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K 2275-2 : 2015
B.2.3 循環式かき混ぜ器(空気吹込みではない。)による均質化
B.3に従って,適切な乳化剤を加える。固定された容器,又は持ち運び形の容器の内容物を,小形のポ
ンプで,固定式のかき混ぜ器を内蔵した外付けの小径のパイプを通して循環させる。持ち運び形の容器の
場合は,簡易に脱着できる接続器具を用いる。選定したポンプの設計及び流量を考慮し,製造業者の取扱
説明書に従って操作する。
均質化条件には,B.3で検証した吸引口,戻り口の位置,かき混ぜ時間及び循環率を用いる。全ての試
料が完全に混合されたら,ポンプを稼動させた状態で必要な量の二次試料を循環パイプのコックから採取
する。採取後,ポンプの容器を空にし,溶剤で循環洗浄して,圧縮空気及び窒素ガスを吹きつけて乾燥さ
せる。
B.3 均質化条件の検証
B.3.1 均質でない混合物から二次試料を採取する場合に,適切に混合された試料を採取するために必要
な,混合技術及び混合時間が適正であることを検証する。
B.3.2 あらかじめ質量をはかった試料容器に透明で明るく,水滴又はパティキュレートを含まない石油製
品の試料を,80 %ほど容器に満たす。7.3の試料の測定の手順に従い,ブランク試料の水分を求める。ブ
ランク試料の水分の平均値を計算する。
注記 ブランク試料の水分の値を決定するために,この試料を混合する必要性は少ない。
B.3.3 容器の中の試料量を決定するために,試料容器を0.1 g単位ではかって試料の量を求める。試料の
温度を1 ℃単位で記録する。水分を0.1 %まで上昇させるのに十分な水を加える。この水分量を0.1 mg単
位で記録する。
B.3.4 10 mLの注射器を使い,適切な乳化剤溶液を注入する。試験する製品がガソリン,灯油又は軽油の
場合,キシレンに溶かしたジオクチルスルホこはく酸ナトリウム溶液を試料100 mLに対して1 mL注入す
れば通常十分である。しかし,試験する製品がナフサならば,キシレンに溶かしたジオクチルスルホこは
く酸ナトリウム溶液を試料100 mLに対して2 mLの注入が必要である。
B.3.5 試料をかき混ぜる。高せん断かき混ぜ器の場合,かき混ぜ速度,かき混ぜ時間及びシャフトの先端
から容器の底までの距離(通常,それらは,毎分15 000回転,60 s及び20 mmが適切である。)を記録す
る。循環式かき混ぜ器の場合,かき混ぜ時間,循環率及び吸入口と戻り口とのおおよその位置を記録する。
1分間に最低1回,全量が循環するような循環率で15分間かき混ぜる。
注記 循環式かき混ぜ器の場合,吸入口の位置ができるだけ容器の底に近いものが適切である。
B.3.6 かき混ぜ後,2個の試料を採取し,7.3の試料の測定の手順に従って試験する。2個の試験結果がこ
の試験方法の室内併行許容差内で一致し,測定した水分が,加えた水の量とブランク試料の水分との合計
と一致するならば,かき混ぜ条件は十分であると記録する。
かき混ぜ終了時から2番目に試料を採取するまでの時間が,試料が均質で安定している時間となる。
結果がこの試験方法の室内併行許容差から外れる場合は,結果を棄却し,手順の最初からやり直し,よ
り厳しいかき混ぜ条件を用いる。
――――― [JIS K 2275-2 pdf 16] ―――――
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K 2275-2 : 2015
附属書JA
(参考)
試験方法の種類
JA.1 試験方法の種類
JIS K 2275の規格群には,表JA.1に示す試験方法がある。
表JA.1−試験方法の種類
規格番号 試験方法の種類 適用油種 適用水分範囲 備考
K 2275-1 蒸留法 原油 体積分率0.051.0 % 揮発性で水に溶解する物質は,水
石油製品 体積分率0.0525 % 分として定量される。
(燃料油,潤滑油, 範囲から外れた試料も測定
グリースなど) できるが精度は適用しない。
K 2275-2 カールフィッシ 原油 質量分率0.022.00 % 水分以外でカールフィッシャー試
ャー式容量滴定 原油中に含まれているチオ 薬と反応する物質(妨害物質)を
法 ール及びスルフィドからの 含む添加剤を添加した石油製品に
硫黄分が質量分率0.005 %以は適用できない。ただし,妨害物
下の場合 質を含んでいても水分気化装置を
石油製品 301 000 mg/kg 用いた場合に気化ガス中に妨害物
質を含まない試料は,水分気化装
(ガソリン,灯油, 範囲から外れた試料も測定
軽油,A重油,潤 置を用いて測定することができ
できるが精度は適用しない。
滑油基油など) る。
