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塩酸(1+2)で洗浄した後,水で洗浄する。
b) TFE製ビーカー(6.2)[PTFE被覆回転子(6.3)を用いる場合は,それを入れておく。]及びPTFE
製加圧分解容器(6.4)は,塩酸(1+2)50 mLでかき混ぜながら15分間加熱して洗浄し,最後に水
で洗浄する。洗浄液を捨て,8.2.1のb) e)又は8.2.2のb) e)の手順及び8.3の手順に従って,それぞ
れの容器の鉄抜き空試験を実施する。鉄抜き空試験液の吸光度が,カリウム濃度換算で0.1 最一
超えた場合には,洗浄操作を再度行うか,又は更に高純度の酸試薬を使用しなければならない。
PTFE被覆回転子(6.3)は,いかなるときも素手で直接触ってはならない。
c) 白金皿(6.1)は,b)の手順によって洗浄するか,又は次の手順によって洗浄する。
1) 白金皿(6.1)に融剤(5.5)5 gを入れ,高温に加熱して融解する。融液をゆっくりかき混ぜて白金
皿(6.1)の内面を洗浄する。
2) 放冷した後,塩酸(1+2)50 mLを加え,穏やかに加熱して融成物を溶解する。融成物が完全に溶
解しなくてもその大部分が白金皿(6.1)から離した状態になれば,白金皿(6.1)を熱源(6.8)
から取り外して融成物及び溶液を捨てる。
3) ガラス製ビーカー(500 mL)に塩酸(1+2)250 mLを入れて2)で処理した白金皿(6.1)を浸し,
穏やかに加熱して融成物を完全に溶解する。
4) 白金皿(6.1)を取り出して水で洗浄する。
d) プラスチック製保存容器(6.7)は,使用前に塩酸(1+2)で洗浄した後,水で洗浄する。
8.2 試料溶液の調製
8.2.1 通常の酸処理で分解可能な試料
通常の酸処理で分解可能な試料の試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとり,白金皿(6.1)又はPTFE製ビーカー(6.2)に移し入れ,白金製蓋又はPTFE製蓋
で覆う。
b) 水数滴で湿らせ,塩酸10 mL及びふっ化水素酸10 mLを加える。容器がPTFE製ビーカー(6.2)の場
合は,PTFE製蓋で覆う。
c) 熱源(6.8)の温度を調節して溶液の温度を沸騰直前の状態に保持して試料を分解する。熱源(6.8)に
マグネチックスターラー付熱板を用い,PTFE製ビーカー(6.2)にPTFE被覆回転子(6.3)を入れて
かくはんしながら試料を分解してもよい。
d) 蓋の内側を少量の水で洗浄して,洗液は試料溶液に合わせて,蓋を取り外し,溶液を蒸発乾固する。
かくはんしながら試料を分解した場合は,かくはんを止め,蓋の内側を少量の水で洗浄して蓋を取
り外し,更にPTFE被覆回転子(6.3)を水で洗浄して取り出す。いずれの洗液も試料溶液に合わせ,
溶液を蒸発乾固する。
e) 塩酸5 mLを加え,穏やかに加熱して塩類を溶解した後,再度蒸発乾固する。
塩酸5 mL及び水40 mLを加え,穏やかに加熱して塩類を溶解する。放冷した後,100 mLのプラス
チック製全量フラスコ(6.6)に水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
注記 測定溶液中の塩酸濃度は,測定値に影響を及ぼすので,溶液間でできるだけ変化しないよう
に注意して操作することが望ましい。
f) カリウムの濃度が高い場合は,e)で調製した溶液から,表1に示すカリウム含有率によって規定され
た分取量を分取して100 mLのプラスチック製全量フラスコ(6.6)に移し入れ,これに表1に規定さ
れた量のバックグラウンド溶液(5.6)を添加し,水で標線まで薄める。表1に従って調製された溶液
を試料溶液とする。
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表1−分取量及びバックグラウンド溶液添加量
カリウム含有率 分取量 バックグラウンド溶液(5.6)添加量
質量分率(%) mL mL
0.002 5以上0.060未満 分取しない 0
0.060 以上0.20未満 30 7
0.20 以上0.52 以下 10 9
8.2.2 加圧酸分解を必要とする試料
加圧酸分解を必要とする試料の試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとり,PTFE製加圧分解容器(6.4)に移し入れる。熱源(6.8)にマグネチックスターラ
ー付熱板を用いる場合は,PTFE被覆回転子(6.3)を入れてもよい。
b) 塩酸10 mL及びふっ化水素酸10 mLを加えて密閉する。
