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番号 用語 定義 対応英語(参考)
2444 セラミックフィル cerarmic filter
振動体に圧電セラミックスを用いたろ波器。振動体の共振
タ を利用し,これを圧電的に発振及び受振する素子を共振子
といい,共振子を組み合わせて特定の周波数だけをろ波す
るデバイスをフィルタという。一方,セラミックス内に多
数の微細貫通孔をもち,気体及び液体の透過機能をもつも
のもフィルタという。
注記 通常のバルクフィルタのほか,表面波の特性をいか
した表面波フィルタ,更にバルクではあるが,薄膜
化したFBAR等に分類される。
2445 ターゲット材 target material
スパッタリングにおいて膜形成物質をたたき出すために,
イオン照射を受ける物質をターゲット材と呼ぶ。広義に
は,イオン及び電子などで照射される物質のことをいう。
2446* リチウムイオン二 lithium-ion rechargeable
非水電解質二次電池の一種で,電解質中のリチウムイオン
次電池 battery
が電気伝導を担い,かつ,金属リチウムを電池内に含まな
い二次電池。
注記 リチウムイオン電池,リチウムイオンバッテリー,
Li-ion電池ともいう。リチウムイオンポリマー二次
電池は,電解質として電解液の代わりに高分子ゲル
を使うリチウムイオン電池の一種である。
2447* 燃料電池 fuel cell
水素などの燃料及び酸素などの酸化剤を供給し続けるこ
とで継続的に電力を取り出すことができる化学電池の総
称。
注記 熱エネルギー又は運動エネルギーの形態を経ない
で,化学エネルギーから電気エネルギーを得るため,
熱機関特有のカルノー効率に依存せず発電効率が高
い。主として水の電気分解の逆反応(2H2+O2 →
2H2O)を用いて電力を取り出すことが多い。高温で
稼働することから,電解質などの部材にセラミック
スが用いられる。
2448* 熱電発電 熱電変換素子を用いて熱を電力に変換する発電方法。thermoelectric power
generation
注記 ゼーベック効果を用いることで,温度差を電力に変
換できる。熱電変換素子は,基本的に温度計測用の
熱電対と同じ原理であるが,区別して熱電変換素子
と呼ばれる。地熱,工場の排熱,宇宙空間における
排熱及び太陽光による熱を利用して発電できる。
2449* 電子加熱, thermoelectric heating,
ペルチェ効果(Peltier effect)を利用した板状の半導体素子
電子冷却 thermoelectric cooling
で,直流電流を流すと一方の面が吸熱し,反対面に発熱す
ることを利用して行う加熱又は冷却。
注記 加熱,冷却効率は悪いが,高精度の温度制御が可能,
小型などの特徴をもつ。効率よく排熱を行う必要が
ある。
――――― [JIS R 1600 pdf 26] ―――――
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
2450* セラミック湿度セ ceramic humidity sensor
セラミック多孔体表面に雰囲気中の水分が吸脱着するこ
ンサ とによる電気抵抗の変化を利用したセンサ。
注記 焼結した半導性酸化物の表面の細孔に水分子が付着
すると電気抵抗が変化することを利用している。実
際には,加熱することで付着水分子をクリーニング
するリフレッシュ動作型,又は基材に水分子を拡散
させて表面をきれいにしておくノンリフレッシュ構
造型になっている。電気抵抗の温度依存性が強いた
め,NTCサーミスタと併用して温度補償を行ってい
る。
2451* セラミック酸素セ ceramic oxygen sensor
安定化ジルコニアなどの酸化物イオン導電性のセラミッ
ンサ クスを用いた酸素濃度センサ。
注記 二酸化ジルコニウム(ZrO2)又は酸化セリウム
(CeO2)に希土類元素を固溶させると,酸素空孔の
生成によって酸化物イオン導電性が得られる。酸化
物イオン導電体の両面を異なる酸素分圧の雰囲気に
接触させると,ネルンストアインシュタインの式に
従った起電力が発生する。このとき,一方の酸素分
圧を既知のものとすると,他方の酸素分圧を求める
ことができる。このほかに,センサの流入側の酸素
拡散量を多孔質で制限して,固体電解質に電圧を印