K 2275-3 カールフィッシ 原油 質量分率0.025.00 %
ャー式電量滴定 原油中に含まれているチオ
法 ール及びスルフィドからの
硫黄分が質量分率0.005 %以
下の場合
石油製品 301 000 mg/kg
(ガソリン,灯油, 範囲から外れた試料も測定
軽油,A重油,潤 できるが精度は適用しない。
滑油基油など)
K 2275-4 水素化物反応法 原油 体積分率0.052.0 % この方法は,ポータブル形で電気
範囲から外れた試料も測定 及び火気を使用しないために,実
できるが精度は適用しない。
験室以外の場所での測定に適して
石油製品 測定できるが精度は適用し いる。
ない。
参考文献
[1] JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
――――― [JIS K 2275-2 pdf 17] ―――――
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K 2275-2 : 2015
K2
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附属書JB
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(参考)
5-
2 : 2
JISと対応国際規格との対比表
015
ISO 6296:2000,Petroleum products−Determination of water−Potentiometric Karl
JIS K 2275-2:2015 原油及び石油製品−水分の求め方−第2部 : カールフィッシ
ャー式容量滴定法 Fischer titration method
ISO 10336:1997,Crude petroleum−Determination of water−Potentiometric Karl Fischer
titration method
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと(V) JISと国際規格との技術的差
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範囲 石油製品の適用油種 ISO 6296 1 適用範囲 追加 JISは,適用する石油製品の分類を 適用油種を明確にした。
ガソリン,灯油,軽油,A重油,潤
滑油基油などとした。
削除 沸点390 ℃の規定を削除した。 国内の使用実態に合わせて適用
範囲を変更した。
3 試験の原 試験の原理を規定 ISO 6296 3 試験の測定原理を 追加 JISは,カールフィッシャー試薬の 水分を求める計算を分かりやす
理 ISO 10336 3 規定 力価から,水分を求めることを追加くするために追加した。
した。
4 試薬 4.1容量滴定法カール ISO 6296 4.3 カールフィッシャ 削除 JISでは,規定しない。 国内で市販されているカールフ
フィッシャー試薬 ISO 10336 4.1 ー試薬の組成の詳 ィッシャー試薬の種類が多いた
細を規定 め,これらの試薬を適切に選択し
て使用できるようにした。実質的
な技術的差異はない。
4.2滴定用混合溶剤 ISO 6296 4.8 3種類の市販品カー 変更 JISは,市販品カールフィッシャー 国内で市販されているカールフ
ISO 10336 4.5, ルフィッシャー試 試薬に適合した溶剤を規定した。 ィッシャー試薬に適合した溶剤
4.6 薬に適合した滴定 を適切に選択して使用できるよ
用溶剤 うにした。
――――― [JIS K 2275-2 pdf 18] ―――――
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K 2275-2 : 2015
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと(V) JISと国際規格との技術的差
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
4 試薬 4.3 水JIS K 0557に規ISO 6296 4.5 ISO 3696グレード3 変更 JISは,水の規格を引用した。 JISの体系に合わせて,使用する
(続き) 定するA3 ISO 10336 4.7 水及び試薬に変更した。実質的な
4.4 キシレンJIS K ISO 6296 4.2 試薬グレード 変更 JISは,試薬の規格を引用した。 技術的差異はない。
8271に規定するもの ISO 10336 4.2
4.7水−メタノール標 − − − 追加 JISでは,試験器の点検で使用する 国内の試験器点検での使用実態
