JIS F 8063:2006 船用電気設備―第202部:システム設計―保護 | ページ 3

                                                           F 8063 : 2006 (IEC 60092-202 : 1994)

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    大容量発電機及びすべての高圧発電機には,遮断器の発電機側における事故に対する保護を設けなけ
ればならない。
備考1. 発電機に関連する保護装置は,回転数が相当低下したときでもそれが有効であるように考慮
する。
2. 発電機の過負荷保護装置の選定には,過負荷保護装置の動作後直ちに電力の回復ができるよ
う考慮する。
8.2.2 発電機側の短絡に対する保護 並行運転をしようとする発電機の場合には,発電機とその遮断器と
の間に短絡が発生したとき,発電機用遮断器によって処理しなければならない事故電流について考慮する
必要がある。
備考 接地すべき系統と同期していない発電機の遮断器を投入する危険性に対しても考慮する。
容量1 500 kVA以上の発電機には,発電機の内部又は発電機とその遮断器との間の給電用ケーブルで短
絡した場合,発電機の励磁を止め,遮断器を開路する適切な保護装置又はシステムを備えなければならな
い。
備考 小容量の発電機についても,例えば,人員,過度に長い給電用ケーブルなどの特別な状況の場
合,類似の保護が必要である。
8.2.3 直流平複巻二線式及び三線式発電機の保護装置 並行運転する直流発電機に対しては,過負荷保護
及び短絡保護に加えて次の保護装置を設けなければならない。
a) 平複巻発電機では,各発電機に対して均圧線スイッチ1個か又は全極同時に遮断する多極遮断器1個。
ただし,均圧線スイッチの場合には,関連の遮断器の接点より先に閉じ,かつ,遅れて開くようにイ
ンタロックする。
b) 三線式では“外側線”に接続される発電機用スイッチ又は遮断器と同時に動作するようにインタロッ
クされた中性線用スイッチ1個。

8.3 重要設備の保護

 負荷に重要設備と非重要設備とがある場合には,いずれの発電機1台が過負荷に
なったときでも非重要設備を自動的に切り離して回転速度が連続して減少しないように考慮しなければな
らない。
この負荷の優先遮断は,発電機の過負荷能力に従って1段以上のステップで行ってよい。

8.4 変圧器の保護

 変圧器の一次巻線は,6. の要求に従って短絡に対して多極遮断器か,又はヒューズ
で保護しなければならない。並行運転するようになっている場合には,断路用リンクを二次側に設けなけ
ればならない。
備考 電力を二次巻線に給電できる場合には,二次側にも短絡保護を考慮する必要がある。

8.5 回路の保護

8.5.1  各配電回路は,6. 及び7. の要求に従って,多極遮断器か,又はヒューズによって過負荷保護及び
短絡保護を行わなければならない。
備考 発電機が並行運転するようになっている系統において,給電中の最小の発電機に対しても保護
装置は有効であるように注意を払う。
8.5.2 公称断面積50 mm2以上の導体の並列ケーブルは,保護の見地からは1条のケーブルとみなしてよ
い。
8.5.3 個々に過負荷保護をもつ機器[例えば,電動機(8.6参照)]又は過負荷とならない機器(例えば,
固定配線の電熱器回路)に給電する回路には,短絡保護だけを備えればよい。

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F 8063 : 2006 (IEC 60092-202 : 1994)

8.6 電動機の保護

8.6.1  0.5 kWを超える定格の電動機は,個々に過負荷保護を備えなければならない。
8.6.2 重要設備用の電動機に対しては,過負荷保護の代わりに警報装置でもよい。操だ(舵)装置用電動
機に対しては過負荷保護の代わりに警報装置としなければならない。
8.6.3 保護装置は,通常の使用状態での通常の電動機加速時間中は電流を流せるように設計しなければな
らない。電動機の過負荷保護装置の時間対電流の特性が電動機の始動時間に対して適切でないときは,加
速時間中過負荷保護装置を動作しないようにしてよい。ただし,短絡保護は作動可能な状態とし,かつ,
過負荷保護の停止は一時的としなければならない。
8.6.4 連続使用の電動機では,保護装置は過負荷状態に対して電動機の十分な熱的保護ができる限時特性
をもつものでなければならない。
8.6.5 保護装置は,最大連続電流を保護された電動機の定格電流の105120 %に制限するように設定さ
れなければならない。
8.6.6 間欠使用の電動機では,保護装置の電流設定及び限時特性(時間の関数として)は,実際の運転状
態を考慮して選定しなければならない。
8.6.7 多相電動機回路の保護にヒューズを使用するときは,単相運転に対する保護を考慮しなければなら
ない。

