この規格ページの目次
4
K 6557-8 : 2017
5.10 実体顕微鏡 倍率25倍のもの。
6 試験片
6.1 試験片の採取
JIS K 6556-1に規定する方法で,試験片を採取する。試験片の使用面に抜型を置き,適用する試験につ
いて,少なくとも,それぞれ4個の試験片を採取する。その場合,少なくとも2個の試験片は,長辺が背
線に対して平行とし,残りの試験片は,背線に対して垂直にして採取する。
一つのロットから,3枚以上の革を試験する場合,それぞれの革から各方向につき1個の試験片を採取
することとするが,各方向の試験片の総数は,3枚以上とする。
6.2 試験片の状態調節
6.2.1 乾燥試験
乾燥試験は,JIS K 6556-2に規定する方法で試験片を状態調節する。
6.2.2 湿潤試験
湿潤試験は,試験片をガラス皿(5.7)に入れ,十分な量の蒸留水又はイオン交換水を加えて最小深さが
10 mmとなるようにする。ガラス皿をデシケータに入れ,2分間で4 kPa以下になるように減圧する。
その後,通常の大気圧に戻す。この操作を2回繰り返す。試験片を取り出し,ろ紙で余分な水分を取り
除いた後,直ちに箇条7に規定する方法で屈曲試験を行う。
注記 革が厚いと上部クランプに固定できない場合がある。このような場合は,試験片の一方の端だ
けを最大15 mm裏側からす(漉)き,この一端を上部クランプに挟んでもよい。それでも,試
験機に取り付けられないものは,この方法は適用しない。
6.2.3 低温試験
低温試験の場合は,試験装置の置かれている雰囲気は,一定温度を保持する(通常は,−5 ℃±2 ℃)。
試験片を試験装置に取り付け,低温環境に30分置いた後に,試験を開始する必要がある。
7 試験手順
7.1 上部クランプ及び下部クランプ(5.1.1及び5.1.2)の隙間が,少なくとも試験片の2倍の厚さになる
ように開く。
7.2 モータを回転させ,図2のように上部クランプ(5.1.1)の下端(棚)が固定下部クランプ(5.1.2)
の上端と平行になるようにする。
7.3 二つの長辺が重なるように,試験面を内側にして試験片を二つに折る。折りたたんだ試験片を図3 a)
に示すように,棚と平行になるように一端を固定し,クランプ締付けねじによって固定する。折り山が棚
及び締付けねじの止め具に接するように固定する。試験片が確実に固定され,試験中に滑らないことを確
かめる。
――――― [JIS K 6557-8 pdf 6] ―――――
5
K 6557-8 : 2017
a) 上部クランプの試料の b) 試料を折り返した状態 c) 上部クランプに固定し d) 試料が完全に固定され
状態 た試料を指でつまむ た状態
図3−試験片の固定
7.4 図3 b)のように試験片を,表面を外側にして,下向きに折り返す。裏面を重ね,上部クランプに固
定した試験片の折りたたんだ部分が垂直になるように,開いた状態の下部クランプに差し込む。
7.5 図3 c)のように,上部クランプに取り付けた試験片を押さえる。このときに,試験片の下端が,下部
クランプと垂直になるように固定する。位置を固定した後に,下部クランプを固定する[図3 d)参照]。
注記1 試験片を固定する際には,試験片が伸びないようにする。
注記2 柔軟(ソフト)な材料は,その裏側が上部クランプの外表面に直接接触する影響が現れる。
剛性の高い材料では,この領域における材料の膨らみは避けられない。
7.6 試験片(下端)の垂直方向の位置を確認する。もし,試験片の後端が,下部クランプに対して垂直
でない場合は,7.4及び7.5を繰り返す。
7.7 適用した試験によって,次から屈曲回数を選択し,試験装置を稼働する。
− 乾燥試験における屈曲回数 500,1 000,5 000,10 000,20 000,25 000,50 000,100 000,150 000,
200 000及び250 000回
− 湿潤試験における屈曲回数 500,1 000,2 000,2 500,5 000,10 000,20 000,25 000及び50 000回
− 低温試験における屈曲回数 1 000,2 000,5 000,10 000,20 000,及び30 000回
湿潤試験は,25 000回屈曲後に試験装置から試験片を取り外し,破損及びスピューがないか検査してか
