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を水で洗浄し,時計皿を取り除く。硫酸 (1+3) 3mlを加え,硫酸の白煙が発生するまで加熱する。放
冷した後,水を加え,加熱して塩類を溶解する。常温まで冷却した後,溶液を1 000mlの全量フラス
コに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
6.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,1.00gとし,1mgのけたまではかる。
6.4 操作
6.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかり取って,ビーカー (300ml) に移し入れる。
b) 時計皿で覆い,混酸50mlを加えて分解し(4),反応が穏やかになったら加熱して試料を完全に分解し,
数分間煮沸した後,常温まで冷却する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取
り除く(5)。
c) 溶液をろ紙(5種A)を用いてろ過し,沈殿とろ紙を温水で洗浄し,ろ液と洗液を合わせて主液とし
てビーカー (300ml) に保存する。沈殿はろ紙とともに白金るつぼ(30番)に移し入れ,注意して加熱
し,ろ紙を完全に灰化する。白金るつぼを750800℃の電気炉に入れ,約10分間加熱した後,電気
炉から取り出し,放冷する。硝酸 (1+1) 5mlを加え,ふっ化水素酸約3mlを少量ずつ加えて沈殿を完
全に分解する。硫酸 (1+1) 2,3滴を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させた後,放冷する。温水約
10mlを加えて塩類を溶解し,溶液を主液の入ったビーカーに水を用いて移し入れる。
d) 溶液を250mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
注(4) 銅の含有量が多くて完全に分解しない場合には,硝酸 (1+1) を少量添加し,加熱して完全に分
解する。
(5) けい素などの沈殿が認められない場合には,次のc)の操作は行わない。
6.4.2 呈色 呈色は,次の手順によって行う。
a) 6.4.1d)で得た溶液を50.0mlずつ2個のビーカー (200ml) に分取する。
b) それぞれに酢酸ナトリウム溶液 [6.2g) ] 10mlを加えた後,一方のビーカーにだけ,スルホサリチル酸
溶液 [6.2h) ] 5.0mlを加える。アンモニア水 (1+3) と硫酸 (1+3) とを用いてpH2.02.5に調節する。
c) 溶液を2個の100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
6.4.3 吸光度の測定 6.4.2c)で得た溶液の一部をそれぞれ光度計の吸収セル (10mm) に取り,スルホサリ
チル酸を加えない溶液を対照液として,波長500nm付近の吸光度を測定する。
6.5 空試験 試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。
6.6 検量線の作成 アルミニウム [6.2f) ] 1.0gをはかり取り,6.4.1のb) d)の手順に従って操作し,得た
溶液を50mlずつ分取して数個のビーカー (200ml) に移し入れる。標準鉄溶液 [6.2i) ] 020.0ml(鉄として
02000 柿 を段階的に加えた後,スルホサリチル酸溶液 [6.2g) ] 5.0mlを加える。アンモニア水 (1+3) と
硫酸 (1+3) とを用いてpH2.02.5に調節する。溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水
で標線まで薄める。溶液の一部を光度計の吸収セル (10mm) に取り,水を対照液として波長500nm付近の
吸光度を測定し,得た吸光度と鉄量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検
量線とする。
6.7 計算 6.4.3で得られた吸光度から,6.5で得た吸光度を差し引いて得られる吸光度と,6.6で作成し
た検量線とから鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。
A
Fe= 50 100
m
250
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ここに, Fe : 試料中の鉄含有率 [% (m/m) ]
A : 分取した試料溶液中の鉄検出量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
7. 1,10−フェナントロリン吸光光度法
7.1 要旨 試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,塩化ヒドロキシルアンモニウムを加えて鉄 (III) を鉄
(II) に還元した後,酢酸ナトリウムを用いてpHを調節し,1,10−フェナントロリンを加えて呈色させ,
光度計を用いてその吸光度を測定する。
7.2 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸 (1+1)
b) 硝酸 (1+1)
c) ふっ化水素酸
d) 硫酸 (1+1)
e) 混酸(塩酸1,硝酸1,水2)
f) 過酸化水素
g) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (10g/l)
h) 酢酸ナトリウム溶液 酢酸ナトリウム三水和物50gを100mlの水に溶解する。
i) 1,10−フェナントロリン溶液 1,10−フェナントロリン−水和物0.2gをはかり取ってビーカー
(200ml) に移し入れ,エタノール (95) 10mlを加えて溶解し,水を加えて液量を100mlとする。
j) 標準鉄溶液(20 最 攀一 鉄[99.5% (m/m) 以上]0.200gをはかり取ってビーカー (200ml) に移し入
れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 20mlを加え,穏やかに加熱して分解する。過酸化水素1mlを注意し
て滴加し,煮沸して鉄を酸化する。さらに,煮沸を続けて過剰の過酸化水素を分解した後,常温まで
冷却する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄して時計皿を取り除き,溶液を1000mlの全
量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液 (200 最 攀一 ‰
この原液を使用の都度,水で正確に10倍に薄めて標準鉄溶液とする。
備考 次の方法によって,標準鉄溶液 (20 最 攀一 ‰ 製してもよい。
600℃で焼いた酸化鉄0.286 0gをはかり取ってビーカー (100ml) に移し入れ,時計皿で覆い,
塩酸 (1+1) 30mlを加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,溶液を1 000mlの全量フラ
スコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて (200 最 攀一 とする。この原液を使用
の都度,水で正確に10倍に薄めて標準鉄溶液とする。
7.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,鉄含有率に応じて表2に従い,1mgのけたまではかる。
表2 試料はかり取り量
試料中の鉄含有率 試料はかり取り量
% (m/m) g
0.002以上 0.5未満 1.00
0.5以上 2.5以下 0.40
7.4 操作
7.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 塩酸と過酸化水素とで容易に分解できる試料
1) 試料をはかり取って,ビーカー (300ml) に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 25mlを加え,穏やかに加熱して分解する。過酸化水素5mlを加え,加
――――― [JIS H 1353 pdf 7] ―――――
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熱して試料を完全に分解した後,穏やかに煮沸して過剰の過酸化水素を分解する。常温まで冷却し
た後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く(6)。
3) 溶液をろ紙(5種A)を用いてろ過し,温水で洗浄し,ろ液と洗液を合わせ,主液としてビーカー
(300ml) に保存する。沈殿はろ紙とともに白金るつぼ(30番)に移し入れ,注意して加熱し,ろ紙
を完全に灰化する。白金るつぼを750800℃の電気炉に入れ,約10分間加熱した後,電気炉から
取り出し,放冷する。硝酸 (1+1) 5mlを加え,ふっ化水素酸約3mlを少量ずつ加えて沈殿を完全に
分解する。硫酸 (1+1) 2,3滴を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させた後,放冷する。温水約10ml
を加えて塩類を溶解し,溶液を主液の入ったビーカーに水を用いて移し入れる(7)。
4) 溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液を試料中の鉄
含有率に応じて表3に従ってビーカー (200ml) に分取する(8)。
注(6) けい素などの沈殿が認められない場合には,3)の操作は行わない。
(7) 液量が50ml以上の場合には,液量を50ml以下になるまで加熱して濃縮する。
(8) 鉄含有率が0.05% (m/m) 未満の試料の場合には,この4)の操作は行わない。
表3 分取量
試料中の鉄含有率 分取量
% (m/m) ml
0.05以上 0.5未満 10.0
0.5以上 2.5以下 5.0
b) 塩酸と過酸化水素とで分解しにくい試料
1) 試料をはかり取って,ビーカー (300ml) に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,混酸30mlを加え,穏やかに加熱して分解する。さらに加熱を続け塩類が析出する
まで濃縮する。放冷した後,温水約20mlを加えて塩類を溶解する。常温まで冷却した後,時計皿
の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く(6)。
3) )3)の操作を行う。
4) )4)の操作を行う。
7.4.2 呈色 呈色は,次の手順によって行う。
a) 7.4.1a)の2),3)若しくは4)又は7.4.1b)の2),3)若しくは4)で得た溶液に,塩化ヒドロキシルアンモニ
ウム溶液2mlを加えて振り混ぜる。
b) 水を加えて液量を4050mlとし,酢酸ナトリウム溶液 [7.2h) ] を用いてpHを3.44.1に調節する(9)。
