19
R 1600 : 2011
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2328 生体用ガラス 生体組織の損傷を修復するのに用いる結晶化ガラス。bio-glass
注記 結晶化ガラスは硬いので,主に骨,歯などの硬い組
織の修復材料として用いられる。樹脂,金属などに
比べてガラスは一般によい生体親和性を示すため注
目されている。
2329 結晶化ガラス glass-ceramics
加熱処理によってガラス内部から均一に析出した微細結
晶粒子が緻密に集合した固体。
注記 結晶化ガラスは析出結晶の種類を適切に選ぶことに
よってガラスの熱的性質,電磁気的性質,化学的性
質などを変えることができ,母体ガラスより優れた
物性をもつものが実用化されている。
2330 低膨張結晶化ガラ 膨張係数が非常に小さい結晶化ガラス。 low expansion
ス glass-ceramics
注記 Li2O-Al2O3-SiO2系の低膨張結晶化ガラスは膨張係数
がほとんどゼロのものもあり,精密機械部品や熱器
具の材料として適している。
2331* けい酸塩ガラス シリカ(SiO2)を主成分とするガラス。 silicate glass
注記 アルカリ酸化物,アルカリ土類酸化物,酸化鉛,ア
ルミナ,ほう酸などを添加して,用途に適する性質
をもたせた多成分系ガラスは,実用ガラスの大部分
を占める。
2332* ほう酸塩ガラス 酸化ほう素(B2O3)を主成分とするガラス。 borate glass
注記 高屈折低分散ガラス,低融点ガラス,γ線線量計用
ガラス,中性子遮蔽ガラスなどに用いられる。
4) 製品
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2401 セラミック触媒担 ceramic catalyst carrier
触媒を担持する化学的に安定な物質で,セラミックス材質
体 のもの。一般には,触媒反応は流体との界面で起きるため,
幾何学的表面積が大きな多孔質体,ナノ粒子の集合体など
が使用される。
2402 セラミックハニカ ceramic honeycomb
蜂の巣状に孔の開いたセラミックスで,触媒担体,フィル
ム タ,及び熱交換器蓄熱体として用いられる。
注記 材料は,一般に,耐熱性,耐熱衝撃性,耐食性が要
求され,コーディエライト,ムライト,チタン酸ア
ルミニウムなどがある。
2403 等方性黒鉛 isotropic graphite
互いに直角をなす3方向から採取した試験片の特性値の比
が,1 : 1.01.1の範囲にある黒鉛を称す。
2404* 可とう(撓)性黒鉛 層間化合物が生成したうろこ(鱗)状黒鉛などを800 flexible graphite
1 200 ℃で加熱処理することによって得られた膨張黒鉛粉
を,シート状に圧縮成形して作られる,厚さ0.22 mm程
度のシート状の黒鉛材料。
2405 C/C(シーシー)コ 炭素繊維強化炭素複合材料。 carbon-carbon
ンポジット composite
2406* 製鋼用黒鉛電極 graphite electrode for
電気製鋼用アーク炉の導電体として使用される人造黒鉛
電極。 electric arc furnace
2407* カソードカーボン アルミニウム電解製錬用の陰極材(ブロック状の)。cathode carbon for
aluminum reduction
――――― [JIS R 1600 pdf 21] ―――――
20
R 1600 : 2011
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2408* リチウムイオン二 anode material for
リチウムイオン二次電池において,リチウムイオンが電池
次電池用負極活 内の電気伝導を担う際に負極として用いられる材料。 lithium ion secondary
物質 battery
注記 負極活物質としては炭素,黒鉛等があり,充電時に
はコバルト酸リチウム等の正極から出たリチウムは
負極に入る。放電時には逆にリチウムは負極から出
て正極に入る。
2409 セラミック基板 ceramic substrate
LSI等の機能素子及び各種の受動素子を搭載し,これら相
互の配線回路,入出力端子などを形成するためのセラミッ
クス製の基板。
注記 電気絶縁性,高熱伝導性,低誘電率,高気密性,低
熱膨張性,耐熱衝撃性などが要求される。アルミナ,
ベリリア,ガラスセラミックス,ムライト,窒化ア
