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K 2541-2 : 2003
縦形試験器(一例)
横形試験器(一例)
図 1 試験器の構成(一例)
a) 燃焼炉 燃焼管の入口部,中央部及び出口部を個別に加熱調節できるもの。
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b) 燃焼管 石英製で,試料を酸素と不活性ガス気流中で燃焼させることができるもの。
c) 滴定セル 検出電極,参照電極及び一対の発生電極を内蔵したマグネチックスターラ付きのガラス製
電解液槽。検出電極と参照電極は,二酸化硫黄の吸収によって生じた三よう化物イオンの濃度変化を
検出できるもの。発生電極はこの濃度変化量に相当する三よう化物イオンを発生できるもの。
備考 マグネチックスターラのかくはん速度は,電極をきずつけないように設定する。わずかに渦が
できる程度で十分である。
参考 滴定セルはアースし,電気的妨害を遮断することが望ましい。特に,低硫黄試料測定時に有効
である。
d) 微量電量計 検出電極,参照電極の間にあらかじめ設定した電位差と,滴定中の両電極間の電位差と
を連続的に比較し,差があればこれを補償するのに必要な電流を発生電極に供給できるもの。
e) 硫黄量表示器 発生電極に供給された電気量を硫黄量に換算して表示又は記録できるもの(3)。
注(3) ピーク面積積分値として記録できるものでもよい。
f) マイクロシリンジ 容量10 20 50 び100
g) 試料ボート 石英製又は白金製のもの。
6. 試験器の準備
試験器の準備は,次による。
a) 試験に先立ち燃焼管及びガス導入管を,次によって確認する。
1) 燃焼管 燃焼管及び石英ウ−ルは,石英の劣化や汚れを点検し,清浄でない場合は,清掃又は取り
替えた後,十分に空焼きする。
2) ガス導入管 ガス導入管に劣化や汚れのないことを点検し,清浄にする。
b) 電解液で滴定セル内を洗浄した後,再び電解液を各電極が十分に浸る程度に入れる。
c) 検出電極,参照電極及び発生電極のそれぞれの端子を微量電量計の回路に接続する(4)。
注(4) 縦形試験器の場合は,この段階で終点電位を設定する。
d) 燃焼管出口部の端に滴定セルのガス導入管を連結し,テープヒータに通電し,滴定セルのガス導入管
を100 ℃以上に保温する。
e) 酸素及び不活性ガスの流量,燃焼炉の温度,微量電量計などを測定条件に設定する。測定条件の一例
を表2に示す。
表 2 測定条件(一例)
項目 縦形試験器 横形試験器
酸素流量 mL/min 320 160
不活性ガス流量 mL/min 80 40
燃焼炉温度 入口部 ℃ 850 700
中央部 ℃ 950 900
出口部 ℃ 300 800
微量電量計 バイアス電圧 mV − 160
終点電位 mV 250 −
ゲイン 目盛23 低(約200)
7. 装置の点検と検量線の作成
a) 予想される硫黄含有量の範囲をカバーできるように硫黄標準溶液又は硫黄標準物質を選ぶ。
b) 硫黄標準溶液のはかり採り量を表3から選び,マイクロシリンジに採取し,次の方法によって燃焼管
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へ導入する。
表 3 硫黄標準溶液の種類及びはかり採り量
硫黄標準溶液の種類 はかり採り量
縦形試験器 横形試験器
5質量ppm 50100 1030
50質量ppm 510
250質量ppm 20 50 2 5
1) 縦形試験器の場合 マイクロシリンジの針先を試料注入口を通して燃焼管入口部まで差し込み,硫
黄標準溶液を1.01.2 一 5)で注入し,注入量を正確(6)に読み取る。
2) 横形試験器の場合 マイクロシリンジの針先を試料注入口を通し,硫黄標準溶液を試料ボートに注
入し,注入量を正確(6)に読み取る。次いで試料ボートを燃焼管入口部手前まで移動し,そのまま20
60秒間保持(7)した後,燃焼管入口部へ送入する。
注(5) 試料を一定速度で注入するにはディスペンサ又は自動注入器を用いるとよい。
(6) 硫黄標準溶液の注入前後にマイクロシリンジ内に同量の空気を吸引し,その読みの差から注入
量を求めると,針先からの揮散量を補正した正しい値が求められる。
(7) 試料ボートを燃焼管入口部手前で保持しないで挿入すると,試料が不完全燃焼して正確な測定
値が得られない。
備考 横形試験器でも直接硫黄標準溶液を注入する場合には,1)の操作による。ただし,注入速度は
0.20.3 一
c) 硫黄ピークの形状をチェックする。
1) 硫黄ピークは,正しい形状をしていなければならない[図2 B)]。
2) ピークがテーリングしている場合[図2 A)]は,ゲイン又はバイアスコントロールを少しずつ上げ
ていって,ピークが正しい形状をもつように調節する。
3) ピークがオーバーシュートした場合[図2 C)]は,ゲイン又はバイアスコントロールを少しずつ下
げていってピークが正しい形状をもつように調節する。
A)テーリング B)正常ピーク C)オーバーシュート
図 2 ピーク形状
d) 次の式によって回収係数を算出する。回収係数が0.650.95に入らない場合は試験そのものが疑わし
