JIS Q 0064:2014 製品規格で環境課題を記述するための作成指針 | ページ 4

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Q 0064 : 2014 (ISO Guide 64 : 2008)
表1−環境チェックリスト
規格番号 : 規格の名称 :
専門委員会(TC)/分科委員会(SC)/作業グループ(WG)の番号 :
作業項目番号(番号がある場合) : 環境チェックリストの版 : 環境チェックリストの最終修正期日 :
ライフサイクルの段階
取得の段階 生産の段階 使用の段階 使用済みの段階 全ての
段階
環境課題 原材料 事前製 生産 包装 使用 メンテ 関連製 再使用/エネル 最終処 輸送
及びエ 造した ナンス 品の追 材料・エギー回 分
ネルギ 材料及 及び修 加使用 ネルギー収のな
ー び部品 理 の回収 い焼却
インプット
材料

エネルギー
土地
アウトプット
大気への排

水域への放

土壌への放

廃棄物
騒音,振動,
放射,熱
その他の関係する側面
事故又は非
意図的使用
による環境
へのリスク
顧客情報
コメント :
注記1 包装の段階は,製造された製品の一次包装を指す。ライフサイクルのいずれかの段階又は全ての段階で発生
する輸送のための二次又は三次の包装は,輸送段階に含まれる。
注記2 輸送は,全ての段階の一部として取り扱うことも(チェックリスト参照),独立した副段階として取り扱う
こともできる。製品の輸送及び包装に関連する特別な問題に対応するように,新しい欄を設けることも,及
び/又は,コメントを加えることもできる。

5.4 環境チェックリストと原案作成の手引との関係

  環境チェックリストを用いて,製品の著しい環境側面を特定した場合,これらの側面ごとに環境規定事
項を作成することができる。箇条6に,表2を用いてチェックリストに対応した,具体的な手引を記載す
る(表2参照)。

――――― [JIS Q 0064 pdf 16] ―――――

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Q 0064 : 2014 (ISO Guide 64 : 2008)
表2−ライフサイクルの様々な段階に関する原案作成の手引
ライフサイクルの段階
取得の段階 生産の段階 使用の段階 使用済みの段階 全ての
段階
原材料及 事前製造 生産 包装 使用 メンテ 関連製 再使用/ エネル 埋め立 輸送
びエネル した材料 ナンス 品の追 材料及び ギー回 て
ギー 及び部品 及び修 加使用 エネルギ 収のな
理 ーの回収 い焼却
箇条 6.2 6.2 6.3 6.3 6.4.2 6.4.3 6.4.4 6.5 6.5 6.5 6.6

6 製品規格に環境規定事項を取り入れるための手引

6.1 一般

  規格では,環境規定事項が目的及びその他の基準に整合している限りにおいて,製品のライフサイクル
の様々な段階における起こり得る環境に対する有害な影響を,ライフサイクル思考に基づいて最小限にす
ることに役立つことが望ましい。
表3表10に,環境規定事項においてライフサイクル思考に基づき反映されることが望ましいライフサ
イクルのそれぞれの段階における推奨事項の例を示す。これらの表には,可能な選択肢の例及び制約も含
まれている。関係する環境影響の性質及び規格の適用範囲に応じて,規格作成者は,このような環境規定
事項を要求事項,推奨事項又は記載事項として規格に含める必要があるかどうかを決定することが望まし
い。
ライフサイクルのいずれかの,又は全ての段階に関連する,既存の規格における規定事項の例を,附属
書Bに記載する。

6.2 取得

  表3は,エネルギーを含む原材料の選択及び取得,並びに事前製造した材料及び部品の取得に関連する
環境規定事項に反映させることが望ましい推奨事項を,様々な制約及び判断に迷うような事情への配慮と
合わせて示すものである。
表3−原材料,並びに事前製造した材料及び部品の取得
規格における規定事項の推奨事項 選択肢及び制約事情の例
できる限り少量の材料を使用する。 特別な判断が必要になるのは,資源が豊富な材料Aを大量に
使用するか,資源が極めて限定されている材料Bを少量使用
するかを比較する場合である。
回収又はリサイクルが容易な材料を使用する。 特別な判断が必要になるのは,包装材料に関して,焼却又は
埋め立てによって処分する軽量の柔軟な包装にするか,段ボ
ール又はスチールのようなリサイクルが容易な,重く硬い容
器の包装にするかを比較する場合である。
リサイクル材料又は再使用材を使用する。 基準として,製品中のリサイクル材の比率よりも,製品寿命
リサイクル比率を優先させることが望ましい。
化学組成など,リサイクル材料の品質の知識が欠けているな
ら,そうした材料の使用を制限することがある。
この基準は,再生資源が持続的に管理され,再生する速度が
再生資源を使用し,再生不能原材料の使用を最小限
にとどめる。 枯渇する速度よりも早い場合にだけ有効である(4.1も参照)。
再使用可能な製品の利点を確認する。 特別な選択が必要になるのは,再使用製品が,新品の製品よ
りも大量のエネルギーを消費する場合である。

