JIS Q 0064:2014 製品規格で環境課題を記述するための作成指針 | ページ 2

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Q 0064 : 2014 (ISO Guide 64 : 2008)
環境課題を記述した規格の要求事項,推奨事項又は記載事項。
2.4
利害関係者(interested party)
組織の環境パフォーマンスに関心をもつか又は影響を受ける人又はグループ(JIS Q 14001:2004の3.13
参照)。
2.5
ライフサイクル(life-cycle)
原材料の取得又は天然資源の産出から最終処分に至るまでの,製品システムの連続的かつ連結した段階。
注記 “製品システム”という用語は,JIS Q 14040で定義されており,補足説明も加えられている。
2.6
ライフサイクル思考,LCT(life-cycle thinking)
(製品の)ライフサイクルの全体を通して,(製品の)関係する全ての環境側面を考慮すること(IEC
Guide 109:2003の3.10参照)。
2.7
汚染の予防(prevention of pollution)
有害な製品環境影響(2.10)を低減するために,あらゆる種類の汚染物質若しくは廃棄物の発生又は放
出を回避し,低減し,又は管理するためのプロセス,操作,技法,材料,製品,サービス又はエネルギー
を(個別に又は組み合わせて)使用すること。
注記 汚染の予防には,発生源の低減又は排除,プロセス,製品又はサービスの変更,資源の効率的
な使用,代替材料及び代替エネルギーの使用,再使用,回収,リサイクル,再生,処理などが
ある。
2.8
製品(product)
全ての製品又はサービス(JIS Q 14050の6.2参照)。
2.9
製品環境側面(product environmental aspect)
製品のライフサイクルを通じて環境と相互に作用する可能性のある製品の要素。
2.10
製品環境影響(product environmental impact)
全体的に又は部分的に製品環境側面から生じる環境に対するあらゆる変化。
2.11
製品規格(product standard)
目的適合性を確実に果たすために,製品又は製品群が満たさなければならない要求事項を規定する規格。
注記1 製品規格は,目的適合性のための要求事項に加えて,用語,サンプリング,試験,包装及び
表示,更に場合によってはプロセスの要求事項のような側面を,直接又は引用によって含ん
でもよい。
注記2 製品規格は,必要な要求事項の全てを規定するか,又はその一部だけを規定するかによって,
内容が全てそろったものとそうでないものとがある。このような観点から,寸法規格,材料
規格などのように規格を区別してもよい(JIS Z 8002:2006の5.4参照)。

――――― [JIS Q 0064 pdf 6] ―――――

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Q 0064 : 2014 (ISO Guide 64 : 2008)
2.12
規格作成者(standards writer)
規格の作成に参画するあらゆる人。
注記 この規格における規格とは,製品規格をいう。

3 基本原則及びアプローチ

3.1 一般

  この箇条では,規格作成者が考慮することが望ましい基本原則及びアプローチについて規定する。

3.2 基本原則

3.2.1  ライフサイクル思考
3.2.1.1 原則
規格作成者は,製品のライフサイクルの全ての段階において,関係する環境側面及び環境影響を検討す
ることが望ましい(図2参照)。
3.2.1.2 概説
図2は,次に示す製品のライフサイクルの四つの主要な段階を示したものである(ただし,これらだけ
に限らない。)。
− (材料)取得の段階
− 生産の段階
− 使用の段階
− 使用済みの段階
輸送,エネルギー供給及びその他のサービスのようなプロセスは,製品のライフサイクルの特定の段階
には属さないため,図の中心に位置する(図2参照)。むしろ,一般に,段階と段階との間に組み込まれ
ている。インプット及びアウトプットは,全ての段階及びプロセスに関係する可能性がある。
“ライフサイクル思考”とは,製品のライフサイクルの全ての段階で,製品の全ての環境側面を考慮す
るという意味である。ライフサイクルの特定の段階に対する改善が,その製品のライフサイクルのその他
の段階における環境影響に有害な作用を及ぼすことがある。規格作成者は,ライフサイクルの段階での環
境影響への考慮が,次の事項に対して,有害な変更又は有害な影響がないことを確実にすることが望まし
い。
− 製品に関係する環境影響の全体的な負荷
− 局地的,地域的又は地球環境の他の側面
例 溶剤洗浄方式から温水及び送風を用いたプロセスへの変更が,生産の段階でのエネルギーの使用
の増加という結果を招く。
上記は,特に,製品規格の適用範囲が限定され,ライフサイクルの一定の段階にだけ適用する場合に当
てはまる。
ライフサイクル思考を適用することによって,製品が著しく環境に影響を与えるライフサイクルの段階
及び著しい環境側面を決定することができる。これらは,規格内の環境規定事項に含まれることが望まし
く,かつ,製品の性質に大きく依存する。
環境規定事項を含めるための考慮は,製品規格の開発の初期の段階で行うことが望ましい。