ルミニウムなどを用いる。用途に応じて,薄膜用セ
ラミック基板,厚膜用セラミック基板,グレーズ基
板などに分類される。
2410 厚膜用基板 substrate for thick film
厚膜法によって回路,受動素子を形成しハイブリッドIC
等を製造するための基板。
注記 基板表面の平滑性,耐熱性,耐薬品性,機械的強度,
各種ペーストとの接合力などが必要な特性。一般に
純度9697 %のアルミナ,ガラスセラミックス,窒
化アルミニウムなどを用いる。
2411 薄膜用基板 substrate for thin film
薄膜法によって配線及び薄膜デバイスを形成するための
セラミック基板。
注記 真空蒸着,スパッタリングなどによって1 度
又はそれ以下の厚さの膜を作るため,表面状態(表
面粗さ,ピンホールなど)の制御が必要。一般にア
ルミナ基板,グレーズ基板,ガラス基板などを用い
る。
2412 グレーズ基板 glazed substrate
アルミナ基板の上にガラス層を形成し,表面粗度を改善し
た基板。
注記 高信頼性の薄膜回路,薄膜抵抗又は薄膜コンデンサ
素子などを形成するために用いられる。通常,軟化
点が500800 ℃程度のガラスを用いる。サーマル
ヘッド用基板ではグレーズ層が低熱伝導率であるこ
とを利用して蓄熱層として利用する。
2413 積層基板 multilayer substrate
シート成形によって作製した基板層を多重に積み上げた
積層状基板。基板層間には導体,誘電体及び抵抗体を配置
して,積層し,これを一体焼結して高密度集積素子を作製
する。
2414 高熱伝導性基板 highly thermal
アルミナより熱伝導率の大きな物質(ベリリア,炭化けい
conductive substrate
素,窒化アルミニウムなど)の基板。ベリリアは熱伝導性
に優れ,高周波での誘電特性がよい。炭化けい素は熱伝導
性はベリリアと同等であるが,誘電率が大きいため高周波
用には制約がある。窒化アルミニウムはベリリアと同等の
熱伝導率を示し熱膨張係数がシリコン素子に近いという
利点をもつのでパワーデバイスなどに応用されている。
2415 セラミックコンデ ceramic capacitor
誘電体がセラミックスであるコンデンサ。BLコンデンサ,
ンサ 積層コンデンサなどがある。
――――― [JIS R 1600 pdf 22] ―――――
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R 1600 : 2011
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2416 厚膜コンデンサ thick film capacitor
厚膜印刷法によって,コンデンサペースト(誘電体ペース
ト)をセラミック基板上にパターニングし,これを焼成し
たコンデンサ。ペーストとしては,酸化物粉末,ガラスフ
リットを用いる。
2417 積層コンデンサ multilayer ceramic
誘電体セラミックスのグリーンシートに金属電極パター
capacitor
ンを印刷し,これを積層して焼成した後に,各層を並列接
続するように外部電極を付けたチップ型キャパシタ。
注記 積層することで容量/体積の比率を高めている。英
語名を省略してMLCCとも呼ばれる。雑音抑制及び
電源供給の補助の目的で利用される。
2418* 薄膜キャパシタ multilayer thin film
スパッタリング,蒸着などの薄膜技術を使って,誘電層と
金属層とを積層して形成した小型で薄いキャパシタ。 capacitor
2419* 積層インダクタ multilayer ceramic
フェライト又はセラミックスのグリーンシートに数分の1
inductor
ターンのコイルを印刷し,層間に穴をあけて電気的に接続
し,これを積層して焼成した小型インダクタ。
注記 エネルギー効率よりも小型化や高周波特性が重要視
される高周波回路用インダクタ用に開発された。
2420* 薄膜インダクタ multilayer thin film
スパッタリング,蒸着などの薄膜技術を使って,磁性層,
誘電層及び金属膜を積層して形成した小形で薄いインダinductor
クタ。
2421 厚膜抵坑体 thick film resistor
厚膜印刷法によって抵抗体ペーストをセラミック基板上
にパターニングし,これを焼成した抵抗体。
2422 厚膜導体 thick film conductor
厚膜印刷法によって,導体ペーストをセラミック基板上に