ら再度,6.2.2によって湿潤し,試験装置に取り付け,屈曲試験を継続する。
注記1 試験片の両面が極端に膨らまないように屈曲させる。この方法で屈曲しない場合は,その旨
を試験報告書に記載する。
注記2 湿潤試験は,受渡当事者間の協定によって,5 000回ごとに試験装置から試験片を取り外し,
破損及びスピューがないか検査を行う場合もある。検査後の試験片は,6.2.2によって湿潤し,
試験装置に取り付け,屈曲試験を継続する。
8 判定
8.1 試験装置を停止し,試験片を取り外す。長辺方向に沿って折りたたみ,適切な照明の下で目視及び
拡大鏡(5.3)を使用して折りたたんだ屈曲領域に生じた損傷を検査し,記録する。クランプ領域の損傷は
無視する。
もし,亀裂の程度を評価する場合には,試験片を長軸方向に円筒棒(5.8)の周りに沿わせて曲げる。試
――――― [JIS K 6557-8 pdf 7] ―――――
6
K 6557-8 : 2017
験片を指,又は金属クリップ(5.9)を使用して僅かに伸ばす。亀裂について,次の表現を用いて記載する。
− 亀裂 : 肉眼で見える。
− 細かな亀裂 : 拡大鏡(5.3)で見える。
− 微細な亀裂 : 25倍の実体顕微鏡(5.10)で見える。
− 亀裂なし : 25倍の実体顕微鏡(5.10)でも亀裂が見えない。
必要に応じて,革構造の緩みを確認するために屈曲領域を切り開いてみる。
注記 試験片を切り開くと試験片に大きな損傷を与え,それ以上試験を続けられなくなるため,最終
検査の後にだけ行うようにする。
屈曲領域に生じた損傷の例を,次に示す。
a) 仕上げ膜の変退色(灰色化)。それ以上の損傷はない。
b) 亀裂が一つ以上の仕上げ層に広がっている仕上げ。可能な場合は,亀裂の数を報告する。
c) 革に対する仕上げの接着性の喪失。
d) 仕上げ塗膜間の接着性の喪失。
e) 仕上げ塗膜の粉末化又はフレーキング(がれ及び薄片のがれ)。
f) 仕上げの亀裂,粉末化,又はフレーキング(がれ及び薄片のがれ)による色の対比。
8.2 試験の途中で,状態を見た場合は,試験片を再びクランプに戻す。このとき,試験片が元の位置に
戻ったことを確認するために,クランプによって付いた跡を目印として用いる。
8.3 試験装置を再度運転し,次の必要な回数まで続け,8.1に規定された検査を繰り返す。
8.4 その他の屈曲数が必要な場合は,7.7に規定された操作及び8.1に規定された検査を繰り返す。
注記 実際に選択する回数は,仕様,革の最終用途,及び期待される性能によって異なる。
8.5 規定回数後の最終検査において,試験した4個の試験片のうち,ただ1個の試験片にだけ僅かな損
傷が見られた場合は,少なくとも4個の試験片で再試験を行う。再試験で損傷がなかった場合は,“損傷な
し”として結果を記載する。それ以外の場合は,最も悪い試験片の評価を結果として記載する。
9 試験報告書
試験報告書は,次の事項を記載する。
a) この規格の規格番号
b) 試験条件(乾燥試験,湿潤試験,又は低温試験)
c) 最も状態が悪い試験片に関する屈曲回数及び損傷の程度
d) 必要に応じて,試験面の視覚的変化,及び湿潤試験におけるスピューの状態
e) IS K 6556-2に規定する基準標準状態以外で状態調節及び試験した場合の詳細
f) この規格で規定した方法との相違点
g) 試料を識別するための詳細情報,及び試料採取に関するJIS K 6556-1との相違点
――――― [JIS K 6557-8 pdf 8] ―――――
7
K 6557-8 : 2017
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
ISO 5402-1:2011,Leather−Determination of flex resistance−Part 1: Flexometer method
JIS K 6557-8:2017 革試験方法−物理試験−第8部 : 耐屈曲性の測定−フレクソ
メータ法
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの(V) JISと国際規格との技術的差
国際 評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