――――― [JIS Q 0064 pdf 7] ―――――

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インプット アウトプット
の例 の例
取得の段階
材料資源の 大気への
消費 排出
エネルギー 輸送 廃棄物の
使用済みの段階 エネルギー供給
資源の消費 その他のサービス 生産の段階 生成
土地の利用 水及び土地
への放出
使用の段階
騒音
図2−ライフサイクル思考
3.2.2 天然資源の効率的な使用
3.2.2.1 原則
製品規格を作成するとき,規格作成者は,天然資源の希少性を特に考慮するとともに,枯渇しないよう
に努力することが望ましい。
3.2.2.2 概説
この原則は,製品のライフサイクルの全ての段階を通じて,資源の有効かつ効率的な使用を改善するこ
とを意味する。例えば,その他の材料の使用及び廃棄物から回収されたエネルギーの使用だけでなく,原
材料の選択及び使用,並びに水,エネルギー及び土地の利用が含まれる。
資源の取得及び使用に関連する環境影響に加えて,再生不可能な資源,一般に鉱床及び化石燃料を枯渇
させることは,持続的ではない。資源の枯渇は,再生するよりも高い率で消費される再生可能な資源にも
当てはまる。
人間の活動は,生物多様性及び生物種の維持率に影響を及ぼすことがあり,種の激減又は絶滅をもたら
すことがある。
環境的に有益な場合,規格作成者は,使用済みの段階における処理に対する様々な工夫だけでなく,再
生可能な資源を推奨することが望ましい。
エネルギーに関しても,幾つかの考慮すべき事項がある。これらの中には,選択したエネルギー源の変
換効率及びエネルギーの効率的な利用が含まれる。
3.2.3 汚染の予防
3.2.3.1 原則

――――― [JIS Q 0064 pdf 8] ―――――

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規格作成者は,ライフサイクルの全ての段階において,汚染の予防の必要性を考慮することが望ましい。
3.2.3.2 概説
製品規格の規定事項は,汚染の予防に役立つことができる。汚染の予防は,多くの形態をとることが可
能であり,製品のライフサイクルの全ての段階に組み込むことができる。例えば,製品規格に規定する,
有害,有毒又はその他の点で危険な物質及び材料は,代替が可能であり,かつ,実施できるのであれば,
常に,より危険性の低い物質及び材料に代替することが望ましい。
汚染の予防は,階層的なアプローチの促進も含む。すなわち,その汚染の発生源での予防を推奨するこ
とから始まり,発生源の低減又は除去による廃棄物及び排出のない生産に至ること(環境配慮設計及び開
発,代替材料の使用,プロセス,製品又は技術の変更,並びにエネルギー及び材料の効率的な使用又は保
全を含む。)を意味する。
さらに,汚染の予防のために,次の選択肢を考慮することが望ましい。
− 内部での再使用又はリサイクル(プロセス内又は施設内での材料の再使用又はリサイクル)
− 外部での再使用又はリサイクル(再使用又はリサイクルのための材料の施設外移転)
− 再生及び処理(施設内外での,廃棄物の物流からのエネルギー回収又は環境影響を削減するための廃
棄物の排出及びリリース物の処理)
3.2.4 環境リスクの予防及び最小化
3.2.4.1 原則
規格作成者は,発生事象及び事故がもたらす結果並びにその可能性を考慮して,環境リスクを削減する
必要性を検討することが望ましい。
3.2.4.2 概説
この規格におけるリスクの意味は,一つの事象(発生事象又は事故)とそれがもたらす結果の可能性,
又は確率との組合せによって測ることができるものである。
製品の製造,使用及び処分における環境への危険な影響の特定の結果を受けて,発生事象及び事故を予
防し,人の健康を含む環境にもたらす結果を最小にとどめるための率先的な取組みが望ましい。
環境リスクの予防及び最小化は,計画し,又は期待したことからの起こり得る変化を特定すること,並
びに意志決定及び結果を改善するために,これらのリスクを管理することに関係する。リスクの予防及び
最小化のために組織が適用する原則及び手法は,製品規格の適用に関連するリスクを予防し,最小限にと
どめるための手段に関して重要なインプットを提供することができる。
製品規格を開発するときは,他の環境側面と整合しつつ,環境リスクの予防及び最小化を取り扱うこと
が望ましい。
これには,例えば,次の事項を含む。
− 労働にかかわらない発生事象及び事故に関連する,人の健康へのリスクの低減
− 製品の部品としての,又はその生産における促進剤若しくは触媒のいずれかとしての,有害な物質の
使用の削減又は回避
− プロセスに関連する不可避なリスクの特定及び適切な管理
− 使用時又は解体時の,有害な材料の管理されたリリース又は管理されないリリースの可能性
3.2.5 予防の原則
3.2.5.1 原則
規格の規定事項を開発するとき,規格作成者は,予防の原則を考慮することが望ましい。
3.2.5.2 概説

