JIS F 8075:2010 船用電気設備―第503部:個別規定―1kVを超え15kV以下の交流配電系統 | ページ 2

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F 8075 : 2010 (IEC 60092-503 : 2007)
表1−1 kVを超え,かつ,15 kV以下の公称電圧をもつ交流3相系統
公称系統電圧a) 公称周波数 装置に対する最大電圧
kV Hz kV
3 50又は60 3.6
3.3 3.6
6 7.2
6.6 7.2
10 12
11 12
15 17.5
注a) 値は相間電圧を示す。

4.2 警告表示

  警告表示は,容易に視認できる次の位置に取り付けなければならない。
− 高電圧室の内部及び入口の両方
− 高電圧装置

4.3 アクセス

  設備の充電部分には接地した遮へい(蔽)板,接地した外被,又は該当公的機関によって承認された絶
縁体を設けなければならない。
運転又は検査を行う予定の充電部分は,危険がなく,容易に運転又は検査できる位置に設置し保護しな
ければならない。

4.4 絶縁階級

  船内の条件によっては,系統の公称電圧に対する絶縁階級よりも高い絶縁階級をもつ装置が必要になる
ことがある(IEC 60071-1及びIEC 60071-2を参照)。この場合は,製造業者と購入者との間に合意がなけ
ればならない。

4.5 空間距離及び沿面距離

4.5.1  空間距離
非接地の非絶縁導体は,互いに他の導電体及び壁,天井,又はそれ自体の保護カバーから少なくとも5 cm
+動作電圧1 kVにつき0.5 cmの空間距離で設置しなければならない。ただし,他の類似規格に従って実
施した電圧試験によって,それよりも小さい空間距離でも絶縁が十分であることが確認された場合は,そ
の限りでない。それ以外の最小空間距離をそれぞれのケースに応じて考慮することができる。
機器の最小空間距離を,表2に示す。
表2−装置の最小空間距離
公称電圧 最小空間距離
V mm
主配電盤 他の装置及び発電機
<1 100 14 a) 14
<3 300 32 26
<6 600 60 50
<11 000 100 80
≦15 000 x b) x b)
注a) 主配電盤内の母線及びその他の裸導電部については25 mmの距離が必要である。
b) 値は当事者間で協議する(製造業者と購入者との合意による。)。

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4.5.2 沿面距離
すべての機器は,適切な沿面距離をもたなければならない。
主配電盤及び発電機に対する最小沿面距離を表3に,その他の装置に対する最小沿面距離を表4に示す。
表3−主配電盤及び発電機に対する最小沿面距離
公称電圧 耐トラッキング指数に対する最小沿面距離
V mm
300 V 375 V 500 V >600 V
<1 100 26 a) 24 a) 22 a) 20 a)
<3 300 63 59 53 48
<6 600 113 108 99 90
<11 000 183 175 162 150
≦15 000 x b) x b) x b) x b)
注a) 主配電盤内の母線及びその他の裸導電部については35 mmの距離が必要。
b) 値は当事者間で協議する(製造業者と購入者との合意による。)。
表4−その他の装置に対する最小沿面距離
公称電圧 耐トラッキング指数に対する最小沿面距離
V mm
300 V 375 V 500 V >600 V
<1 100 18 17 15 14
<3 300 42 41 38 26
<6 600 83 80 75 70
<11 000 146 140 130 120
≦15 000 x a) x a) x a) x a)
注a) 値は当事者間で協議する(製造業者と購入者との合意による。)。

4.6 接地

  接地線は一般に銅製とし,少なくとも35 mm2の面積をもたなければならない。接地導線の電流密度は
起こり得る最大地絡において150 A/mm2を超えてはならない。
開閉装置外部から通電される可能性のある入力並びに出力回路に対するすべての母線及びすべての開閉
装置には,据付形の接地スイッチを設ける。信頼性の高い機械的インターロックを備える場合を除き,据
付形の接地スイッチは,系統電圧で動作するための十分な閉路容量を備えなければならない。
上記以外の位置では,据付形の接地スイッチ,携帯形の接地スイッチ又は該当公的機関によって承認さ
れたその他の適切な接地装置によって,接地及び短絡を実施しなければならない。
変流器及び計器用変圧器の二次側巻線は,接地しなければならない。接地線は銅製とし,4 mm2の最小
断面積をもたなければならない。接地線は,変流器若しくは変圧器の接地された外被又は接地された支持
体に直接接続することができる。
ケーブルが敷設されている場所では,局所的な安全接地が実現できる装置を設けなければならない。

