14
R 1600 : 2011
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2211* カーボンナノチュ carbon nanotube
炭素六角網面を円筒形に継ぎ目なく閉じてできる,外径が
ーブ サブナノメートルから50 nmの針状で,中心部が空洞をも
つ分子。
注記 チューブの先端には一つの端当たり6個の五員環が
導入され閉じている。単層ナノチューブと,多層の
炭素六角網面が同軸円筒状に積み重なった多層ナノ
チューブとがある。
2212 炭化けい素 化学式SiCで示す化合物。 silicon carbide
注記 共有結合性が高く約2 830 ℃で分解。密度3.22
g/cm3,熱膨張係数は4.5×10−6/K。高熱伝導性で,
良好な耐摩耗性を示す。半導性を利用して発熱体又
はバリスタに利用される。また,メカニカルシール,
耐火物などに利用される。高強度の構造用部品を対
象にも開発が進行中。また,シリコンウェーハの熱
処理用ジグとしても利用。
2213 炭化チタン 化学式TiCで示す化合物。 titanium carbide
注記 立方晶系で密度4.94 g/cm3,モース硬度89。優れ
た耐摩耗性を示し,切削工具材として利用。通常,
TiC-Ni-Mo系又はWC-TiC-Co系の焼結体として用い
られることが多く,サーメットの代表である。
2214 炭化タングステン 化学式WCで示す化合物。 tungsten carbide
注記 立方晶系で密度15.50 g/cm3と重く,モース硬度9。
高硬度で優れた耐摩耗性を示し,切削工具材として
利用する。タングステンカーバイト−コバルト
(WC-Co)系が主成分の焼結体を超硬合金と呼ぶ。
2215 窒化ほう素 化学式BNで示す化合物。 boron nitride
注記 多形があり,炭素とよく似ている。六方晶窒化ほう
素(hBN)は快削性を示し,耐熱及び耐食材に使用
する。立方晶窒化ほう素(cBN)は高圧合成され,
硬く,工具材として用いる。
2216 立方晶窒化ほう素 立方晶系の窒化ほう素。 cubic boron nitride
注記 cBN(シービーエヌ)とも呼ぶ。ダイヤモンド構造
をもち,その基本的性質もダイヤモンドに酷似して
いる。通常,超高圧法によって合成し,切削及び研
削工具として利用。
2217 パイロリティック 熱分解により作製された層状の六方晶窒化ほう素。 pyrolytic boron nitride
ボロンナイトラ (PBN)
注記 三塩化ほう素(BCl3)などのハロゲン化ほう素及び
イド アンモニア(NH3)を原料として,2 000 ℃前後の高
温減圧CVD法などによって気相から析出される。ガ
リウムひ素(GaAs)などの化合物半導体のるつぼ又
はボードとして用いる。
2218 窒化アルミニウム 化学式AlNで示す化合物。 aluminum nitride
注記 六方晶系,ウルツ鉱型構造で,密度は3.26 g/cm3。
2 200 ℃前後で分解する。熱伝導率が高く電気絶縁
性に優れる。IC,LSIの基板,パッケージ又はヒー
トシンクに適用。緻密化には酸化イットリウム
(Y2O3),酸化カルシウム(CaO)などの焼結助剤を
使用する。
――――― [JIS R 1600 pdf 16] ―――――
15
R 1600 : 2011
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2219 窒化けい素 化学式Si3N4で示す化合物。 silicon nitride
注記 び 塗 する。共有結合性が高く
1気圧下では約1 800 ℃で分解する。密度3.19 g/cm3,
熱膨張係数3×10−6/K前後。酸化イットリウム−ア
ルミナ(Y2O3-Al2O3)を加えた焼結体は強度及びじ
ん(靭)性に優れる。エンジン部品などの構造用材
料として利用される。
2220 サイアロン Si-Al-O-N系化合物の総称。 sialon (silicon aluminum
注記 窒化けい素(Si3N4)のSi,N位置に,Al,Oがそれ oxynitride)
ぞれ置換型固溶した 戀 サイアロンと,この置換型固
