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R 3107 : 2019
表2−添字
記号 意味
g 中空層の気体
ext 室外側
int 室内側
m 平均
n 垂直
r 放射
s 中空層
t 合計
1番目,2番目,...
1, 2, ...
k 構成するガラス板及び合わせガラスの中間膜の番号
c 修正
v 真空層(Cvは除く)
p ピラー列(Cpは除く)
a 真空層内の気体
f 樹脂製フィルム
5 基礎式
5.1 概要
板ガラスの中央部の熱貫流率Uの計算は,式(1)による。
1 1 1 1
(pdf 一覧ページ番号 )
U hext ht hint
ここに, hext : 室外側の表面熱伝達率[W/(m2・K)]
hint : 室内側の表面熱伝達率[W/(m2・K)]
ht : 板ガラスの熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
板ガラスの熱コンダクタンスhtは,式(2)による。右辺の第1項は,中空層の熱抵抗であって,1枚のガ
ラス板ではこれを0とする。第2項は,ガラス板及び合わせガラスの中間膜の熱伝導抵抗である。
N K
1 1 dk
(pdf 一覧ページ番号 )
ht hs λk
ここに, hs : 中空層の熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
N : 中空層の数(−)
K : 構成するガラス板の枚数(−)
合わせガラスでは,それを構成するガラス板及び中間膜の枚
数を含める。
dk : 構成するガラス板の厚さ又は合わせガラスの中間膜の厚さ
(m)
λk : 構成するガラス板の熱伝導率又は合わせガラスの中間膜の熱
伝導率[W/(m・K)]
中空層の熱コンダクタンスhsは,式(3)による。
hs=hr+hg (3)
ここに, hr : 放射熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
hg : 気体の伝導及び対流による熱コンダクタンス(気体熱コンダ
クタンス)[W/(m2・K)]
中空層が真空層の場合は附属書JAによって真空層の熱コンダクタンスhvを,樹脂製フィルムを含む中
空層の場合は附属書JBによって熱コンダクタンスhsを求める。中空層が真空層の場合は,hs=hvとする。
――――― [JIS R 3107 pdf 6] ―――――
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5.2 放射熱コンダクタンス
中空層の放射熱コンダクタンスhrは,式(4)による。
1
1 1 3
hr 4 σ 1 Tm (4)
εc,1 εc, 2
ここに, σ : ステファン・ボルツマン定数=5.67×10−8[W/(m2・K4)]
εc,1,ε c,2 : 中空層に接する二つのガラス面の修正放射率(−)(6.1参
照)
Tm : 中空層に接する二つのガラス面の絶対温度の平均値(K)
板ガラス温度をJIS R 3106の9.4(ガラス板の間の中空層の熱コンダクタンス)によって求める場合に
は,2枚のガラス板の温度の平均値を中空層に接する二つのガラス面の絶対温度の平均値Tmとする。
注記 中空層の気体が常温熱放射の波長域550 μmに吸収帯をもつときは,hrの値が式(4)で計算し
た値より小さくなる。しかし,一般的な複層ガラスの中空層の気体の吸収率は,小さいことが
多いので,このような場合にも式(4)を用いる。
5.3 気体熱コンダクタンス
中空層の気体熱コンダクタンスhgは,式(5)による。
λ
hg C (5)
s
ここに, s : 中空層の厚さ(m)
λ : 中空層の気体の熱伝導率[W/(m・K)]
C : 対流効果係数(−)
対流効果係数Cは,中空層の気体のヌセルト数Nuの大きさに応じて,次に示す数値とする。
Nu≦1のとき C=1
Nu>1のとき C=Nu
注記 C=1の場合は,式(5)は対流がない状態の熱伝導による熱コンダクタンスとなる。
中空層の気体のヌセルト数Nuの計算は,式(6)による。
Nu=A・(Gr・Pr) n (6)
ここに, A,n : 中空層の傾斜角及び熱流方向によって決まる数値(−)
Gr : グラスホフ数(−)[式(7)によって求める。]
Pr : プラントル数(−)[式(8)によって求める。]
.981 s3ΔT ρ2
Gr (7)
Tm μ2
μc
Pr (8)
λ
ここに, 中空層に接する2面間の温度差(K)
ρ : 中空層の気体の密度(kg/m3)
μ : 中空層の気体の粘度[N・s/m2=kg/(m・s)]
c : 中空層の気体の定圧比熱[J/(kg・K)]
T'm : 中空層の気体の平均温度(K)
板ガラス温度をJIS R 3106の9.4によって求める場合には,2枚のガラス板間の温度差を中空層に接す
る2面間の温度差ΔTとする。また,2枚のガラス板の温度の平均値を中空層の気体の平均温度T'mとする。
――――― [JIS R 3107 pdf 7] ―――――
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6 基礎的な材料物性値
6.1 放射率の値
式(4)によって中空層の放射熱コンダクタンスhrを計算するための修正放射率εc,1及びε c,2の値は,A.2に
よる。
6.2 気体の物性値
気体熱コンダクタンスを求める式(5),グラスホフ数Grを求める式(7)及びプラントル数Prを求める式(8)
において,中空層の気体の密度ρ,粘度μ,熱伝導率λ及び定圧比熱cの値は,表A.2による。
なお,混合気体の物性値は,式(9)式(12)によって計算する。
ρ=F1・ρ1+F2・ρ2+··· (9)
μ=F1・μ1+F2・μ2+··· (10)
λ=F1・λ1+F2・λ2+··· (11)
c=F1・c1+F2・c2+··· (12)
ここに, ρ1,ρ2,··· : それぞれの気体の密度(kg/m3)
μ1,μ2,··· : それぞれの気体の粘度[N・s/m2=kg/(m・s)]
λ1,λ2,··· : それぞれの気体の熱伝導率[W/(m・K)]
