JIS P 8211:2011 パルプ―カッパー価試験方法 | ページ 2

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P 8211 : 2011 (ISO 302 : 2004)
試験は,2回行う。
注記 北欧諸国での実験研究は,カッパー価が46の範囲内の場合,カッパー価5100の操作によ
る試験とカッパー価15の操作による試験との結果が等しくなることを示している。

8.2 空試験

  試料を加えずに,8.3の操作に正確に従って空試験を行う。変曲点で消費したチオ硫酸ナトリウム(5.4)
の量V1,を0.1 mLまで読み取る。チオ硫酸ナトリウム溶液の消費量は,その理論値(25.0 mL)から最大
±1 %までの変動を許容できる。
カッパー価5100の範囲の試験における空試験の値を2で除し,カッパー価15の範囲の試験に用い
る。

8.3 本試験

  カッパー価及び絶乾率の試験に供する試料をひょう量する前に,20分以上,又は恒量に達するまで,は
かりの設置場所と同じ雰囲気中で調湿する。
過マンガン酸カリウム(5.3)の約50 %を消費すると推定できる量の試料を,0.001 gまでひょう量する。
試料の適量例を表1及び表2に示す。
なお,過マンガン酸カリウムの消費量は,加えた量の2060 %(質量/質量)の範囲内に入るようにす
る[10]。また,絶乾率測定のため,JIS P 8203によって,又はそれに近い結果を得ることができる他の絶乾
率測定方法によって,別の試料をひょう量する。
表1−カッパー価5100の範囲における絶乾試料の適量例
カッパー価 試料の量
g
5 4.5
6 4.0
8 3.0
10 2.5
15 1.5
20 1.2
25 1.0
30 0.9
3545 0.6
5055 0.5
6070 0.4
8090 0.3
100 0.25
表2−カッパー価15の範囲における絶乾試料の適量例
カッパー価 試料の量
g
1 5.5
23 4.0
4 3.0
5 2.5

――――― [JIS P 8211 pdf 6] ―――――

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かくはんに関わる問題を避けるため,カッパー価が低い場合(すなわち,カッパー価が,5100の範囲
で5,及び15の範囲で12)には,試料の量は,過マンガン酸塩の総酸化能力の約50 %に相当する量
よりも少なくしなければならない。しかし,それでも試料の量は,過マンガン酸塩の総酸化能力の20 %を
下回らないことが望ましい。
繊維の塊及び大きな繊維の結束がなくなるまで,試験片を蒸留水300 mLで離解する。繊維の著しい切
断を伴う離解方法は,避ける。蒸留水約90 mLで離解機を洗浄する。離解と反応とを一つのビーカーで行
う装置では,蒸留水390 mLで離解を行う。
反応全体を通じて反応温度を25.0 ℃±0.2 ℃に保つように調整した恒温水槽(6.3)にビーカーを置く。
恒温水槽を用いる代わりに,反応時間中,試料液の温度を記録してもよい。しかし,試料液の温度は,20 ℃
と30 ℃との間に入っていなければならない。反応温度が25.0 ℃±0.2 ℃でない場合は,温度補正を行う。
5分の反応時間の後,温度を読み取り,これを平均反応温度とする。
反応混合液の深さ約25 mmに渦巻きが発生するようにかくはん機(6.1)を調整する。十分にかくはん
することが非常に重要である。
8.3.1 カッパー価5100の場合
ピペットで,過マンガン酸カリウム溶液(5.3)50.0 mL±0.1 mL及び硫酸(5.1)50 mLをビーカーに採
り,混合する。この混合液を25 ℃にし,混合液を離解した試料に速やかに加え,同時に時計(6.4)を始
動させる。蒸留水約10 mLでビーカーを洗浄し,反応混合液にこの洗浄水を加える。全液量は,500 mL
とする。10.0分±15秒後に,よう化カリウム溶液(5.2)10 mLを正確に加えて反応を停止させる。
混合後直ちに,繊維をろ別することなく,チオ硫酸ナトリウム溶液(5.4)で遊離のよう素を滴定する。
滴定が終了する頃に,でんぷん指示薬(5.5)を数滴加える(8.3.2の3段落目から最後の段落まで参照)。
変曲点で,消費したチオ硫酸ナトリウム(5.4)の量V2を0.1 mLまで読み取る。
8.3.2 カッパー価15の場合
ピペットで,過マンガン酸カリウム溶液(5.3)25.0 mL±0.1 mL及び硫酸(5.1)50 mLをビーカーに採
り,混合する。この混合液を25 ℃にし,混合液を離解した試料に速やかに加え,同時に時計(6.4)を始
動させる。蒸留水約35 mLでビーカーを洗浄し,反応混合液にこの洗浄水を加える。全液量は,500 mL
とする。10.0分±15秒後に,よう化カリウム溶液(5.2)10 mLを正確に加えて反応を停止させる。
混合後直ちに,繊維をろ別することなく,チオ硫酸ナトリウム溶液(5.4)で遊離のよう素を滴定する。
滴定が終了する頃に,でんぷん指示薬(5.5)を数滴加える(この細分箇条の3段落目から最後の段落まで
参照)。変曲点で,消費したチオ硫酸ナトリウム(5.4)の量V2を0.1 mLまで読み取る。
よう素の蒸発は,カッパー価の試験結果に大きな影響を及ぼすことが分かっている。反応を停止するた
めのよう化カリウム溶液の滴下からそれに続く滴定の終了までの時間は,特に空試験の滴定の場合,でき
るだけ短くすることが望ましい。
でんぷんは,よう化カリウムから遊離したよう素に結び付くので,よう素の大部分がチオ硫酸塩によっ
て還元されるまで,でんぷんを加えてはならない。
プラチナ電極を用いた自動滴定装置によって滴定を行う場合には,指示薬としてでんぷんを加える必要
はない。

