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1 試料導入部 7 キャピラリカラム
2 充カラム 8 キャピラリカラム槽
3 充カラム槽 9 抵抗管
4 充カラムのリファレンスカラム 10 抵抗管
5 充カラム用検出器 11 キャピラリカラム用検出器
6 連結部 12 データ処理装置(2チャネル同時処理)
図1−2槽形ガスクロマトグラフの構成の例
a) 試料導入部 試料導入部は,注入口及びスプリットベントからなり,導入した試料を分岐できる機能
をもつもので,試験温度が200250 ℃で保つことができるもの。
b) カラム槽 カラム槽は,40250 ℃の範囲を多段プログラム昇温制御ができる構造のもの。
c) カラム カラムは,次に示す充カラム及びキャピラリカラムの組合せとする。カラムの例を表2に
示す。
1) 充カラム ステンレス鋼管に粒径180250 μm又は150180 μmのけい藻土を主成分とする担体
に,極性のある固定相液体としてTCEP[1,2,3-トリス(2-シアノエトキシ)プロパン]を主体に,
多価アルコールを添加し,メタノールがベンゼンとトルエンとの間に溶出し,かつ,n-ドデカンと
重ならないように調製したもの。
2) キャピラリカラム 溶融シリカ製で,メチルシリコンをコーティングしたもの。
――――― [JIS K 2536-4 pdf 6] ―――――
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表2−2槽形ガスクロマトグラフのカラムの例
項目 充カラム キャピラリカラム
固定相液体 TCEP+多価アルコール メチルシリコン
液相の膜厚 μm − 0.5
固定相液体保持量
TCEP % 25 −
多価アルコール % 12 −
内径 mm 3 0.200.35
長さ m 34 2550
d) 検出器槽及び検出器 検出器槽及び検出器は,充カラム及びキャピラリカラムの各々において独立
したものを用いる。検出器槽は,カラム温度又はそれ以上の温度に保つことができるもの。検出器は,
熱伝導度検出器を用いる。
e) データ処理装置 クロマトグラムを記録するとともに,個々のピークの保持時間及びピーク面積値が
検出器別に記録できる2チャネル同時処理ができるもの。積分感度は,1 μV・sにつき1カウント以上
のもの。重複ピークの分割処理は,接線法又は垂線法によるピーク面積処理機能をもつもの。
4.3.2 自動試料導入装置 2 μLの試料をはかりとることができるマイクロシリンジを用いて,試験に必
要な試料量を採取及び導入できるもの。試料の導入精度は,トルエン体積分率5 %含むn-ヘプタン溶液を,
検量線作成時と同じ条件で5回繰り返して測定したとき,ピーク面積の変動係数が2.5 %以下でなければ
ならない。
4.4 試験の準備
試験の準備は,次による。
4.4.1 ガスクロマトグラフの調整
a) 表3を参考にして試験条件を設定する。自動試料導入装置にマイクロシリンジを取り付け,データ処
理装置も使用可能な状態にする。
――――― [JIS K 2536-4 pdf 7] ―――――
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表3−試験条件の例
項目 充カラム キャピラリカラム
キャリヤーガス 種類 ヘリウム ヘリウム
流量 mL/min 30 5
付加ガス 種類 − ヘリウム
流量 mL/min − 30
カラム槽温度 初期温度 ℃ 45 50
初期温度保持時間 min 4 1
第一段昇温速度 ℃/min 6 4
第一段到達温度 ℃ 100 170
第一温度保持時間 min 7 2
第二段昇温速度 ℃/min 8 −
第二段到達温度 ℃ 120 −
第二温度保持時間 min 11 −
検出器 種類 熱伝導度検出器
温度 ℃ 120 180
電流 mA 80 100
試料分割割合 6 1
試料導入量 μL 2
試料導入部温度 ℃ 220
連結部温度 ℃ 200
b) カラム槽の昇温機構及びデータ処理装置を始動させ,空試験での基線が安定していることを確認する。
4.4.2 検量線の作成
a) 検量線作成用試料の調製は,次による。
100 mL全量フラスコに,全量ピペット又はビュレットを用いて,各々の成分の試薬を室温ではかり