溶と同時に結晶格子間に特定な金属原子が侵入型固
溶した 愀 サイアロンとがある。特性は窒化けい素の
もつ低熱膨張率,高強度に加え,耐食性も優れる。
2221 窒化チタン 化学式TiNで示す化合物。 titanium nitride
注記 密度5.4 g/cm3,立方晶で融点が2 950 ℃の硬質化合
物。サーメット工具に分散したり,超硬合金の上に
被覆して用いる。黄金色を呈するので装飾用にも使
用される。
2222 ほう化チタン 化学式TiB2で示す化合物。 titanium boride
注記 融点3 225 ℃,高い硬度をもち,導電性に優れた物
質。特に高硬度を生かして耐摩耗部材として用いる。
2223 ほう化ジルコニウ 化学式ZrB2で示す化合物。 zirconium boride
ム 注記 密度6.09 g/cm3,融点3 245 ℃の硬質物質。金属への
耐食性も優れることから耐摩耗部材又は鉄,アルミ
ニウム溶融金属用部材として用いる。
2224 ほう化ランタン 化学式LaB6で示す化合物。 lanthanum boride
注記 熱電子放射性に優れる化合物。単結晶を加工し,精
度のよい電子放射体として電子顕微鏡又はVLSIの
回路作製に利用する。
2225 けい化モリブデン モリブデン(Mo)及びけい素(Si)の化合物。 molybdenum silicide
注記 二けい化モリブデン(MoSi2)が実用化されている。
融点1 870 ℃で1 700 ℃まで空気中で使える発熱
体,IC回路作製マスク用などに使用。
3) ガラス
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2301 シリカガラス silica glass
石英ガラスともいう。二酸化けい素の網目状構造だけによ
って構成されるガラス。
注記 密度2.20 g/cm3,熱膨張係数5.5×10−7/K。水晶,け
い石,けい砂の融解や四塩化けい素の高温気相分解
などで合成する。耐熱性,化学安定性,光透過特性
に優れている。光ファイバ,エレクトロニクス用基
板,耐熱材料などとして使用される。
2302 ソーダ石灰ガラス soda lime glass
シリカ(SiO2),酸化ナトリウム(Na2O),酸化カルシウム
(CaO)を主成分とする最も普通のガラス。
注記 耐アルカリ性が低いという欠点があるが製造・加工
が容易であるため汎用ガラスとして使用される。
――――― [JIS R 1600 pdf 17] ―――――
16
R 1600 : 2011
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2303 ほうけい酸塩ガラ borosilicate glass
シリカ(SiO2),無水ほう酸(B2O3)によって網目状構造
ス が形成されているガラス。
注記 低アルカリのほうけい酸ガラスは膨張係数が小さく
比較的硬く耐食性が大きいため,理化学用ガラス又
は基板ガラスとして使用される。
2304 アルミノけい酸塩 aluminosilicate glass
シリカ(SiO2)とアルミナ(Al2O3)とによって網目状構造
ガラス が形成されているガラス。
注記 膨張係数が低く,軟化点が高い。耐熱性,耐水性に
優れている。これらの特徴によって液晶基板が代表
的な用途である。
2305 りん酸塩ガラス phosphate glass
主に酸化りんによって網目状構造が形成され網目修飾イ
オンとして酸化カルシウム,アルカリなどを含有するガラ
ス。
注記 光学ガラスとして実用化されているが,このガラス
にはけい酸塩ガラスでは見られない特徴があり,バ
イオセラミックス用ガラス,オプトエレクトロニク
ス用ガラス,低融点ガラスなどの用途がある。
2306 鉛ガラス 酸化鉛及びシリカを主成分とするガラス。 lead glass
注記 高屈折率,高分散,高電気抵抗,低加工温度などの
性質をもっているため,クリスタルガラス,光学ガ
ラス,電子管用ガラス,X線遮蔽用ガラスなどに用
いられる。
2307 オキシナイトライ oxynitride glass
酸化物ガラス中の酸素の一部を窒素で置き換えた組成を
