファイバをマンドレルに巻き付ける巻付け機構が必要である。光ファイバは最小ピッチで巻き付
ける。巻付け中に不必要な引張応力が生じないよう注意する。光ファイバがその全体の長さにわたりマン
ドレルに接触するように十分な巻付け力,例えば,0.25Nが必要である。
14.2.2 光ファイバへの応力印加 応力レベルは,マンドレルサイズの適正な選択によって,変えることが
できる。幾つかの試料を所定の公称応力レベルで評価する。簡単なメジアン計算法の場合,所定の応力レ
ベルに関するマンドレル径の範囲は公称値の±0.5%以内とする。相同法の場合と最ゆう(尤)推定法 (MLE)
の場合,各試料の個別応力レベルを計算で使用するために記録しておく。
14.2.3 破断に至る時間の測定 上記の要求事項に合致する破断に至る時間のモニター法は多数ある。その
一つの方法は,音響的な検出器やトランスジューサを使って光ファイバの破断を検知し,破断時にコンピ
ュータに信号を送ることである。また,別の方法としてはマンドレルを特殊ホルダに収めておく方法があ
る。光ファイバが破断すると,マンドレルはホルダから押し出される。さらに,光ファイバを通過する伝
送光を光学的に検出する方法もある。
14.3 試験サンプル 特に製品規格に規定されない限り,各公称応力レベルの試料数は少なくとも15とす
る。特に製品規格に規定されない限り,個々の試験の光ファイバ長は1mとする。ガラス径は±1 柿
被覆径は±5 7 しているものとする。
14.4 手順 最低五つの異なる公称応力レベルで評価する。これらの公称応力は,破断に至るメジアン時
間が約1時間から約30日の範囲にあるように選択する。
14.5 計算
14.5.1 破断応力 各光ファイバの破断応力は,次の式から算出する。
替 E0・ 攀替攀 1+0.5・ 攀
f
df

(pdf 一覧ページ番号 )

                             D  dc
0.75・ 愀 (16)
ここに, 替 破断応力 (GPa)
E0 : ヤング率 (72GPa)
攀替 破断ひずみ
懿 非線形応力/ひずみ特性の修正パラメータ( 湎 表的な値は6
である。)
df : 光ファイバ径 (
D : マンドレル径 (
dc : 被覆を含む全体の光ファイバ径 (
14.5.2 巻付けによる静的疲労係数 (ns) 12.5.2を参照のこと。
14.6 結果
14.6.1 次のデータを報告する。
− 光ファイバ識別記号
− 試験日
− 巻付けによる静的疲労係数 (ns) (他のパラメータは検討中である。)
14.6.2 次のデータは,要求があれば入手できるものとする。
− 光ファイバ径
− 被覆径

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JIS C 6821:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60793-1-3:1995(MOD)

JIS C 6821:1999の国際規格 ICS 分類一覧