JIS Q 17020:2012 適合性評価―検査を実施する各種機関の運営に関する要求事項 | ページ 2

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Q 17020 : 2012 (ISO/IEC 17020 : 2012)
び均衡がある。
3.9
異議申立て(appeal)
検査機関が検査品目について行った決定に対し,その検査品目の提供者が決定の再考を求める要請。
注記 JIS Q 17000:2005の6.4参照。
3.10
苦情(complaint)
検査機関の活動に関し,人又は組織が回答を期待して行う不満の表明で,異議申立て以外のもの。
注記 JIS Q 17000:2005の6.5参照。

4 一般要求事項

4.1 公平性及び独立性

4.1.1  検査活動は,公平に行わなければならない。
4.1.2 検査機関は,その検査活動の公平性に責任を負い,公平性を損なう商業的,財務的又はその他の圧
力を容認してはならない。
4.1.3 検査機関は,その公平性に対するリスクを継続的に特定しなければならない。これには,検査機関
の活動,検査機関が他との関係をもつこと,又は要員が他との関係をもつことから生じるリスクを含む。
ただし,このような関係をもつことは,検査機関にとって必ずしも公平性に対するリスクとなるとは限ら
ない。
注記 検査機関の公平性に対する脅威となる関係としては,所有,統治,マネジメント,要員,共有
資源,財務,契約,マーケティング(ブランド設定を含む。),及び売上手数料の支払い又は新
規依頼者の紹介に関わるその他の誘引条件に基づく関係が挙げられる。
4.1.4 公平性に対するリスクが特定された場合,検査機関は,どのようにそのリスクを排除又は最小化す
るかを実証できなければならない。
4.1.5 検査機関には,公平性に対するトップマネジメントのコミットメントがなければならない。
4.1.6 検査機関は,そのサービスを実施する条件に照らして必要な程度まで,独立性をもたなければなら
ない。これらの条件に応じて,検査機関は,次に概要を示すように,附属書Aに規定する最低限の要求事
項を満たさなければならない。
a) 第三者検査を提供する検査機関は,A.1に規定する検査機関(タイプA)に対する要求事項を満たさ
なければならない。
b) 第一者検査及び/又は第二者検査を提供する検査機関で,検査対象である品目の設計,製造,供給,
据付け,使用又は整備に関与する組織の分離された識別可能な一部を形成し,検査サービスをその親
組織だけに提供する機関(社内検査機関)は,A.2に規定する検査機関(タイプB)に対する要求事
項を満たさなければならない。
c) 第一者検査及び/又は第二者検査を提供する検査機関で,検査対象である品目の設計,製造,供給,
据付け,使用又は整備に関与する組織の識別可能な一部を形成するが必ずしも分離されていない,検
査サービスをその親組織及び/又は他の関係者に提供する機関は,A.3に規定する検査機関(タイプC)
に対する要求事項を満たさなければならない。

4.2 機密保持

4.2.1  検査機関は,法的に拘束力のあるコミットメントによって,検査活動を実施する過程で得られるか

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又は生成される全ての情報の管理について,責任を負わなければならない。検査機関は,公開の対象にし
ようとしている情報を,事前に依頼者に知らせなければならない。依頼者が公開している情報,又は検査
機関と依頼者とが合意している場合(例えば,苦情に対応する目的のため)を除き,その他の全ての情報
は占有情報とみなし,機密としなければならない。
注記 法的に拘束力のあるコミットメントには,例えば,契約上の合意事項がある。
4.2.2 検査機関が機密情報を公開することを,法律で要求されるか又は契約上のコミットメントで認めら
れた場合,依頼者又は関係する個人は,法律によって禁止されない限り,当該情報の提供について知らさ
れなければならない。
4.2.3 依頼者以外(例えば,苦情申立者,規制当局)から得られた依頼者に関する情報は,機密として取
り扱わなければならない。

