9
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ここに, Wp : 試料の水分(mg/kg)
F : カールフィッシャー試薬の力価(mg/mL)
T : 滴定に要したカールフィッシャー試薬の量(mL)
M : 試料のはかりとり量(g)
水分をμL/Lに換算する場合は,次の式によって算出する。
Wp, vWp
ここに, Wp,v : 試料の水分(μL/L)
Wp : 試料の水分(mg/kg)
ρ : 試料の密度(g/cm3)
9 結果の表し方
水分は,JIS Z 8401の規定によって,次のように丸めて表す。
− 原油の場合は,質量分率%又は体積分率%で表し,丸めの幅0.01に丸める。
− 石油製品の場合は,mg/kg又はμL/Lで表し,有効数字3桁に丸める。ただし,小数点以下を含む場合
は,整数位とする。
10 精度
10.1 一般事項
この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。試験結果が許容差を超え
た場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。
なお,水分気化装置を用いた場合は,この精度は,適用しない。
10.2 室内併行精度
同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験したとき,試験結果
の差の許容差は,表2及び表3による。
10.3 室間再現精度
異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求めた2個の試験結
果の差の許容差は,表2及び表3による。表2に示す精度の計算例を,表4に示す。
表2−原油の精度
単位 質量分率%
カールフィッシャー試薬の種類室内併行許容差a) 室間再現許容差a)
ピリジンを含むカールフィッシ 0.034X (1/3) 0.111X (1/3)
ャー試薬の場合
ピリジンを含まないカールフィ 0.032X (1/3) 0.095X (1/3)
ッシャー試薬の場合
注a) は,試験結果の平均値である。
表3−石油製品の精度
単位 mg/kg
室内併行許容差 室間再現許容差
17 77
――――― [JIS K 2275-2 pdf 11] ―――――
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K 2275-2 : 2015
表4−原油の試験精度の例
単位 質量分率%
水分 室内併行許容差 室間再現許容差
ピリジンを含む ピリジンを含まない ピリジンを含む ピリジンを含まない
カールフィッシャー カールフィッシャー カールフィッシャー カールフィッシャー
試薬の場合 試薬の場合 試薬の場合 試薬の場合
0.02 0.009 0.009 0.030 0.026
0.05 0.013 0.012 0.041 0.035
0.1 0.016 0.015 0.052 0.044
0.2 0.020 0.019 0.065 0.056
0.5 0.027 0.025 0.088 0.075
1.0 0.034 0.032 0.111 0.095
1.5 0.039 0.037 0.127 0.109
2.0 0.043 0.040 0.140 0.120
11 試験結果の報告
試験結果の報告には,次の事項を記載する。
a) 試料名,採取場所及び採取年月日
b) この規格の番号(JIS K 2275-2)
c) 結果(箇条9の表し方による。)
d) 試験年月日
e) 特記事項
――――― [JIS K 2275-2 pdf 12] ―――――
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附属書A
(規定)
原油試料の取扱い
A.1 一般
A.1.1 試料の取扱方法は,試料が採取された目的による。その目的によって試験手順は,特別な取扱方法
が要求されることがあるため,試験の最適な方法を調べ,試料取扱いについて必要な指示書を試料採取者
に渡す。
A.1.2 次の試料については,その取扱いに十分注意する。
a) 蒸発による減量のおそれがある,揮発性の高い物質を含んだもの。
b) 試料容器の中で,分離のおそれのある水,セジメントを含んだもの。
c) 十分な保温が行われないことによって沈積するワックスを含んだもの。
A.1.3 採取試料を混合して試料を調製するときは,揮発性の高い軽質分が蒸発して,水分の結果に影響し