加して酸化物イオン電流値を測定することで酸素濃
度を求める限界電流式などがある。
2452* セラミックガスセ ceramic gas sensor
セラミック多孔体表面に各種のガスが吸脱着することに
ンサ よる電気抵抗の変化を利用したセンサの総称。
注記 目的ガスが半導性酸化物表面のネック部に吸着する
とその部分の電気抵抗値が大きく変化することを利
用している。
2453* MRAM(磁気抵抗 Magnetoresistive
記憶部に磁性体を用い電子のスピンをメモリ素子として
ランダム・アクセ利用するスピントロニクスメモリ。 Random Access
ス・メモリー) 注記 DRAMにおけるキャパシタ部分を磁気トンネル接 Memory
合(MTJ : magnetic tunnel junction)素子に置き換え
た構造をしている。原子数個程度の厚さの絶縁体薄
膜を2層の磁性体薄膜で挟み,両側から加える磁化
方向(磁石の磁力線の向き)を変化させると抵抗値
が変化する“TMR効果”を応用している。
2454* 半導体光触媒 semiconducting
通常は絶縁体であるが,外部からの刺激を受けて導電性を
photocatalyst
示すような電子バンド構造に起因して,光触媒作用を発現
する物質。
注記 酸化チタンのような金属酸化物又は硫化物が該当す
る。半導体ではない光触媒として,金属錯体などが
ある。
2455* ハイブリッド光触 hybrid photocatalyst
光触媒の機能を補完・強化するために,他の機能性物質を
媒 組み合わせた光触媒(材料)。
注記 光がない条件でも機能するよう,吸着剤,抗菌剤な
どを組み合わせた空気浄化材料及び抗菌材料があ
る。
――――― [JIS R 1600 pdf 27] ―――――
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
2456* 可視光応答形光触 可視光によって作用を発現する光触媒。 visible-light-responsive
媒 photocatalyst
注記 従来の酸化チタン光触媒でも短波長の可視光で励起
されるものがあるが,紫外線の少ない室内環境で有
効に機能する酸化チタン改変及び酸化チタン以外の
光触媒を意味することが多い。
2457 骨充材 bone filler
骨組織の欠損部又は空隙部に充することによって,その
周辺に可及的,かつ,速やかに骨組織を再生させることを
目的とする材料。
注記 多孔体又はか(顆)粒状のヒドロキシアパタイト及
びりん酸三カルシウムがある。
c) 製造プロセス
1) 粉体・原材料調製
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3101 粉砕 固体を細かく砕く操作。 grinding,
milling
注記 粉砕生成物の大きさによって粗砕(grinding),中間
粉砕,微粉砕(milling)及び超微粉砕に分類される。
3102 噴霧熱分解法 spray pyrolysis
溶液を高温雰囲気中へ噴霧することによって,溶媒の蒸発
と溶質の熱分解を同時に起こし,粉体状の製品を得る方
法。
3103* 火炎加水分解法 flame hydrolysis
金属ハロゲン化物等の原料を酸水素火炎中に通して,加水
分解によって酸化物粉体又は堆積物を得る方法。
注記 SiCl4+2H2O=SiO2+4HClの反応で高純度石英ガラ
スや光ファイバ母材の製造がある。
3104* プラズマ法 plasma process
熱源にプラズマ生成場を用いて原料を通過させ,気化・凝
縮析出によって粉体等を得る方法。金属,炭化物,窒化物,
合金など幅広い材質の粒子合成が可能。
3105 共沈法 coprecipitation method
単独では沈殿しない物質を沈殿する物質によって同伴さ
れて沈殿する共沈現象を利用した粒子合成・沈殿回収法。
チタン酸バリウム(BaTiO3)粉末などの合成に適用。
3106* 超臨界合成法 supercritical field
二酸化炭素,水などを,臨界点以上の温度,圧力状態にし
synthesis method
て粉体,薄膜等を合成する方法。超臨界状態では,気体の
拡散性,液体の溶解性などをもつため,液相法,気相法と
は異なる化学反応が起こる。
3107 ゾル−ゲル法 sol-gel process
金属アルコキシドなどを加水分解,縮重合させてコロイド