ドガラス もつガラス。
注記 元のガラスに比べて弾性率,硬さ及び化学的耐久性
が向上する。窒素の含有率は,315質量%程度であ
る。
2308 カルコゲナイドガ chalcogenide glass
硫化物,セレン化物,テルル化物又はこれらの混合系から
ラス 成る非酸化物ガラス。
注記 赤外線透過性及び半導体としての性質が注目され,
赤外線ファイバ材料,メモリ・スイッチ材料などの
用途がある。
2309 ふっ化物ガラス 金属ふっ化物から成るガラス。 fluoride glass
注記 重金属ふっ化物ガラスは,光透過性がよく,紫外線
から赤外線まで広い波長範囲で光をよく通す。
ZrF4-LaF3-BaF2-AlF3系が代表的。
2310 無アルカリガラス non-alkali glass
ナトリウム(Na),カリウム(K)などのアルカリ金属を含
まないガラス。
注記 半導体と接触するガラスでは,アルカリの存在は半
導体の劣化の原因となるので,無アルカリガラスが
望まれる。
2311 無鉛ガラス 鉛を含まないガラス。 non-lead glass
注記 一般に封着用のガラスには融点を低くするため酸化
鉛を加えているが,還元性雰囲気で使用すると着色
するので,こうした用途には無鉛ガラスが使用され
る。
なお,環境問題で鉛が規制の対象になっている。
――――― [JIS R 1600 pdf 18] ―――――
17
R 1600 : 2011
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2312 低融点ガラス 300700 ℃で軟化流動するガラス。 low melting glass
注記 電子部品などの封着,被覆,結合などに使用される。
主成分が酸化鉛(PbO)と無水ほう酸(B2O3)とか
ら成るものが代表的で,封着後もガラス状態のもの
と,結晶化するものとがある。
なお,無鉛化のために新しい組成が検討されてい
る。
2313 低膨張ガラス 熱膨張係数 ラス。 low expansion glass
注記 耐熱性が高い。懿 32×10−7/Kのほうけい酸ガラス,
懿 懿 0×10−7/Kのチ
5.5×10−7/Kのシリカガラス,
タニア添加シリカガラスが代表的。
2314 基板ガラス substrate glass
種々の機能素子をその表面上に載せ,いろいろな働きをさ
せる平らなガラス。
注記 必要性能としては,無欠点表面,平たん(坦)性,
表面清浄性,強度,耐久性などがある。主要な用途
としては,ディスプレイ用,太陽電池用,IC基板用,
IC製造用フォトマスク用,光・磁気ディスク用など
がある。
2315 導電性ガラス electrical conductive
ガラスに電気を流すために表面に導電性の膜を形成し導
電性をもたせたガラス。 glass
注記 導電膜は銀ペースト,金の蒸着膜,酸化インジウム
(InO2)膜,酸化すず(SnO2)膜などが用いられる。
導電性ガラスは平面ディスプレイ用ガラス基板,ア
モルファスシリコン太陽電池基板などに用いられて
いる。
2316 超イオン伝導ガラ 含まれている銀イオン(Ag+)又はリチウムイオン(Li+)
superionic conductive
ス の移動によって非常に高いイオン伝導性を示すガラス。 glass
2317 ガラス遅延線 glass delay line
電気信号を,弾性波である超音波に圧電変換器によって変
換し,ガラス媒体中を一定距離伝ぱ(播)させた後,再び
変換器によって電気信号に変えて信号を遅延させる機能
をもたせる素子。
注記 媒体中を伝ぱ(播)する超音波の速度が電磁波に比
べて非常に小さいことを利用している。テレビジョ
ン,ビデオカメラなどの映像機器に主として画質改
善の目的で用いられる。ガラス材料には遅延時間の
温度変化の小さい鉛ガラスが使われる。
2318 屈折率分布ガラス graded index glass
屈折率が軸対称に直径方向に放物線状に変化しているガ
ラス。
注記 屈折率の勾配形成法としてイオン交換法,CVD(シ
ーブイディー)法,分子スタッフィング法,ゾル−
ゲル法などがある。光ファイバの結合用レンズ,複