――――― [JIS Q 0064 pdf 17] ―――――

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Q 0064 : 2014 (ISO Guide 64 : 2008)
表3−原材料,並びに事前製造した材料及び部品の取得(続き)
規格における規定事項の推奨事項 選択肢及び制約事情の例
特別な選択が必要になるのは,少量の有害物質がリサイ
有害物質の使用を,有毒性,発がん性,変異原性,生殖
クル材料の中に混入している場合である。このようなケ
毒性に特に注意しながら,不可避の機能だけに限定す
る。 ースでは,混入した有害物質の生体への影響を検討する
必要がある。
耐久性及び寿命を最適化するために原材料を選択する。 制約及び判断に迷うような事情はない。
制約及び判断に迷うような事情はない。
メンテナンス,再使用又はリサイクルが容易となるよう
に,標準化された要素,及び部品を使用する。
材料の種類を最小限にとどめる。 制約及び判断に迷うような事情はない。
同一製品又は別製品の部品を再使用する。 特別な選択が必要になるのは,再使用部品が,新しい部
品と比べて,よりエネルギーを消費するか,他の環境影
響を増加させる場合である。
例えば,使用時のエネルギー消費量が著しい環境側面に
原材料の取得に関するエネルギーの使用量及び温室効
果ガスの排出量を最小限にとどめる。 なるかもしれない自動車及び車両において,鋼材を使用
するかアルミニウムを使用するかで判断に迷う場合が
ある。
これには通常,生産者による包括的な仕様及び更なる製
使用する材料又は物質よりも,(環境)パフォーマンス
基準を規定する。 品試験が必要となる。
技術的なパフォーマンス及び環境パフォーマンスの基
準は,互いに矛盾し得る。

6.3 生産

  表4及び表5は,製品の製造及び包装において,環境規定事項に反映させることが望ましい推奨事項を,
様々な制約及び判断に迷うような事情への配慮と合わせて示すものである。
表4−製造
規格における規定事項の推奨事項 選択肢及び制約事情の例
特別な配慮が必要となるのは,パフォーマンスの低い製
生産中のエネルギーの使用量及びそれに伴う温室効果
ガスの排出量を最小限にとどめる。 品を出荷する低エネルギー工程にするか,使用時の環境
パフォーマンスが良好な製品を出荷する高エネルギー
工程にするかを選択する場合である。
たとえ新しい機器の環境影響が低くても,既存の機器の
生産又は製造機器の選択を検討するとき,低エネルギー
寿命が長いという理由で,簡単に交換することができな
ポンプ,廃棄物熱回収など,環境影響を最小限にする機
器を,徐々に優遇する。 い場合もある。
このような規定は,廃棄物を副資材として使用すること
生産の段階で,汚染の低減を可能にする副資材を規定す
る。 を妨げる場合もある(例えば,鉄鋼業又はセメント産
業)。
特別な選択が必要になるのは,水性コーティングの性能
汚染の少ない表面処理を規定する。例えば,溶剤による
コーティングよりも,水性コーティングを優先する。
が,溶剤によるコーティングよりも劣っている場合であ
る。
水性コーティングにすれば,より多くのエネルギーが必
要となることがある。
制約及び判断に迷うような事情はない。
環境影響を最小限にとどめる製品試験について言及し,
それを使用する。

――――― [JIS Q 0064 pdf 18] ―――――

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Q 0064 : 2014 (ISO Guide 64 : 2008)
表5−包装
規格における規定事項の推奨事項 選択肢及び制約事情の例
これは,より多くの原材料及びエネルギーが必要とな
適切な種類の包装材料を使用して,損害,損失及び損傷
を最小限にとどめる。 り,リサイクルが難しい包装材料が必要になることがあ
る。
包装材を再使用又はリサイクルする。 特別な選択が必要となるのは,使用済みの包装材料の再
使用又はリサイクルのための回収により多くの労力が
必要となる場合,又はリサイクルのために多くのエネル
ギー又は化石燃料を使用することになる場合である。

