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G 1314-1 : 2011
6.2.4 ふっ化水素酸
6.2.5 二りん酸ナトリウム溶液 二りん酸ナトリウム十水和物145 gをコニカルフラスコ(2 L)にとり,
温水約1 Lを加え,60 ℃を超えないように加熱して溶解した後,冷却する。この溶液は,使用の都度調製
する。
6.2.6 0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液 調製は,5.2.7による。
6.3 装置及び器具
装置及び器具は,通常,次のものを用いる。
6.3.1 電位差計 6.3.2の電極を接続して,電極間の電位差を計測して表示できるもの。pH計にmV表示
のあるものを使用してもよい。
6.3.2 電極 電極は,白金−飽和カロメル,白金−タングステン又は白金−白金のいずれかの組合せを用
いる。
6.4 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,1.0 gとし,0.1 mgの桁まではかる。
6.5 操作
警告 過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険がある。蒸
気は,過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で処理しなければならない。
6.5.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) はかりとった試料を白金皿(200番)又はPTFE製ビーカー(300 mL)に移し入れ,白金又はPTFE
製の蓋で覆う。
b) 塩酸10 mLと過塩素酸15 mLとを加えた後,ふっ化水素酸約20 mLを少量ずつ加えて分解する。
c) 最初は穏やかに加熱し,次第に強く加熱して過塩素酸の濃厚な白煙を発生させる。溶液の粘性が増し,
二酸化マンガンの沈殿が生成し始めるまで加熱を継続する。
d) 放冷した後,塩酸(1+4)20 mLを加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。溶液が透明になるまで穏
やかに加熱する。
なお,不溶解残さがある場合は,5.4.1 f) による。
e) 熱水50 mLを加え,室温まで放冷する。
6.5.2 滴定
滴定は,次の手順によって行う。
a) 6.5.1 e) で得た試料溶液を全量フラスコ(250 mL)に水を用いて移し入れ,常温まで冷却した後,水
で標線まで薄める。
b) ピペットを用いて溶液50 mLを分取し,ビーカー(500 mL)に移し入れ,水を加えて100 mLに薄め
た後,二りん酸ナトリウム溶液(6.2.5)250 mL加える2)。
注2) 市販の電位差計をもつ自動滴定装置を使用する場合は,滴定に用いるビーカー(200 mL)を
用いてもよい。この場合,溶液の分取量は25 mLとし,水を加えた後の量は50 mLに,二り
ん酸ナトリウム溶液添加量は,100 mLとする。
c) ビーカーをマグネチックスターラーの上に置いて回転子を入れ,かき混ぜる。
d) H計を用いて,塩酸(1+2)でこの溶液のpHを6.57.0に調節する。
e) 電位差計を用いて0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液(6.2.6)で滴定し,電位差計の振れが最大と
なる点を終点とし使用量を読みとる。
――――― [JIS G 1314-1 pdf 6] ―――――
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G 1314-1 : 2011
6.6 空試験
空試験は,行わない。
6.7 計算
6.5.2で得た0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液の使用量から,試料中のマンガン含有率を,次の式に
よって算出する。
V2 f2 .0004 395
Mn 100
m2 B/ 250
ここに, Mn : 試料中のマンガン含有量[%(質量分率)]
V2 : 6.5.2で得た0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液の使用量
(mL)
2 : 0.02 mol/L過マンガン酸カリウム溶液のファクター
m2 : 試料はかりとり量(g)
B : 試料溶液の分取量(mL)
6.8 許容差
許容差は,表2による。
なお,この許容差は,6.5.2の注2) を適用し,自動滴定装置を用いて試料溶液の分取量を25 mLとした
場合にも適用する。
表2−許容差
単位 %(質量分率)
マンガン含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
62.49 0.277 0.342
注記 この表に示すマンガン含有率は,JIS Z 8402:1991に基づいた許容差決定のための共
同実験に用いた試料中のマンガン含有率である。
7 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム滴定法
7.1 要旨
試料を硝酸及びふっ化水素酸で分解した後,塩酸溶液とし,塩化ヒドロキシルアンモニウム及び2,2',2"-
ニトロトリエタノールを加える。pHを約10に調節してシアン化カリウムを加え,チモールフタレインコ
ンプレクソンを指示薬としてエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(以下,EDTA2Naという。)溶
液で滴定する。
7.2 試薬
試薬は,次による。
7.2.1 塩酸(1+1)
7.2.2 硝酸
7.2.3 ふっ化水素酸
7.2.4 硫酸(1+1)
7.2.5 シアン化カリウム溶液(10 g/L)
7.2.6 二硫酸ナトリウム
7.2.7 アンモニア緩衝液 塩化アンモニウム54 gを水に溶解した後,アンモニア水600 mLを加え,水を
加えて液量を1 000 mLとする。
7.2.8 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(50 g/L)
――――― [JIS G 1314-1 pdf 7] ―――――
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G 1314-1 : 2011
7.2.9 2,2',2"-ニトロトリエタノール(別名 : トリエタノールアミン)溶液(250 mL/L)
7.2.10 0.05 mol/L EDTA2Na溶液 調製,保存及び標定方法は,JIS K 8001のJA.5.2(滴定用溶液の調製,
標定及び計算)c) による。
