JIS K 6302:2011 自転車―タイヤ | ページ 3

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表5−運搬車用タイヤの性能
項目 試験 性能 試験箇条
トレッドゴムの引張 トレッドゴムの引張 8.0 MPa以上 8.1
強さ 試験
トレッドゴムの伸び 300 %以上
耳ゴムの耐わん曲性a) 耳ゴムのわん曲試験 折損してはならない 8.2
ビードワイヤの引張 ビードワイヤの引張 3.2 kN以上 8.3
強さb) 試験
裏布の引張強さ 裏布の引張試験 タ 幅13/4(又は1.75)以上2 PR 50.0 N/mm以上 8.4
イ 幅21/2(又は2.50)未満4 PR 32.0 N/mm以上

の のもの
呼 幅21/2(又は2.50)以上2 PR 50.0 N/mm以上

のもの 4 PR 40.0 N/mm以上
6 PR 32.0 N/mm以上
密着強さ 剥離試験 ゴム及び布間 2.0 N/mm以上 8.5
布及び布間 3.0 N/mm以上
破壊エネルギー プランジャー試験 タ 幅13/4(又は1.75)以上2 PR 10.0 J以上 8.6
イ 幅21/2(又は2.50)未満4 PR 12.0 J以上

の のもの
呼 幅21/2(又は2.50)以上2 PR 10.0 J以上

のもの 4 PR 16.0 J以上
6 PR 20.0 J以上
注a) Eタイヤに適用する。
b) Oタイヤに適用する。

8 試験方法

8.1 トレッドゴムの引張試験

  JIS K 6251に規定する方法によってダンベル状3号形試験片を用いて試験し,引張強さ及び切断時伸び
を測定する。ただし,試験片は試料から剥ぎ取ったトレッドゴムの接地部からタイヤの円周方向に採取す
る。

8.2 耳ゴムのわん曲試験

  試料から試験片として長さ約100 mmの耳ゴムを注意深く剥がし取り,試験片のタイヤ内壁に接する耳
ゴムの底面の中央部を,試験片の長さの方向に直角に置いた直径10 mmの丸棒に沿い,徐々に直角になる
までわん曲させ,そのまま1分間保持し,損傷が起こるかどうかを調べる。試験室の標準温度及び標準湿
度は,JIS K 6250の6.1(試験室の標準温度)及び6.2(試験室の標準湿度)による。

8.3 ビードワイヤの引張試験

  ビードワイヤの引張試験は,次による。
a) 硬鋼線の場合 試料が1線からなるものは,接合部が中央に位置するように,長さ約200 mmのビー
ドワイヤを採り,JIS Z 2241に規定する方法によって行う。引張強さは,キロニュートン(kN)で表
す。また,試料が2線以上からなるものは,重なり合った部分を避け,その1線について試験を行い,
ビードワイヤの本数を乗じた値で表す。試験結果は,試験片2個の測定値の平均値を,JIS Z 8401に
よって小数点以下1桁に丸める。
b) アラミド繊維の場合 JIS L 1017の8.5 a)(標準時試験)に規定する方法によって行う。引張強さは,
キロニュートン(kN)で表す。試験結果は,測定値をJIS Z 8401によって小数点以下1桁に丸める。

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8.4 裏布の引張試験

  裏布がすだれ織の場合は,たて糸の方向から,裏布が平織布の場合は,たて糸及びよこ糸の両方向から,
試験片として幅10 mmの布層(すだれ織布は最も内側にある層をトレッド部中央下の位置から測定する。)
を採り,JIS B 7721に規定する等級1級以上の引張試験機を用いて,すだれ織の場合はa)又はb),平織布
の場合はb)に従い,裏布の引張強さを測定する。引張速さは,毎分200 mm300 mmとし,試験片のつか
み具間の距離は20 mm以上とする。試験室の標準温度及び標準湿度は,JIS K 6250の6.1(試験室の標準
温度)及び6.2(試験室の標準湿度)による。
a) 法 幅10 mmの試験片の各コードが同時に切断したときの最大の引張力を測定し,次の式によって
引張強さを算出する。試験結果は,試験片3個の測定値の平均値を,JIS Z 8401によって小数点以下
1桁に丸める。
S P
L=
b PR
ここに, L : 引張強さ(N/mm)
S : 引張力の測定値(N)
b : 試験片の幅(mm)
P : 実際のプライ数
PR : プライレーティング
b) 法 幅10 mmの試料の単糸ごとの最大の引張力を測定し,その和S'を求め,次の式によって引張強
さを算出する。試験結果は,すだれ織布の場合は試験片3個の平均値,平織布の場合は,たて糸及び
よこ糸別に得られた値の各1個の平均値を,JIS Z 8401によって小数点以下1桁に丸める。
S' P
L'=
b PR
ここに, L' : 引張強さ(N/mm)
S' : 単糸引張力の総和値(N)
b : 試料の幅(mm)
P : 実際のプライ数
PR : プライレーティング