粒子が分散したゾルを作り,溶媒除去によってゲル化さ
せ,乾燥,加熱によりガラス又はセラミックス粉末を合成
する方法。
3108 ガラス結晶化法 glass crystallization
結晶化及びガラス化成分を混合溶融後,冷却して生成した
method
アモルファス状の薄帯を再加熱して結晶化させた後,ガラ
ス成分を酸洗いなどによって除去し,結晶質の超微粒子粉
末を得る方法。
3109 1次粒子 primary particle
外表面で囲まれ明確な界面をもつ単独の粒子。粉体,凝集
体など粒子集合体の基本単位。核生成・成長によって最初
に生成した粒子を意味することもある。
3110 2次粒子 1次粒子が複数個凝集して形成された粒子。 secondary particle,
agglomerated particle
注記 凝集粒子とも呼ばれるが,英語では凝集体の強度等
で異なる表現があるのに対し,日本語では総称で表
現される。
――――― [JIS R 1600 pdf 28] ―――――
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
3111 造粒 granulation
粉体,溶融液,懸濁液,水溶液などから流動性及び付着性
を制御するため,目的の形状及び大きさの粒状体を製造す
る操作。
3112 か(顆)粒 granule
造粒操作によってつくられた粒子集合体。原料粉末の付着
性を低減し,流動性及び加圧成形性の改善を目的に製造さ
れる。
3113 スラリー slurry
細かい粉末が液体中に分散している濃厚な懸濁液。湿式成
形に用いる。泥しょう(漿),スリップともいう。
3114 前駆体 precursor
有機金属化合物,アルコキシド,誘導体などから重合反応
等によって得られる重合体又は反応中間体。後処理によっ
て繊維,膜,粉体などの固形体を得る。
3115 凍結乾燥 freeze drying
液体に分散した原料を凍結し,低温減圧下で液体成分を昇
華させて除去・乾燥する方法。
3116 スプレードライ spray dry
熱風中にノズル又は回転ディスクから粒子等を含む液滴
を噴霧して乾燥するプロセス。乾燥と同時に造粒物を得る
目的で行われることが多い。
3117 脱気 deairing
配合物を減圧下に保持し,内部の気体を除去する操作。
3118 分級 粉体粒子を粒子径によって幾つかの粒子群に分ける操作。 classification
3119* バインダー binder
焼結前のセラミックス成形体を高密度化,高強度化し,ハ
ンドリング及び加工をしやすくするための添加剤。
注記 主として有機化合物が用いられる。
ISO 20507参照。
3120* セラミック小板 主として単結晶から成る板状セラミックス。 ceramic platelet
注記 セラミックスマトリックス複合材の補強材として用
いられ,この場合は厚さ50 μm以下のものが多い。
ISO 20507参照。
2) 粉体成形
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3201 成形 原料粉体を,所定の形状,充密度,充構造に固め,流forming,
動化しない自立した状態にする操作。 shaping
3202 乾式加圧成形 dry pressing
乾燥した粉体,又はか(顆)粒体を金型や冷間等方圧成形
(CIP,シップ)で圧力を加え成形する方法。
3203 CIP(シップ) cold isostatic pressing
原料となる粉体又はか(顆)粒をゴムなどの伸縮性をもつ
成形型に充し,加熱せずに,圧力伝達液を介し,静水圧(CIP)
によって等方的に加圧して粉体を固化させる成形法。冷間
静水圧成形,冷間等方圧プレス成形,静水圧プレスともい
う。
3204 湿式成形法(キャス casting
セラミックス粉末,有機バインダ,溶剤などから成るスラ
ティング) リー(スリップ)から成形体を作成する方法。
3205 押出し成形 extrusion
適度に可塑性を与えた混練原料をシリンダ内のピストン
又はスクリューを利用して所定の断面形状をもつ口金か
らその断面形状を維持したまま押し出し,切断して成形体
を得る方法。
注記 代表例としてコーディエライトなどのハニカム構造
成形体の製造法がある。
3206 射出成形 injection molding
粉体原料に,熱可塑性又は熱硬化性の成形助剤を添加した
