この規格ページの目次
- 4. 原理
- 5. 必要な補足情報
- 6. 材料
- 6.1 白色顔料
- 6.2 白色顔料ペースト
- 7. 装置及び器具
- 7.1 天びん
- 7.2 フィルムアプリケーター
- 7.3 基板
- 7.4 黒白コントラストチャート
- 7.5 希釈ペースト調製器具
- 7.6 測色計
- 7.7 ボール紙の型
- 8. 手順
- 8.1 希釈ペースト調製
- 8.2 希釈ペーストの評価
- 9. 分光光度測定
- 10. 結果の表し方
- 10.1 着色力の増加
- 10.2 着色力増加グラフ
- 11. 結果の有意性
- 12. 試験報告書
- JIS K 5101-5-1:2004の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS K 5101-5-1:2004の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS K 5101-5-1:2004の関連規格と引用規格一覧
3
K 5101-5-1 : 2004 (ISO 8781-1 : 1990)
4. 原理
試験する顔料と,もし指定があれば受渡当事者間で協定した比較顔料のそれぞれを,受渡当事
者間で協定したバインダー系中に規定の条件下で分散する。分散の各段階でミルベースの一部を採取し,
個別に白色顔料ペーストと混合して希釈ペーストを調製する。
各希釈ペーストの着色力(K/S値)をJIS K 5101-3-3に従って測定する。顔料の分散性を評価するため
に,二つの分散段階における着色力のパーセント増加率を計算で求めるか,又は着色力増加のグラフを作
成する。
5. 必要な補足情報
個々の適用に対しては,この規格で規定する試験方法を補足する必要がある。補足
情報を附属書Aに示す。
6. 材料
6.1 白色顔料
使用する白色顔料の種類は,受渡当事者間の協定による。有色顔料ペーストの調製に使
用するバインダー系に相溶性のあるものとする。
ほかに規定がなければ,JIS K 5116に規定する二酸化チタン(グレードR2)を使用する。
6.2 白色顔料ペースト
白色顔料 (6.1) を,試験顔料の分散用に受渡当事者間で協定したバインダー系
に分散してペーストを調製する。顔料濃度は受渡当事者間の協定による。
参考 低粘度ペーストに対して適切な分散体は,二酸化チタンの含有量が約20 %である。高粘度ペ
ーストに適するペーストは,約40 %の二酸化チタンを含有する(例えば,JIS K 5101-3-3の
5.1で規定するペーストを参照)。
7. 装置及び器具
通常の実験用器具及びガラス器具のほかに,次のものを用いる。
7.1 天びん
0.1 mgのけたまではかれるもの。
7.2 フィルムアプリケーター
希釈ペースト(8.2参照)から適切な厚さのフィルムを調製するためのも
の。
7.3 基板
希釈ペーストを塗布するためのもの。
参考 コート紙又はガラス板が適切である。
7.4 黒白コントラストチャート
希釈ペーストが適切な膜厚で塗布されたか確認するためのもの(8.2参
照)。
7.5 希釈ペースト調製器具
希釈ペースト調製器具は,次による。
a) フーバーマラー 高粘度バインダー系の希釈ペーストを調製するときに用いるもの。
b) ビーカー 低粘度バインダー系の希釈ペーストを調製するときに用いる,ガラス又はポリエチレン製
のもの。
7.6 測色計
測色計は,次による。
a) 分光光度計 400700 nmの波長範囲で測定できるもの。
b) 光度計 試験する顔料に適したフィルターのついたもの。
c) 三刺激値色彩計
7.7 ボール紙の型
厚さ約0.50.8 mm,分光光度計(7.6参照)の窓と同じ直径の円形の孔が開いてい
るもの。
参考 ぬれ塗膜の測定に用いる。
――――― [JIS K 5101-5-1 pdf 6] ―――――
4
K 5101-5-1 : 2004 (ISO 8781-1 : 1990)
8. 手順
8.1 希釈ペースト調製
希釈ペースト調製は,次による。
a) IS K 5101-1-1JIS K 5101-1-6から適切な方法を選択し,顔料分散体を作製する。選定した分散段階
(10.1参照)で有色顔料ペーストの試験用試料を採取する。
b) 適切な色の濃さの希釈ペーストになるように有色顔料ペースト及び白色顔料ペースト (6.2) の量を定
め,誤差0.5 %以下の精度でひょう量して混合する。混合の手順は8.1.3による。
備考 適切な色の濃さの見本は,織物用の濃さの見本(ISO 105-A01:1989の12参照)の1/31/25で
ある(例えば,1550 %の反射率又は立体角反射率)。