5 組織運営機構に関する要求事項

5.1 管理上の要求事項

5.1.1  検査機関は,その全ての検査活動に法的責任を負うことができる法人であるか,又は法人の一部と
して明確に位置付けられていなければならない。
注記 政府の検査機関は,その政府としての地位によって,法人であるとみなされる。
5.1.2 検査機関が,検査以外の活動に関与する法人の一部である場合は,その法人内で識別可能でなけれ
ばならない。
5.1.3 検査機関は,自身が能力をもつ活動を記述した文書をもたなければならない。
5.1.4 検査機関は,その業務から生じる債務を担保できる適切な準備(例えば,保険又は準備金)をもた
なければならない。
注記 債務は,国内法に従って国が担うか,又は検査機関の属する組織が担うことがあり得る。
5.1.5 検査機関は,自身が属する法人に対して検査サービスを提供する場合を除いて,検査を行う契約上
の条件を記述した文書をもたなければならない。

5.2 組織及び管理

5.2.1  検査機関は,公平性が確保されるように組織され,管理されなければならない。
5.2.2 検査機関は,検査活動を実施する能力を維持できるように組織され,管理されなければならない。
注記 検査スキームは,検査機関が能力を維持するために,他の検査機関との技術経験の交換に参加
するように要求することができる。
5.2.3 検査機関は,組織の責任及び報告体系を定義し,文書化しなければならない。
5.2.4 検査機関が,他の活動を実施する法人の一部である場合,これらの他の活動と検査活動との関係を
定義しなければならない。
5.2.5 検査機関は,1名以上を技術管理者として利用できなければならない。技術管理者は,検査活動を
この規格に従って実施することを確実にする全般的な責任をもつ。
注記 この機能を果たす者は,技術管理者という肩書きをもつとは限らない。
この機能を果たす者は,検査機関の運営における技術的な力量及び経験を備えていなければならない。
検査機関が複数の技術管理者をもつ場合は,各技術管理者の個々の責任を定義し,文書化しなければなら
ない。
5.2.6 検査機関は,進行中の検査活動に責任をもつ技術管理者が不在の場合,その代理を務める者を1
名以上指名しておかなければならない。

――――― [JIS Q 17020 pdf 7] ―――――

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5.2.7 検査機関は,検査活動に関与する組織内の各役職に関して,職務規定書又はその他の文書をもたな
ければならない。

6 資源に関する要求事項

6.1 要員

6.1.1  検査機関は,検査活動に関与する全ての要員に対して力量要求事項を定義し,文書化しなければな
らない。これには,教育,訓練,専門知識,技能及び経験に関する要求事項を含む。
注記 力量要求事項は,5.2.7に規定する職務規定書又はその他の文書の一部であってもよい。
6.1.2 検査機関は,その検査活動の種類,範囲及び量を実施するために,要求された力量をもつ十分な数
の要員を雇用するか,又は契約しなければならない。要求される力量には,必要な場合に専門的判断を行
う能力を含む。
6.1.3 検査に責任を負う要員は,適切な資格,教育・訓練,経験及び実施する検査の要求事項に関する十
分な知識をもたなければならない。また,これらの要員は,次の事項に関する知識をもたなければならな
い。
− 検査する製品の製造,プロセスの運用及びサービスの提供に用いられる技術
− 製品の使用方法,プロセスの運用方法及びサービスの提供方法
− 製品の使用中に生じるかもしれない何らかの欠陥,プロセスの運用中の何らかの不具合及びサービス
の提供中の何らかの不足
これらの要員は,製品の通常の使用,プロセスの運用及びサービスの提供に関して,見出された逸脱の
重大さを理解しなければならない。
6.1.4 検査機関は,各要員にその責務,責任及び権限を明確に示さなければならない。
6.1.5 検査機関は,検査員及び検査活動に関与するその他の要員の選定,教育・訓練,正式な権限付与及
び監視を行うための文書化した手順をもたなければならない。
6.1.6 教育・訓練に関する文書化した手順(6.1.5参照)は,次に示す段階を対象としなければならない。
a) 導入研修期間
b) 熟練した検査員の指導下で業務を行う期間
c) 技術及び検査方法の進歩に対応するための継続的な教育・訓練
6.1.7 要求される教育・訓練は,各検査員及び検査活動に関与するその他の要員の能力,資格及び経験に
対応し,かつ,監視の結果に対応しなければならない(6.1.8参照)。
6.1.8 検査方法及び検査手順に精通している要員は,十分な成果を挙げるために,全ての検査員及び検査
活動に関与するその他の要員を監視しなければならない。監視の結果は,教育・訓練の必要性を特定する
一つの手段として用いなければならない(6.1.7参照)。
注記 監視は,現地での観察,報告書のレビュー,面談,模擬検査,パフォーマンスを評価するため
のその他の技術などの組合せを含めることができ,それは,検査活動の性質次第である。
6.1.9 各検査員は,力量を維持していることを裏付ける十分な証拠がない限り,現地で観察されなければ
ならない。
注記 現地での観察は,検査の妨げを最小限にする方法で,特に依頼者の視点に立って実施すること
が期待される。
6.1.10 検査機関は,検査活動に関与する各要員の監視,教育,訓練,専門知識,技能,経験及び権限付与
の記録を維持しなければならない。

