この規格ページの目次
29
E 2501-1 : 2010
附属書B
(規定)
屋内装置の環境条件
B.1 一般
運転時の標準と考えられる環境条件のほか,指定される地理的又は設置上の条件においてよくみられる
特殊条件について規定する。
ここに規定する条件は,この規格に関する装置の大部分を代表する屋内装置に適用する。屋内条件には
汚損がない,非導電性のほこりがある,過大な湿度及び結露がなく十分に保護されるといった特徴がある。
なお,購入者が指定しなければならない屋外条件における電圧レベル及び空間距離についても規定する。
いずれにしても,屋外用負荷開閉器及び屋外用接地開閉器についてはIEC 60913(屋外に設置する避雷器
及び電圧リミッタについては,IEC 60913が適用される線路の設備を除く。),IEC 60099-1及びIEC 60099-4
を参照する。
B.2 気圧及び標高
装置は,標高が海抜1 000 m以下の場所に設置されるものとする。
より標高の高い場所に設置する場合,低地の試験所で実施する温度上昇試験及び耐圧試験においては,
受渡当事者間で取り決めた温度上昇値及び耐電圧試験値の補正を考慮しなければならない。
B.3 温度
屋内装置は,次の周囲温度に適合しなければならない。
Θmin 動作中の最低周囲温度 −5 ℃
Θts 輸送及び保管中の最低周囲温度 −25 ℃
Θmxts 輸送及び保管中の最高周囲温度 55 ℃
Θd 日平均の最高周囲温度 35 ℃
Θa 絶対最高周囲温度 40 ℃
前記と異なる条件は,すべて受渡当事者間で取り決めなければならない。
B.4 大気条件
屋内では,空気は清浄であるとする。相対湿度の範囲は,4585 %とする。ただし,盤内部は,高湿度
になることもあり得るが,結露は,通常発生しないものとする。
異なる状況が発生しやすい場合,そのような屋内設備の特殊状況について供給者に注意を促さなければ
ならない。
始動時に湿度が100 %になることがある。これは指定が必要な特殊動作であり,故障又は誤動作を防止
するための適切な措置について,受渡当事者間で取り決めなければならない。
屋外では,低導電性のほこりがた(溜)まることが予想される。また,雨,雪,氷及び霧による湿度も
予想される。
――――― [JIS E 2501-1 pdf 31] ―――――
30
E 2501-1 : 2010
B.5 換気
装置を設置する空間の換気は,周囲温度をB.3に規定する限度値以下に保つものでなければならない。
B.6 汚染
周囲の空気のじんあい,煙,腐食性又は可燃性の気体・蒸気,塩分による汚染は,無視できる程度とす
る。
注記 本体の表1に規定する空間距離の数値においては,適度の汚損を考慮している。
前記の規定から逸脱する場合は,すべて指定しなければならない。空間距離及び沿面距離については,
受渡当事者間で取り決めなければならない。
B.7 振動
列車振動に対する耐久性が要求される場合,装置は,列車通過時の主要な振動を減衰させるように設計
された,線路近傍の基礎上に設置可能なものとする。ただし,限定的な振動が装置に影響を及ぼす可能性
があり,表B.1に規定する特性をもつ10 Hzの正弦波振動を個々に加えた場合でも,十分に動作可能でな
ければならない。
表B.1−正弦波振動の限度
方向 最大加速度 標準継続時間
垂直 5 m/s2 30秒間
水平 5 m/s2 30秒間
地震に対する耐久性(耐震性)が要求される場合,装置の架台下端に水平加速度2.94 m/s2(0.3 g),共
振周波数の正弦波3波を突印したときの加圧力に対して,がいしなどの破損を起こさないように,本体及
び架台は十分な強度がなければならない。ただし,機器の固有振動数が0.5 Hz未満又は10 Hz超過の場合
は,0.5 Hz又は10 Hzの正弦波とする。
列車振動及び地震に対する耐久性の検証試験は,他に取決めがない限り,調査試験として実施する。
前記と異なる条件はすべて指定しなければならない。
B.8 火災危険区域
危険度合いによる等級の要求事項は,次による。
− F0 特に火災の危険性は想定されていない。装置の設計に固有の特性を除き,可燃性を制限するため
の特別な対策は考慮しない。これは標準条件である。
− F1 火災の危険性がある装置であり,可燃性の制限が必要である。他に定めがない限り,受渡当事者
間で取り決めた規定時間内に自己消火しなければならない(エネルギー消費が無視できるような
わずかな燃焼は許容する)。有毒物質及び不透明な煙の発生は最小限にしなければならない。燃焼
する原材料及びその生成物は実質上ハロゲンを含んではならない。また,外部火災を助長するよ
うな熱エネルギー量を制限しなければならない。これは特殊条件である。
− F2 特別な対策によって,装置が外部火災にさらされた場合でも規定の時間は動作が可能でなければ
ならない。また,前記のF1等級の要求事項にも適合しなければならない。これは特殊条件であ
る。
――――― [JIS E 2501-1 pdf 32] ―――――
31
E 2501-1 : 2010
附属書C
(規定)
直流遮断器及び開閉器に関する臨界電流の調査方法
C.1 一般
気中遮断器に関する臨界電流とは,アーク時間が最長となる小電流をいう。これは,アーク電流によっ
て発生する磁場が弱く,アークシュート内において発生点から消滅点までのアークの動きが遅くなること
による。
C.2 一方向遮断器及び開閉器
この要求事項は,一方向だけの電流遮断が必要な開閉機器に適用する。種類U1及びU2のき電用遮断器
(L)に適用される。
開路試験は,定格電圧(UNe)及び0.01秒以上の回路時定数において,次に規定する電流で行わなけれ
ばならない。
25 A,50 A,100 A,200 A及び400 A
回路の負荷インダクタンスが50 mH以上であれば,時定数を小さくしてもよい。受渡当事者間の取決め
によって,50 mH未満のインダクタンスを用いてもよい。
最小値から開始し,各電流値において10回の開路動作が必要である。
試験開始前において,アークシュートには残留磁気がないことが望ましい。
電流の正確な値は重要ではなく,各試験電流値が一つ前の試験のおよそ2倍であればよい。
アーク時間は,各電流値においてばらつきが大きいと考えられる。
電流に対するアーク時間の分布を図示するために,結果をグラフにプロットすることが望ましい。試験
電流の範囲内に,ある程度の幅をもつ臨界電流の存在が示される場合がある。その場合,試験電流範囲の
