JIS G 1311-1:2012 フェロマンガン分析方法―第1部:マンガン定量方法 | ページ 2

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G 1311-1 : 2012
角フラスコ(2 L)にとり,温水約1 Lを加え,60 ℃を超えないように加熱して溶解した後,冷却する。
この溶液は,使用の都度,調製する。
6.2.6 0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液2) 調製は,5.2.7による。
注2) 対応国際規格では,過マンガン酸カリウム溶液の濃度を0.1 Nと記載しているが,NがIUPAC
の単位としてmol/Lに統一されたので,この規格では0.02 mol/Lと記載した。

6.3 装置及び器具

  装置及び器具は,次による。
6.3.1 電位差計 6.3.2の電極を接続して,電極間の電位差を計測して表示できるもの。pH計にmV表示
のあるものを使用してもよい。
6.3.2 電極 電極は,白金−飽和カロメル又は白金−タングステンのいずれかの組合せを用いる。

6.4 操作

    警告 過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険がある。蒸
気は,過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で処理しなければならない。
6.4.1 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,1.0 gとし,0.1 mgの桁まではかる。
6.4.2 空試験
空試験は,行わない。
6.4.3 定量
定量操作は,次の手順によって行う。
a) はかりとった試料をビーカー(300 mL)に移し入れる。水10 mL,塩酸20 mL及びふっ化水素酸4,5
滴を加えて分解した後,過塩素酸10 mLを加える。
b) 最初は穏やかに加熱し,次第に強く加熱して過塩素酸の濃厚な白煙を発生させる。溶液の粘性が増し,
二酸化マンガンの沈殿が生成し始めるまで加熱を継続した後,放冷する。
c) 塩酸(1+4)20 mLを加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。溶液が透明になるまで穏やかに加熱す
る。洗瓶から水流を吹きつけて容器の内部をよく洗浄し,数分間加熱を続ける。熱水100 mLを加え,
室温まで放冷する。ろ過しないで,250 mLの全量フラスコに移し入れる。容器を水でよく洗浄して洗
液を先の全量フラスコに移し入れ,常温まで冷却した後,水で標線まで薄める。
なお,不溶解残さがある場合は,5.4.1 f) g)の操作を行った後,250 mLの全量フラスコに水を用い
て移し入れる。常温まで放冷した後,水で標線まで薄める。
d) 溶液50 mLを分取し,ビーカー(500 mL)に移し入れ,水を加えて100 mLにする。二りん酸ナトリ
ウム溶液(6.2.5)250 mLを加え,ビーカーをマグネチックスターラーの上に置いて回転子を入れてか
き混ぜる。
なお,市販の電位差計をもつ自動滴定装置を使用する場合には,滴定に用いるビーカーは,200 mL
のものを用いてもよい。この場合,溶液の分取量は25 mLとし,水を加えて液量を50 mLとする。二
りん酸ナトリウム溶液(6.2.5)添加量は,100 mLとする。
e) H計を用いて,塩酸(1+2)でこの溶液のpHを6.57.0に調節する。
なお,試料中にクロムが含まれる場合は,pHを調節してから滴定を開始するまで約30分間放置す
る必要がある。
f) 電位差計を用いて0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液(6.2.6)で滴定し,電位差計の振れが最大と
なる点を滴定の終点とし,0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液(6.2.6)の使用量を読み取る。

――――― [JIS G 1311-1 pdf 6] ―――――

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6.5 計算

  6.4.3 f)で得た0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液の使用量から,試料中のマンガン含有率を,次の式
によって算出する。
V2 f2 .0004 395
Mn 100
m2 B 250
ここに, Mn : 試料中のマンガン含有量[%(質量分率)]
V2 : 6.4.3の試料溶液の滴定に使用した0.02 mol/L過マンガン酸カ
リウム溶液の量(mL)
f2 : 0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液のファクター
m2 : 試料はかりとり量(g)
B : 試料溶液の分取量(mL)