とる。はかりとり量は,表1に示す各成分の適用濃度範囲で,適用最高濃度を含む3点以上になるよ
うに,濃度を段階的に変える。次に,試薬が入った100 mL全量フラスコにn-ヘプタンを目盛線まで
加えてかき混ぜる。はかりとる成分は,単独又は複数のいずれでもよい。
なお,メタノールを含む検量線作成用試料の調製は,メタノール単独ではn-ヘプタンと混合せず分
離しやすいため,MTBE,トルエンなどとともに調製する。
b) 検量線作成用試料の規定量を試料導入部に自動試料導入装置で導入する。直ちに,カラム槽の昇温機
構及びデータ処理装置を始動させ,a)で調製した全ての検量線作成用試料のクロマトグラム及びピー
ク面積を記録する。
c) ベンゼン,トルエン,キシレン,メタノール,MTBE,n-トリデカン及びn-テトラデカンについて,
検量線作成用試料の濃度と得られたピーク面積とを用いて,検量線を作成する。
なお,検量線は,一連の試験操作前に作成する。また,カラム又はマイクロシリンジを交換したと
きなど,試験条件を変更したときに作成する。
d) )で作成した検量線が原点を通る直線である場合は,一点検量線法を用いてもよい。この場合の検量
線作成用試料を調製するときの,100 mL全量フラスコへの各成分のはかりとり量の例を表4に示す。
また,クロマトグラムの例を図2に示す。
――――― [JIS K 2536-4 pdf 8] ―――――
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表4−検量線作成用試料の例
単位 mL
純物質名 はかりとり量
ベンゼン 3.0
トルエン 15
キシレン 15
メタノール 3.0
MTBE 7.0
n-トリデカン 0.50
n-テトラデカン 0.50
n-ヘプタン 希釈剤
図2−2槽形ガスクロマトグラフ検量線作成用試料のクロマトグラムの例
――――― [JIS K 2536-4 pdf 9] ―――――
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4.5 試験器の検証
試験器は,成分認証標準物質又は副標準を用いて定期的に検証する。試験値と標準値との差が表6の室
間再現許容差を超える場合は,検量線又は試験条件を見直す。成分認証標準物質は,JIS Q 0034及びJIS Q
0035に従って認証されたものを用いる。
注記 成分認証標準物質は,社団法人石油学会から供給されている。この成分認証標準物質では,ベ
ンゼン,メタノール,エタノール,MTBE,ETBE及び灯油分のJIS K 2536-2によって求めた
認証値が示されている。
4.6 試料の採取方法及び調製方法
試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法,又はそれに準じた方法に
よって採取及び調製する。
4.7 試験の手順
試験の手順は,次による。
a) 4.4.2 b)と同じ条件で,試料の規定量を試料導入部に自動試料導入装置で導入し,直ちに試験を開始す
る。
b) クロマトグラム及びピーク面積を記録し,ベンゼン,トルエン,キシレン,メタノール,MTBE,n-
トリデカン及びn-テトラデカンを同定する。MTBEの面積は,前ピークのテーリングで生じる面積を
接線法によって補正し,算出する。クロマトグラムの例を図3に示す。
なお,ピークの重複については,次に示すような例が考えられる。疑義が生じた場合は,JIS K 2536-2
によって試験しなければならない。
1) メタノールのピークは,C12パラフィンの一部と重なることが確認されている。自動車ガソリンに灯
油が混入している場合など,C12パラフィンがメタノールとして定量されることがある。定量値に疑
義が生じた場合は,試料を水洗処理して測定し,メタノールのピークが消失した場合は,メタノー
ルと判定する。
2) 自動車ガソリンによっては,MTBEピークにC9パラフィン,C8ナフテン,C8オレフィン及びC7シ
クロオレフィンが重なり,これらの成分がMTBEとして定量されることがある。
3) 自動車ガソリンによっては,ベンゼンピークにn-C11パラフィンが重なり,この成分がベンゼンと
して定量されることがある。
――――― [JIS K 2536-4 pdf 10] ―――――
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