JIS H 1063:2002 銅合金中のベリリウム定量方法

JIS H 1063:2002 規格概要

この規格 H1063は、銅合金(伸銅品)中のベリリウム定量方法について規定。

JISH1063 規格全文情報

規格番号
JIS H1063 
規格名称
銅合金中のベリリウム定量方法
規格名称英語訳
Methods for determination of beryllium in copper alloys
制定年月日
1989年12月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

77.040.30, 77.120.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属分析 II 2019
改訂:履歴
1989-12-01 制定日, 1995-01-01 確認日, 2000-02-20 確認日, 2002-03-20 改正日, 2007-01-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS H 1063:2002 PDF [7]
H 1063 : 2002

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本伸銅協会 (JCBA)
/財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。これによって,JIS H
1063 : 1989は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,規格票の様式 (JIS Z 8301 : 2000) を新様式に準拠して変更,二つ規定していたICP発
光分光法を一つの定量方法に統合及び規格全体の確認見直しによる改正を行った。

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS H 1063 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
H 1063 : 2002

銅合金中のベリリウム定量方法

Methods for determination of beryllium in copper alloys

1. 適用範囲 この規格は,銅合金(伸銅品)中のベリリウム定量方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS H 1012 銅及び銅合金の分析方法通則
3. 一般事項 この方法に共通な一般事項は,JIS H 1012による。
4. 定量方法の区分 ベリリウムの定量方法は,次のいずれかによる。
a) アウリントリカルボン酸アンモニウム吸光光度法 この方法は,ベリリウム含有率0.1% (m/m) 以上
2.0% (m/m) 以下の試料に適用する。
b) 原子吸光法 この方法は,ベリリウム含有率0.1% (m/m) 以上2.0% (m/m) 以下の試料に適用する。
c) CP発光分光法 この方法は,ベリリウム含有率0.1% (m/m) 以上2.0% (m/m) 以下の試料に適用する。
5. アウリントリカルボン酸アンモニウム吸光光度法
5.1 要旨 試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(以下,
EDTA2Naという。),ゼラチン及びアウリントリカルボン酸アンモニウム(以下,アルミノンという。)を
加えてアルミノンベリリウム錯体を生成させ,光度計を用いてその吸光度を測定する。
5.2 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸 (1+1)
b) 過酸化水素
c) 銅 99.96% (m/m) 以上で,ベリリウムを含有しないもの又はベリリウム含有率が低く既知のもの。
d) DTA2Na溶液 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物2.5gをはかり取り,ビーカー
(200ml) に移し入れ,水約30mlを加えて溶解した後,アンモニア水 (1+1) でpHを67とし,水を
加えて液量を100mlとする。
e) ゼラチン溶液 (5g/l) ゼラチン2.5gをはかり取り,水250mlを入れたビーカー (500ml) に移し入れ,
溶解する。別に安息香酸1.5gをはかり取り,ビーカー (100ml) に移し入れ,エタノール (95) 10mlで
溶解した溶液をゼラチン溶液に加え,水で液量を500mlとする。
f) アルミノン溶液 (1g/l)酢酸ナトリウム三水和物136gをはかり取り,ビーカー (500ml) に移し入れ,
水250mlを加えて溶解し,酢酸25mlを加える。別に,アルミノン0.5gをはかり取り,ビーカー (100ml)
に移し入れ,水約50mlを加えて溶解した溶液を酢酸ナトリウム溶液に加え,水で液量を500mlとす

