JIS K 6935-1:1996 プラスチック―ふっ素ポリマーのディスパージョン,成形用材料及び押出用材料―第1部:分類の体系と仕様作成のための基準 | ページ 2

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K 6935-1-1996 (ISO 12086-1 : 1995)
備考2. PTFEで型成形とか圧縮(成形)の用語は,予備成形の代わりに使用される。
あらかじめ予備成形することなく,大気圧下で,融点又
3.2.10 プレシンタード樹脂 (presintered resin)
はそれ以上の温度で熱処理を施したプラスチック。
3.2.11 再加工プラスチック (reprocessed plastic)ふっ素ポリマー素材の製造から出たスクラップを調製
し,次の用途に適するように変換した材料。
備考3. この材料は,成形加工工程から生じる副産物といわれている。
4. 関連の定義は,ASTM D 5033-90に規定されている。再生樹脂の固有使用に関連する標準化
指針。
材料の粒子が加熱処理中に互いに溶融融着し,冷却しながら再結晶を起こす一
3.2.12 焼成 (sintering)
種の熱処理。
予備成形品を焼成することで融着が促進され機械的強度は一段と向上する。
予備成形し,焼成するPTFE材料であってISO 12086-2
3.2.13 標準比重 (SSG) (Standard Specific Gravity)
に示す適当な焼成パターンを用い,1℃/minの冷却速度で結晶させて得られる試験片の比重。
備考5. 未変成PTFEのSSGは分子量と逆の関係にある。
3.2.14 懸濁ポリマー (suspension polymer) コロイド状物質の粒子径より大きな粒径をもつ固体を液状
重合媒体から分離したポリマー。
3.2.15 ゼロ強度時間 (ZST) (Zero Strength Time) CTFEの相対分子質量の一つの尺度。

4. 略語及び記号

4.1   JIS K 6899 (ISO 1043-1) 及びISO 1043-2で示している略号は,この規格に用いる。
4.2 この規格は,次に掲げるプラスチックを,主として対象とする。JIS K 6899 (ISO 1043-1) 及びISO
1043-2とは若干異なるが,現在広く使用している用語の略号である。
PTFE ポリテトラフルオロエチレン
PFA パーフルオロアルコキシアルカン
FEP パーフルオロエチレンプロペンコポリマー
EFEP エチレン−パーフルオロエチレンプロペンコポリマー
TFE/PDD テトラフルオロエチレン−パーフルオロジィオキソールコポリマー
VDF/HFP ふっ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロペンコポリマー
VDF/TFE ふっ化ビニリデン−テトラフルオロエチレンコポリマー
VDF/TFE/HFP ふっ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペンコポリマー
ETFE エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー
PVDF ポリふっ化ビニリデン
VDF/CTFE ふっ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー
PCTFE ポリクロロトリフルオロエチレン
PVF ポリふっ化ビニル
ECTFE エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー
4.3 この規格のために,3.2及び4.2に加えて次の略号を用いる。
AF 非晶性ふっ素ポリマー
ESG 拡張比重 (extended specific gravity)
MFR メルトマスフローレート

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K 6935-1-1996 (ISO 12086-1 : 1995)
MVR メルトボリュウムフローレート
SSG 標準比重
SVI 延伸空げき(隙)指数
TII 熱不安定指数

5. 分類の体系

 熱可塑性プラスチックの分類の体系は,次の標準様式に基づいている。
分類
識別ブロック
個別項目ブロック
類別ブロック ISO規格 データ データ データ データ データ
(記載任意) 番号 ブロック ブロック ブロック ブロック ブロック
1 2 3 4 5
分類は,記述任意な類別ブロック(熱可塑性プラスチックと記載する。)と識別ブロックから構成し,さ
らには,識別ブロックはISO規格番号と個別項目ブロックから構成する。あいまいな表示を避けるため,
個別項目ブロックを,次の五つのデータに更に細分する。
データブロック1 : プラスチックの識別には,JIS K 6899 (ISO 1043-1) のプラスチックの略号表を用い
て表し,かつ,その構成成分に関する情報も示す(なお,補足すれば,ふっ素ポリ
マーの略号は,この規格の4.2又はASTM D 1600による。)(5.1参照)。
データブロック2 : 位置1 : 用途又は加工方法(5.2参照)
位置28 : 重要な性質,添加剤,その他の補足情報(5.2参照)
データブロック3 : 表示特性(5.3及び5.6参照)
データブロック4 : 充てん材又は強化材料,ISO 1043-2に示し文字によって記号化する。これらの材料
コード文字は表20に補足的に示し,公称添加量をアラビア数字で表示する(5.4参
照)。
データブロック5 : このデータブロックの追加は,材料の一般的分類を材料仕様に変換する方法を詳細
に述べている。これは特性に対する特殊な要求事項を参照させること,適当な国家
規格を参照すること,又はその両方によって行われる。更に進んでの論議及び例に
ついては7.を参照のこと。
個別項目ブロックの最初の記号はハイフンである。5個のデータブロックは,コンマでそれぞれを分離
する。もし1個のデータブロックを使用しない場合には,その項の最後にコンマを置く。結局 (,,) のよ
うに分離記号を2個使用する。