c1,c2,··· : それぞれの気体の定圧比熱[J/(kg・K)]
F1,F2,··· : それぞれの気体の容積割合(−)
表A.2に規定しない気体の物性値は,それぞれの気体の密度,粘度,熱伝導率及び定圧比熱の値を用い
る。
6.3 気体熱コンダクタンス計算に用いる値
ヌセルト数Nuを計算する式(6)において,A及びnは,次による。
a) 中空層が垂直で熱流方向が水平の場合 A=0.035,n=0.38
b) 中空層が水平で熱流方向が上向きの場合 A=0.16,n=0.28
c) 中空層が45°で熱流方向が上向きの場合 A=0.10,n=0.31
熱流方向が下向きのときは,Nu=1とする。
7 室外側・室内側の表面熱伝達率
室外側・室内側の表面熱伝達率は,式(13)及び式(14)による。
hext=4.9・εext+16.3 (13)
hint=5.4・εint+4.1 (14)
ここに, hext : 室外側表面熱伝達率[W/(m2・K)]
hint : 室内側表面熱伝達率[W/(m2・K)]
εext : 室外側ガラス表面の修正放射率(−)
εint : 室内側ガラス表面の修正放射率(−)
ただし,常温熱放射の波長域で高い反射率をもつ薄膜加工品の修正放
射率の値は,薄膜面上の結露がない場合に限って用いる。
式(13)及び式(14)は,建築物の外皮の窓など垂直位置のガラスに限って適用する。垂直以外の傾斜角にお
けるU値を求めるときには,式(13)及び式(14)による表面熱伝達率ではなく,それぞれ適切なhext及びhint
の値を用いなければならない。
――――― [JIS R 3107 pdf 8] ―――――
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R 3107 : 2019
8 算定に用いる値
8.1 板ガラスの熱伝導率の値
式(1)において,板ガラスの熱伝導率λ=1 W/(m・K)とする。
8.2 中空層の熱コンダクタンスの計算に用いる温度及び温度差の値
複層ガラスの中空層及び真空ガラスの真空層の熱コンダクタンスの計算に用いる温度及び温度差は,伝
熱理論式の数値解によって求める。一般的解法として,ガラス板の温度は,室外温度と室内温度との間の
伝熱系に基づく理論式と,この伝熱系における各部の熱抵抗をガラス板温度の関数とする理論式とを連立
して,反復循環収束による数値計算によって求める。このとき,室外温度は273 K(=0 ℃),室内温度は
293 K(=20 ℃)とする。反復循環収束による数値計算結果の例を,附属書JCに示す。
注記 ガラス板の温度の値を求める理論式は,JIS R 3106を参照。
なお,2枚のガラス板から成る複層ガラス及び真空ガラスの場合,中空層の熱コンダクタンスの計算に
用いる温度及び温度差に,次の値を用いてもよい。
− 中空層に接する二つのガラス面の平均温度 Tm=283 K (=10 ℃)
− 中空層の気体の平均温度 T'm=283 K (=10 ℃)
− 中空層に接する二つのガラス面間の温度差 15 K (=15 ℃)
9 報告
報告には,次のa)を,四捨五入によって有効数字2桁に丸めた数値で記載する。表A.2に規定しない気
体の物性値を用いる場合には,b)の事項を加える。式(13)及び式(14)によらない表面熱伝達率の値を用いる
場合には,c)の事項を加える。また,2枚のガラス板から成る複層ガラス及び真空ガラスについて,反復
循環収束による温度計算を行わずに8.2に規定する温度及び温度差を用いて中空層の熱コンダクタンスを
計算する場合には,その旨を付記する。
なお,受渡当事者間の協定によって,板ガラスの構成を表す情報としてd) f)の事項を加えてもよい。
a) 熱貫流率
b) 気体の密度,粘度,熱伝導率及び定圧比熱
c) 室外側・室内側の表面熱伝達率
d) ガラス板の厚さ及び修正放射率
e) 中空層の厚さ及び混合気体の容積割合
f) 合わせガラスを含む場合には中間膜の厚さ及び熱伝導率
――――― [JIS R 3107 pdf 9] ―――――
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R 3107 : 2019
附属書A
(規定)
放射率の決定方法及び気体の物性値
A.1 垂直放射率の決定方法
垂直放射率の算定は,光学薄膜を施した面ではJIS R 3106の附属書JB(常温熱放射の波長域における
分光反射率及び分光透過率の測定方法並びに垂直放射率の算定方法)による。光学薄膜を施していない板
ガラスの表面では,0.89とする。
A.2 修正放射率の決定方法
修正放射率は,垂直放射率に表A.1に規定する係数を乗じた値とする。光学薄膜を施していない板ガラ
スの表面では,0.837とする。
表A.1−修正放射率を垂直放射率から計算するための係数
垂直放射率εn 係数εc/εn
0.03 1.22
0.05 1.18
0.1 1.14
0.2 1.10
0.3 1.06
0.4 1.03
0.5 1.00
0.6 0.98
0.7 0.96
0.8 0.95
0.89 0.94
表に示すεn以外の値における係数εc/εnは,刻み間を
直線とした内挿又は外挿によって求める。
A.3 気体の物性値
中空層に封入する気体の物性値は,表A.2による。
――――― [JIS R 3107 pdf 10] ―――――
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JIS R 3107:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10292:1994(MOD)
JIS R 3107:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.040 : ガラス > 81.040.20 : 建築物に使用するガラス
JIS R 3107:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISR3106:2019
- 板ガラスの透過率・反射率・放射率の試験方法及び建築用板ガラスの日射熱取得率の算定方法