c) TFE製加圧分解容器(6.4)内の温度を160 ℃に45分間以上保持して試料を分解する。PTFE被覆回
転子(6.3)によって液をかくはんしながら試料を分解してもよい。
熱源(6.8)に温度制御できないマイクロ波加熱装置を用いる場合は,加熱装置の製造業者の指示書
に従って,PTFE製加圧分解容器(6.4)内の圧力が容器の耐圧を超えないように注意しながら加熱を
断続して行って試料を分解する。
d) 放冷した後,容器を開放し,内部の液を,白金皿(6.1)又はPTFE製ビーカー(6.2)に水を用いて移
し入れ,蒸発乾固する。
e) 8.2.1のe)及びf)の手順に従って操作する。
8.3 吸光度の測定
8.2.1 f)又は8.2.2 e)で得た試料溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調節した原子吸光分析装置(6.9)のア
セチレン・空気フレーム中に噴霧し,カリウム中空陰極ランプから放射される波長766.5 nmの光の吸光度
を測定する。各溶液の測定の間には水を噴霧する。
9 空試験
試料の代わりに酸化鉄(III)(5.4)0.5 gを用いて,8.2及び8.3の手順に従って試料と同じ操作を試料と
併行して行う。表1に従って調製された溶液を空試験液とする。酸化鉄(III)(5.4)の量は1 mgの桁まで
はかる。
10 検量線の作成
10.1 検量線用溶液の調製
5個の100 mLのプラスチック製全量フラスコ(6.6)を用意し,プラスチック製全量ピペット(6.5)を
用いてカリウム標準液(5.8)から0 mL,2.0 mL,5.0 mL,10.0 mL及び15.0 mLを分取し,それぞれを100
mLのプラスチック製全量フラスコ(6.6)へ移し入れる。バックグラウンド溶液(5.6)10 mLをプラスチ
ック製全量ピペット(6.5)で分取してそれぞれに加え,水で標線まで薄める。
調製した各検量線用溶液は,それぞれプラスチック製保存容器(6.7)に保存する。
10.2 検量線の作成
8.3の手順に従って,10.1で調製した各検量線用溶液の吸光度を試料と併行して測定する。得た吸光度と
各検量線用溶液中のカリウム量との関係線を作成し,この関係線をグラフの原点を通るように平行移動し
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て検量線とする。
11 計算
計算は,次による。
a) カリウム含有率の計算 8.3及び箇条9で得た吸光度と,10.2で作成した検量線とからカリウム量を求
め,試料中のカリウム含有率を次の式によって算出する。
m1 m0
K 100 K0
V
m
100
ここに, K : 試料中のカリウム含有率[質量分率(%)]
m1 : 試料溶液中のカリウム検出量(g)
m0 : 空試験液中のカリウム検出量(g)
K0 : 空試験ではかりとった酸化鉄(III)(5.4)中のカリウ
ム質量分率(%)
[酸化鉄(III)(5.4)中のカリウム質量分率が0.000 3 %
未満で,その値が認証されていない場合は,カリウム
質量分率を0とする。]
m : 試料はかりとり量(g)
V : 表1に従って分取した量(mL)。
分取しない場合はV=100とする。
b) 酸化カリウム含有率の計算 試料中の酸化カリウム含有率は,カリウム含有率から次の式によって算
出する。
K2O = 1.204 6×K
ここに, K2O : 試料中の酸化カリウム含有率[質量分率(%)]
なお,酸化カリウム含有率を報告値とする場合,丸めを行っていないカリウム含有率から酸化カリ
ウム含有率を求め,箇条13によって最終報告値とする。
12 許容差
12.1 室内再現許容差及び室間許容差
室内再現許容差及び室間許容差は,表2による。
表2−許容差
単位 質量分率(%)
カリウム含有率 室内再現許容差 室間許容差a)
Rd P
0.002 5 %以上0.52 %以下 f(n)×0.008 6×(K) 0.565 3 f(n)×0.015 7×(K) 0.590 8
許容差計算式中のf(n)の値は,JIS Z 8402-6の表1(許容範囲の係数)による。nの値は,室内再現許容差の場
合は同一分析室内における分析回数,室間許容差の場合は分析に関与した分析室数である。また,(K)は,許容
差を求めるカリウム定量値の平均値[質量分率(%)]である。
注a) この規格における室間許容差は,各分析室においてJIS M 8202の6.5(分析値の採択)によって求めた分
析値を用いて判定する。
――――― [JIS M 8208 pdf 8] ―――――