参考 ISO 105-A01:1989は,1994年にISO 105-A01:1994に改正されている。ISO 105-A01:1994に対
応するJISは,JIS L 0801(染色堅ろう度試験方法通則)があり,この国際規格と同等である。
c) 適切な混合の方法は,次の手順のいずれかによる。
1) 低粘度ペーストの場合は,有色顔料ペーストと白色顔料ペーストとをビーカー(7.5参照)に入れ,
ガラス棒又はスパチュラを用い均一になるまで混合する。混合は全体的に一定の方法で行い,過度
のかくはんは避ける。さらに,かくはん棒に付着したペーストを定期的に混合物に戻すようにする。
2) 高粘度ペーストの場合は,フーバーマラー(7.5参照)を用い,有色顔料ペーストと白色顔料ペース
トとを上板に荷重を掛けないで混合する。ひょう量した有色顔料ペーストと白色顔料ペーストとを
フーバーマラーの下板に載せる(1)。スパチュラを用いてほとんど力を加えないようにしてよく混合
する。このペーストを下板の中心から約35 mmの位置で数箇所に分散して置くか,又は内径40 mm,
外径100 mmのリング状にペーストを広げる(2)。荷重を掛けないで上板を閉じた後に,一回に25回
転ずつ4段階で混合する。各段階の後で混合物をスパチュラで均一化し,これを前と同じように広
げる。
高粘度のペーストは低粘度のペーストと混合しない。
注(1) 顔料ペーストは,透明なプラスチックシートの上にひょう量するとよい。ひょう量したペース
トはスパチュラを用いて下板に移し,シート上に残ったものは上板にこすり落とす。
(2) ガラス板の下に見本として必要な形の紙のリングを置くとよい。
d) 同じ手順で,受渡当事者間で協定した比較顔料から希釈ペーストを調製する。
8.2 希釈ペーストの評価
最初に,希釈ペーストをコントラストチャート (7.4) に塗布し,完全に隠ぺ
いするために必要な最低の膜厚を目視によって決定する。次に,フィルムアプリケーター (7.2) を使用し
て,決定した最低の膜厚以上になるように,試験顔料と受渡当事者間で協定した比較顔料の希釈ペースト
とを連続して別々の基板 (7.3) 上に素早く塗布し,均一な厚さのぬれ塗膜を調製する。ぬれ塗膜の膜厚が
約100 上になると浮きまだら(斑)又は浮き色を起こしやすくなるので,分離を最少に抑えるため
に,膜厚100 李 透明な塗膜が得られない場合には,最初の塗膜が乾燥した後に第二及び必要なら第
三の塗膜を塗布する。
塗膜がべたつくようになり始めたらラビング試験を行う(3)。指で各塗膜の一部を軽くこする。こすった
表面とこすらない表面との色の濃さの差を目視で比較する。
乾燥条件が規定されている場合には,受渡当事者間での協定又は規定の条件に従って塗膜を乾燥させる。
規定がない場合には,続けて9.の作業を行う。一連の試験の中で連続して調製した(すなわち,ほぼ同じ
時間が経過した)希釈ペーストについて分光光度測定を行う(9.参照)。
注(3) ラビング試験によって顔料の分離,例えば,浮きまだら,浮き色又は凝集が起こっていないか
を確かめる。
――――― [JIS K 5101-5-1 pdf 7] ―――――
5
K 5101-5-1 : 2004 (ISO 8781-1 : 1990)
参考 希釈ペーストの塗布に高せん断の手法,例えば,スプレーガン又は噴射式塗装機を用いれば,
棒状のアプリケーターを使用した場合に比べてラビング効果の少ない塗膜が得られることが期
待できる。
9. 分光光度測定
ラビングしていない塗膜の表面の反射率又は立体角反射率を,JIS K 5101-3-3の8.1.4
(Q∞又はR∞の測定)の手順によって測定する。
分光光度計を用いる場合は,波長400700 nmで変化させて,ρ∞又はR∞が最小となる波長を求め,こ
の波長で測定を行う。
フィルターのついた光度計又は三刺激値色彩計を使用する場合は,測定波長が最大吸収波長に近いフィ
ルターを選択する。
一連の比較試験では,受渡当事者間で協定した比較顔料の希釈ペーストの中で最高レベルの分散体を基
準にして波長又はフィルターを選択し,同じ波長又はフィルターを使用して測定を行う。各塗膜のρ∞又
はR∞の値を記録する。測定した値から,JIS K 5101-3-3の附属書Bの方法で,相当するK/S値を求める。
備考 情報として,ラビングした表面の測色が重要となる場合は,これについては受渡当事者間の協
定による。
10. 結果の表し方
次の説明において,tiは分散のi段階の終わりまでに行った仕事量を表す。この値は,
時間,分散装置の回転数,3本ロールミルの通し回数又は単に段階数で表す。
10.1 着色力の増加
二つの分散段階1及び2を受渡当事者間での協定によって選択し,このうち段階2
は最大着色力に近いものを選ぶ。これら二つの段階における着色力の増加は,次の式を用いて計算し,最