9 計算

9.1   カッパー価5100の場合
カッパー価Xは,式(1)式(3)によって求め,数値だけで表す。

――――― [JIS P 8211 pdf 7] ―――――

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V1 V2 c
Va (1)
1.0
1 Vad
X (2)
m
Vad
X2 1 .0013 25 t (3)
m
ここに, X1 : 温度補正前のカッパー価
X2 : 温度補正後のカッパー価
Va : 本試験で消費した過マンガン酸カリウム溶液(5.3)の量(mL)
V1 : 空試験で消費したチオ硫酸ナトリウム溶液(5.4)の量(mL)
V2 : 本試験で消費したチオ硫酸ナトリウム溶液(5.4)の量(mL)
c : チオ硫酸ナトリウム溶液(5.4)の濃度(mol/L)
0.1 : 過マンガン酸カリウムのモル濃度及び滴定における反応の化
学量論を考慮した係数( f =0.02×5)
d : 過マンガン酸カリウム50 %(質量/質量)消費へ換算するた
めの補正係数で,Vaによって求める(表3参照)。
m : 試料の絶乾質量(g)
t : 反応温度(℃)
表3−Vaの関数として表した補正係数d(カッパー価5100)
Va d
mL 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
10 0.938 0.942 0.946 0.950 0.954 0.958 0.962 0.966 0.970 0.975
20 0.979 0.983 0.987 0.991 0.996 1.000 1.004 1.009 1.013 1.017
30 1.022
注記 補正係数dは,実験研究に基づいており,式(4)によって求める。
Va
log10 Xlog10 .0000 93 2(Va50) (4)
m
9.2 カッパー価15の場合
カッパー価Xは,式(5)式(7)によって求め,数値だけで表す。
V1
V2 c
2
Vb (5)
1.0
1 Vbd
X (6)
m
Vbd
X2 1 .0013 25 t (7)
m
ここに, X1 : 温度補正前のカッパー価
X2 : 温度補正後のカッパー価
Vb : 本試験で消費した過マンガン酸カリウム溶液(5.3)の量(mL)
V1 : 空試験で消費したチオ硫酸ナトリウム溶液(5.4)の量(mL)

