JIS G 0577:2014 ステンレス鋼の孔食電位測定方法 | ページ 2

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単位 mm
a) 全体構成
b) アクリル樹脂製ホルダ c) ふっ素ゴム製ガスケット
図2−すきま腐食防止電極の構成

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図3−すきま腐食防止電極作製手順
f) 試験面の最終露出部分が10 mm×10 mmとなるように,残りの表面及び導線をエポキシ樹脂,塩化ビ
ニル樹脂,シリコーン樹脂などの絶縁物によって被覆又は埋込みを行う。この場合,10 mm×10 mm
の露出部分は,はんだ付又はスポット溶接による熱影響のない試験面となるようにする。図4に絶縁
塗料による塗布形電極の一例を示す。
なお,不動態化処理を行った場合は,通常,約11 mm×約11 mmの試験面を残して被覆する。
g) 試験面は,測定直前に試験面の10 mm×10 mmだけを,JIS R 6252に規定するP600研磨紙で注意深
く乾式研磨する。その後,蒸留水又はイオン交換水,次いでエタノールなどで十分洗浄する。ただし,
油脂などの汚れが付着した場合は,適切な溶剤で洗浄して脱脂する。
h) このようにして作製した試験片の試験面の面積を,1 cm2とみなす。
i) 電極は図5に示すような方法などによって支持して測定を実施する。

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図4−絶縁塗料による塗布形電極の一例 図5−電極の支持法の一例

8 測定方法

8.1 すきま腐食防止電極による測定方法

  すきま腐食防止電極による測定方法は,次による。
a) 試験溶液の温度は,30±1 ℃とする。
b) 試験電極面への蒸留水又はイオン交換水のしみ出し量を,26 mL・h−1に調整する。
c) 電解槽に入れた試験溶液に高純度の窒素又はアルゴンを30分間以上通じることによって,脱気を行
う。ガス量は,400 mLの液量に対して50 mL・min−1以上とする。試験溶液の脱気完了後は,液中への
ガスの供給は止め,液をかくはん(撹拌)しない。
d) アノード分極曲線の測定は,脱気した試験溶液中に試験面を完全に浸し,10分間放置後,ポテンショ
スタットによって自然電位から電位掃引速度20 mV・min−1の動電位法で,アノード電流密度が500
1 000 μA・cm−2に達するまで行う。ただし,装置などの都合によって20 mV・min−1の条件がとれない
場合は,これに近い掃引速度で行ってもよい。
e) 孔食電位は,アノード分極曲線において電流密度10 μA・cm−2又は100 μA・cm−2に対応する電位のう
ち,それぞれの最も高い値(記号V'c10又はV'c100)で表す。アノード分極曲線の一例を,図6に示す。
f) 測定後の試験片は,20倍以上の拡大鏡などを用いて観察し,すきま腐食の有無を調べる。すきま腐食
が認められた場合は,試験結果から除外する。
g) 試験片及び試験溶液は,試験ごとに新しいものを使用する。
h) 測定回数は,2回以上とする。ただし,ばらつきを考慮すると5回以上が望ましい。孔食電位は,各
測定値及びその平均値を記録する。その単位は,ボルト(V)で表し,小数点以下第3位まで記録す
る。

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図6−アノード分極曲線の一例

8.2 樹脂などの絶縁物を用いた塗布形電極による測定方法

  樹脂などの絶縁物を用いた塗布形電極による測定方法は,次による。
a) 試験溶液の温度は,30±1 ℃とする。
b) 電解槽に入れた試験溶液に高純度の窒素又はアルゴンを30分間以上通じることによって,脱気を行
う。ガス量は400 mLの液量に対して50 mL・min−1以上とする。試験溶液の脱気完了後は,液中への
ガスの供給は止め,液をかくはんしない。
c) アノード分極曲線の測定は,脱気した試験溶液中に試験面を完全に浸し,10分間放置後,ポテンショ
スタットによって自然電位から電位掃引速度20 mV・min−1の動電位法で,アノード電流密度が500
1 000 μA・cm−2に達するまで行う。ただし,装置などの都合によって20 mV・min−1の条件がとれない
場合は,これに近い掃引速度で行ってもよい。
d) 孔食電位は,アノード分極曲線において電流密度10 μA・cm−2又は100 μA・cm−2に対応する電位のう
ち,それぞれの最も高い値(記号V'c10又はV'c100)で表す。
e) 測定後の試験片は,20倍以上の拡大鏡などを用いて観察し,すきま腐食の有無を調べる。すきま腐食
が認められた場合は,試験結果から除外する。
f) 試験片及び試験溶液は,試験ごとに新しいものを使用する。
g) 測定回数は,2回以上とする。ただし,ばらつきを考慮すると5回以上が望ましい。孔食電位は,各
測定値及びその平均値を記録する。その単位は,ボルト(V)で表し,小数点以下第3位まで記録す
る。

9 記録

9.1 必須事項

  測定記録には,次の事項を記載する。
a) 材料の種類の記号又は名称
b) 試験方法(A法又はB法)
c) 照合電極の種類

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d) 電位掃引速度
e) 孔食電位(各測定値及びその平均値)

9.2 推奨事項

  受渡当事者間の協定によって,次の事項を測定記録に記載するのがよい。
a) 試験片の熱処理
b) 脱気に用いたガスの種類
参考文献 山崎修,柴田俊夫 : 材料と環境,51,30(2002)
ASTM G 150-99 : “Annual books of ASTM Standards,Vo1.03.02”,p.638(1999)
C.Docke1&JWeber : Werks Korr.,22686(1971)
塩原国雄,森岡進 : 日本金属学会誌,36,385(1972)
社団法人腐食防食協会第9専門委員会 ステンレス鋼の局部腐食試験法分科会 : 防食技術,26,
539(1997)
社団法人腐食防食協会編 : “防食技術便覧”,日刊工業新聞社,p.756(1986)
金子雅人,小野幸子,西方篤,水流徹 : 材料と環境2003,D-l03(2003)
ステンレス鋼腐食標準試料分科会 : 防食技術,29,410(1980)
柴田俊夫,竹山太郎 : 防食技術,26,25(1977)

JIS G 0577:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 0577:2014の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISG0202:2013
鉄鋼用語(試験)
JISK8150:2006
塩化ナトリウム(試薬)
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISR6252:2006
研磨紙
JISR6253:2006
耐水研磨紙