JIS K 6217-3:2001 ゴム用カーボンブラック―基本特性―第3部:比表面積の求め方―CTAB吸着法 | ページ 2

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5. 試薬 試薬は,JIS(試薬)で規定する特級又はそれと同等の品質のものを使用する。水は蒸留水又は
イオン交換水を使用し,容器に保管する。水を移し替えるチューブはポリテトラフロロエチレン,ポリエ
チレン,石英又は他の耐薬品性の材質のものを使用する。
5.1 りん酸カリウム りん酸ナトリウム緩衝液 (pH7) 2.722gのりん酸二水素カリウム (KH2PO4) ,
4.260gのりん酸水素二ナトリウム (Na2HPO4) 及び1.169gの塩化ナトリウム (NaCl) を水に溶かし,総量
を1dm3に希釈する。
5.2 CTAB溶液 3.64gのCTABを900cm3の水で溶解する。100cm3の緩衝液 (5.1) を加え,2737℃に
温め,溶解を促進する。使用する前に2225℃に冷却する。
備考 低温では結晶が析出するので,溶液の温度は,どのようなときにも22℃を下回ってはならない。
5.3 ホルムアルデヒド,37% (m/m) 溶液
5.4 スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリゥム溶液(方法1,2及び3) スルホこはく酸ジ−2−
エチルヘキシルナトリウムの1.00gを,2.5cm3のホルムアルデヒド溶液 (5.3) を含む水にマグネチックス
ターラを用いて溶解する。ポリエチレン容器中で1dm3まで希釈し,48時間マグネチックスターラで激し
くかくはんする。標定には12日間以上放置してから使用する。容器に栓をし,冷所に保管する。
備考1. スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウムの固体試薬の容器の開封後は,デシケータ
ー中に保管する。
2. 調製した溶液は6か月以内に使用しなければならない(ホルムアルデヒドの入っていない試
薬溶液は,微生物によって徐々に分解される。)。
5.5 オクチルフェノキシポリエトキシエタノール,0.15% (m/m) 溶液(方法1) オクチルフェノキシ
ポリエトキシエタノール1.5gを水に溶かし,1dm3に希釈する。均一になるまでマグネチックスターラで
激しくかくはんする。
5.6 SDS溶液(方法4) SDS 0.606gを,2.5cm3のホルムアルデヒド溶液を含む水に溶かし,1dm3に希
釈し,少なくとも24時間放置する。
備考 試薬の純度が重要である。溶液が濁っていたり,沈殿物が混じっていたりすれば試薬の純度が
十分でなくこの試験に使用してはならない。
5.7 ジクロロフルオレセインエタノール溶液(方法4の指示薬pH46) 2,7−ジクロロフルオレセイ
ン0.20gを70cm3のエタノールに溶かし,滴瓶に貯蔵する。
5.8 ブロモフェノールブルーエタノール水溶液(方法3の指示薬pH3.03.6) ブロモフェノールブル
ー0.10gを,60cm3の褐色の滴瓶中で10gのエタノールに溶かし,40cm3の水を加える。
5.9 検定用標準カーボンブラック JIS K 6216-2に規定するCTAB比表面積の基準試料(以下,ITRBと
いう。)を用いる。
6. 試料の調製 一定量の試料をISO 1126に従い,125℃で1時間乾燥する。デシケーター中で室温まで
放冷する。
乾燥した試料は試験をするまでデシケーター中に保管する。
7. 試験条件 試験は,室温23±2℃,相対湿度 (50±5) %, 又は室温27±2.℃,相対湿度 (65±5) %のい
ずれかの条件で行うことが望ましい。
試薬及び装置は,同一の部屋で使用前に2時間以上温度平衡下で保持されることが望ましい。試薬及び
試験装置が蒸気などで汚染されると測定結果が変わるので,試験室はこれらの汚染から隔離しなければな

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らない。
備考 CTAB溶液の保管温度が22℃を下回ると,徐々に結晶が析出してくる。
8. フィルターの確認及び準備 フィルターは,ろ過時間が8分以内のものを使用する。
備考 CTAB溶液からコロイド状に分散したカーボンブラックを分離するのに使われるフィルターは、
使用する前に次のようにしてCTAB溶液に浸して使用してもよい。