――――― [JIS Q 17020 pdf 8] ―――――

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6.1.11 検査活動に関与する要員は,検査の結果に影響を及ぼすような方法で報酬を受けてはならない。
6.1.12 検査活動に影響を及ぼし得る全ての検査機関の要員(内部及び外部)は,公平に行動しなければな
らない。
6.1.13 外部委託先の業者,外部機関の要員,及び検査機関を代行して活動する個人を含む全ての検査機関
の要員は,法律で要求される場合を除き,検査活動を実施する過程で得られた又は生成された全ての情報
について機密を守らなければならない。

6.2 施設及び設備

6.2.1  検査機関は,実施する検査活動に付随する全ての活動が適格で安全に実施できるように,適切かつ
十分な施設及び設備を利用できなければならない。
注記 検査機関は,用いる施設又は設備の所有者である必要はない。施設及び設備は,他の当事者(例
えば,その設備の製造者又は設置者)から借用,レンタル,賃借り,リース又は提供されるこ
とができる。しかしながら,検査機関が設備を所有しているか否かにかかわらず,検査に用い
る設備の適切性及び校正状況に関する責任は,検査機関にある。
6.2.2 検査機関は,検査に用いる特定の施設及び設備へのアクセス及び使用に関する規則をもたなければ
ならない。
6.2.3 検査機関は,6.2.1に規定する施設及び設備が,それらの意図された用途に対して,継続して適切
であることを確実にしなければならない。
6.2.4 検査の結果に重大な影響を与える全ての設備を明確にし,適切な場合には,個々に識別しなければ
ならない。
6.2.5 全ての設備(6.2.4参照)は,文書化した手順及び指示に従って保全しなければならない。
6.2.6 適切な場合,検査の結果に重大な影響を与える全ての測定機器は,業務に導入する前に校正し,導
入後は既定のプログラムに従って校正しなければならない。
6.2.7 適用可能な限り,設備の校正のプログラム全体は,国家計量標準又は国際計量標準が利用可能なら
ば,検査機関の行う測定がこれらにトレーサブルであることを確実にするように設計し,運用しなければ
ならない。国家計量標準又は国際計量標準へのトレーサビリティが適用できない場合,検査機関は,検査
結果の関連付け又は正確さについての証拠を維持しなければならない。
6.2.8 検査機関が保有する測定の参照標準は,校正だけに用い,他の目的に用いてはならない。測定の参
照標準は,国家計量標準又は国際計量標準へのトレーサビリティが得られるように校正しなければならな
い。
6.2.9 該当する場合,設備は,定期的な再校正の中間で,供用中にチェックしなければならない。
6.2.10 標準物質は,国家標準物質又は国際標準物質がある場合,可能な場合は,それらにトレーサブルで
なければならない。
6.2.11 検査活動の結果に関係する場合,検査機関は,次の事項のための手順をもたなければならない。
a) 供給者の選択及び承認
b) 納入商品及びサービスの検証
c) 適切な保管施設の確保
6.2.12 該当する場合,劣化を検出するために,保管品目の状態を適切な間隔で評価しなければならない。
6.2.13 検査機関が,検査に関連してコンピュータ又は自動設備を用いる場合,検査機関は,次の事項を確
実にしなければならない。
a) コンピュータソフトウェアは,用途に適切である。