後,シリンダ内で加熱して流動性を付与し,成形型内へ射
出し,固化させる成形法。
――――― [JIS R 1600 pdf 29] ―――――
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R 1600 : 2011
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3207 鋳込み成形 slip casting
泥しょう(漿)をせっこうなどの鋳込型に流し込み,固化
させる成形法。
3208 チクソトロピー鋳 thixotropic casting
鋳込んだ泥しょう(漿)を排泥せずに型の中でそのまま固
込み 化させる固形鋳込み成形法。解こう剤,遅凝固剤,その他
でチクソトロピーを増加させ,高充密度での成形を可能
とする。
3209 振動成形 vibration forming
チクソトロピー性をもつ原料に振動を加えながら鋳込む
方法。原料の配合水分率を低下させることができる。固形
鋳込みが一般的であるが,一軸加圧成形にも用いられる。
3210* ゲルキャスティン gel casting
スラリーの溶媒をゲル化して保形性を付与し,ゲルを除去
グ して成形体を得る方法。
3211 シート成形 sheet forming
セラミックスのグリーンシート(テープ)を作る方法。又
はシートを用いた成形方法。
3212 ドクターブレード doctor blade
セラミックスをシート状に成形する方法の一つ。キャリヤ
法 (キャリヤフィルム,エンドレスベルト)上に形成される
スリップの厚さをナイフエッジ(ドクターブレード)とキ
ャリヤとの間隔等を調節することによって精密に制御す
る。
3213 グリーンシート green sheet
薄板状に成形したセラミックスの未焼成体。セラミックス
原料粉末,有機結合剤,可塑剤,溶剤などの混合スラリを
ドクターブレード法又はカレンダー法で薄板状に成形し
たもの。
3214 シート積層 sheet lamination
セラミックスのグリーンシート又は厚膜印刷によって配
線の施されたグリーンシートを複数枚積み重ね,熱圧着し
て一体化したもの。
注記 積層コンデンサ,積層圧電体,多層配線基板などの
製造に用いられる。
3215 ニアネットシェー near net shaping
型の形状及び材質を改善して,仕上げの研削・研磨を減ら
プ すため,できるだけ最終製品に近い形状にする成形法。
3) 焼成
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3301 焼成 firing
粉末成形体を加熱し,収縮,緻密化させて,一定形状,強
度の焼結体を得る工程。
3302 仮焼 calcination
原料粉末のガス化成分を除去,分解し,適切な特性をもつ
粉体とする熱処理工程。
3303 脱脂 成形に用いた有機(物)結合剤を加熱除去する操作。dewax (debinder)
3304 焼結 sintering
粉体系を融点以下又は少量の液相の存在する温度で加熱
し,焼き固める工程。
3305* 後焼結 原料粒子の結合処理後に行う焼結。 post-sintering
注記 例えば,後焼結反応焼結窒化けい素
3306 焼結助剤 焼結を促進させるための添加剤。 sintering aids
注記 酸化アルミニウム(Al2O3)に対する酸化マグネシウ
ム(MgO),二酸化けい素(SiO2),窒化けい素(Si3N4)
に対する酸化イットリウム(Y2O3),酸化アルミニ
ウム(Al2O3),酸化マグネシウム(MgO)など。
3307 液相焼結 液相の共存によって緻密化を促進する焼結法。 liquid-phase sintering
注記 炭化けい素,窒化けい素の焼結などに広く用いられ
ている。
――――― [JIS R 1600 pdf 30] ―――――
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JIS R 1600:2011の引用国際規格 ISO 一覧
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JIS R 1600:2011の国際規格 ICS 分類一覧
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