8.7 照明回路の保護

 各照明回路は,過負荷及び短絡に対して,適切な装置によって保護しなければな
らない。

8.8 陸電接続回路の保護

 船外給電箱から主配電盤までの固定ケーブルは,ヒューズ又は遮断器で保護
しなければならない。どのような場合でも船外給電箱における保護を省略してはならない。

8.9 蓄電池の保護

 機関始動用を除いて,蓄電池は,過負荷及び短絡に対して,できる限り蓄電池の近
くに取り付けた装置によって保護しなければならない。
重要設備に給電する非常用蓄電池は,短絡保護だけとしなければならない。

8.10 計器,表示灯及び制御回路の保護

 表示及び測定装置は,ヒューズ又は限流装置で保護しなければ
ならない。
その他の回路では,電圧調整器回路のように電圧の喪失が重大な結果をもたらすような回路にはヒュー
ズを省略する。ヒューズを省略したときは,その設備の保護されていない部分での火災の危険がないよう
な措置をしなければならない。
ヒューズは,できる限り電源分岐点の近くに取り付けなければならない。

8.11 静止機器の保護

 静止機器には,各セルの保護用及びセル内の内部短絡の影響に対し保護するため
に適切な限流ヒューズを組み込まなければならない。
静止機器を電源に接続する配電回路は,遮断器で保護しなければならない。その遮断器の引外し特性は,
すべての有害な過電流からセルを保護するようにヒューズの溶断特性に協調するような選定をしなければ
ならない。

9. 逆電力及び逆電流保護

9.1 交流発電機の逆電力保護

 並行運転する交流発電機には,限時逆電力保護を設けなければならない。
その保護装置の設定は,タービンに対しては定格出力の26 %の範囲,ディーゼル機関に対しては定
格出力の815 %の範囲にすることを推奨する。
電圧が50 %低下しても逆電力保護は,動作しなければならない。ただし,遮断器を開路するのに必要

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                                                           F 8063 : 2006 (IEC 60092-202 : 1994)

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な逆電力の量は,変化してもよい。
備考 適切に保護できるなら逆電力保護を他の装置に代えてもよい。

9.2 直流発電機の逆電流保護

 他の直流発電機又は蓄電池と並行運転する直流発電機には,瞬時又は短
限時の逆電流保護を設けなければならない。
その保護装置の設定は,タービンに対しては定格出力の26 %の範囲,ディーゼル機関に対しては定
格出力の815 %の範囲にすることを推奨する。
電圧が50 %低下しても逆電流保護は,動作しなければならない。ただし,遮断器を開路するのに必要
な逆電力の量は,変化してもよい。
均圧結線が設けられているとき,逆電流装置は均圧結線の一端に接続し,その端子は直巻複巻巻線が接
続されている端子とは逆側の端子としなければならない。
備考1. 逆電流保護は,船内配電網(例えば,カーゴウインチ)から発生する逆電流状態も有効に処
理するのに適切なものとするのがよい。
2. JIS F 8064(IEC 60092-301)も参照する。

10. 不足電圧保護

10.1 交流及び直流発電機

 他の発電機又は陸電と並行運転する発電機は,発電機が発電していないとき
に発電機用遮断器が閉じることがなく,また,発電機電圧低下のときには,発電機が母線に接続されたま
まにならないための処置をしなければならない。
この目的に不足電圧引外しを設ける場合には,遮断器の投入防止に対しては瞬時に動作するが,遮断器
を引き外すときは選択遮断のための時限を設けなければならない。

10.2 交流及び直流電動機

10.2.1 0.5 kWを超える定格の電動機には,次のいずれかを備えなければならない。
a) 不足電圧保護。電圧低下又は喪失で動作し,電動機を意識的に再始動するまでは,その回路を遮断し
その状態を保つもの。
b) 不足電圧開放。電圧低下又は喪失で動作するが,電圧復活で電動機は自動的に,かつ,過大の始動電
流なしに再始動するもの。ただし,始動器(例えば,サーモスタット,空気圧,油圧の装置で制御さ
れるもの)は再始動に対して必要な接続はしたままであり,また,例えば,過度の電圧降下又は電流
サージを避けるため,必要なときはすべての電動機が同時に再始動しないようにしてあるものとする。
10.2.2 保護装置は,電圧が定格の85 %を超えているときは,電動機が始動できるようにし,また,定格
周波数で電圧が定格の約20 %未満であるときは,必要なら時限を付けて,必ず動作しなければならない。
備考 不足電圧保護は,操だ(舵)装置用電動機及びその他の連続的に運転する電動機には必ずしも
設けなくてもよい。

11. 過電圧保護

11.1 変圧器

 変圧器を通じて給電する低圧系統が,変圧器の高圧系統からの漏れによって充電されない
ように適切な措置をしなければならない。低圧系統の接地は,適切な措置とみなされる。

11.2 交流機

 高圧交流系統では,交流機を保護するため,開閉などによって生じる過電圧を制限及び/
又は対処するように適切な措置をしなければならない。

JIS F 8063:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60092-202:1994(IDT)

JIS F 8063:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS F 8063:2006の関連規格と引用規格一覧