――――― [JIS Q 0064 pdf 9] ―――――

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Q 0064 : 2014 (ISO Guide 64 : 2008)
環境又は人の健康に対する,重大な損傷又は回復不能な損傷の具体的な脅威が存在する場合,可能であ
るにもかかわらず,十分な科学的な確実性がないことを根拠に,規格の環境規定事項に取り入れることを
後回しにすることは望ましくない。
本質的に,予防の原則は,科学的な確実性のない状況において,調査中の,又は調査の行われていない
疑わしい慣行を継続することよりも,その慣行又は物質に対する予防処置をとるためのよりどころを提供
する。
予防的なアプローチは,どのようなレベルの危害ならば許容されるかを問うのではなく,次の事項を問
うものである。
− 汚染はどの程度回避することができるか。
− この製品又は活動の代替案は何であり,それらは,より安全か。
− この製品又は活動は,そもそも必要なのか。
予防原則は,リスクよりも,むしろ選択肢及び解決策に焦点を当てるものである。

3.3 アプローチ

3.3.1  製品設計
3.3.1.1 アプローチ
製品設計は,製品のライフサイクルの全ての段階で起こり得る環境影響を回避するための最も効果的な
手段であるため,規格作成者は,製品設計の環境側面をできる限り考慮することが望ましい。
3.3.1.2 概説
資源の節約及び汚染の予防に関する要素を考慮した製品設計には,幾つかのアプローチがある(3.2参照)。
これらは,様々な製品技術分野に適用されている。製品規格を開発するとき,規格作成者は,環境適合設
計(DFE)など,これらのアプローチを意識することが望ましい。
注記 製品設計及び製品開発へ環境側面を取り入れることを,環境配慮設計(ECD),エコデザイン,
製品スチュワードシップの環境部分などと呼ぶこともある。
考慮した製品設計には,次の事項を含む。
− 材料の選択
− 材料及びエネルギーの効率
− 材料の再使用,リサイクル及び再生
− 生産
− 製品の使用及びメンテナンス
− 使用済みの段階の処理
製品設計プロセスへ環境側面を取り入れることに関する標準情報には,TR Q 0007がある。これは,規
格作成の手引として使用することができる。
3.3.2 製品の使用
3.3.2.1 アプローチ
規格作成者は,意図しない使用及びその環境への影響だけでなく,製品メンテナンスのための潜在的な
要求事項及び使用における製品の用途を考慮することが望ましい。
3.3.2.2 概説
機器の“使用の段階”での水の消費又はエネルギーの使用は,製品寿命の中で最も大きな環境影響を生
じることがある。水及びエネルギーを使用する機器にとっては,使用の段階の環境影響が圧倒的なものと

――――― [JIS Q 0064 pdf 10] ―――――

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JIS Q 0064:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO Guide 64:2008(IDT)

JIS Q 0064:2014の国際規格 ICS 分類一覧