パターニングし,これを焼成した導体。
注記 スクリーン印刷などの印刷技術が転用される。
2423 抵抗体ペースト resistive paste
厚膜印刷法によって,セラミック基板などの表面又は内部
に抵抗体を形成するときに用いるペースト。
注記 Pd-Ag系,RuO2系,Bi2Ru2O7系などがある。
2424 導体ペースト conductive paste
厚膜印刷法において,セラミック基板などの表面又は内部
に導体を形成するときに用いるペースト。
注記 厚膜を形成する基材にはセラミックグリーンシー
ト,焼結セラミック板などの基板の場合又は素子の
上に形成する場合もある。Ag,Ag-Pd,Au,Pt-Pd
系,Ni,Cu系,Mo系などがある。
2425 セラミックセンサ cerarmic sensor
計測対象の温度,圧力,湿度,ガスの存在,光量などの物
理量(状態量,特性値など)を別の物理量に変換するセラ
ミックス製の素子。
注記 様々なセンサがあるが,セラミックスに特有なもの
としてはセラミック粒子の半導性,磁性,誘電性な
どの特性が計測対象のガスなどが粒界や気孔部に吸
着することで大きく変化することを利用したものが
ある。
2426 セラミックヒータ ceramic heating resistor
セラミックスの導電性又は半導体的性質を利用した発熱
体。
注記 金属発熱体の使用温度範囲(1 200 ℃程度以下)よ
りも高い(最高1 800 ℃程度)領域で使用できる。
炭化けい素,けい化モリブデン,ランタンクロマイ
トのほかチタン酸バリウムを主成分とするPTCサー
ミスタを用いたハニカムヒータなどが実用化されて
いる。
――――― [JIS R 1600 pdf 23] ―――――
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R 1600 : 2011
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2427 バリスタ varistor
印加電圧が小さいと高抵抗であるが,ある電圧以上で抵抗
が急激に小さくなり良導体になる非直線性のセラミック
抵抗体。
注記 バリスタ特性を示すセラミックスの代表例に酸化ビ
スマス等を添加した酸化亜鉛バリスタがある。電子
回路素子の過電圧保護に利用される。
2428 PTC(ピーティーシ positive temperature
抵抗の温度係数が正(positive temperature coefficient)のセ
ー)セラミックスラミック抵抗素子の総称。 coefficient ceramics
注記 チタン酸バリウム(BaTiO3)にSm2O3,Y2O3等を添
加するとPTC効果が出現する。PTC特性は,BaTiO3
が強誘電相から常誘電相へ相転移するキュリー温度
Tc以上で顕著に現れる。ハニカムセラミックヒータ
などに用いる。
2429 NTC(エヌティーシ negative temperature
抵抗の温度係数が負(negative temperature coefficient)の電
ー)セラミックス子伝導セラミック抵抗素子の総称。 coefficient ceramics
注記 Mn-Co-Ni系酸化物焼結体が広く使われ,各種温度セ
ンサとして普及している。
2430 リラクサ relaxor
ある種の鉛系複合ペロブスカイト強誘電体の誘電特性は
イオン配列の不規則性に起因して強誘電相転移が散漫に
行われる。このような強誘電体をリラクサ強誘電体と呼
ぶ。Pb (Mg1/3Nb2/3) 3 (PMN) が代表的なリラクサ型強誘電
体である。リラクサは高性能な積層セラミックコンデンサ
などに用いられる。
注記 測定周波数により最も高い誘電率を示す温度がシフ
トすることに特徴がある。
2431 フェライト ferrite
狭義には亜鉄酸(H2Fe2O4)の金属塩を指していたが,最近で
は鉄を含む複合酸化物の総称。結晶構造によってa) スピネル
型フェライト,b) ペロブスカイト型フェライト,c) ガーネッ
ト型フェライト,d) マグネトプラムバイト型フェライトに分
類される。磁性材料として重要な地位を占める。
注記 マグネット関連のほか,電波吸収材としても応用が
ある。
2432 バリウムフェライ barium ferrite
化学式BaFe12O19で示されるマグネトプラムバイト型フェ
ト ライト。代表的な永久磁石材料である。
注記 結晶構造に由来する強い異方性に特色がある。
2433 マンガン亜鉛フェ manganese-zinc ferrite