も近い整数で表す。
K/ S 2
IS 1 100
K/ S 1
ここに, IS : 着色力の増加(%)
(K/S)1 : 段階1の終わりのK/S値
(K/S)2 : 段階2の終わりのK/S値
異なる顔料間で着色力の増加を比較する場合には,分散段階1及び2を同じにして行う。これらの段階
は試験報告書に記載する。
10.2 着色力増加グラフ
9.に従って得られたK/S値をtiの関数としてプロットする。
備考 着色力の増加グラフは,分散特性を詳細に評価するために用いる。特にまだ試験していない顔
料に対して有効な手段である。例えば,着色力増加グラフが極大値を示す(又はK/Sとtiの逆
数のプロットが極小値を示す)場合には,過分散,凝集又は再結晶化が起きている。逆数プロ
ットの利点は,ほぼ直線の関係が得られることにある。
この直線を1/ti=0(ti=∞)に外挿することによって最大着色力を求めてもよい。
グラフの緩やかな傾きは易分散を,急な傾き(すなわち,大きな着色力の増加)は難分散を
示す。
11. 結果の有意性
着色力の増加ISが020の場合は,試験顔料と受渡当事者間で協定した比較顔料との
差が7を超えなければ分散性に有意差があるとはいえないが,IS値の範囲が50100の場合,12を超える
差があれば有意差があるとみなす。
――――― [JIS K 5101-5-1 pdf 8] ―――――
6
K 5101-5-1 : 2004 (ISO 8781-1 : 1990)
12. 試験報告書
試験報告書には,少なくとも次の事項を記載する
a) 試験した顔料の種類及びその詳細
b) この規格及びJIS K 5101-1-1JIS K 5101-1-6の引用
c) 附属書Aの補足事項の項目
d) ぬれ塗膜の測定又は,乾燥塗膜の測定かの区分(8.2と9.参照)
e) 着色力の増加IS (K/S) 1及び (K/S) 2に相当する分散段階の特定(10.1参照),並びに測定したISの差が
有意か実験誤差範囲内か(11.参照)の記述
f) 希釈ペーストの塗布からラビング試験までの時間及びラビング試験で浮きまだら,凝集又は浮き色が
観察されたかどうか
g) この規格で規定する試験手順との相違点
h) 試験年月日
――――― [JIS K 5101-5-1 pdf 9] ―――――
7
K 5101-5-1 : 2004 (ISO 8781-1 : 1990)
附属書A(規定)必要な補足情報
この附属書に示す補足情報は,この規格の試験方法が実施できるように,適切に提供されなければなら
ない。
必要な情報は,受渡当事者間で協定しておくことが望ましく,顔料及び体質顔料に関連する国際規格,
日本工業規格(日本産業規格)又はその他の文献から一部又は全部を引用してもよい。
a) 分散方法(JIS K 5101第1部参照)
b) 白色顔料の種類(6.1参照)及び白色顔料ペーストの組成(6.2参照)
c) 希釈比率(8.1参照)
d) フィルムの塗布方法(8.2参照)
e) 結果の表し方(数値又はグラフ)
f) 比較顔料(受渡当事者間で協定した場合)
JIS K 5101-5-1:2004の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8781-1:1990(IDT)
JIS K 5101-5-1:2004の国際規格 ICS 分類一覧
- 87 : 塗料及び色材工業 > 87.060 : 塗料配合剤 > 87.060.10 : 顔料及びエキステンダ
JIS K 5101-5-1:2004の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK5101-1-1:2004
- 顔料試験方法―第1部:分散性評価のための分散方法―第1節:通則
- JISK5101-1-2:2004
- 顔料試験方法―第1部:分散性評価のための分散方法―第2節:ペイントコンディショナ形振とう機
- JISK5101-1-3:2004
- 顔料試験方法―第1部:分散性評価のための分散方法―第3節:高速インペラミル
- JISK5101-1-4:2004
- 顔料試験方法-第1部:分散性評価のための分散方法-第4節:ビーズミル
- JISK5101-1-5:2004
- 顔料試験方法-第1部:分散性評価のための分散方法-第5節:フーバーマラー
- JISK5101-1-6:2004
- 顔料試験方法-第1部:分散性評価のための分散方法-第6節:3本ロールミル
- JISK5101-3-3:2004
- 顔料試験方法―第3部:着色力―第3節:有色顔料の相対着色力及び白色顔料の相対散乱能の測定(光度計法)
- JISK5116:2004
- 二酸化チタン(顔料)