JIS Q 14044:2010 環境マネジメント―ライフサイクルアセスメント―要求事項及び指針 | ページ 2

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Q 14044 : 2010 (ISO 14044 : 2006)
3.9
製品 (product)
すべての製品又はサービス。
注記1 製品は,次のように区分することができる。
− サービス(例えば,輸送)
− ソフトウェア(例えば,コンピュータプログラム,辞書)
− ハードウェア(例えば,エンジン機械部品)
− 素材製品(例えば,潤滑剤)
注記2 サービスには,有形及び無形の要素がある。サービスの提供は,例えば,次のものがある。
− 顧客が提供した有形の製品に対して行われる活動(例えば,自動車の修理)
− 顧客が提供した無形のものに対して行われる活動(例えば,税金の還付に必要な収入情報
の整理)
− 無形のものの提供(例えば,知識を伝達するという意味をもつ情報の提供)
− 顧客のための雰囲気造り(例えば,ホテル及びレストラン内)
ソフトウェアは,情報で構成され,一般に無形であり,アプローチ,処理又は手順の形
をとり得る。
ハードウェアは,一般に有形で,その量は整数で数えることができる特性をもつ。素材
製品は一般に有形で,その量は,整数で数えられない連続的な特性をもつ。
注記3 用語の定義は,JIS Q 14021:2000及びJIS Q 9000:2006から引用。
3.10
共製品 (co-product)
同一の単位プロセス又は製品システムからもたらされる二つ又はそれ以上の製品のうちのそれぞれの製
品。
3.11
プロセス (process)
インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。
[JIS Q 9000:2006の3.4.1(注記を除く。)]
3.12
基本フロー (elementary flow)
調査対象のシステムに入る物質若しくはエネルギーで,事前に人為的な変化を加えずに環境から取り込
まれたもの,又は調査対象のシステムから出る物質若しくはエネルギーで,事後に人為的な変化を加えず
に環境へリリースされるもの。
3.13
エネルギーのフロー (energy flow)
単位プロセス又は製品システムへのインプット又はそこからのアウトプットで,エネルギー単位で定量
化されるもの。
注記 インプットであるエネルギーのフローは,エネルギーのインプットと呼ばれることがある。ま
た,アウトプットであるエネルギーのフローは,エネルギーのアウトプットと呼ばれることが
ある。

――――― [JIS Q 14044 pdf 6] ―――――

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Q 14044 : 2010 (ISO 14044 : 2006)
3.14
フィードストックエネルギー (feedstock energy)
製品システムへの原材料のインプットのうち,エネルギー源としては使われない燃焼熱,高位発熱量又
は低位発熱量で表現される。
注記 原材料のエネルギー含有量が,二重に計算されないことを確実にするための注意が必要である。
3.15
原材料 (raw material)
製品を製造するために使用される一次材料又は二次材料。
注記 二次材料には,リサイクル材料が含まれる。
3.16
補助のインプット (ancillary input)
製品を生産する単位プロセスで使用される物質のインプットであるが,製品の含有物にならないもの。
3.17
配分 (allocation)
プロセス又は製品システムのインプット又はアウトプットのフローを,調査対象の製品システムと一つ
以上の他の製品システムとに振り分けること。
3.18
カットオフ基準 (cut-off criteria)
調査から除外されている,物質若しくはエネルギーのフローの量又は単位プロセス若しくは製品システ
ムにかかわる環境面での重要度の仕様。
3.19
データ品質 (data quality)
設定された要件への適合性を示すデータの特性。
3.20
機能単位 (functional unit)
製品システムの性能を表す定量化された参照単位。
3.21
インプット (input)
単位プロセスに入る製品,物質又はエネルギーのフロー。
注記 製品及び物質には,原材料,中間製品及び共製品を含む。
3.22
中間フロー (intermediate flow)
調査されている製品システムの単位プロセス間で発生する製品,物質又はエネルギーのフロー。
3.23
中間製品 (intermediate product)
システム内で更に加工・変化を必要とし,他の単位プロセスにインプットされる単位プロセスからのア
ウトプット。
3.24
ライフサイクルインベントリ分析結果,LCI結果 (life cycle inventory analysis result)
システム境界を横断するフローを一覧し,かつ,LCIAの出発点となるLCIの成果。

――――― [JIS Q 14044 pdf 7] ―――――

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Q 14044 : 2010 (ISO 14044 : 2006)
3.25
アウトプット (output)
単位プロセスから出る製品,物質又はエネルギーのフロー。
注記 製品及び物質には,原材料,中間製品,共製品及びリリースを含める。
3.26
プロセスエネルギー (process energy)
単位プロセス内の設備又はプロセスを作動させるのに必要なエネルギーのインプットであり,そのエネ
ルギー自体の生産及び輸送のためのエネルギーのインプットを除くもの。
3.27
製品のフロー (product flow)
別の製品システムからの製品の流入又は別の製品システムへの流出。
3.28
製品システム (product system)
基本フロー及び製品のフローを伴い,一つ以上の定義された機能を果たし,かつ,製品のライフサイク
ルをモデル化した単位プロセスの集合体。
3.29
基準フロー (reference flow)
機能単位で表される機能を満たすために必要とされる,製品システム内のプロセスからのアウトプット
を定量的に表した量。
3.30
リリース (releases)
大気への排出物,並びに水及び土壌への放出物。
3.31
感度分析 (sensitivity analysis)
方法及びデータに関して行った選択が調査の成果へ及ぼす影響を見積もるための系統的な手順。
3.32
システム境界 (system boundary)
単位プロセスが製品システムの一部であることを規定する一連の基準。
注記 システム境界という用語は,この規格ではLCIAに関連して使用されていない。
3.33
不確実性分析 (uncertainty analysis)
モデルの不適格さ,インプットの不確かさ,及びデータの変動性の累積効果によってLCIの結果に生じ
た不確かさを,定量化するための系統的な手順。
注記 結果の不確かさの確認には,変動範囲又は確率分布のいずれかが用いられる。
3.34
単位プロセス (unit process)
インプット及びアウトプットのデータが定量化される,LCIで考慮する最小要素。
3.35
廃棄物 (waste)
保有者が処分しようとするか,若しくは処分を要求される物質又は物体。