いので,装置のパラメータ,装置チェックし,硫黄標準溶液を再調製し再測定する。
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10 3 A
F
V D CS
ここに, F : 回収係数
A : 検出硫黄量( 柿
V : 硫黄標準溶液の注入量(
D : 硫黄標準溶液の密度(g/cm3)
Cs : 硫黄標準溶液の硫黄標準値(質量ppm)
e) 硫黄標準溶液の硫黄量表示器の読みを記録する。b)c)の操作を3回繰り返し,各硫黄標準溶液の
硫黄量表示器読みの平均を求める。
f) 各硫黄標準溶液の系列について,硫黄の質量( 柿 に対して各硫黄標準溶液の硫黄量表示器読みの平
均をプロットする。
g) 検量線を毎日又は10試料測定するごとにチェックして,操作条件の変わらないことを確認する。
h) 試験操作及び試験器が正常であることを確認するため,4. e)f)に規定する硫黄標準溶液又は4. g)
に規定する硫黄分認証標準物質を9.の手順によって測定し,標準値又は認証値との偏りを確認する。
1) 1回の試験の場合は1回の試験結果と標準溶液の標準値又は認証標準物質の認証値との差は,次の
許容範囲になければならない。
R
x
2
ここに, x : 試験結果(質量ppm)
μ : 硫黄標準溶液の標準値又は硫黄分認証標準物質の認証値
(質量ppm)
R : この規格の室間再現許容差(質量ppm)
2) 回の試験の場合はn回の試験結果の平均値と標準溶液の標準値又は認証標準物質の認証値との差
は,次の許容範囲になければならない。
1R
xbar
2
ここに, xbar : 試験結果の平均値(質量ppm)
μ : 硫黄標準溶液の標準値又は硫黄分認証標準物質の認証値
(質量ppm)
R1 : 2 2
R r 1( /1 n) (質量ppm)
R : この規格の室間再現許容差(質量ppm)
r : この規格の室内併行許容差(質量ppm)
n : 試験回数
3) 試験結果が許容範囲内にあることを確認する。許容範囲内になければ,試験器を点検し,再試験を
する。
8. 試料の採取方法及び調製方法
JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料調製方法又は
それに準じた方法によって,採取及び調製する。
9. 試料の測定
試料の測定は,次による。
a) 測定の手順 測定の手順は,次による。
1) 直接測定する場合 試料の適量(8)をマイクロシリンジに採り7. b)の操作に従って燃焼管に導入し
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た後,ピーク面積値を読み取る。この操作を同一試料で2回繰り返す。
注(8) 試料の予想濃度から判断して,検量線範囲のほぼ中央になるように,試料をはかり採る。
2) 希釈測定する場合 試料を1 mgのけたまで正確にはかり採り,JIS K 9703に規定する2,2,4-トリメ
チルペンタン又はJIS K 8680に規定するトルエンで約50質量ppmに希釈し,希釈試料溶液を調製
する。ただし,試料が完全に溶解しない場合はトルエンだけでもよい。この希釈試料溶液を1)と
同様の操作を行って硫黄分を測定する。
参考 硫黄分概略値が200質量ppm未満の試料は直接測定するとよく,硫黄分概略値が200質量ppm
超える試料は,希釈測定するとよい。
10. 計算方法
計算方法は,次による。
a) 試料を直接測定した場合 検量線から硫黄量を読み取り,次の式によって硫黄分を整数以下まで算出
する。
103 B
S
V D
ここに, S : 硫黄分(質量ppm)
B : 検量線から読み取った硫黄量( 柿
V : 試料注入量(
D : 試料の密度(9)(g/cm3)
注(9) あらかじめJIS K 2249によって室温で測定しておく。
b) 希釈測定した場合 検量線から硫黄量を読み取り,次の式によって硫黄分を整数以下まで算出する。
10 3 B G
S
V H
ここに, S : 硫黄分(質量ppm)
B : 検量線から読み取った硫黄量( 柿
G : 希釈試料溶液の全量(mL)
V : 試料注入量(
H : 試料のはかり採り量(g)
c) )又はb)で計算した2個の結果が表4の室内併行許容差以内の場合は,これを平均し11.によって
報告する。室内併行許容差を超えた場合は,再度9. a)の操作を行う。
11. 結果の表し方
JIS Z 8401の規定によって丸めの幅1に丸める。
12. 精度
この試験法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。
備考 この許容差を外れた場合は,JIS Z 8402-6によって処理する。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験し
たとき,試験結果の差の許容差を表4に示す。
b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求
めた2個の試験結果の差の許容差を表4に示す。
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