5.1 データブロック1

 このデータブロックでは,ふっ素ポリマーはJIS K 6899 (ISO 1043-1) で定義し
た略語,ハイフン及びそのポリマーの性格を示す表1で指定する一つの文字で識別される。4.2に,一般に
はん用のふっ素ポリマーの略号を掲げている。

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表1 ふっ素ポリマーのデータブロック1用情報コード
コード文字 データブロック1に使用する文字の意味
A 変成
B ブロックコポリマー
C レオロジー管理,分子量分布の狭領域化が施されたもの
D ディスパージョン
E 乳化ポリマー
F 添加剤樹脂
G 注型用ポリマー
H ホモポリマー
K コポリマー
L グラフトポリマー
M バルクポリマー
R ランダムコポリマー
S 懸濁ポリマー
SS 懸濁ポリマーの焼成品
Z1 原料メーカーの工場で回収した材料,仕様外品,廃品
Z2 成形加工メーカーからの副産物から得た材料
Z3 最終消費者が使い終わった製品から得た材料

5.2 データブロック2

 このブロックでは,表2で指定するコード文字を使用して情報を8項目まで示す
ことができる。最初の位置は用途又は加工方法を示す。第2第8の位置に,重要な性質,添加剤又はそ
の他補足情報を必要に応じて(最大7個まで)示す。情報コード文字は表2に示す。例えば,Eのような
一つの文字は,位置1の意味に適用する。位置2位置8の情報が与えられ,位置1には特別な情報が与
えられていない場合でも,位置1にはコード文字を入れる必要がある。適正な文字コードがない場合,位
置1には文字コードXを挿入する。位置2位置8に2個以上の文字を使用しなければならない場合には
ABC順に従う。
データブロック2で示す用途は慎重に選ばなければならない。多くの材料は二つ以上の用途又は加工方
法がある。押出し成形 (E) 及び型成形 (M) のような例がある。このような材料には特別な変更を用いず,
はん用 (G) とすべきである。特殊工程のコード文字は応用に応じた材料設計を予約すべきである。

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表2 データブロック2用情報コード
用途又は加工方法 重要な性質,添加剤,又はその他の補足情報
コード文字 位置1 コード文字 位置28
A 接着剤 C 着色品
B ブロー成形 D 粉末
B1 押出ブロー成形 D1 ドライブレンド
B2 射出ブロー成形 D2 流動性が良い
C カレンダー加工 D3 流動性が悪い
E 押出し成形 E 発泡性
F 充てん材コンパウンド F 特別燃焼特性
G はん用 F1 酸素指数>95%
H コーティング F2 難燃性
H1 粉末コーティング F4 低煙性
H2 浸せき塗装 G か粒
H3 湿式コーティング G1 ペレット
H4 含浸 G2 レンチルカット(メルトカット)
H5 スプレイコーティング G3 ビーズ
K ケーブル及びワイヤコーティング H1 耐放射線安定化
L モノフィラメント押出し L 耐光性又は耐候性
M 型成形 M 造核剤
M1 射出成形 M1 コモノマーによる変性
M2 トランスファー成形 N 自然色(非着色品)
P ペースト成形 N1 食品接触に適す
Q 圧縮成形 N2 高純度
Q1 自動成形 P 耐衝撃性改良
Q2 アイソスタティック成形 R 離型性
R 回転成形 S 潤滑剤
S 焼成 S1 表面潤滑処理
T テープ製作 T 透明な
T1 切削テープ又は生フィルム T1 半透明な
T2 生(未焼成)テープ又は生フィルムT2 乳白色
T3 発泡テープ又はフィルム T3 紫外線透過改良
V 熱成形 T4 紫外線低透過
X 適切な文字コードがない場合 V 熱収縮性
Y 織物用糸,紡糸 W1 耐薬品性改良
X 架橋性
Y 良導電性
Z 帯電防止性