――――― [JIS H 1063 pdf 2] ―――――

2
H 1063 : 2002
る。
g) 標準ベリリウム溶液 (10 最 攀一 ‰ リリウム[99.5% (m/m) 以上]0.100gはかり取り,水約10
を入れたビーカー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 10mlを少量ずつ加え,加熱し分
解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。溶
液を1 000mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液 (100 最一 ‰
の原液を使用の都度,必要量だけ水で正しく10倍に薄めて標準ベリリウム溶液とする。
5.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,0.20gとする。
5.4 操作
5.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかり取り,ビーカー (200ml) に移し入れる。
b) 時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 10ml及び過酸化水素5mlを加えて試料を分解し(1),穏やかに約10分間加
熱して過酸化水素を分解する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。
c) 常温まで冷却した後,溶液を500mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
注(1) 試料の形状が細かい場合に分解が激しくなるときは,水を少し加える。
5.4.2 呈色 呈色は,次の手順によって行う。
a) 5.4.1c)で得た溶液から正確に10mlを250mlの全量フラスコに分取する。
b) 水100ml及びEDTA2Na溶液[5.2d) ]2mlを加えて振り混ぜた後,ゼラチン溶液[5.2e) ]30ml(2)を加え,更
にアルミノン溶液[5.2f) ]を正確に30ml加え,振り混ぜる。
c) 溶液を約60℃の水浴中で約30分間加熱する。常温まで冷却した後,水で標線まで薄める。
注(2) ゼラチン溶液を添加するときは,溶液に気泡が生じないように,素早く加える。
5.4.3 吸光度の測定 5.4.2c)で得た溶液の一部を光度計の吸収セル (10mm) (3)に取り,水を対照液として
波長545nm付近の吸光度を測定する。
注(3) 吸収セルは,呈色溶液を入れ替えるたびに,硝酸 (1+3) で洗浄し,水でよく洗って使用する。
5.5 空試験 5.6の検量線作成操作において得られる標準ベリリウム溶液を添加しない溶液の吸光度を,
空試験の吸光度とする。
5.6 検量線の作成 銅[5.2c) ]0.20gをはかり取り,ビーカー (200ml) に移し入れ,5.4.1のb)及びc)の手
順に従って操作した後,溶液を10mlずつ数個の250mlの全量フラスコに取り,標準ベリリウム溶液[5.2g) ]0
8.0ml(ベリリウムとして080 柿 を段階的に加える。以下,5.4.2b)5.4.3の手順に従って試料と並行
して操作し,得た吸光度とベリリウム量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動し
て検量線とする。
5.7 計算 5.4.3及び5.5で得た吸光度と5.6で作成した検量線とからベリリウム量を求め,試料中のベリ
リウム含有率を次の式によって算出する。
10
A1− A2−A3
500
Be= 100
10
m
500
ここに, Be : 試料中のベリリウム含有率 [% (m/m) ]
A1 : 分取した試料溶液中のベリリウム検出量 (g)
A2 : 分取した空試験液中のベリリウム検出量 (g)
A3 : 5.6ではかり取った銅[5.2c) ]0.20g中に含まれるベリリウム
の量 (g)