少なくとも100cm3のCTAB溶液の入った広口瓶にフィルターを一枚ずつ浸す。使用する前に
48時間以上浸したほうがよい。フィルターを浸すのに使うCTAB溶液は使用後廃棄する。浸さ
れたフィルターは1か月以内に使う。1か月を超えたものは廃棄しなければならない。
フィルターの中にはCTAB溶液に浸している間に反り返るものもある。これを漏れのないよ
うにフィルターホルダーに取り付けることは難しい。フィルターが反り返るのを防ぐには、フ
ィルターとほぼ同じ径で,浸している間にフィルターを平らに保つ十分な重さのおもりをフィ
ルターの上に置くとよい。
このおもりは最初の24時間で取り去ることが望ましい。
9. 試験方法の手順 試験方法の手順は,次による。
9.1 試薬の標定
a) TRBの一定量を6.の手順に従って乾燥する。
b) 乾燥したITRBの,0.20gから0.60gまで0.10g間隔の5水準を,0.1mgまで正しくはかり取る。
c) 各々の試験試料を100cm3の三角フラスコに入れ,22mmの回転子を入れて栓をする。
CTAB溶液の30.00cm3を,ディスペンサー型ピペットを用いて三角フラスコに加え,再び栓をする。
三角フラスコを超音波槽内の水に少なくとも深さ5cmまで漬け,6分間超音波を加えながらマグネチ
ックスターラでかくはんする。
吸着平衡の変化を防ぐために,超音波槽内の水温は,操作の間2227℃に保たなければならない。
一般的には操作の間水温が上がるので,冷水を加えるか,小さな氷片を水の中に入れるか又は取り付
けた冷却コイルで温度を調節する。ただし,水温は22℃を下回ってはならない。
一体になっていない超音波槽とマグネチックスターラ又は振とう機を使う場合には,以下の手順が
望ましい。
1分 超音波処理
1分 かくはん
1分 超音波処理
1分 かくはん
1分 超音波処理
1分 かくはん
d) フィルターホルダーの上部部品のねじ山をステンレス鋼製の加圧セルに取り付け,漏れがないように
手で十分に締め付ける(必要ならポリテトラフロロエチレン漏れ止めテープを使ってもよい。)。フィ
ルターの光沢面を流入側に向けて,フィルターをフィルターホルダーの底部部品に取り付ける。吸着
平衡に達したカーボンブラック懸濁液を小さな漏斗で加圧セルに注ぎ込む。加圧セルを0.40.7MPa
に調圧した乾燥圧縮空気又は乾燥窒素の供給部に取り付ける。ろ過の始めの5cm3を捨て,残りをきれ
いなガラス製バイアルに取り,直ちにねじふたをする。

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泡が立たないようにろ液を静かに振り混ぜ均一にする。ろ液にカーボンブラックが混ざっていたら
廃棄し,再ろ過をしてはならない。ろ過したCTAB溶液を,方法1 (9.2),方法2 (9.3),方法3 (9.4) 又
は方法4 (9.5) で滴定する
備考1. フィルターホルダーの底の部分を吸引するとフィルターを適切に取り付けることができる。
しわになったり,折れたりしてフィルターが損傷しないように注意する。フィルターが適切
に取り付けられているかどうかは,懸濁液を注ぎ込む前に組立て部品の加圧試験で確かめら
れる。出口に指をあてがってみて,気体の流れが感知できなければ,フィルターが適切に取
り付けられていることを示している。
2. 通常,ろ過後すぐに滴定をすることはないので,ろ液を採取したバイアルは必要なときまで
密閉しておかなければならない。
3. あらかじめCATB溶液に浸したフィルターを使用する場合には,紙タオルなどで余分なCATB
溶液を吸い取り,フィルターが完全に乾く前にフィルターホルダーに取り付ける。
9.2 方法1 CTABろ液のスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液による最大濁度までの自
動滴定 [附属書1(参考)の2.を参照]
a) 自動滴定装置の準備は製造業者の取扱書による。スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶
液の容器には十分な溶液が入っていること,並びに,溶液のライン及びポンプに気泡がなく,滴定液
で十分に置換されていることを確認する。電源を入れ,液が流れるに伴って滴定液容器に空気が入る
ように,容器のふたを緩める。滴下速度は10bm3/min,又はATMAST自動滴定装置を使用する場合に
は製造業者の指示に従って6cm3/minに調整する。
