JIS P 8215:1998 セルロース希薄溶液―極限粘度数測定方法―銅エチレンジアミン法 | ページ 2

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P 8215 : 1998 (ISO 5351-1 : 1981)
6.3.3 測定溶液の調製 25.0mlの蒸留水又は脱イオン水を銅片 (6.2.3) 数片と共に試料に加える。瓶を閉
じ,試料が完全に離解するまで振とうを続ける。25.0mlのCED溶液 (6.1.1) をピペットで加え,残留空気
をすべて排除する。瓶を再び閉じ,振とう装置 (6.2.7) によって2時間振とうする(1)。この振とう装置は,
角形瓶の長手方向を振とう方向に並べたものである。振とう後,瓶を恒温水槽 (6.2.1) に浸し,温度が25
±0.1℃になるまで放置する。
注(1) 冷アルカリ処理したパルプ及び高粘度の未ざらしパルプは,溶解が困難な場合がある。溶解を
容易にするには,最初,パルプを低濃度のCED溶液に溶かして膨潤を抑制すればよい。したが
って,まず25mlの蒸留水又は脱イオン水でパルプスラリを調製し,次に5mlのCED溶液 (6.1.1)
を加え,振とうし,さらにCED溶液 (6.1.1) を5ml加える。この操作を繰り返して,加えた量
が合計25mlとなるようにする。試料の分解を最小限に抑えるため,振とう時間はできるだけ短
くする。低粘度のパルプであれば,約3分間で十分である。
参考 CED溶液中のセルロースは酸素が存在すると分解するので,空気との接触を避けなければなら
ない。ポリエチレン製の溶解瓶を用いれば,瓶を手で押して残留空気を追い出すことが可能で
ある。
6.3.4 流下時間の測定 25±0.1℃に保った(6.3.3を参照)CED希釈溶液 (6.1.2) を,吸引して粘度計
(6.2.6) に入れる。溶液を流下させ,液面が上部の刻印を通過したとき,測時用時計 (6.2.5) を始動する。
液面が下部の刻印に到達するまでの流下時間を,±0.2秒の精度で測定する。自由流下式粘度計を用いる場
合は,表面張力の影響を避けるため,ビーカーの壁面に沿って流下させる。次に,試料溶液で粘度計を洗
浄した後,試料溶液の流下時間を同様に測定する。
測定は少なくとも2回行い,測定結果は±2.5%の範囲内になければならない。
6.4 計算
ηは,次式で求める。
6.4.1 粘度比 粘度比η0
η t
=
η0 t0
ここに, t : 試料溶液の流下時間 (s)
t0 : CED希釈溶液の流下時間 (s)
6.4.2 極限粘度数 附属書Bの表を用い,6.4.1に従って得た粘度比の値から, [ 攀 寰
を算出し,極限粘度数を整数1けたまで報告する。
附属書Bの値は,次のMartinの式を用いて算出したものである。
η−η0
log(L.V.N.)= log[η]= log−k[η]・c
η0・c
η η0
ここに, 粘度数 (ml/g)
:
η0・c
k : 実験定数(セルロース−CED系では,k=0.13)
c : 試料溶液中の絶乾セルロース濃度 (g/ml)
7. B法−一定のせん断速度における極限粘度数の測定
7.1 試薬 6.1.1及び6.1.2に規定した銅エチレンジアミン (CED) 溶液,並びに銅エチレンジアミン希釈
溶液。
7.1.1 グリセリン 65質量%水溶液で,粘度が約10mPa・sのもの。