――――― [JIS Q 14044 pdf 8] ―――――

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Q 14044 : 2010 (ISO 14044 : 2006)
注記 定義は,“有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約”(1989年
3月22日)から採用されているが,この規格では,有害廃棄物に限定されない。
3.36
影響領域内エンドポイント (category endpoint)
着目されている環境関連事項を特定する自然環境,人の健康若しくは資源の属性又は側面。
3.37
特性化係数 (characterization factor)
LCI結果を,領域指標の共通の単位に換算するために適用する特性化モデルから導かれる係数。
注記 共通の単位によって,結果として得られる領域指標の計算が可能となる。
3.38
環境メカニズム (environmental mechanism)
一つの任意の影響領域において,LCI結果を領域指標及び影響領域内エンドポイントへ結び付ける物理
学的,化学的及び生物学的なプロセスのシステム。
3.39
影響領域 (impact category)
LCI結果が割り振られる,着目されている環境関連事項の分野。
3.40
影響領域指標 (impact category indicator)
影響領域を定量化して表現したもの。
注記 略称である“領域指標”は,この規格において,読みやすさを改善するために使用している。
3.41
完全性点検 (completeness check)
LCAの段階からの情報が,目的及び調査範囲の設定に従った結論を導くのに十分であることを検証する
プロセス。
3.42
整合性点検 (consistency check)
結論に達する前に,前提条件,方法及びデータが,調査の全体にわたって一貫して適用され,かつ,目
的及び調査範囲の設定に従っていることを検証するプロセス。
3.43
感度点検 (sensitivity check)
感度分析から得られた情報が,結論を導き,かつ,提言を示すのに適切であることを検証するプロセス。
3.44
評価 (evaluation)
LCAの結果に対する信頼を確立することを意図するライフサイクル解釈の段階における要素。
注記 評価には,調査の目的及び調査範囲の設定に従って要求されるであろう完全性点検,感度点検,
整合性点検,及びその他の妥当性確認を含む。
3.45
クリティカルレビュー (critical review)
LCAと,LCAに関する規格の原則及び要求事項との間の整合性を確実にすることを意図したプロセス。
注記1 原則は,JIS Q 14040の4.1で規定されている。

――――― [JIS Q 14044 pdf 9] ―――――

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Q 14044 : 2010 (ISO 14044 : 2006)
注記2 要求事項は,この規格で規定されている。
3.46
利害関係者 (interested party)
製品システムの環境パフォーマンス若しくはLCAの結果にかかわりをもつか,又はそれらによって影響
を受ける個人又は団体。

4 ライフサイクルアセスメント(LCA)方法論の枠組み

4.1 一般要求事項

  LCAを実施するときは,原則及び枠組みを記載したJIS Q 14040を参照する。
LCA調査には,目的及び調査範囲の設定,インベントリ分析,影響評価,並びに結果の解釈を含めなけ
ればならない。
LCI調査には,目的及び調査範囲の設定,インベントリ分析,並びに結果の解釈を含めなければならな
い。この規格の要求事項及び推奨事項は,影響評価に関するそれらの規定を除いて,LCI調査にも適用さ
れる。
LCI調査は,一般に開示することを意図する比較主張において用いようとする比較のために,単独で使
用してはならない。
LCAの結果を単一の包括的な評点又は数値に換算する科学的な根拠は,存在しないと認識することが望
ましい。

4.2 目的及び調査範囲の設定

4.2.1  一般
LCAの目的及び調査範囲は,明確に設定し,かつ,その意図した用途に整合しなければならない。
LCAの反復的な性質によって,調査の実施中に調査範囲を修正しなければならない場合がある。
4.2.2 調査の目的
LCAの目的を設定するときは,次の事項を明確に記述しなければならない。
− 意図する用途
− 調査をするための理由
− 意図する伝達先,すなわち,調査の結果を伝えようとしている相手
− 一般に開示することを意図する比較主張において結果を用いようとするかどうか
4.2.3 調査範囲
4.2.3.1 一般
LCAの調査範囲を設定する場合は,次の事項を考慮し,かつ,明確に記述しなければならない。
− 調査対象の製品システム
− 製品システム又は比較調査のときは,複数の製品システムがもつ機能
− 機能単位
− システム境界
− 配分の手順
− LCIAの方法論及び影響の種類
− 使用される解釈
− 要求されるデータ
− 前提条件

――――― [JIS Q 14044 pdf 10] ―――――

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JIS Q 14044:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14044:2006(IDT)

JIS Q 14044:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Q 14044:2010の関連規格と引用規格一覧