6.6 許容差

  許容差は,表2による。
注記 対応国際規格の併行条件における許容差は,0.40 %(質量分率)である。
表2−許容差
単位 %(質量分率)
試料 マンガン含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
高炭素フェロマンガン 76.53 0.258 0.473
低炭素フェロマンガン 89.56 0.235 0.507
注記 この表に示すマンガン含有率は,許容差決定のための共同実験に用いた試料中
のマンガン含有率である。

7 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム滴定法

7.1 要旨

  試料を硝酸で分解した後,塩酸溶液とし,塩化ヒドロキシルアンモニウム及び2,2',2"-ニトリロトリエタ
ノールを加える。pHを約10に調節してシアン化カリウムを加え,チモールフタレインコンプレクソンを
指示薬としてエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(以下,EDTA2Naという。)溶液で滴定する。

7.2 試薬

  試薬は,次による。
7.2.1 塩酸(1+1)
7.2.2 硝酸
7.2.3 ふっ化水素酸
7.2.4 硫酸(1+1)
7.2.5 シアン化カリウム溶液(10 g/L)
警告 シアン化カリウムは,猛毒であるので,この試薬及びこの試薬溶液を含む溶液の取扱いには特
別の注意を必要とする。
7.2.6 二硫酸ナトリウム
7.2.7 アンモニア緩衝液 塩化アンモニウム54 gを水に溶解した後,アンモニア水600 mLを加え,水を
加えて液量を1 000 mLとする。
7.2.8 塩化ヒドロキシルアンモ二ウム溶液(50 g/L)
7.2.9 2,2',2''-ニトリロトリエタノール(別名 : トリエタノールアミン)溶液(200 mL/L)

――――― [JIS G 1311-1 pdf 7] ―――――

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7.2.10 0.05 mol/L EDTA2Na溶液 調製,標定及び計算方法は,JIS K 8001のJA.5.2(滴定用溶液の調製,
標定及び計算)c)による。
7.2.11 チモールフタレインコンプレクソン指示薬 チモールフタレインコンプレクソン0.1 gに硝酸カリ
ウム10 gを加え,めのう乳鉢でよくすり混ぜたもの。

7.3 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は,0.10 gとし,0.1 mgの桁まではかる。

7.4 操作

7.4.1  試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆う。
b) 硝酸20 mLを加え,加熱して分解し,時計皿をずらし,引き続き加熱して蒸発・乾固し,更に強く加
熱する。
c) 放冷した後,時計皿の下面を少量の水で洗って時計皿を取り除く。
d) 塩酸(1+1)10 mLを加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。
なお,不溶解残さが認められない場合には,e)の操作は行わない。
e) 溶液をろ紙(5種A)を用いてろ過し,温水で数回洗浄する。ろ液及び洗液はビーカー(300 mL)に
受けて主液として保存する。残さはろ紙とともに白金るつぼ(30番)に入れ,加熱してろ紙を灰化す
る。放冷した後,硫酸(1+1)数滴で湿し,ふっ化水素酸約1 mLを加えて加熱し,乾固する。放冷
した後,二硫酸ナトリウム約2 gを加え,加熱して融解する。放冷した後,先に保存した主液に白金
るつぼごと移し入れ,加熱して融成物を溶解する。白金るつぼを少量の水で洗って白金るつぼを取り
出す。
7.4.2 滴定
滴定は,次の手順によって行う。
a) 7.4.1 d)又はe)で得た溶液を,三角フラスコ(500 mL)に水を用いて移し入れ,水を加えて液量を約
150 mLとした後,室温まで冷却する。
b) 溶液を振り混ぜながら,塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(50 g/L)5 mL及び2,2',2''-ニトリロトリ
エタノール溶液(200 mL/L)20 mLを加え,更にアンモニア緩衝液(7.2.7)50 mLを少量ずつ加えた
後,シアン化カリウム溶液(10 g/L)約1 mLを加える。
c) チモールフタレインコンプレクソン指示薬(7.2.11)0.050.08 gを加えて振り混ぜた後,直ちに0.05
mol/L EDTA2Na溶液(7.2.10)で滴定し,溶液が青から黄色又は無色に変わった点を終点として,0.05
mol/L EDTA2Na溶液の使用量を求める。