Mn,Znを含むスピネル型フェライト。高透磁率,高磁束
ライト 密度の磁性材料。低損失の磁心の代表的な材料である。単
結晶フェライトも磁気ヘッド用として用いる。
2434 ニッケル亜鉛フェ nickel zinc ferrite
Ni,Znを含むスピネル型ソフトフェライト。マンガン亜鉛
ライト フェライトよりも抵抗率が高く,より高周波帯域用に適し
ている。
2435 ソフトフェライト soft ferrite
ヒステリシス曲線が細く保磁力が小さく,外部の弱い磁界
に対しても敏感に磁化されるフェライト。
2436 ハードフェライト hard ferrite
ヒステリシス曲線が幅広く,保磁力が大きい。外部磁界に
対し磁化されにくいフェライト。
――――― [JIS R 1600 pdf 24] ―――――
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R 1600 : 2011
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2437* 磁気ヘッド magnetic head
ハードディスク記憶装置のデータ書き込み,読み出しに用
いる素子。
注記 磁気ヘッドは微小なギャップをもった電磁石で,磁
性体が用いられている。記録密度の向上のために,
ギャップを狭く,磁化を大きくする必要がある。従
来の読み出しは,データ記録部上を読み出し用のヘ
ッドを通過させ,電磁誘導による電流を計測する。
しかし,記録密度が高くなると,電磁誘導による電
流が小さくなるため,磁界の変化によって電気抵抗
値も変化する性質である磁気抵抗効果
(magneto-resistive effect)等を利用した読み出しヘ
ッドが用いられる。
2438 光ファイバ optical fiber
屈折率の高いコア層を屈折率の低いクラッド層が取り囲
んだ構造をもち,全反射の原理によって光が外部にもれな
いようにした光伝ぱ(播)用ファイバ。通信用,画像伝送
用,エネルギー伝送用のものがある。
2439 セラミックス光学 ceramic optical coatings
透明基板上に形成して,光の透過,吸収,反射を波長別に
薄膜 制御することができるセラミック質の薄膜。一層又は多層
の膜から成り,各層の材料の選択と膜厚構成で多様のもの
が製作可能。膜の一層の厚さは光の数分の1波長から1波
長のオーダーである。
2440 レーザ用セラミッ laser ceramics
レーザ光の発振機能をもつセラミックス。単結晶としての
クス ルビーレーザ,YAG(ヤグ)レーザなどがある。YAG及び
酸化イットリウム(Y2O3)は立方晶であるため,多結晶体
でもレーザー発振が可能である。
2441 シンチレータ 荷電粒子又は が物質中を通り抜けるとき,物質中の電scintillator
子を励起して,そのエネルギーの一部が光として放出され
発光する現象の顕著な物質。単結晶ではタングステン酸カ
ドミウム(CdWO4),Bi4Ce3O12,多結晶体ではGd2O2S : Pr,
(Gd, Y) 2O3 : Euがある。
注記 最近ではCe(添加ガーネット多結晶体)も注目され
ている。
2442 核燃料 nuclear fuel
中性子を吸収して核分裂を起こし,大量のエネルギーを放
出する物質。235ウラン(U),239プルトニウム(Pu),241
プルトニウム(Pu)などがある。実用原子炉においては,
金属及びそれらの酸化物,炭化物,窒化物などが用いられ
る。
注記 プルサーマル炉及び高速増殖炉では,二酸化プルト
ニウム(PuO2)と二酸化ウラン(UO2)とを混ぜた
ものであるMOX燃料を用いる。
2443 中性子減速材 neutron moderator
核分裂によって発生する中性子のエネルギーを低下させ,
いわゆる熱中性子に変換するために使用する材料。低原子
番号の元素が適し,一般には中性子照射損傷が小さい高密
度等方性黒鉛がよく用いられる。
――――― [JIS R 1600 pdf 25] ―――――
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JIS R 1600:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 20507:2003(MOD)
JIS R 1600:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.30 : ニューセラミックス