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P 8215 : 1998 (ISO 5351-1 : 1981)
7.2 器具 一般的な実験器具並びに,6.2.1から6.2.6に規定した恒温水槽,溶解瓶,銅片,天びん,測時
用時計及び粘度計を必要とする。
7.2.1 毛細管粘度計 恒温水槽 (6.2.1) に接続したジャケットを備え,せん断速度 (4.1) 200±30s-1におい
η=8.4の溶液の流下時間が約100秒のもの。適切な粘度計の一例を,図2に示す。
て η0
図2 B法による極限粘度数を測定するのに適切な粘度計
7.3 粘度計の校正 6.2.6に規定した粘度計を,グリセリン水溶液 (7.1.1) 及びCED希釈溶液 (6.1.2) の
流下時間を25±0.1℃で測定するための校正用粘度計として用いる。流下時間の測定は,7.4.4の方法で行
う。
同様の方法で,校正する粘度計 (7.2.1) でグリセリン溶液の流下時間を測定する。粘度計ファクター及
び粘度計定数を次の式によって算出する。
tc
f
tv
f
h
st
ここに, f : 粘度計ファクター
h : 粘度計定数 (s−1)
tc : 校正用粘度計におけるグリセリン溶液の流下時間 (s)
tv : 校正する粘度計におけるグリセリン溶液の流下時間 (s)
ts : 校正用粘度計におけるCED希釈溶液の流下時間 (s)
粘度計ファクターは装置定数であり,粘度計定数は使用する溶媒に依存する。したがって,粘度計定数
は,新しく調製したCED溶液を使うたびに求める。

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7.4 操作
7.4.1 溶液濃度の選択(附属書C参照)
7.4.1.1 試料のおおよその極限粘度数が既知の場合は,表2から濃度を選択する。
表2 極限粘度数 [ ‰ 度cの関係
極限粘度数 [ 試料の量 濃度c
ml/g mg/50ml g/ml
<400 250 0.005
400 650 250 0.005
651 850 200 0.004
8511 100 150 0.003
1 1011 400 120 0.002 4
7.4.1.2 試料の極限粘度数の値が未知であれば,150mg/50mlの試料を測定する。その測定値が表2の範囲
から外れた場合は,得られた極限粘度数の値に対応する濃度で再び測定を行う。
7.4.2 ひょう量 選択した量の試料,例えば150mgを,150±0.5mgの精度で溶解瓶 (6.2.2) に量り採る。
固形分濃度をISO 638又はISO 1833 (1.7) の方法で測定するため,これとは別に試料を量り採る。
7.4.3 測定溶液の調製 25.0mlの蒸留水又は脱イオン水を銅片 (6.2.3) 数片と共に試料に加える。瓶を閉
じ,試料が完全に離解するまで振とうを続ける。25.0mlのCED溶液 (6.1.1) をピペットで加え,残留空気
をすべて排除する。瓶を再び閉じ,試料が完全に溶解するまで振とうを続ける(6.3.3の参考を参照)。瓶
を恒温水槽 (6.2.1) に浸し,温度が25±0.1℃になるまで放置する。
7.4.4 流下時間の測定 試料溶液 (7.4.3) を吸引して粘度計 (7.2.1) に入れる。溶液を流下させ,液面が
上部の刻印を通過したとき,測時用時計 (6.2.5) を始動する。液面が下部の刻印に到達するまでの流下時
間を,±0.2秒の精度で測定する。自由流下式粘度計を用いる場合は,表面張力の影響を避けるため,ビー
カーの壁面に沿って流下させる。
測定は少なくとも2回行い,測定結果は±2.5%の範囲内になければならない。
7.5 計算
ηは,次の式で求める。
7.5.1 粘度比 粘度比η0
η
=h・t
η0
ここに, h : 7.3に記載した粘度計定数 (s−1)
t : 試料溶液の流下時間 (s)
7.5.2 極限粘度数 附属書Bの表を用い,7.5.1に従って得た粘度比の値から, [ 攀 寰
を算出し,極限粘度数を整数1けたまで報告する。
附属書Bの値は,次のMartinの式を用いて算出したものである。
η−η0
log(L.V.N.)= log[η]= log−k[η]・c
η0・c
η η0
ここに, :
η0・c
粘度数 (ml/g)
k : 実験定数(セルロース−CED系では,k=0.13)
c : 試料溶液中の絶乾セルロース濃度 (g/ml)
8. 報告 報告には,必要に応じて次の項目を記録する。
8.1 試料の識別に必要なすべての情報。