7.2.11 チモールフタレインコンプレクソン指示薬 チモールフタレインコンプレクソン0.1 g及び硝酸カ
リウム10 gをめのう乳鉢に取り,よくすり混ぜたもの。
警告 シアン化カリウムは,猛毒であるので,この試薬及びこの試薬溶液を含む溶液の取扱いには特
別の注意を必要とする。
7.3 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,0.10 gとし,0.1 mgの桁まではかる。
7.4 操作
7.4.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとって白金皿(100番)又はPTFE製ビーカー(100 mL)に移し入れ,白金又はPTFE
製の蓋で覆う。
b) 蓋を少しずらして硝酸15 mLを加え,ふっ化水素酸を数滴ずつ滴加して分解する。このとき,反応が
激しくなる場合は,容器の外側を水で冷却する。
c) 加熱して蒸発乾固し,更に約10分間加熱を続けた後,放冷する。
d) 蓋の下面を少量の水で洗って蓋を取り除き,塩酸(1+1)10 mLを加え,加熱して可溶性塩類を溶解
する3)。
注3) 不溶解残さが認められない場合は,次のe) の操作は行わなくてもよい。
e) 溶液をろ紙(5種A)を用いてろ過し,温水で数回洗浄する。ろ液及び洗液は,ビーカー(300 mL)
に受けて主液として保存する。残さは,ろ紙とともに白金るつぼ(30番)に入れ,加熱してろ紙を灰
化する。放冷した後,硫酸(1+1)数滴で湿し,ふっ化水素酸約1 mLを加えて加熱し,乾固する。
放冷した後,二硫酸ナトリウム約2 gを加え,加熱して融解する。放冷した後,先に保存した主液に
白金るつぼごと入れ,加熱して融成物を溶解する。白金るつぼを少量の水で洗って,白金るつぼを取
り出す。
7.4.2 滴定
滴定は,次の手順によって行う。
a) 7.4.1のd) 又はe) で得た溶液を三角フラスコ(500 mL)に水を用いて移し入れ,水を加えて液量を
約150 mLとした後,室温まで冷却する。
b) 溶液を振り混ぜながら,塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(50 g/L)5 mL及び2,2',2"-ニトロトリエ
タノール溶液(1+4)20 mLを加え,更にアンモニア緩衝液(7.2.7)50 mLを少量ずつ加えた後,シ
アン化カリウム溶液(10 g/L)約1 mLを加える。
c) チモールフタレインコンプレクソン指示薬(7.2.11)0.050.08 gを加えて振り混ぜた後,直ちに,0.05
mol/L EDTA2Na溶液(7.2.10)で滴定し,溶液が青から黄色又は無色に変わった点を終点として,0.05
mol/L EDTA2Na溶液の使用量を求める。
7.5 空試験
空試験は,行わない。
7.6 計算
7.4.2で得た0.05 mol/L EDTA2Na溶液の使用量から,試料中のマンガン含有率を,次の式によって算出
――――― [JIS G 1314-1 pdf 8] ―――――
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G 1314-1 : 2011
する。
V3 f3 .0002 747
Mn 100
m3
ここに, Mn : 試料中のマンガン含有率[%(質量分率)]
V3 : 7.4.2で得た0.05 mol/L EDTA2Na溶液の使用量(mL)
3 : 0.05 mol/L EDTA2Na溶液のファクター
m3 : 試料はかりとり量(g)
7.7 許容差
許容差は,表3による。
表3−許容差
単位 %(質量分率)
マンガン含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
62.59 0.314 0.546
注記 この表に示すマンガン含有率は,JIS Z 8402:1991に基づいた許容差決定のための
共同実験に用いた試料中のマンガン含有率である。
参考文献 JIS Z 8402:1991 分析・試験の許容差通則
――――― [JIS G 1314-1 pdf 9] ―――――
G1
2
附属書JA
31
(参考)
4-1 : 2
JISと対応国際規格との対比表
011
JIS G 1314-1:2011 シリコマンガン分析方法−第1部 : マンガン定量方法 ISO 4159:1978 Ferromanganese and ferrosilicomanganese−Determination of
manganese content−Potentiometric method
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
1 適用範 シリコマンガン中 1 適用範 フェロマンガン及びフェ 追加 ISO規格は,電位差滴定方法にJISは,日本国内で広く使用され
囲 のマンガン定量方 囲 ロシリコマンガン含有の 限定。JISは,別の二つの定量ていてJISとして必要な別の二つ
法について規定 電位差滴定による定量方 方法を追加している。 の定量方法を追加。これらのISO
法について規定 への提案を検討する。
2 引用規
格
3 一般事 JIS G 1301による。 1 適用範 ISO 3713による。 変更 実質的に同じ −
項 囲
4 定量方 過マンガン酸カリ 1 適用範 電位差滴定方法だけを規 追加 ISO規格は,電位差滴定方法に電位差滴定方法以外の定量方法
法の区分 ウム目視滴定法,過 囲 定。 限定。JISは,別の二つの定量については,ISOへの提案を検討
マンガン酸カリウ 方法を追加している。 する。
ム電位差滴定法,エ
チレンジアミン四
酢酸二水素二ナト
リウム滴定法
5 過マン 過マンガン酸カリ − − 追加 過マンガン酸カリウムの紅色 日本国内で広く使用されている
ガン酸カ ウム目視滴定法 ため追加。
を利用する目視滴定法を追加。
リウム目
視滴定法
6.1 要旨 試料を酸分解し,pH 3 原理 JISと同じ 一致 − −
の調整後,電位差滴
定
――――― [JIS G 1314-1 pdf 10] ―――――
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JIS G 1314-1:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4159:1978(MOD)
JIS G 1314-1:2011の国際規格 ICS 分類一覧
JIS G 1314-1:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG1301:2016
- フェロアロイ―分析方法通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則