6.4 製品の使用

6.4.1  一般
ライフサイクルのこの段階は,最もエネルギーを消費する段階となることがある。規格作成者は,製品
の使用を管理することはできないが,環境規定事項を通じて,使用の段階の製品の環境影響を大きく左右
することができる。この規定事項には,次の事項が含まれる。
− 通常の使用時の,環境に対する有害な影響を最小限にとどめる規定事項(6.4.2参照)
− 製品寿命を長くすることに寄与し,メンテナンス及び修理中の環境に対する有害な影響を最小限にと
どめる規定事項(6.4.3参照)
− 関連製品の追加使用に関する規定事項(6.4.4参照)
6.4.2 通常の使用
表6は,通常の使用に関して,環境規定事項に反映させることが望ましい推奨事項を,様々な制約及び
判断に迷うような事情への配慮と合わせて示すものである。
表6−通常の使用
規格における規定事項の推奨事項 選択肢及び制約事情の例
選択は,機能性及び緊急課題に基づくことが望ましい。
待機機能の廃止,(スイッチによって)電源を切るため
のオプション又は待機時のエネルギー消費量の低減
開示する情報量が,過多にならないように配慮すること
エネルギー効率が最適となるように使用するための,製
品に付ける情報表示 が望ましい。
制約及び判断に迷うような事情はない。
全体的なエネルギー使用量及び使用時の温室効果ガス
排出量を最小限にとどめる。
製品の起動時間を最小化する。 選択は,ウォームアップ機能などの機能に基づくことが
望ましい。
熱損失を減らすための断熱性を改善する。 断熱材が生産時に環境影響をもつ場合,その量を最適化
する必要がある。
車両及び可動機械部品用などに,軽量部品を使用する。 判断に迷うような事情には,軽金属生産時のエネルギー
消費量,並びにプラスチック及び複合材料をめぐるリサ
イクルの問題がある。
判断に迷うような事情には,化学薬品又はエネルギーの
使用段階の水の使用を最小限にとどめる。これは全体的
追加使用によってだけ,節水が達成できる場合がある。
な水の消費量を低減するか,水を再使用することによっ
て達成することができる。取扱説明書に,水量に関する
標準的な分類を示すことが望ましい。
制約及び判断に迷うような事情はない。
使用時の,製品によって発生する廃棄物の量を,最小限
にとどめる。

――――― [JIS Q 0064 pdf 19] ―――――

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Q 0064 : 2014 (ISO Guide 64 : 2008)
表6−通常の使用(続き)
規格における規定事項の推奨事項 選択肢及び制約事情の例
機能性を損なうことなく有害物の使用を最小限にとど
考えられる全てのリリースの場面(大気への排出,屋内
め,製品の使用及び処分に関して適切な手引を提供す
の空気への排出,土壌及び水への放出)を踏まえて,有
害物質が放置されないことを確実にする。 る。
防音材の層の厚さ及び防音材の環境影響に関して配慮
使用時の,製品から発生する騒音レベルを低くする。製
することが望ましい。
品又は取扱説明書に騒音に関する標準的なレベルを示
すことが望ましい。
制約及び判断に迷うような事情はない。
使用説明に関する手引を示す。例えば,製品の取扱説明
書に,非意図的使用のリスク及び環境に対する有害な影
響を最小限にとどめるための助言を提供することが望
ましい。
6.4.3 製品の耐久性,メンテナンス及び修理
表7は,製品の耐久性,メンテナンス及び修理に関して,環境規定事項に反映させることが望ましい推
奨事項を,様々な制約及び判断に迷うような事情への配慮と合わせて示すものである。
表7−製品の耐久性,メンテナンス及び修理
規格における規定事項の推奨事項 選択肢及び制約事情の例
予測可能な製品の平均寿命を改善する。 これは,Cr(VI)など,有害な材料を使用する表面処理
によってしか達成できないことがある。
耐食性を改善する。 このためには,更に表面処理が必要となることがある。
このためには,更に表面処理が必要となることがある。
洗浄が簡単になるように,及び/又は汚れにくくなるよ
うに,製品を設計する。
交換が容易な部品を使用する。 制約及び判断に迷うような事情はない。
この推奨事項は,洗浄,修理又はメンテナンス時に関連
洗浄,修理及びメンテナンス作業時の汚染を最小限にと
どめる。 製品の追加使用が必要となる作業に適用する。
この推奨事項は,修理作業によって寿命が大幅に伸びる
例えば,修理のときに接続及び分離が簡単にできる接続
方法を規定する。 製品に適用する。
このためには,製品のサイズを大きくすることが必要と
修理及び交換の対象となる部品を簡単に取り外せるこ
とを確実にする。 なることがある。すなわち,原材料の取得及び生産の段
階で環境影響が大きくなる。
制約及び判断に迷うような事情はない。
標準化された工具をメンテナンスのために利用できる
ことを確実にする。
予備品の確保を確実にする。 この推奨事項は,寿命が短い部品又は頻繁に故障する部
品を内蔵した組立製品に適用する。
製品のアップグレード又は改善を可能とする。 制約及び判断に迷うような事情はない。
この推奨事項は,修理作業によって寿命が大幅に伸びる
メンテナンス及びサービスの間隔を含めた,修理及びメ
ンテナンスに関する手引書を提供する。 製品に適用する。
制約及び判断に迷うような事情はない。
メンテナンス及び表面処理の必要性を最小限にとどめ
る。
6.4.4 関連製品の追加の使用
表8は,関連製品の追加使用に関して,環境規定事項に反映させることが望ましい推奨事項を,様々な
制約及び判断に迷うような事情への配慮と合わせて示すものである。
注記 関連製品の追加使用の例としては,食器洗浄機の洗剤又はコーヒーメーカ用のフィルターバッ
グがある。

――――― [JIS Q 0064 pdf 20] ―――――

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  • ISO Guide 64:2008(IDT)

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