b) TMAST自動滴定装置を使用する場合の滴定の手順は,次による。
41mmの回転子の入ったビーカーに45cm3の水を入れる。5cm3のオクチルフェノキシポリエトキシ
エタノール溶液を加える。ろ過されたCTAB溶液の10.00cm3を,泡が立たないようにピペットでビー
カーに移し替える。滴定装置のサンプルを入れる場所にビーカーを置き,ビーカーを通る光線の上に
渦が発生するようにマグネチックスターラの速度を調節する。滴定針がわずかに液面下にもぐるよう
に滴定液供給部を下げる。滴定液供給部のストップコックを開け,カウンターをリセットし,ポンプ
の操作スイッチを“titrate”の位置にし,“start”ボタンを押す。最大濁度に達し,ポンプとカウンタ
ーが止まるまで待つ。カウンター(容量)を0.01cm3まで正しく読み取り,記録する。
滴定液供給部をビーカーの上部に引き上げる。ポンプの操作スイッチを“flush” にし,23滴の
滴定液を流して滴定針を洗う。試薬の最後の1滴が滴定針から落ちたら,ポンプのスイッチを切る。
ポンプを止めた後でストップコックを閉め,滴定針をきれいなティッシュペーパーでふく。溶剤は使
わない。装置はこれで次のサンプルの準備状態となっている。
c) )及びb)を他の4試料について繰り返す。
d) 9.6の操作に進む。
9.3 方法2 CTABろ液のスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液による最大濁度までの
手動滴定
a) 滴定装置の準備 正確な終点を得るためには,滴定を行う前に次のような滴定装置の準備が必要であ
る。
1) 22mmの回転子の入ったビーカーに55cm3の水を入れる。CTAB溶液 (5.2) の5.00cm3を,泡が立た
ないようにピペットでビーカーに移し替える。ビーカーをマグネチックスターラの上に置き,静か
にかくはんする(回転数は,毎分約200回転に合わせる。)。

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2) 可変抵抗器を光源と直列に接続し,光源を,ビーカーの底と液面のほぼ中間でビーカーのすぐ後ろ
に置く。ビーカーの溶液を通して水平に見たとき,光源のフィラメントが赤橙色になるように可変
抵抗器を調節する。
3) スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液を,混合液が濁りはじめるまでビュレットか
ら速い速度で加える。溶液に濁りが現れたら,その後は1滴ずつゆっくりと,滴定間隔が15秒程度
で滴定液を加える。終点の直前には濁りが急激に増す。滴定液を加えるのを止め,約10秒間かくは
んする。このとき,懸濁液を通して見ると,フィラメントがかすかに見える。更に滴定液を加え,
混合液を通してフィラメントが見えなくなったときが終点である。
備考1. 終点に達してから更に滴定液を追加すると,凝集が生じ,ゆっくりとフィラメントが見え始
める。
2. 終点になってもフィラメントが見えなくならないか又は終点になる前に見えなくなったら,
フィラメントの明るさを可変抵抗器で調節し,操作を繰り返す。
3. 可変抵抗器の設定は同じ抵抗値のところで校正や滴定が行われるように注意する。
b) 滴定 22mmの回転子の入ったビーカーに50cm3の水を入れる。ろ過されたCTAB溶液の10.00cm3を,
泡が立たないようにピペットでビーカーに移し替える。滴定装置が調整できた後,ビーカーをマグネ
チックスターラの上で,上と同様に設定された光源のすぐ前に置く。
a)3)によって滴定する。
使用したスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液の量を0.05cm3まで正しく読み取り
記録する。
備考 再び使用する前にビーカーをアセトンで洗い,水で洗い流す。
c) )を他の4試料について繰り返す。
d) 9.6の操作に進む。
9.4 方法3 CTABろ液のスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液による変色点までの手
動滴定
a) 32mmの回転子の入ったビーカーに,ろ過されたCTAB溶液の10.00cm3をピペットで移し替える。
約0.15cm3(3滴)のブロモフェノールブルー指示薬を加える。加える指示薬の量が極めて重要で,
すべての滴定に同じ量を用いなければならない。マグネチックスターラの上にビーカーを置き,静か
にかくはんする。