8.5 剥離試験

8.5.1  ゴム及び布間の密着強さ
ゴム及び布間の密着強さは,次による。
a) すだれ織布の場合は,試料からトレッドゴムに接するすだれ織布層のたて糸の方向に平行に幅約15
mmの1片を採り,その一端で耳部を切り去る。トレッドゴムに接する布層を,トレッドゴムから一
部分引き剥がした後,たて糸に直角に測定して幅10 mmのすだれ織布層を残して両側の余ったすだれ
織布の糸を抜き去り,試験片を作製する。この場合その他の布層は,全てトレッドゴムに接する布層
に付けた状態とする。
なお,平織布の場合は,たて糸及びよこ糸の方向に,すだれ織布の場合と同様に試験片を作製する。
b) 次に,トレッドゴムの模様を削り取り,ほぼ平滑にした後,剥離試験機を用い,試験機の上部つかみ
具にトレッドゴム側を挟んで毎分25±2.5 mmの速さで剥離させ,剥離に要した引張力の曲線を自動
記録装置によって,その波状各部の頂点(数値の高い側)の平均値を求め,これを密着強さとする。
c) 密着強さは,N/mmで表し,試験結果は,すだれ織布の場合は試験片3個,平織布の場合は2個(た
て糸及びよこ糸方向に採った各1個)の測定値の平均値を,JIS Z 8401によって小数点以下1桁に丸
める。

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d) 試験室の標準温度及び標準湿度は,JIS K 6250の6.1(試験室の標準温度)及び6.2(試験室の標準湿
度)による。
8.5.2 布及び布間の密着強さ
試料からすだれ織布第1層のたて糸の方向と平行に幅20 mmの試験片とを切り採り,その一端で両側を
残して幅10 mmのすだれ織第1層を一部分引き剥がし,その両側に隣接する糸を1本ずつ抜き去る。次に
トレッドの模様を削り取ってほぼ平滑にした後,8.5.1の場合と同様の方法で試験を行う。
剥離するときは,なるべくすだれ織布第1層にゴムを付着させないようにする。

8.6 プランジャー試験

  試料に同じ呼びのチューブを封入し,タイヤに適合するリムに装着してチューブ内に350±10 kPaの空
気圧を加える。
試験装置は,直径8.0±0.1 mmで先端が半球状のプランジャーを毎分50±2.5 mmの速さでタイヤに押し
付けることができるものを用いる。
測定はプランジャーをタイヤ軸に垂直に,できるだけタイヤの中央部に近いトレッドパターン突出部に
毎分50±2.5 mmの速さで押し付けて行う。次に,タイヤの外周をほぼ4等分したそれぞれの位置で,タ
イヤが破壊する直前の押込み力及びプランジャーの移動量を測定する。タイヤが破壊しないでプランジャ
ーがリムに達する場合は,リムに達する直前の値を記録する。
各位置における破壊エネルギーは,次の式によって算出する。
F P
W=
2
ここに, W : 破壊エネルギー(J)
F : 破壊時の押込力(N)
P : プランジャーの移動量(m)
タイヤの破壊エネルギーは4か所の測定値のうち,最高値と最低値とを除き,残り2個について上の式
によって得た各位置における破壊エネルギーWの平均値を,JIS Z 8401によって小数点以下1桁に丸める。

8.7 タイヤのリム外れ水圧試験

8.7.1  試験装置
試験装置は,手押し水圧試験用ポンプ又はこれに相当するものに内径が3 mm以上の耐圧ホース又はパ
イプを導管に用い,チューブに連結できるようにした装置を用いる。導管の長さは2 m以内とする。
試験用リムは,JIS D 9421に規定するリムで,左右対称のものを用いる。ただし,受渡当事者間の協定
によってJIS D 9421の規定外のリムを使用することができる。
8.7.2 試験方法
供試タイヤは8.7.1の適用リムに装着し,導管によって水圧試験用ポンプに連結し,チューブ内の空気を
抜いた後,徐々に圧力を加え,ビード部が正常な位置になるように調整し,再び内圧を徐々に加える。内
圧は表1表3に規定する標準空気圧までは,徐々に加え,その後は毎分100±10 kPaの割合で昇圧する。
ビード部の1か所が外れた時点の内圧を読み取り,リム外れ内圧とする。指針の読みは針が安定したとき
を読み,測定単位は100 kPaとする。

8.8 走行耐久性試験

8.8.1  試験機
試験機は,タイヤをドラム面に垂直にドラムの中心に向かって押し付け,ドラムの回転によってタイヤ
が連動する構造とする。ドラムは鉄製で,表面が平滑とし,外径は760±10 mm,幅は試験を行うタイヤ