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注記 これは,次によって可能である。
− 使用前に行う,計算の妥当性確認
− 関連するハードウェア及びソフトウェアの定期的な妥当性再確認
− 関連するハードウェア又はソフトウェアを変更したときの妥当性再確認
− 必要に応じて実施される,ソフトウェアのアップデート
b) データの完全性及びセキュリティを保護するための手順が確立され,実施されている。
c) コンピュータ及び自動設備は,適正な機能を果たすことを確実にするために,保全管理されている。
6.2.14 検査機関は,欠陥のある設備の取扱いに関する文書化した手順をもたなければならない。欠陥のあ
る設備は,隔離,目立つラベル表示又はマーク表示によって,業務使用から外さなければならない。検査
機関は,以前の検査に対するその欠陥の影響を調査し,必要な場合は適切な是正処置をとらなければなら
ない。
6.2.15 ソフトウェアを含む,設備について必要な情報は,記録しなければならない。これには,識別,並
びに該当する場合は校正及び保全管理に関する情報を含めなければならない。

6.3 外部委託

6.3.1  検査機関は,通常,請け負うことを契約した検査を自身で実施しなければならない。検査機関が検
査のうちのある部分を外部委託する場合,検査機関は,外部委託先の業者が当該活動を実施する能力をも
ち,該当する場合,この規格又は他の該当する適合性評価規格に規定される該当する要求事項に従うこと
を確実にし,かつ,実証できなければならない。
注記1 外部委託する理由には,次を含むことがある。
− 予期しない又は異常な業務過多
− 主要な検査職員が働けなくなる。
− 主要な施設又は設備品目が一時的に使用不可となる。
− 依頼者との契約の一部に検査機関の業務範囲の対象でないものを含む,又は依頼者との
契約の一部が検査機関の能力若しくは資源を超えたものである。
注記2 対応国際規格の注記では,英語の語句の語義について説明しているが,この規格では不要で
あり,削除した。
注記3 検査機関が追加の資源又は専門知識を得るために個人又は他の組織の従業員を従事させる場
合,これらが検査機関のマネジメントシステムの下で働くと正式に契約していれば,これら
の個人は外部委託先の業者とはみなされない(6.1.2参照)。
6.3.2 検査機関は,検査のうちのある部分を外部委託する意向を依頼者に知らせなければならない。
6.3.3 検査の一部である作業を外部委託先の業者が実施する場合でも,検査品目の要求事項への適合性の
全ての確定の責任は,検査機関が負わなければならない。
6.3.4 検査機関は,外部委託先の業者の能力に関する調査,及び外部委託先の業者のこの規格又は他の該
当する適合性評価規格の該当する要求事項への適合性に関する調査の詳細を記録し,保持しなければなら
ない。検査機関は,全ての外部委託先の業者の登録簿を維持しなければならない。

――――― [JIS Q 17020 pdf 10] ―――――

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JIS Q 17020:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 17020:2012(IDT)

JIS Q 17020:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Q 17020:2012の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISQ17000:2005
適合性評価―用語及び一般原則