ないよう細心の注意を払わなければならない。混合試料の調製は,非常に難しいので,できれば避けるこ
とが望ましいが,調製した場合は,特記事項として記載する。
A.1.4 試料採取場所で揮発性の高い試料を他の試料容器に移し替えてはならない。また,採取した試料容
器は,冷却して逆さまにして試験室に送ることが望ましい。試料が揮発性の高い留分,又は遊離水(自由
水)を含んでいる場合は,細心の注意が必要である。
A.2 試料の均質化
A.2.1 一般事項
水分及びセジメントを含む試料並びに不均質な試料を,試料容器から小さな試料容器に移し替える場合,
及び試験室で試験に用いる前に行う場合の均質化の手順を規定する。
なお,移し替える前に試料が十分に混ざっていることを証明する手順は,A.3による。
水及びセジメントを含む少量の液体試料を手動でかき混ぜ,試料中に水及びセジメントを十分に拡散さ
せることは不可能である。試料を移送又は小分けする前に強力な機械的又は流体混合によって,均質化す
る必要がある。
均質化には様々な方法があるが,均質化に用いる装置は,A.3に規定する均質化条件の検証に適合し,
水の粒子が50 μmより小さく,1 μmより大きくできるものが望ましい。
A.2.2 高せん断かき混ぜ器(空気吹込みではない。)による均質化
高せん断かき混ぜ器の先端部が試料容器の底から30 mmになるように挿入する。かき混ぜ器は,毎分
15 000回転が適しているが,かき混ぜ時間の検証が満足できれば条件を変えて設定してもよい。
揮発性物質を含む原油の軽質分の蒸発を最小にするため,容器を覆うパッキンを通してかき混ぜ器を操
作する。かき混ぜ時間3分は,試料が完全に均質になるのに十分であるが,容器の大きさ又は原油の性状
によって時間を変更してもよい。試料が均質化する条件をA.3によって検証する。かき混ぜ中の試料の温
度上昇は,10 ℃を超えてはならない。
A.2.3 外付け循環式かき混ぜ器(空気吹込みではない。)による均質化
固定された容器,又は持ち運び形の容器の内容物を,小形のポンプで,固定式のかき混ぜ器を内蔵した
外付けの小径のパイプを通して循環させる。持ち運び形の容器の場合は,簡易に脱着できる接続器具を用
――――― [JIS K 2275-2 pdf 13] ―――――
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いる。選定したポンプの設計及び流量を考慮し,製造業者の取扱説明書に従って操作する。
設定は,少なくとも1分間に1回試料が循環する流量に調整する。
全ての試料が完全に混合したら,ポンプを稼動させた状態で必要な量の二次試料を循環パイプの途中に
あるコックから採取する。採取後,ポンプの容器を空にし,溶剤で循環洗浄して,圧縮空気及び窒素ガス
を吹きつけて乾燥させる。
なお,かき混ぜ時間は,通常15分間程度であるが,水分の含有量,原油の種類,かき混ぜ器の仕様など
によって異なる。
A.3 均質化条件の検証
A.3.1 かき混ぜて試料が均質化し,安定した後,かき混ぜ容器から連続して採取した試料について,同等
の結果を得られるまでかき混ぜを続ける。これによって,かき混ぜに必要な最小時間を決めることができ
る。
なお,この時間までに,試料が均質化され,引き続き安定している場合は,これ以上かき混ぜることな
く,試料を試験に用いることができる。
A.3.2 かき混ぜ後短時間で試料が均質でなくなる場合には,A.3.3によって,かき混ぜ時間を検証する。
注記 原油の性状によっては,かき混ぜ途中でも試料を採取して検証することが必要な場合がある。
A.3.3 試料容器に採取した試料を約3/4まで満たし,かき混ぜて均質化する。かき混ぜ時間,かき混ぜ速
度及び容器の底からのかき混ぜ器の位置を記録する。かき混ぜ後,2個の試料を採取し,この試験方法で
直ちに水分を測定する。2個の試験結果が試験方法の室内併行許容差内であれば,平均値をブランク試料
の水分として記録する。2個の試験結果が許容差から外れる場合は,かき混ぜ時間を長くするか,回転速
度を上げて,この手順を繰り返す。
A.3.4 試料容器の質量をはかった後,試料を3/4まで満たして質量をはかり,試料の質量を求める。試料
の水分をおおよそ質量分率2 %増加させる水分量をはかり,試料に加え,A.3.3のブランク試料に対して行
ったかき混ぜと同一条件(同一時間,同一回転速度,容器の底からのかき混ぜ器の位置が同一)で試料を
