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図1−反射量の定義
2.1.23
基準金属板
測定試料と同じ面積・形状をもつ金属板。
2.1.24
TEM波 (Transverse electromagnetic wave)
境界面に垂直に電波が入射する場合に,入射方向に対して電界及び磁界が垂直となる電波。
2.1.25
TE波 (Transverse electric wave)
境界面に斜めに電波が入射する場合に,電界が入射面に垂直な電波。
2.1.26
TM波 (Transverse magnetic wave)
境界面に斜めに電波が入射する場合に,磁界が入射面に垂直な電波。
2.1.27
タイムドメイン機能
電気信号が時間の関数として表される機能。ベクトルネットワークアナライザは,電磁波の振幅及び位
相の測定が可能であることから,周波数依存性のデータを時間依存性のデータに逆フーリエ変換をするこ
とができる。この時間的に変化する波形に適当なゲートをかけることによって,測定試料からの反射だけ
を反映した電気信号を得ることができる。
2.2 略語及び記号
略語及び記号は表1及び表2による。
表1−略語
略語 用語
CW 連続波(continuous wave)
EMA 電波吸収体 (electromagnetic wave absorber)
FFT 高速フーリエ変換(fast Fourier transformation)
IF frequency)
受信周波数 (intermediate
NWA ネットワークアナライザ (network analyzer)
PTFE ポリテトラフロオルエチレン(polytetrafluorethylene)
SNA スカラネットワークアナライザ(scalar network analyzer)
TEM 横電磁界(transverse electromagnetic)
TE 横電界(transverse electric)
TM 横磁界(transverse magnetic)
TRL スルーリフレクトライン(thru-reflect-line)
VNA ベクトルネットワークアナライザ (vector network analyzer)
VSWR 電圧定在波比(voltage standing wave ratio)
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表2−記号
記号 記号の意味
a く(矩)形ホーンアンテナの長径
A 完全吸収壁開口の一辺の1/2(金属反射板の一辺の1/2,附属書A)
b く(矩)形ホーンアンテナの短径
c く(矩)形ホーンアンテナの長さ
C(x) フレネル積分
Dm アンテナの開口面の実効的な最大寸法
D 円形ホーンアンテナの開口面の直径
d1 送信アンテナ鏡像から完全吸収壁開口までの距離
d2 完全吸収壁開口から受信アンテナまでの距離
Er 完全吸収壁一辺が2Aの正方形開口がある場合の受信電界強度(附属書A)
Es0 完全吸収壁がない場合の受信電界強度(附属書A)
E0 完全吸収壁の位置における電界強度(附属書A)
Gd ホーンアンテナの指向性利得
R ホーンアンテナの開口面から試料までの距離
Rm 基準金属板を試料架台に設置した場合の受信レベル(dB)
Ra 被測定吸収体を試料架台に設置した場合の受信レベル(dB)
S11 反射係数
S21 透過係数
S(x) フレネル積分
Va 測定試料がある状態での受信電圧
Vd 送受信アンテナ間の直接波による受信電圧
Vm 測定試料と同じ面積,形状をもつ金属板からの反射波による受信電圧
Vr 測定試料以外からの周囲からの反射波による受信電圧
Vs 測定試料だけからの反射波による受信電圧
εr 比誘電率
λ 電磁波の自由空間波長
Γm 基準金属板を試料架台に設置した場合の受信レベルのベクトル量
Γr 試料架台に測定試料がない状態の受信レベルのベクトル量
Γa 被測定吸収体を試料架台に設置した場合の受信レベルのベクトル量
β 位相定数(=2π/λ)
θ 電磁波の試料表面への入射角
3 測定試料
測定試料の縦横の寸法が測定周波数帯で最も低い周波数における電磁波の波長の10倍程度で,表面が平
たん(坦)なリジッドな構造体が望ましい。
なお,詳細は,箇条810のそれぞれの測定方法による。
4 基準金属板及び基準校正試料
4.1 基準金属板の材質
基準金属板の材質は,特に指定しないが,厚さ12 mm程度のアルミ板,銅板,ステンレス板など,入
手しやすいものとする。
4.2 平滑度(表面粗さ)
平滑度は,測定上限周波数の波長の1/10以下,望ましくは1/20以下とする。一例として,上限周波数
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300 GHzでは波長は1 mmであり,0.05 mm以下の平滑度とする。
4.3 平たん度
平たん度は,1 mに対して0.5 mm以下とする。
4.4 大きさ
基準金属板の大きさは,被測定電波吸収体と同一面積・寸法をもつものとする。ただし,それぞれの測
定方法によって定められた大きさのものを使用することが望ましい。また,基準金属板の大きさによって
は,反射特性及び散乱特性が異なるので注意を要する。附属書Aに,ホーンアンテナ法における基準金属
板の大きさによる反射特性及び散乱特性の一例を示す。
4.5 基準校正試料
基準校正試料は,厚さが均一に加工された比誘電率の明確な石英ガラス板,単結晶サファイア板などを
用いる。基準校正試料として誘電体を選定した場合には,試料背面を自由空間として,その反射量を測定
する。測定では,比誘電率が1に近く自由空間とほぼ同一と見なせる発泡体で基準校正試料を固定する。
なお,反射量の理論値を求めておき,測定結果と比較することによって測定装置の精度を確認しておく