準液 標準液として規定した。 に合わせて追加した。
5 試験器及 5.1 カールフィッシャISO 6296 5.1 カールフィッシャ 追加 JISは,試験器の詳細を規定すると 利用者の利便性を考慮して追加
び器具 ー式容量滴定法水分試ISO 10336 5.1 ー式容量滴定法試 ともに図を追加した。 した。
験器 験器
5.4 c) 水分気化装置 − − − 追加 JISでは,妨害物質を含む試料測定 国内での使用状況の実情に合わ
のために水分気化装置の使用を許容せて許容した。
した。
− ISO 6296 5.5 フラスコ100 mL 削除 一般的な器具のため削除した。 国内の器具の利用状況を考慮し
5.6 デシケータ て削除した。
5.7 乾燥器
5.8 冷却槽
7 試験の手 7.2 カールフィッシャISO 6296 7.1 カールフィッシャ 追加 JISは,カールフィッシャー試薬の 国内の実施状況に合わせて許容
順 ー試薬の標定 ISO 10336 7.2 ー試薬の標定 標定で水のほかに,市販されているした。
水−メタノール標準液を許容した。
7.3 試料の測定 ISO 10336 7.3.6 繰返し測定 削除 ISO 6296には,繰返し規定がないたISO 2規格整合のために削除し
め,整合性を考慮して削除した。 た。実質的な技術的差異はない。
−
7.3 b) 3) 試料注入時の − − 追加 JISは,試料注入時の注射器の取扱 使用者の利便性のために追加し
注射器の取扱い いについて詳細に規定した。 た。
8 計算方法 b) 石油製品の場合 ISO 6296 8 質量分率%で計算 変更 JISでは,mg/kg及びμL/Lによる計 国内の実態に合わせた試験結果
算方法に変更した。 の報告のために変更した。
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K 2275-2 : 2015
K2
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(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと(V) JISと国際規格との技術的差
2
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
75-
2
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
: 2
及び題名 番号 の評価
01
9 結果の表 石油製品の結果の表しISO 6296 9 水分の表し方につ 変更 JISでは,mg/kg又はμL/L単位で, 石油製品での試験結果の報告に
5
し方 方 いて,質量分率%, 有効数字3桁に丸め,小数点以下を ついて国内の実態に合わせて変
及び丸めの幅0.001 含む場合は,整数位とした。 更した。
で規定。
原油の結果の表し方 ISO 10336 9 − 追加 体積分率%での表し方を追加した。 原油での試験結果の報告につい
て国内の実態に合わせて追加し
た。実質的な技術的差異はない。
10 精度 精度 ISO 6296 10 精度 追加 JISは,許容差を外れた場合の処
JISは,JIS Z 8402-6によって処理す
ISO 10336 10 ることを規定した。 理を明確にするために追加した。
石油製品の精度 ISO 6296 10 精度 変更 JISは,精度の単位をmg/kgとした。 JISの規格体系に合わせて変更
した。
表4−原油の試験精度 ISO 10336 10 精度 追加 JISでは,原油の精度について,試 利用者の利便性を考慮して追加
の例 験結果に対する精度の計算例の表をした。
追加した。
附属書A 原油試料の取扱い ISO 10336 Annex 試料の取扱い 変更 ISOは単独規格のため,JISでは取り分かりやすくするために変更し
(規定) A 扱う試料を明確にした。 た。
附属書B 石油製品試料の取扱い ISO 6296 Annex 試料の取扱い 変更 ISOは単独規格のため,JISでは取り分かりやすくするために変更し
(規定) A 扱う試料を明確にした。 た。
附属書JA 試験方法の種類 − − − 追加 JISは,JIS K 2275規格群の水分の求
利用者の利便性を考慮して追加
(参考) め方の試験方法の種類を追加した。した。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : (ISO 6296:2000,ISO 10336:1997,MOD)
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD 国際規格を修正している。