規格
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
番号
及び題名 番号 の評価
4 試験の適用 − − 追加 JISでは,試験の適用を追加した。 試験の種類の選択を分かりやすく
した。実質的な差異はない。
5 装置 5.1 耐屈曲性装置 4.1 JISとほぼ同じ。 追加 JISでは,試験機の一例を示した。 分かりやすくしたもので,実質的
な差異はない。
5.1.1 上部クランプ 4.1.1 JISと同じ。 変更 JISでは,細別で記載した。
5.6 イオン交換水 4.6 JISとほぼ同じ。 変更 ISO規格では,ISO 3696のグレード3 我が国の試験事情による。実質的
な差異はない。
を規定。JISでは,同等のものとした。
図1 − − 追加 JISでは,試験機の全体図を示した。 分かりやすくしたもので,実質的
な差異はない。
6 試験片 6.2.3 低温試験 − − 追加 JISでは,低温環境に30分置いた後に我が国の試験事情による。
試験を開始する方法を規定した。
7 試験手順 7.7 湿潤試験 6.5 JISとほぼ同じ。 追加/ JISでは,屈曲回数に2 000回,5 000我が国の試験事情による。実質的
変更 回を追加した。 な差異はない。
− − 追加 JISでは,低温試験を追加したので,我が国の試験事情による。
屈曲回数を規定した。
7.7 スピューの程度 − − 追加 JISでは,湿潤試験のとき,肉眼で判実質的な差異はない。
を肉眼で判定 定し,記録することを規定した。
K6 557-
8 : 2017
2
――――― [JIS K 6557-8 pdf 9] ―――――
8
K 6557-8 : 2017
K6
2
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの(V) JISと国際規格との技術的差
国際
5
評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
57
規格
-
8
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
: 2
番号
及び題名 番号 の評価
01
7 試験手順 7.7 注記2 − − 追加 JISでは,湿潤試験のとき,“受渡当事
我が国の試験事情による。実質的
7
(続き) 者間の協定によって,5 000回ごとにな差異はない。
試験装置から試験片を取り外し,破損
及びスピューがないか検査を行う場
合もある。検査後の試験片は,6.2.2
によって湿潤し,試験装置に取り付
け,屈曲試験を継続する”を追加した。
8 判定 8.1 亀裂なし − − 追加 JISでは,“亀裂なし : 25倍の実体顕亀裂の状態判定について,明確に
したもので,実質的な差異はない。
微鏡でも亀裂が見えない。”を追加し
た。
9 試験報告書 d) − − 追加 JISでは,“必要に応じて,試験面の視
明記したもので,実質的な差異は
ない。
覚的変化,及び湿潤試験におけるスピ
ューの状態を記載すること”とした。
附属 装置及び材料の調達 削除 JISでは,削除した。 実質的な差異はない。
書
(参考)
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : ISO 5402-1:2011,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD 国際規格を修正している。
JIS K 6557-8:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 5402-1:2011(MOD)
JIS K 6557-8:2017の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 6557-8:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK6556-1:2016
- 革試験方法―試料採取及び調製―第1部:試料採取部位
- JISK6556-2:2016
- 革試験方法―試料採取及び調製―第2部:試料調製及び状態調節