4.7 配電方式

  配電系統は,次による。
− 高インピーダンス中性点接地を備えた3相3線
− 低インピーダンス中性点接地を備えた3相3線

――――― [JIS F 8075 pdf 7] ―――――

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− 中性点直接接地を備えた3相3線
− 中性点絶縁を備えた3相3線
注記1 タンカーについては,JIS F 8074参照。
注記2 中性点絶縁方式の場合,間欠的な地絡の発生時に過渡的な過電圧が発生する可能性がある。
そのため,絶縁強度について特別な検討を行うことが望ましい。
注記3 系統の中性点がインピーダンス(抵抗又はリアクタンス)によって接地される場合,地絡発
生時に誘起される過電圧は,中性点直接接地によって接続されているときよりも大きくなる。
中性点が直接接地されるとき,単相地絡によって生じる可能性がある地絡電流に装置が耐えることを確
認しなければならない。地絡電流の制限手段が備わっている場合,選択性に影響を与えてはならない。
中性点接地接続部には切断手段を取り付ける。ロック装置について考慮しなければならない。
4.7.1 分離系統
接地系統が複数部分に分離している場合,中性点接地のための手段は,それぞれの部分ごとに設けなけ
ればならない。
4.7.2 補助回路
スイッチの動作に補助電源が必要な場合,各配電盤に対して独立した補助電源系統を設けなければなら
ない。補助電源系統は,系統の各遮断器の少なくとも2台の操作が行えるだけの十分な容量をもたなけれ
ばならない。
注記 同時に切断され,かつ,補助電源回路に異常な電圧降下が発生しないか,又はスイッチの動作
に使用される油圧系統に異常な圧力降下が発生しない複数個のスイッチに対して,この要求事
項は適用される。
発電機の冷却系統に補助電源を使用する場合,補助電力が失われたときに発電機を引き外すインターロ
ック機構を備えるか,又は最高定格巻線温度において警報を発し,かつ,そこから10 %の温度上昇によっ
て発電機を引き外す巻線温度検知器を,発電機に備えなければならない。
4.7.3 主配電盤の母線
主配電盤の母線は,少なくとも負荷時開閉に適合した定格値をもつ遮断器を用いて,少なくとも二つの
独立した部分に分割しなければならない。発電機から重要な設備までの接続は,上記の部分間で分割し,1
か所の母線が使用不能になっても,船舶の安全航行が確保されるようにしなければならない。
すべての遮断器及びヒューズ式遮断器は,母線から引き外す手段を設けなければならない。
注記 上記の手段は,目に見える引き外し距離若しくはすき間をもつか,又は各可動接触装置に対す
る信頼性の高い位置表示装置若しくは類似の可視手段(例えば,その引き外し位置へ引き出し
可能な多極遮断器)をもつ断路器とすることができる。
4.7.4 発電機用回路
発電機出力回路は,それぞれ遮断器を介して接続しなければならない。一般要求事項に加え,発電機内
部及び発電機と配電盤間とのケーブル接続部における短絡又は地絡故障に対して,発電機用遮断器の引き
外し及び発電機の消磁による保護装置を設けなければならない。
4.7.5 出力回路
給電回路は,通常は過負荷保護及び短絡保護を行う遮断器を介して接続しなければならない。
人員に危険が及ぶことがなくヒューズを交換できる場合には,ヒューズ式遮断器を用いることができる。
ヒューズを過負荷保護に用いてはならない。
下流回路に対する開閉装置は,その開閉装置が始動電流及び規定の開閉動作回数に合わせて設計されて

――――― [JIS F 8075 pdf 8] ―――――

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いる場合に限り,モータの始動装置として使用することができる。
注記1 ある種のヒューズは,定格負荷と短絡との間の電流において遮断容量が不十分である。
注記2 ヒューズ式遮断器を使用するときは,遮断器の過電流保護装置が電流範囲内で動作すること
を前提にしている。
4.7.6 電力用変圧器回路
変圧器の一次側に対する給電回路は,出力回路に対する要求事項に従わなければならない。
複数の電力用変圧器が並列運転するように構成されている場合,出力回路の要求事項に準拠する開閉装
置を二次側の回路に設けなければならない。二次側の開閉装置は,一次側の開閉装置によってインターロ
ックをしなければならない。
4.7.7 船外給電回路及び他のユニットへの接続回路
製造業者と購入者との間で合意した場合には,船外給電回路を装備しなければならない。
他のユニットにつながる回路は,必要な場合に限り装備しなければならない。
4.7.8 制御及び計装回路
計器用変成器,リレー,補助スイッチなどとの短い配線を除き,制御及び計装回路は,難燃性の絶縁材
料による仕切りによって主回路から隔てて設置しなければならない。
代替的なケーブル接続を用いることができる。
装置の稼動中に注意を必要とする制御及び計装回路のヒューズは,人員に危険を及ぼすことなくアクセ
スできなければならない。
注記 仕切りに関する要求事項は,例えばケーブルコンジットの使用によって満たすことができる。