最大値及び最小値におけるアーク時間が,臨界時のアーク時間より短いことを示さなければならない。臨
界電流が存在すると思われる場合,1/2又は2倍の係数を用いて試験電流範囲を拡大することが必要にな
る場合がある。
C.3 両方向遮断器及び開閉器
この要求事項は,常時,両方向電流の遮断が必要な開閉機器に適用する。
最初に臨界電流を確定するため,一方向開閉機器として開路試験を行わなければならない。
遮断器の場合は,ある方向の残留磁気をアークシュート内に生成するため,1 000 Aを超える電流を遮断
する。遮断能力がある負荷開閉器の場合は,1 000 Aを超える電流,又は定格遮断電流が1 000 A未満の場
合はその電流を遮断する。
次に,先の大電流とは逆方向の臨界電流において,開路動作を行わなければならない。
5回の開路動作を実施した後,全体の手順を繰り返す。これによって,10回の遮断の間,アークシュー
トを確実に小電流遮断と逆方向に磁化しておく。
さらに,試験電流値を1/2及び2倍にして同様に各10回の開路動作を行う。その結果,アーク時間が長
くなる場合は,アーク時間が短くなることが示されるまで,更に試験を重ねなければならない。そのつど,
試験電流値を1/2又は2倍にしなければならない。
――――― [JIS E 2501-1 pdf 33] ―――――
32
E 2501-1 : 2010
逆方向の残留磁気が及ぼす悪影響によって,アーク時間が一方向時より長くなることがある。
また,臨界電流より小さい電流では残留磁気を除去する効果が弱く,アーク時間が長くなることがある。
参考文献
JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
注記 対応国際規格 : IEC 60529:2001,Degrees of protection provided by enclosures (IP Code) (IDT)
JIS E 2001 電車線路用語
注記 対応国際規格 : IEC 60913,Electric traction overhead lines (MOD)
IEC 60050-441:1984,International Electrotechnical Vocabulary (IEV)−Chapter 441:Switchgear,controlgear and
fuses
IEC 60050-811:1991,International Electrotechnical Vocabulary (IEV)−Chapter 811: Electric traction
IEC 60060-1:1989,High-voltage test techniques−Part 1: General definitions and test requirements
IEC 60099-1,Surge arresters−Part 1: Non-linear resistor type gapped surge arresters for a.c systems
IEC 60099-4,Surge arresters−Part 4: Metal-oxide surge arresters without gaps for a.c. systems
IEC 60507,Artificial pollution tests on high-voltage insulators to be used on a.c. systems
――――― [JIS E 2501-1 pdf 34] ―――――
E2
33
附属書JA
501
(参考)
-
1 : 2
JISと対応する国際規格との対比表
010
IEC 61992-1:2006,Railway applications−Fixed installations−DC switchgear−Part 1:
JIS E 2501-1:2010 鉄道用地上設備−直流開閉装置及び制御装置−第1部 : 通則
General
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差異
国際規格 ごとの評価及びその内容 の理由及び今後の対策
番号
箇条番号及 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
び名称 の評価
1適用範囲 1 一致
2引用規格 2
3用語及び 用語及び定義 3 JISにほぼ同じ 削除 JISにする部分(第1部,第2 技術的な差異はない。
定義 部)と関連性の薄い用語を削除
した。これに伴い,箇条番号を
一部修正した。
追加 3.4.3直流真空遮断器及び3.5試
験に関する用語を追加した。
4使用条件 4 JISにほぼ同じ
4.2 絶縁階 定格電圧,試験電 4.2 選択 従来の国内規格の規定値を追 従来の国内規格との整合のため。国
級 圧値などを規定 加し,選択可能とした。 内の既製品は公称電圧と定格電圧
が等しい場合が多く,公称電圧より
高い定格電圧に基づいて試験を行
うと,問題が生じる可能性がある。
また,インパルス耐電圧の試験値に
ついては従来の国内規格の方が厳
しく,これをクリアしないと問題が
生じる可能性がある。
E2
WTO/TBT例外事項。
501
4.2.2 情報 取り交わすべき情 4.2.2 JISに同じ 追加 定格絶縁電圧及びインパルス −
-
1 : 2
報を規定 耐電圧については,該当する場
合とした。
01
3
0
3
――――― [JIS E 2501-1 pdf 35] ―――――
次のページ PDF 36
JIS E 2501-1:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61992-1:2006(MOD)
JIS E 2501-1:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.130 : 開閉装置及び制御装置 > 29.130.01 : 開閉装置及び制御装置一般
JIS E 2501-1:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC4003:2010
- 電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
- JISC8269-1:2016
- 低電圧ヒューズ―第1部:通則
- JISE2501-2:2010
- 鉄道用地上設備―直流開閉装置及び制御装置―第2部:直流遮断器