――――― [JIS P 8211 pdf 8] ―――――

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V2 : 本試験で消費したチオ硫酸ナトリウム溶液(5.4)の量(mL)
c : チオ硫酸ナトリウム溶液(5.4)の濃度(mol/L)
0.1 : 過マンガン酸カリウムのモル濃度及び滴定における反応の化
学量論を考慮した係数( f =0.02×5)
d : 過マンガン酸カリウム50 %(質量/質量)消費へ換算するた
めの補正係数で,Vbによって求める(表4参照)。
m : 試料の絶乾質量(g)
t : 反応温度(℃)
表4−Vbの関数として表した補正係数d(カッパー価15)
Vb d
mL 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 1.022 1.026 1.030 1.035 1.039
10 1.044 1.048 1.053 1.057 1.062 1.066
注記 補正係数dは,実験研究に基づいており,式(8)によって求める。
Vb
log10X log10 .0000 93 2Vb (8)
m

9.3 結果の表し方

  試料のカッパー価を,2回の試験の平均値として,次の精度で報告する。
− カッパー価が50以下の場合 : 0.1刻み
− カッパー価が50を超え100以下の場合 : 0.5刻み

9.4 計算例

  試料の風乾質量                                                                        1.100 g
試料の絶乾率 91.5 %(質量/質量)
915.
試料の絶乾質量 .1100 g .1006 g
100
空試験で消費したチオ硫酸ナトリウム溶液(5.4)の量V1 25.2 mL
本試験で消費したチオ硫酸ナトリウム溶液(5.4)の量V2 9.5 mL
チオ硫酸ナトリウム溶液(5.4)の濃度c 0.191 0 mol/L
( 252.)5.9 .0191 0
本試験で消費した過マンガン酸カリウム溶液(5.3)の量Va 300. mL
1.0
補正係数d 1.022
300. .1022
カッパー価X1 305.
.1006

10 精度

10.1 カッパー価検証用パルプ

  結果が正しいことを確認するため,カッパー価が試料に近いカッパー価既知のパルプを試験することが
望ましい。カッパー価検証用パルプは,乾燥した冷暗所で保管する。

――――― [JIS P 8211 pdf 9] ―――――

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10.2 繰返し精度

  2か所の試験所では手分析で,7か所の試験所では自動装置で,4種類の試料について測定を行った。各
試験所では,異なる試料で10回測定を行った。
平均値及び変動係数の結果を表5に示す。
表5−カッパー価試験の繰返し精度
手分析
カッパー価水準 平均値 変動係数
%
4 3.8 4.3 0.71.2
10 10.1 10.6 0.61.1
16 16.1 16.5 0.91.3
40 40.9 42.5 0.40.8
自動装置
カッパー価水準 平均値 変動係数
%
4 4.3 4.5 0.63.1
10 10.2 10.7 0.61.5
16 16.1 16.7 0.51.7
40 42.3 42.8 0.41.2

10.3 再現性

  4種類の試料について,9か所の異なる試験所で測定を行い,2か所の試験所では手分析で,7か所の試
験所では自動装置を用いた。四つの異なるカッパー価水準の変動係数として再現性を表6に示す。
表6−カッパー価試験の再現性
カッパー価水準 平均値 変動係数
%
4 4.3 5.4
10 10.3 1.9
16 16.4 1.3
40 42.4 1.4

11 報告書

  報告書には,次の事項を記載する。
a) 試料を特定する全ての情報
b) 規格名称又は規格番号
c) 試験年月日及び試験場所
d) 9.3によって表した試験結果
e) 自動滴定装置の使用有無
f) 用いた操作(8.3.1又は8.3.2)
g) 試験した試料の質量
h) パルプをスクリーン処理した場合は,その方法

――――― [JIS P 8211 pdf 10] ―――――

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JIS P 8211:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 302:2004(IDT)

JIS P 8211:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS P 8211:2011の関連規格と引用規格一覧