7.5 空試験

  空試験は,行わない。

7.6 計算

  7.4.2 c)で得た0.05 mol/L EDTA2Na溶液の使用量から,試料中のマンガン含有率を,次の式によって算出
する。
V3 f3 .0002 747
Mn 100
m3
ここに, Mn : 試料中のマンガン含有率[%(質量分率)]
V3 : 7.4.2 c)で得た0.05 mol/L EDTA2Na溶液の使用量(mL)

――――― [JIS G 1311-1 pdf 8] ―――――

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f3 : 0.05 mol/L EDTA2Na溶液のファクター
m3 : 試料はかりとり量(g)

7.7 許容差

  許容差は,表3による。
表3−許容差
単位 %(質量分率)
試料 マンガン含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
高炭素フェロマンガン 76.57 0.400 0.294
低炭素フェロマンガン 89.75 0.274 0.403
注記 この表で示すマンガン含有率は,許容差決定のための共同実験に用いた試料中
のマンガン含有率である。

――――― [JIS G 1311-1 pdf 9] ―――――

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G 1311-1 : 2012
G1
2
附属書JA
31
(参考)
1-
1 : 2
JISと対応国際規格との対比表
012
JIS G 1311-1:2012 フェロマンガン分析方法−第1部 : マンガン定量方法 ISO 4159:1978 Ferromanganese and ferrosilicomanganese−Determination of
manganese content−Potentiometric method
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
国際 評価及びその内容 差異の理由及び今後の対策
規格
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
番号
及び題名 番号 の評価
1適用範囲 フェロマンガン中のマ 1 適用範 フェロマンガン及び 追加 ISO規格は,電位差滴定方法に限定。JISは,日本国内で広く使用さ
ンガン定量方法につい 囲 フェロシリコマンガ JISは,別の二つの定量方法を追加しれていてJISとして必要な別
て規定 ン含有の電位差滴定 ている。 の二つの定量方法を追加。こ
による定量方法につ れらのISO規格への提案を検
いて規定 討する。
2 引用規格
3 一般事項 JIS G 1301による。 1 適用範 ISO 3713による。 変更 実質的に同じ。 −

4 定量方法 過マンガン酸カリウム 1 適用範 電位差滴定方法だけ 追加 − 電位差滴定方法以外の定量方
の区分 目視滴定法,過マンガ 囲 を規定。 法については,ISO規格への
ン酸カリウム電位差滴 提案を検討する。
定法,エチレンジアミ
ン四酢酸二水素二ナト
リウム滴定法
5 過マンガン酸カリウム − − 追加 過マンガン酸カリウムの微紅色を利 日本国内で広く使用されてい
目視滴定法 用する目視滴定法を追加。 るため追加した。
6.1 要旨 試料を酸分解しpH 3 原理 JISとほぼ同じ 削除 ISO規格に記載されている反応式を −
の調節後,電位差滴定 削除。
6.2 試薬 0.02 mol/L過マンガン 4 試薬 0.1 N過マンガン酸カ変更 JISはSI単位のmol/Lを使用。 ISO規格への提案を検討する。
酸カリウム溶液 リウム溶液 削除 ISO規格に記載されている品質の悪 我が国ではJISで規定されて
い過マンガン酸カリウムの精製方法 いる純度の高いものが入手で
を削除。 きるので,削除した。

――――― [JIS G 1311-1 pdf 10] ―――――

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JIS G 1311-1:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4159:1978(MOD)

JIS G 1311-1:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 1311-1:2012の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISG1301:2016
フェロアロイ―分析方法通則
JISK8001:2017
試薬試験方法通則