写機などの像伝送用レンズアレーなどに使用され
る。
2319 微小光学系レンズ micro-optical lens glass
半導体レーザのような微小光源,光ファイバのような細口
用ガラス 径伝送路などを結ぶ微小光学系レンズ用ガラス。
注記 屈折率分布ガラス,球レンズなどがある。
――――― [JIS R 1600 pdf 19] ―――――
18
R 1600 : 2011
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2320 ガラス光導波路 optical waveguide glass
ガラス基板に光の伝達,分岐,合流などの働きをする導波
路を組み込んだガラス素子。
注記 光がガラス中を伝わるためには,中心部の屈折率が
高いファイバを基板表面に埋め込むか,イオン交換
法,CVD法,スパッタリング法などによって基板表
面に中央部の屈折率が高い薄板部を作る。光導波路
は分岐,結合,光スイッチ,光アイソレイタなどと
して用いられる。
2321 感光性ガラス photosensitive glass
金,銀,銅などの金属イオンを増感材とともに添加・溶解
した無色のガラス。
注記 光を照射した後加熱すると光を受けた部分に金属コ
ロイドが生成,着色することができる。さらに,そ
の部分を選択的に結晶化させることもできる。ガラ
スの組成を選択し化学的耐久性の悪い結晶を析出さ
せ,その部分を酸で処理し除去することによって精
密な形状の部品を製造することができる。
2322 フォトクロミック photochromic glass
光の照射によって着色し,照射をやめると元の状態に戻る
ガラス 性質をもつガラス。
注記 ハロゲン化銀結晶を含むフォトクロミックガラスは
着色の濃度及び着色・退色の速度が大きく,また,
着色及び退色を繰り返しても疲労がないなどの特徴
があり,実用化されている。
2323 レーザガラス レーザ発振によって強力な単色光をつくるガラス。 laser glass
注記 ガラスはレーザとしては,優れた光学的均一性及び
高透明性をもち,大口径からファイバまで自由に成
形できる長所がある。一方,熱的強度及び熱伝導度
は結晶質に比べて小さいのが短所である。Ndドープ
ガラスが代表的である。
2324 相変化型光メモリ optical memory glass of
結晶相とアモルファス相との間で光学定数が変化する現
用ガラス 象をメモリとして応用するガラス。 phase transition type
注記 メモリ用ガラスとしてはカルコゲナイド系ガラス膜
が利用されている。
2325 非線形光学ガラス non-linear optical glass
光吸収係数,屈折率などの光学定数が光の強度によって変
化する特性をもつガラス。
注記 この現象を利用して光で光自身を制御する光スイッ
チング素子又は光双安定素子を作ることができる。
非線形光学ガラス材料としては半導体超微粒子を分
散させたガラスなどがある。
2326 多孔質ガラス porous glass
ガラスの分相現象を利用して作られる,無数の互いに連続
した細孔をもっているガラス。
注記 細孔の径は4 nm20 囲で制御すること
ができ,また,細孔表面積も1 g当たり数百m2と非
常に大きいので,ろ(濾)過材,表面吸着材などい
ろいろな用途が考えられている。
2327 放射性廃棄物固化 radioactive waste
高レベルの放射性廃棄物を多量に溶かし込んで閉じ込め,
ガラス 固化体にしたガラス。 solidification glass
注記 溶融温度が低いことと化学耐久性に優れていること
が要求される。ほうけい酸ガラスである。
――――― [JIS R 1600 pdf 20] ―――――
次のページ PDF 21
JIS R 1600:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 20507:2003(MOD)
JIS R 1600:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.30 : ニューセラミックス