b) ビーカーの真後ろで,かつビーカーの底より若干高い位置に光源を置き,光線がビーカーの底に反射
して見えるようにする。光線の傾斜角度は水平より30°から45°にするとよい。目の高さでビーカー
の底の反射が見えるように装置を調節する。
e) スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液を,混合液が濁りはじめるまでビュレットから
速い速度で加える。溶液に濁りが現れたら,マグネチックスターラをやや早くし,反射光が橙色を帯
びて見え,混合液の濁りが鮮明な青色になるまで1滴ずつ速い速度で加え続ける。その後1秒間隔で
1滴ずつゆっくりと加え,1滴ごとにマグネチックスターラを止める。終点の直前には濁りが急激に増
すことが観察される。最後の1滴が濁った青い混合液の分離をもたらすまで,1秒に1滴の速度で滴
下を続ける。指示薬の大部分が凝集物に移行して青い濁りが薄くなることで,濁りの分離が判断でき
る。かくはんを止めると凝集物が上に浮いてくる。
使用したスルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム溶液の量を0.05cm3まで正しく読み取り
記録する。

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備考 再び使用する前にビーカーをアセトンで洗い,水で洗い流す。
d) ) c)を他の4試料について繰り返す。
e) 9.6の操作に進む。
9.5 方法4 CTABろ液のSDS溶液による変色点までの手動滴定
a) 32mmの回転子の入った三角フラスコに,ろ過されたCTAB溶液の10.00cm3をピペットで移し替える。
約0.30cm3(6滴)のジクロロフルオレセイン指示薬を加え,SDS溶液の入ったビュレットの下に置
いたマグネチックスターラの上に載せる。泡立ちを最小限におさえ,かつ混合液を急速にかくはんす
るようにマグネチックスターラの速度を設定する。
淡紅色が消え,混合液の色が鮮明な黄色に戻るまで,SDS溶液で滴定する。
使用したSDS溶液の量を0.05cm3まで正しく読み取り記録する。
備考 滴定の始まりでは,色はほとんど黄色であるが,わずかに淡紅色を帯びている。滴定を進める
につれて黄色は消え,強く鮮明な淡紅色になる。この淡紅色は,終点に近づいたことの兆候の
最初のものであり,この淡紅色が現れるまではビュレットの最大流量で滴定液を加えてもよい。
混合液が淡紅色になった後の次の段階では,大きな色の変化は伴わずに濁りが発生してくる。
このとき淡紅色は鮭肉色を帯びた橙色に変化しはじめ,この兆候が現れたら1滴ずつ滴定をす
すめる。鮭肉色の色合いが消え,混合液が鮮明な黄色に変化するまで滴定を続ける。
b) )を他の4試料について繰り返す。
c) 9.6の操作に進む。
9.6 補正係数の計算 試料質量msに対し,これに対応した滴定量Vsをプロットする(図2を参照。)。こ
れらの点に対して最もよく合う直線を引くか、又は最小二乗法を用いて,容量軸切片V0 (cm3) と傾き4
(cm3/g) を求める。
各々の試料質量に対応した値を用い,ITRBの比表面積を10.の式によって計算する。計算したITRBの
比表面積は,公称値との差が0.75m2/gを超えてはならない。
備考 計算例を附属書1(参考)に記述する。V0とaの新しい値を定めるための標定は,新しい溶液
を調製したときにも必要である。溶液が長い間保管される場合,毎月標定することが望ましい。
9.7 試料測定
a) 6.の手順で乾燥したカーボンブラック試料質量を0.1mgまで正しくはかり取る。この量は,表1のグ
レードや予測される比表面積によって決める。
表1 グレード別試料質量の目安
グレード CTAB吸着比表面積の範囲 試料質量
m2/g g
N100 125150 0.30
N200 100130 0.35
N300 75105 0.40
N351N400 5075 0.60
N500N600 3550 0.90
N700 2530 1.35
備考 もし,カーボンブラックのグレードを明確にできないときは,
JIS K 6217-1又はJIS K 6217-2に従いグレードを決める。
b) 9.1のc)で示したように,CTAB溶液で平衡吸着させる。
c) 9.1のd)で示したように,フィルターでろ過する。

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