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の呼び幅の2倍以上とする。ドラムの表面に軸方向に平行に,ドラム幅と等しい長さの鋼製のショックバ
ー2個を,外周に等間隔に取り付ける。
ショックバーは,断面の幅10±0.1 mm,高さ5±0.1 mmの長方形とし,角の曲率半径は1.0±0.05 mm
とする。
8.8.2 試験方法
試料に同じ呼びのチューブを封入し,タイヤに適合するリムに装着する。チューブ内に表1表3に規
定する標準空気圧を加える。次に,タイヤをドラム面に垂直に表1表3に規定する最大負荷で押し付け,
ドラムの回転によってタイヤを回転させる。ドラムの表面速度は毎時40±4 kmとし,ドラム表面の走行
距離が表4に規定するタイヤの呼び別の走行耐久距離に到達するまで走行試験を行い,タイヤの状態を調
べる。
なお,試験室の温度は,試料から1 m以上離れた位置で測って25±10 ℃とする。

8.9 サイドゴムのオゾン劣化試験

8.9.1  試験片の採取作製
試験片の採取作製は,次のとおり行う。
a) タイヤを長さ60 mm×幅55 mmに切断し,これを試験片とする。
b) この試験片を60±2 ℃で,1時間恒温槽で熱処理後,丸棒(φ15 mm)に巻き付けて,平滑な短冊状
にする。
8.9.2 試験方法
試験方法はJIS K 6259による。この場合,オゾン濃度は,250±50 ppb,試験時間は16時間とする。た
だし,タイヤの締付け部の5 mm以内は試験の対象としない。

9 製品の呼び方

  製品の呼び方は,規格番号又は“自転車用タイヤ”(名称)若しくは“運搬車用タイヤ”(名称),及びタ
イヤの呼びによる。
例1 JIS K 6302 26×13/8
例2 自転車用タイヤ 20×1.50
例3 運搬車用タイヤ 26×2

10 表示

  タイヤには,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。
a) タイヤの呼び
b) 標準空気圧,最大空気圧又は推奨空気圧範囲
例1 標準空気圧 300 kPa
例2 最大空気圧 350 kPa
例3 推奨空気圧範囲 250−350 kPa
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造番号又は製造記号

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                                                                 附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 6302:2011 自転車−タイヤ ISO 5775-1:1997 Bicycle tyres and rims−Part 1: Tyre designations and dimensions
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
国際 価及びその内容 的差異の理由及び今後の対策
規格
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
番号
及び題名 番号 の評価
1 適用範囲 JIS D 9111に規定する 1 SSリム,C形リムに取り 追加 運搬車用タイヤはISO規格なし。JISで我が国の事情によって,JIS
自転車及び運搬車に用 付けるワイヤーエッジタ はタイヤ幅の呼びが1 3/4以上の運搬車
に追加した。ISO規格の改正
いる空気入りタイヤに イヤとHBリムに取り付 用タイヤを適用範囲としている。 提案については検討する。
ついて規定。チューブラ けるビーデッドエッジタ
タイヤ及びチューブレ イヤについて規定。編み
スタイヤは適用外。 上げチューブタイヤ及び
非空気タイヤは適用外。
3 用語及び タイヤの呼びは“(タイ 4.1 SS及びC形リム用のタイ 変更 JISでは,一部にタイヤ外径のインチ記
我が国の事情によって,タイ
定義 ヤ外径の呼び)×(タイ ヤ : (呼び断面幅mm)− ヤの呼びを併記している。
号,タイヤ幅のインチ記号で呼称するタ
3.1 タイヤ ヤ幅の呼び)”又は“(タ (リムの呼び径mm),HB ISOへの改訂提案については
イヤが規定されている。日本では,自転
の呼び イヤ幅の呼び)−(リム リムに取り付けるビーデ 車の大きさ及び一部の種類のタイヤサ検討する。
径の呼び)”。 ッドエッジタイヤ : (外径 イズを呼称するのに,いまだにインチサ
コード)×(呼び断面幅 イズによる呼び標記が使われている。こ
コード) れをISO規格と同じミリメートル表記
4.1.2 JISで用いられている旧 に改めた場合,リムの呼びとの相関に混
マーキングを括弧付きで 乱を招くので,従来の呼びを踏襲しISO
追加してもよいとした。 規格の呼びを併記した。
なお,ISO規格でも旧マーキング体系
が使用されている国の顧客を考慮して,
K6
旧マーキングをタイヤサイズの前後に
3
括弧付きで追加してもよいと規定され
02 : 2
ている。
01
1
4

――――― [JIS K 6302 pdf 15] ―――――

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JIS K 6299:2012の国際規格 ICS 分類一覧