JIS G 1311-5:2012 フェロマンガン分析方法―第5部:硫黄定量方法 | ページ 2

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7.2.7 不活性ガス 純度の高い窒素(99.995 %以上)又はアルゴン(99.995 %以上)を使用する。
7.2.8 鉄溶液(Fe : 10 mg/mL) 硫黄含有率が0.000 2 %(質量分率)以下の鉄1.00 gをはかりとり,ビ
ーカー(300 mL)に移し入れて時計皿で覆い,塩酸(1+1)20 mLを加えて溶解し,穏やかに加熱して約
10分間沸騰させる。これに硝酸5 mLを少量ずつ加えて鉄を酸化し,沸騰させて窒素酸化物を追い出す。
常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を100 mLの全量フラスコに水
を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
7.2.9 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液 硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物30 gを水に溶解し,液量を
250 mLとする。
7.2.10 N, N-ジメチル-p-フェニレンジアミン溶液 硫酸180 mLを水約500 mL中に少量ずつかき混ぜなが
ら加え,室温まで冷却した後,これにN, N-ジメチル-p-フェニレンジアミン硫酸塩1.0 gを加えて溶解し,
水で液量を1 000 mLとする。
7.2.11 硫黄標準液(S : 10 μg/mL) あらかじめ110 ℃で2時間乾燥し,デシケーター中で放冷した硫酸
カリウム5.44 gを水に溶解し,溶液を1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄め
て原液(S : 1 mg/mL)とする。この原液を,使用の都度,水で正確に100倍に薄めて硫黄標準液とする。

7.3 装置

  装置は,通常,次の器具を連結して構成する。各器具の連結部分は,全てすり合わせとする。図1に装
置の例を示す。
なお,装置は,新たに組んだとき又は長時間使用しなかった後に使用するときは,空試験操作を繰り返
し行って空試験値が安定してから試験に使用する。
7.3.1 蒸留フラスコ 容積約300 mLのもの。
7.3.2 還流冷却管 長さ約150 mmのもの。
7.3.3 洗浄瓶 容積約150 mLのもの。
7.3.4 吸収容器 容積約150 mLのもの。

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a 蒸留フラスコ
b 還流冷却管
c 洗浄瓶
d 吸収容器
e 不活性ガス
f1,f2 コック
図1−還元蒸留装置の例

7.4 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は,表2に従って,0.1 mgの桁まではかる。
表2−試料はかりとり量
試料中の硫黄含有率 試料はかりとり量
%(質量分率) g
0.001以上 0.010未満 0.50
0.010以上 0.025未満 0.20
0.025以上 0.050以下 0.10

7.5 操作

    警告 過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険がある。蒸
気は,過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で処理しなければならない。
7.5.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとって蒸留フラスコ(7.3.1)に移し入れる。
b) 硝酸5 mL及び塩酸5 mLを加え,室温で520分間放置して大部分の試料を分解した後,加熱して完
全に分解する。
c) 過塩素酸3 mLを加え,更に鉄溶液(Fe : 10 mg/mL)(7.2.8)を正確に1.0 mL加え,加熱濃縮して過
塩素酸の濃厚な白煙を発生させた後,放冷する。

――――― [JIS G 1311-5 pdf 7] ―――――

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d) 塩酸5 mLを加え,再び加熱して過塩素酸の濃厚な白煙を発生させ,引き続き250350 ℃の熱板上に
移して加熱し,過塩素酸の白煙が出なくなるまで加熱する。
e) 熱板から降ろし,放冷した後,塩酸10 mLを加え,加熱して塩類を溶解し,室温まで冷却する。
7.5.2 還元蒸留
還元蒸留は,次の手順によって行う。
a) 7.5.1 e) で得た試料溶液に還元混液(7.2.4)15 mLを加え,10分間放置して鉄(III)などを還元した
後,更に還元混液5 mLを蒸留フラスコの内壁を洗浄するようにして加える。
b) 装置を図1のように組み立てた後,洗浄瓶(7.3.3)に洗浄液(7.2.5)を3080 mL及び吸収容器(7.3.4)
に吸収液(7.2.6)50 mLを入れ,還流冷却管(7.3.2)に水道水を流す。
なお,洗浄液の量は,洗浄瓶の内径によって異なるので,液層の高さが3050 mm程度になるよう
に入れる。蒸留の都度,洗浄液は新しいものと入れ換える。
c) 装置に不活性ガス(7.2.7)を毎分100 mLの流量1)で流す。
d) あらかじめ約250 ℃に加熱してある熱板上で蒸留フラスコ内の試料溶液を約30分間1)加熱し,発生
するガスを不活性ガスとともに洗浄瓶を経由して吸収液中に導いて吸収させる。
注1) 不活性ガスの流量と溶液の加熱時間とは相互に関係があり,装置内の全容積によって,最適
な流量は若干異なるため,使用する装置によって適切な条件をあらかじめ求めておくとよい。
7.5.3 呈色
呈色は,次の手順によって行う。
なお,この呈色反応は,化学量論的ではないため,使用する装置及び試薬によって再現性のよい値が得
られる条件をあらかじめ求めておき,その条件を厳守する。特に呈色時の液温及び振り混ぜ条件は,でき
るだけ一定になるようにしなければならない。
a) 7.5.2 d)で得た吸収液を100 mL全量フラスコに水を用いて移し入れる。
b) 液温を20 ℃以下になるように冷却し,N, N-ジメチル-p-フェニレンジアミン溶液(7.2.10)を10 mL
加え,穏やかに振り混ぜた後,直ちに硫酸アンモニウム鉄(III)溶液(7.2.9)を正確に2.0 mL加えて
1分間激しく振り混ぜ,水で標線まで薄める。
7.5.4 吸光度の測定
7.5.3で得た呈色溶液を15分間放置した後,その一部を分光光度計の吸収セル(10 mm)に取り,水を
対照液として665 nm付近の吸光度を測定する。

7.6 空試験

  試薬だけを用いて,7.5.17.5.4の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う2)。
注2) 7.7の硫黄標準液(S : 10 μg/mL)(7.2.11)を添加しない溶液を用いてもよい。

7.7 検量線の作成

  検量線の作成は,次の手順によって行う。
a) 数個の白金皿(100番)に硫黄標準液(S : 10 μg/mL)(7.2.11)を05 mL(硫黄として050 μg)を
段階的に取り,7.5.1 b) 7.5.4の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。
b) 7.5.4で得た吸光度と硫黄量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線
とする。

7.8 計算

  7.7で作成した検量線から7.5.4で得た吸光度に対応する硫黄量を求め,試料中の硫黄含有率を,次の式
によって算出する。

――――― [JIS G 1311-5 pdf 8] ―――――

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A1 A2
S= 100
m
ここに, S : 試料中の硫黄含有率[%(質量分率)]
A1 : 試料溶液中の硫黄検出量(g)
A2 : 空試験で得られた硫黄検出量(g)
m : 試料はかりとり量(g)

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