ことが望ましい。附属書Bに,石英ガラス板の背面自由空間におけるミリ波帯の反射量の一例を示す。
5 測定機器
5.1 一般
電波吸収体の反射量の測定は,ベクトルネットワークアナライザ又はスカラネットワークアナライザを
用いて行う。試験結果に相違がある場合,基準校正試料を用いて確認する。また,必要となる様々な測定
用附属品は,次に示すとおり個々の測定によって決まる。
5.2 ネットワークアナライザ(NWA)
5.2.1 ベクトルネットワークアナライザ(VNA)
ベクトルネットワークアナライザは,振幅・位相特性の測定機能及びベクトル校正機能をもつ。タイム
ドメイン処理機能をもつものが望ましい。
5.2.2 スカラネットワークアナライザ(SNA)
振幅特性の測定は可能であるが,位相特性の測定機能のないNWAであり,タイムドメイン機能はない。
主に,斜め入射特性の測定には有効である。
5.3 アンテナ
5.3.1 ホーンアンテナ
電波吸収体の反射量の測定に使用するホーンアンテナは,特殊な場合を除き,市販品又は自作したもの
であってもよい。
なお,測定の不確かさをなくすために,ホーンアンテナのアンテナゲイン,VSWR,寸法などが明確と
なっている市販品を使用することが望ましい。また,各周波数帯域の同軸導波管変換器は,VSWR,寸法
及び加工精度などが明確となっているものが望ましい。一例として,市販品のホーンアンテナの仕様を附
属書Cに示す。
5.3.2 レンズアンテナ
電波吸収体の反射量の測定に使用するレンズアンテナは,次に示すとおり個々の測定方法で推奨してい
る誘電体レンズアンテナを除き,金属プレートレンズアンテナ,ルーネベルグレンズアンテナなど,市販
品又は自作したものであってもよい。
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なお,測定の不確かさをなくすために,レンズアンテナのアンテナゲイン,VSWR,寸法などが明確と
なっている市販品を使用することが望ましい。また,各周波数帯域の同軸導波管変換器は,VSWR,寸法,
加工精度などが明確となっているものが望ましい。一例として,市販品の誘電体レンズアンテナの仕様を
附属書Cに示す。
5.4 増幅器
ダイナミックレンジを確保する目的で,増幅器を使用してもよい。
なお,増幅器の温度ドリフトなどを考慮して,箇条6のウォームアップ及び測定温度の変化に注意する。
6 測定条件
6.1 温度及び環境
気圧8601 060 hPa,温度535 ℃,相対湿度4585 %内で試験を行う。
なお,測定機器の動作温度及び湿度範囲が,温度及び相対湿度の範囲より狭い場合には,測定機器の条
件に従う。測定温度は,測定機器の温度ドリフトを最小限にするため,測定温度±3 ℃以内で管理するこ
とが望ましい。
なお,温度依存性をもつ測定試料では,測定温度を明記する。また,湿度依存性をもつ測定試料では,
測定における相対湿度を明記する。
6.2 測定機器の校正温度
測定機器の校正温度が,測定温度に対して±3 ℃以内の範囲であれば,測定の不確かさを小さくするこ
とができる。
なお,測定機器の温度が,測定温度±3 ℃以外の範囲になった場合には,再度,測定機器の校正を行う
ことが望ましい。
6.3 測定機器のウォームアップ
測定機器及び測定システムのウォームアップは,測定機器の仕様に規定されている時間(一般的には15
45分間)とする。
なお,測定システムの機器中でウォームアップ時間が長いものに合わせる。
6.4 電磁界環境
測定電波の出力が法規制より大きくなる場合又は周囲の電磁環境が悪いと判断される場合には,電波暗
室内で測定を行う。アンテナの指向性によっては,必ずしも,電波暗室内で行う必要はない場合もある。
7 測定系の校正及び測定条件
7.1 測定系の校正
NWAを用いて,推奨された校正方法で行う。校正の種類及び手順は,附属書Dに示す。
7.2 測定条件
箇条810の各々の方法に対して共通の条件を規定する。
7.2.1 ダイナミックレンジ
測定系をセットアップした後,基準金属板の受信レベルを測定し,次いで基準金属板がない状態の受信
レベルを測定する。その受信レベルの差,すなわちダイナミックレンジを求める。一例として,ダイナミ
ックレンジが40 dBの場合,測定試料の反射量が−20 dBで,約+0.83 dB,約−0.92 dBの誤差が生じる可
能性がある。ダイナミックレンジ及び測定誤差との関係については,附属書Eに示す。
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7.2.2 ネットワークアナライザの設定
測定されたダイナミックレンジが,必要な値にならない場合,NWAの出力レベル,IFバンド幅,アベ
レージング回数などを見直すことによって,ダイナミックレンジの向上を図る。
なお,VNAが使用可能な場合には,附属書D及び附属書Fに記載したアイソレーション処理によって,
ダイナミックレンジの向上を図ることも可能である。
8 ホーンアンテナ法
8.1 測定系の構成
8.1.1 送受信アンテナ配置及び測定系概略ブロック図
測定系配置図を図2に示す。垂直入射では,反射量は二つのアンテナを用いて透過係数S21で測定するか,
又は一つのアンテナにて反射係数S11で測定する。
ここで,垂直入射において二つのアンテナを用いてS21で測定する場合には,5°以内となるように送受
信アンテナを配置する。斜め入射の場合は,送受信アンテナの配置は,測定試料面中心の垂線に対して,
互いに等しい角度となるように配置する。
なお,測定に使用するNWAなどの測定機器に関しては,箇条5による。
図2−測定系の配置例
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