かき混ぜる。かき混ぜ後,2個の試料を採取し,この試験方法で直ちに水分を測定する。2個の試験結果が
この試験方法の室内併行許容差内で一致し,測定された水分が,加えた水の量とブランク試料の水分との
合計と一致するならば,かき混ぜ条件は十分であると記録する。
かき混ぜ終了時から2番目に試料採取するまでの時間が,試料が均質で安定している時間となる。
結果がこの試験方法の室内併行許容差から外れる場合は,結果は棄却して,かき混ぜ時間を長くする,
かき混ぜ速度を速めるなど,試験条件を変更してA.3.3からの操作をやり直す。
A.4 試料の移送
A.4.1 試料容器が持ち運びできない場合,及び容器から直接試験室の試験器に移すのが不便な場合は,代
表的な試料を試験室に持ち運びできる容器に移し替えて移送する。
A.4.2 試料を移送するときは,A.2に従い,容器内の試料は均質化しなければならない。
A.4.3 A.3に従い,容器とかき混ぜ器との組合せごとに,かき混ぜ時間の検証を行う。
A.4.4 試料の移送は,試料が均質化し安定している時間内に行う。移送は,20分以内に行わなければな
らない
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K 2275-2 : 2015
附属書B
(規定)
石油製品試料の取扱い
B.1 一般
B.1.1 試料の取扱方法は,試料が採取された目的による。その目的によって試験手順は,特別な取扱方法
が要求されることがあるため,試験の最適な方法を調べ,試料取扱いについて必要な指示書を試料採取者
に渡す。用いる試験の手法が要求される事項と合わないならば,複数の試料を採取し,適切な手法をそれ
ぞれの試料に用いる。
B.1.2 次の試料については,その取扱いに十分注意する。
a) 蒸発による減量のおそれがある,揮発性の高い物質を含んだもの。
b) 試料容器の中で,分離のおそれのある水,セジメントを含んだもの。
c) 十分な保温が行われないことによって沈積するワックスを含んだもの。
B.1.3 採取試料を混合して試料を調製するときは,揮発性の高い軽質分が蒸発して,水分の結果に影響し
ないよう細心の注意を払わなければならない。混合試料の調製は,非常に難しいので,できれば避けるこ
とが望ましいが,調製した場合は,特記事項として記載する。
B.1.4 試料採取場所で揮発性の高い試料を他の試料容器に移し替えてはならない。また,採取した試料容
器は,冷却して逆さまにして試験室に送ることが望ましい。試料が揮発性の高い留分,又は遊離水(自由
水)を含んでいる場合は,細心の注意が必要である。
B.1.5 軽質試料及び中間留分試料は,透明なほうけい酸ガラス製容器に採取する。
B.2 試料の均質化
B.2.1 一般事項
試料が透明で明るく,渦に水滴又はパティキュレートを含んでいなければ,かき混ぜ操作は不要である。
この手順は,試料が透明で明るくないか,渦に水滴又はパティキュレートを含んでいる試料を,試料容
器から小容器,又は試験室の試験器に移す前に均質化する方法を規定する。
なお,移し替える前に試料が十分に混ざっていることを証明する手順はB.3による。
水及びセジメントを含む少量の液体試料を手動でかき混ぜ,試料中に水及びセジメントを十分に拡散さ
せることは不可能である。試料を移送又は小分けする前に,ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム溶液を
加えて,強力な機械的又は流体混合によって,均質化する必要がある。
B.2.2 高せん断かき混ぜ器(空気吹込みではない。)による均質化
B.3に従って,ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム溶液を加える。シャフトの先端が,B.3で検証した
底面からの距離以内に届くように,高せん断かき混ぜ器を試料容器に入れる。B.3で検証したかき混ぜ時
間及びかき混ぜ速度で,試料をかき混ぜる。
揮発性物質を含む試料の軽質分の蒸発を最小にするため,容器を密封するパッキンを通してかき混ぜ器
を操作する。かき混ぜ中に試料の温度上昇が2 ℃を超えないようにする。2 ℃を超える場合は,試料容器
を冷却しながらかき混ぜる。
異なる試料をかき混ぜるときは,操作ごとにかき混ぜ器のシャフトを溶剤で完全に洗浄する。
――――― [JIS K 2275-2 pdf 15] ―――――
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