c) 溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,1,10−フェナントロリン溶液 [7.2i) ] 5ml(10)を
加えた後,水で標線まで薄め,1530分間放置する(11)。
注(9) 7.4.1のa)4)又はb)4)の操作を行わない場合の酢酸ナトリウム溶液 [7.2h) ] の必要量は,約30ml
である。
(10) 銅,ニッケル,亜鉛のいずれかが又はそれらの合量が1mg以上存在する場合には,1,10−フ
ェナントロリン溶液 [7.2i) ] の添加量を25mlとする。
(11) 1,10−フェナントロリン鉄錯体の呈色は,1530分間放置した後,約2時間は安定である。
7.4.3 吸光度の測定 7.4.2c)で得た溶液の一部を光度計の吸収セル (10mm) (12)に取り,水を対照液として,
波長510nm付近の吸光度を測定する。
注(12) 鉄含有率が0.01% (m/m) 未満の試料の場合には,20mmの吸収セルを用いる。
7.5 空試験 試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。
――――― [JIS H 1353 pdf 8] ―――――
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7.6 検量線の作成 100mlの全量フラスコに塩酸 (1+1) 25mlを取り,水で標線まで薄めた後,数個のビ
ーカー (300ml) に10.0mlずつ取り,標準鉄溶液 [7.2j) ] 025.0ml(鉄として0500 柿 を段階的に加える。
塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液2mlを加えて振り混ぜる。以下,7.4.2b)7.4.3の手順に従って操作し,
得た吸光度と鉄量の関係線を作成し,この関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
7.7 計算 計算は,次のいずれかによる。
a) 7.4.1のa)4)又はb)4)の操作を行わなかった場合
7.4.3で得た吸光度から7.5で得た吸光度を差し引いて得られる吸光度と,7.6で作成した検量線とか
ら鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。
A
Fe= 100
m
ここに, Fe : 試料中の鉄含有率 [% (m/m) ]
A : 試料溶液中の鉄検出量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
b) 7.4.1のa)4)又はb)4)の操作を行った場合
7.4.3で得た吸光度から7.5で得た吸光度を差し引いて得られる吸光度と,7.6で作成した検量線とか
ら鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。
A
Fe= 100
B
m
100
ここに, Fe : 試料中の鉄含有率 [% (m/m)
A : 分取した試料溶液中の鉄検出量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
B : 7.4.1のa)4)又はb)4)で分取した試料溶液及び空試験液の量
(ml)
――――― [JIS H 1353 pdf 9] ―――――
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H 1353 : 1999
JIS改正原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 畦 上 尚 株式会社日軽分析センター
藤 沼 弘 東洋大学工学部
村 上 徹 朗 工学院大学
大河内 春 乃 東京理科大学
俣 野 宣 久 川崎製線株式会社
村 山 拓 己 通商産業省基礎産業局
大 嶋 清 治 工業技術院標準部
橋 本 繁 晴 財団法人日本規格協会
井 川 洋 志 昭和電工株式会社千葉事業所
泉 巌 日本軽金属株式会社蒲原製造所
坂 巻 博 新日軽株式会社管理部
勝間田 一 宏 三菱アルミニウム株式会社富士製作所
川 口 修 スカイアルミニウム株式会社技術研究所
北 村 照 夫 昭和アルミニウム株式会社研究開発部
豊 嶋 雅 康 住友軽金属工業株式会社研究開発センター
中 田 滋 古河電気工業株式会社福井事業所
坂 本 敏 正 株式会社神戸製鋼所アルミ・銅事業本部
安 部 正 明 東洋アルミニウム株式会社研究開発本部
久留須 一 彦 古河電気工業株式会社横浜研究所分析技術センター
水 砂 博 文 住友電気工業株式会社研究開発部
船 渡 好 人 株式会社島津製作所分析機器事業部
本 多 和 人 株式会社パーキンエルマージャパン応用技術部
(事務局) 井 波 隆 夫 社団法人軽金属協会
JIS H 1353:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 793:1973(NEQ)
JIS H 1353:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.10 : アルミニウム及びアルミニウム合金
JIS H 1353:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH1351:1972
- アルミニウム及びアルミニウム合金の分析方法通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質