4.8 発電機及び変圧器の中性点

4.8.1  相互接続される発電機の中性点
中性点を相互接続した状態で発電機を運転することが想定されている場合,過剰な循環電流が生じない
ように機械が適切に設計されるよう,製造業者に連絡しなければならない。発電機の大きさ及び型式が異
なる場合には,特に重要である。
4.8.2 切離し
発電機が保守時に切離しできるように,各交流発電機の中性点接地接続部には,切離し装置を取り付け
なければならない。

4.9 電気的保護

4.9.1  一般
JIS F 8063の一般要求事項によるほか,次の要求事項を適用しなければならない。
4.9.2 発電機の保護
遮断器の発電機側に発生する故障は,相−接地間又は相間の故障とみなされる。巻線間故障に対する保
護についても検討しなければならない。
4.9.3 モータの保護
バウスラスタのようにてい(逓)昇圧変圧器を介して単一の負荷に高電圧で直接給電する場合は,変圧
器の低電圧側における保護について十分に考慮しなければならない。
4.9.4 電力変圧器の保護
一次側の短絡保護には,遮断器を用いるのが望ましい。ヒューズの使用及び二次側の全出力回路におけ
る総接続負荷が変圧器の定格容量を超える場合,過負荷保護(変圧器の定格容量以内に設定した遮断器な
ど)又は過負荷警報の実施について考慮しなければならない。

――――― [JIS F 8075 pdf 9] ―――――

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複数の変圧器が並列に接続される場合,一次側の保護装置の作動によって二次側に接続されるスイッチ
も自動的に引き外されなければならない。
変圧器の電流定格値の決定に当たって,負荷の不等率が使用されているときは,過電流又は過剰な温度
上昇に対する警報を保護装置に備えなければならない。
4.9.5 計器用変圧器の保護
制御及び計装に用いる計器用変圧器は,一次側及び二次側のヒューズによって短絡保護を行わなければ
ならない。発電機の電圧調整器内の電圧検知器につながる回路は,ヒューズを省略することができる。
4.9.6 過電圧保護
変圧器を介して高電圧系統から給電を受ける低電圧側の系統に対して,過電圧保護を行わなければなら
ない。変圧器の二次側巻線に保護装置(例 中性点電圧リミッタ又は低電圧側の系統の直接接地)を取り
付けなければならない。変圧器の一次側巻線と二次側巻線との間に,接地された金属製遮へい(蔽)板の
ような代替的な保護方法を実施しなければならない。
4.9.7 地絡監視
中性点絶縁又は中性点高抵抗接地で設計したシステムにおいて,出力給電線が地絡発生時に分離されな
い場合,装置の絶縁は,相間電圧に合わせて設計しなければならない。
中性点低抵抗接地又は中性点直接接地で設計したシステムでは,故障回路を自動的に切断する対策を実
施しなければならない。
さらに,設備に絶縁異常又は地絡が発生したときに,可視及び可聴警報を発する据付形の監視装置を設
けなければならない。

5 機器

  すべての機器は,関連するIEC規格及び舶用としての変更及び補足要求に従わなければならない。
外被は,少なくともJIS F 8062の26.(一般)の規定による保護等級を満足しなければならない。ただ
し,更に高位の保護等級を必要とする場合を除く。
機器に対する最大電圧は,関連する次の事項によって規定しなければならない。
a) 絶縁
b) 関連する機器の推奨事項において最大電圧が関係すると思われるその他の特性
注記 一部の装置の公称電圧において,コンデンサの損失,変圧器の磁化電流といった電圧の影響を
受けやすい特性を考慮すると,この“機器に対する最大電圧”まで装置が正常動作することは
保証できない。そのような場合,その装置の正常動作を保証できる上限値を推奨事項において
指定することが望ましい。

5.1 交流発電機及び交流電動機

  交流発電機及び交流電動機は,一般にIEC 60034の関連した部に従わなければならない。
5.1.1 外被
無許可の人員がアクセスする可能性がある場所に設置されている回転機及び中性点抵抗器は,通電部分
又は可動部分との接触に考慮して,少なくともIP 4Xの保護等級をもたなければならない。
注記1 許可者しか入室できない室ではIP 23の保護等級とすることができる。
注記2 機械区画は,一般に有資格者しかアクセスできない場所とみなされる。当該船舶の船員の責
任下で通常は施錠されている区画についても同様である。
接続箱の保護等級は,少なくともIP 44としなければならない。

――――― [JIS F 8075 pdf 10] ―――――

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JIS F 8075:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60092-503:2007(IDT)

JIS F 8075:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS F 8075:2010の関連規格と引用規格一覧