5.3 データブロック3

 ふっ素ポリマー族の一員の各々はそれぞれ固有の一組の分類用特性がある。特性
は表3から選ばれ,詳細は5.6で述べる。附属書Aに表にして示してある。附属書Bにはこの規格に含ま
れているそれぞれのふっ素ポリマーの表示特性を表にして概要を示している。各表示特性を規定する表の
数字,ISO 12086-2に規定する試験方法の所在する節を示している。
表示特性は,各項目に指示している試験方法及び試験条件に従って測定する。
データブロック3における1個の位置は,一つの特定ふっ素ポリマーに対する個々の表示特性に対応す
る。したがって,データブロック3は,ある場合にはふっ素ポリマーは他のものより多くの位置数をもっ
ている。一例として,PTFE-Sにはデータブロック3に八つの表示特性が入ることが附属書A又は附属書B
から分かる。他の例としてPTFE-Zでは表示特性はわずか2個で,データブロック3には2個だけの位置
で足りる。メルトフローレートのようなある種の特性には,1個以上の文字又は数字がいる。測定結果は

――――― [JIS K 6935-1 pdf 9] ―――――

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K 6935-1-1996 (ISO 12086-1 : 1995)
5.6及び附属書A中の表示特性を順序だてて表示するように,データブロック3に分類及びコード化され
る。情報コードを分離するために終止符が使われる。
特性化のためのコードが含まれていない場合,通常その位置の終わりに終止符を置いて示す。結果は2
個の終止符を続ける,“..”,特性化の諸コードは分類に含まれていないことを表している。このデータブ
ロックの最後の位置の終わりには,最後の位置が空でなければ終止符を使用しない。
材料特性値が分類範囲内又は範囲限度近くにある場合,製造業者はどちらの範囲に入れるか通告しなけ
ればいけない。引き続き試験値がセル限界以上,又はその両側にあれば,製造許容値の幅があるため,分
類には影響がない。原料製造業者は,データブロック3のコードを決めなければいけない。
備考6. 現在利用できるポリマーは,表示特性値のすべての組合せを満足できるわけではない。表示
特性値のすべてを一つのポリマーが兼備するとは限らない。

5.3.1 転移温度

5.3.1.1  溶融ピーク温度 溶融ピーク温度の測定は,ISO 12086-2による。結晶性及び半結晶性ポリマー
の分類特性には溶融ピーク温度を採用する。コード文字,コード番号及び温度範囲を表3に示す。
参考 ISO 12086-2に規定の溶融ピーク温度の測定は,ASTM D 3418及びASTM D 4591の原則に従い,
細部を改良した方法である。
5.3.1.2 ガラス転移温度 ガラス転移温度は,ISO 12086-2によって測定される。非晶性ふっ素ポリマー
の表示特性にはガラス転移温度を使用する。コード文字,コード番号及び温度範囲を表3に示す。
参考 ISO 12086-2に規定のガラス転移温度は,ASTM D 3418の原則に従い細部を改良した方法であ
る。
表3 データブロック3に使用する転移温度のコード文字,コード番号及び温度範囲
コード文字 温度範囲℃ コード文字,番号 温度範囲℃
A < 20 S 190≦<200
B 20≦< 30 T 200≦<210
C 30≦< 40 U 210≦<220
D 40≦< 50 V 220≦<230
E 50≦< 60 W 230≦<240
F 60≦< 70 X 240≦<250
G 70≦< 80 Y 250≦<260
H 80≦< 90 Z 260≦<270
I 90≦<100 1 270≦<280
J 100≦<110 2 280≦<290
K 110≦<120 3 290≦<300
L 120≦<130 4 300≦<310
M 130≦<140 5 310≦<320
N 140≦<150 6 320≦<330
O 150≦<160 7 330≦<340
P 160≦<170 8 340≦<350
Q 170≦<180 9 350≦<360
R 180≦<190 0 360≦

5.3.2 相対分子量

 標準比重 (SSG) はPTFE工業では,ポリマーの相対分子量測定に通常用いる特性で
ある。一般の熱可塑性ふっ素ポリマーには普段メルトマスフローレート (MFR) を用いる。PCTFEにはゼ
ロ強度時間 (ZST) を用いる。MFRのコード番号表示には,3けた(3個の数字)を使用する。2個の数字
はフローレート及び荷重の値を,1個の文字は温度などの試験条件をそれぞれ示す。

――――― [JIS K 6935-1 pdf 10] ―――――

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