――――― [JIS H 1063 pdf 3] ―――――

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H 1063 : 2002
m : 試料はかり取り量 (g)
6. 原子吸光法
6.1 要旨 試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の一酸化二窒素・アセチレ
ンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。
6.2 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸 (1+1,1+9)
b) 硝酸 (1+1)
c) 混酸(塩酸1,硝酸1,水2) 使用の都度調製する。
d) 銅溶液 (20mgCu/ml) 銅[99.96% (m/m) 以上]10.0gをはかり取り,ビーカー (300ml) に移し入れ,
時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 80mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿
の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,時計皿を取り除き,溶液を500mlの全量フラスコに水を用い
て移し入れ,塩酸 (1+1) 50mlを加え,水で標線まで薄める。
e) 標準ベリリウム溶液 (100 最 攀一 ‰ リリウム[99.5% (m/m) 以上]0.100gをはかり取り,ビー
ー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 30mlを数回に分けて加え,穏やかに加熱して分
解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って,時計皿を取り除き,
溶液を1 000mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
6.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,1.00gとする。
6.4 操作
6.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかり取ってビーカー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆う。
b) 混酸[6.2c) ]20mlを加え,穏やかに加熱して完全に分解し,引き続き加熱を続けて窒素酸化物を除く。
常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って,時計皿を取り除く。
c) 溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
d) この溶液を表1の分取量に従って100mlの全量フラスコに分取し,塩酸 (1+9) で標線まで薄める。
表1 分取量
試料中のベリリウム含有率 分取量
% (m/m) ml
0.1以上 0.5未満 20.0
0.5以上 2.0以下 5.0
6.4.2 吸光度の測定 6.4.1d)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の一酸化
二窒素・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長234.9nmにおける吸光度を測定する。
6.5 空試験 試薬だけを用いて,6.4.1及び6.4.2の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。
6.6 検量線の作成 検量線の作成は,次の手順によって行う。
a) 試料用検量線の作成
1) 銅溶液[6.2d) ]を,その銅の量が6.4.1d)で分取した試料溶液中の銅の量と10mgのけたまで等しくな
るように,数個の100ml全量フラスコに取る。
2) 標準ベリリウム溶液[6.2e) ]010.0ml(ベリリウムとして01 000 柿 を段階的に加え,塩酸 (1+9)
で標線まで薄める。
3) 各溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の一酸化二窒素・アセチレンフレー

――――― [JIS H 1063 pdf 4] ―――――

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H 1063 : 2002
ム中に噴霧し,波長234.9nmにおける吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度とベリリウム量
との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
b) 空試験用検量線の作成 数個の100mlの全量フラスコに混酸[6.2c) ]20mlを取り,塩酸 (1+9) で標線
まで薄めた後,これらの溶液を6.4.1d)で分取した試料溶液と同量ずつ100mlの全量フラスコに分取す
る。以下,a)の2)及びa)の3)の手順に従って操作する。
6.7 計算 6.4.2及び6.5で得た吸光度と6.6a)及び6.6b)で作成した検量線とからそれぞれベリリウム量を
求め,試料中のベリリウム含有率を次の式によって算出する。
A1−A2
Be= 100
B
m
100
ここに, Be : 試料中のベリリウム含有率 [% (m/m) ]
A1 : 分取した試料溶液中のベリリウム検出量 (g)
A2 : 分取した空試験液中のベリリウム検出量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
B : 6.4.1d)で分取した試料溶液の量 (ml)
7. ICP発光分光法
7.1 要旨 試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,溶液をICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧
し,その発光強度を測定する。
7.2 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸
b) 塩酸 (1+1)
c) 過酸化水素
d) 銅 99.96% (m/m) 以上で,ベリリウムを含有しないもの又はベリリウム含有率が低く既知のもの。
e) イットリウム溶液 (100 最 一 イットリウム (III) [99.99% (m/m) 以上]0.635gをはかり取り
ビーカー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 10mlを加え,加熱して分解する。常温ま
で冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500mlの全
量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液 (1 000 最 一 ‰ を使
の都度,必要量だけ水で正しく10倍に薄めてイットリウム溶液とする。
f) 標準ベリリウム溶液 (500 最 攀一 ‰ リリウム[99.5% (m/m) 以上]0.100gをはかり取り,水約10m
を入れたビーカー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 10mlを少量ずつ加え,加熱して
分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。
溶液を200mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
7.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,0.20gとする。
7.4 操作
7.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかり取ってビーカー (200ml) に移し入れ,時計皿で覆う。
b) 塩酸 (1+1) 10mlと過酸化水素5mlとを加えて試料を分解した後(1),穏やかに約10分間加熱して過酸
化水素を分解する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,時計皿を取り除く。
c) 常温まで冷却した後,溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ(4),水で標線まで薄める。
注(4) 発光強度の測定を7.4.2b)によって行う場合には,イットリウム溶液[7.2e) ]を正確に10ml加える。

――――― [JIS H 1063 pdf 5] ―――――

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規格番号
規格名称
JISH1012:2001
銅及び銅合金の分析方法通則