――――― [JIS P 8215 pdf 8] ―――――

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P 8215 : 1998 (ISO 5351-1 : 1981)
8.2 規格名称又は規格番号。
8.3 採用した方法(A法又はB法)。
8.4 ml/gで表した測定値。
8.5 測定時に認められた異状。
8.6 測定結果に影響を及ぼしたと考えられる,この規格又は引用規格に規定していない操作又は任意に
行った操作。

――――― [JIS P 8215 pdf 9] ―――――

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P 8215 : 1998 (ISO 5351-1 : 1981)
附属書A(規定) 銅エチレンジアミン溶液の調製及び標定
A.1 試薬 試薬は分析用を用い,使用水は,蒸留水又は脱イオン水とする。
A.1.1 エチレンジアミン (C2H8N2)
A.1.2 硫酸銅 (II) 五水和物 (CuSO4・5H2O)
A.1.3 アセトン (CH3COCH3)
A.1.4 アンモニア水溶液 1l中にアンモニア (NH3) 約250gを含むもの。
A.1.5 濃硝酸 (HNO3) 密度1.4g/ml。
A.1.6 塩化バリウム水溶液 1l中に塩化バリウム (BaCl2) 約100gを含むもの。
A.1.7 よう化カリウム水溶液 1l中によう化カリウム (KI) 約100gを含むもの。
A.1.8 水酸化ナトリウム水溶液 1l中に水酸化ナトリウム (NaOH) 約100gを含むもの。
A.1.9 塩酸 1.0mol/l水溶液。
A.1.10 チオ硫酸ナトリウム水溶液 (Na2S2O3) 0.05±0.002mol/lの容量分析用。
A.1.11 硫酸 0.5mol/lの容量分析用。
A.1.12 水酸化ナトリウム 0.1±0.004mol/lの容量分析用。
A.1.13 でんぶん 2g/lの指示薬用。
A.1.14 フェノールフタレイン指示薬 フェノールフタレイン (C20H14O4) 50mgを,エタノール (C2H5OH)
50mlに溶解し,蒸留水50mlで希釈したもの。
A.1.15 メチルオレンジ指示薬又はpH3から5の範囲で作用する指示薬
A.2 器具 一般的な実験器具及び次のもの。
A.2.1 フラスコ 褐色ガラス製で,すり合わせガラス栓を備えた細口のもの。
A.3 水酸化銅 (II) の調製 硫酸銅 (A.1.2) 330.0gを約1 650mlの熱水に溶解し,沸騰するまで加熱する。
約45℃まで冷却した後,溶液がかすかな紫色になるまで,アンモニア水溶液 (A.1.4) を激しくかくはんし
ながら少しずつ加える(約150mlのアンモニア水溶液を必要とする。)。沈殿物を沈降させた後,冷水を用
いて,洗液が無色になるまでデカンテーションによって洗浄する。20℃以下までゆるやかに冷却した後,
ペースト状の沈殿物に,水酸化ナトリウム水溶液 (A.1.8) 800mlを激しくかくはんしながら少しずつ加える。
沈殿した水酸化銅 (II) を,蒸留水を用いてデカンテーションによってフェノールフタレイン指示薬
(A.1.14) で中性になるまで洗浄する。沈殿物を2回水洗した後,アセトン (A.1.3) で1回洗浄し,真空デ
シケータに入れて室温で乾燥する。
水酸化銅を粉砕し,均質化してから銅の標定を行う。
A.4 水酸化銅中の銅の標定 水酸化銅 (II) (A.3) 約2.0gを±0.1mgの精度で量り採り,50mlの硫酸 (A.1.11)
に溶解する。この溶液を250mlのメスフラスコに定量的に移し,標線まで希釈する。この溶液をピペット
で25.0m1量り採り,よう化カリウム水溶液 (A.1.7) 25mlを加え,容量分析用チオ硫酸ナトリウム水溶液
(A.1.10) ででんぷん指示薬の終点まで滴定する。
銅含有量は,次の式で求める。

――――― [JIS P 8215 pdf 10] ―――――

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  • ISO 5351-1:1981(IDT)

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