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M 8208 : 2013
12.2 対標準物質許容差
対標準物質許容差C[質量分率(%)]は,次の式による。
2 2
sC 2 d
C 2 L
NC n
ここに, sC : 用いた認証標準物質の認証値決定時の各分析室平均値
の標準偏差(標準偏差を求める個々のデータは,認証
値決定試験参加分析室ごとの平均値)[質量分率(%)]
NC : 用いた認証標準物質の認証値決定試験参加分析室数
n : 認証標準物質の分析回数
σd : 室内標準偏差(表3による。)
σL : 室間標準偏差(表3による。)
表3−標準偏差
単位 質量分率(%)
室内標準偏差 室間標準偏差
σd σL
0.008 6×(K) 0.565 3 0.014 3×(K) 0.596 9
(K)は,用いた認証標準物質のカリウム含有率の認証値[質量分率(%)]である。
認証が1分析室だけで行われている認証標準物質については,Cは次の式によって計算する。
2
2 d
C 2 2 L
n
認証が1分析室だけで行われている認証標準物質については,バイアスのない認証値であることが知ら
れていない限り,使用を避けることが望ましい。
13 最終結果の計算
最終結果は,JIS M 8202の6.5(分析値の採択)によって求めた分析値について,その値(質量分率)
が,0.010 %以上の場合は小数点第3位に,0.010 %未満の場合は小数点第4位に丸める。
――――― [JIS M 8208 pdf 9] ―――――
M8
2
附属書JA
20
(参考)
8 : 2
JISと対応国際規格との対比表
013
JIS M 8708:2013 鉄鉱石−カリウム定量方法 ISO 13312:2006 Iron ores−Determination of potassium−Flame atomic absorption
spectrometric method
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条 (V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
1 適用範 適用範囲を規定 1 適用範囲を規定 一致
囲
2 引用規
格
3 一般事 鉄鉱石の定量方法 追加 JISは鉄鉱石の定量に共通の事項
項 に共通の一般事項 をJIS M 8202に規定。技術的差異
を規定 については各欄に記す。
4 要旨 分析法概要を記載 4 分析法概要を記載 一致
5 試薬 使用する試薬を規 5 使用する試薬を規定 追加 JISは,酸化鉄(III)の規定を酸化鉄の規定は,空試験の規定の
定 追加。また,ISO規格では脚注 改正時に併せて提案。ISO規格の
の記載としている純鉄による Directive は脚注に規定を入れな
バックグラウンド溶液の調製 いとしているので本文に移すよう
法についてJISは本文に規定。 ISOに改正提案予定。
6 器具及 使用する器具及び 6 使用する器具及び装置 変更 JISは鉄鉱石の定量に共通の事項
JISは,一般器具の規定を削除。
び装置 装置を規定 を規定 また,規定を追加し,最小安定をJIS M 8202に規定。JIS追加規
性を鉄鋼の原子吸光分析法の 定分は,ISOに改正提案予定。
規定に合わせた。
7 サンプリング及び試料 削除 サンプリング及び試料の調製は
の調製を規定 JIS M 8202に規定。技術的差異は
ない。
8.1 分析回数を規定 削除 分析回数はJIS M 8202に規定。技
術的差異はない。
――――― [JIS M 8208 pdf 10] ―――――
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JIS M 8208:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 13312:2017(MOD)
JIS M 8208:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 73 : 鉱採及び鉱物 > 73.060 : 金属鉱物及びそれらの濃縮物 > 73.060.10 : 鉄鉱石
JIS M 8208:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISM8202:2015
- 鉄鉱石―分析方法通則
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方