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表A.2−気体の物性値
気体 温度 密度 ρ 粘度 μ 熱伝導率 λ 定圧比熱 c
℃ kg/m3 10−2 W/(m・K)
10−5 kg/(m・s) 103 J/(kg・K)
空気 −10 1.326 1.661 2.336 1.008
0 1.277 1.711 2.416
+10 1.232 1.761 2.496
+20 1.189 1.811 2.576
アルゴン −10 1.829 2.038 1.584 0.519
0 1.762 2.101 1.634
+10 1.699 2.164 1.684
+20 1.640 2.228 1.734
六ふっ化硫黄 −10 6.844 1.383 1.119 0.614
0 6.602 1.421 1.197
+10 6.360 1.459 1.275
+20 6.118 1.497 1.354
クリプトン −10 3.832 2.260 0.842 0.245
0 3.690 2.330 0.870
+10 3.560 2.400 0.900
+20 3.430 2.470 0.926
ヘリウム[2] −10 0.185 1.823 14.248 5.193
0 0.178 1.870 14.620
+10 0.172 1.916 14.987
+20 0.166 1.962 15.350
ネオン[3] −10 0.934 2.868 4.432 1.030
0 0.900 2.939 4.541
+10 0.868 3.008 4.649
+20 0.838 3.077 4.756
キセノン[4] −10 6.121 2.078 0.494 0.161
0 5.897 2.152 0.512
+10 5.689 2.226 0.529
+20 5.495 2.299 0.546
表に示す以外の温度における物性値は,刻み間を直線とした内挿又は外挿によって求める。
――――― [JIS R 3107 pdf 11] ―――――
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附属書JA
(規定)
真空層の熱コンダクタンスの計算方法
JA.1 一般
この附属書は,真空ガラスの真空層の熱コンダクタンスの計算方法について規定する[5]。
JA.2 計算方法
中空層が真空層の場合の熱コンダクタンスは,式(JA.1)による。
hv=hp+hr+ha (JA.1)
ここに, hv : 真空層の熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
hp : ピラー列1)の熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
hr : 放射の熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
ha : 真空層内の気体の熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
注1) ピラー列は,2枚のガラス板の間の真空層を大気圧に抵抗して維持するようにガラス板の全面
に配置する小さなスペーサー部材(以下,ピラーという)の配列をいう。
ピラー列の熱コンダクタンスhpは,式(JA.2)式(JA.4)による。
1
hp (JA.2)
1 1
hpcond
hspreading
2 λgrp
hspreading 2
(JA.3)
lp
2
λp π rp
hpcond 2
(JA.4)
dp lp
ここに, hspreading : ガラス中の広がり抵抗2)による熱コンダクタンス
[W/(m2・K)]
hpcond : ピラーの熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
rp,dp,lp : ピラーの半径,厚さ,間隔3)(m)
λg,λp : ガラス及びピラー材料の熱伝導率[W/(m・K)]
注2) 広がり抵抗は,ガラスとピラー列との接触部分に関連する熱抵抗をいう。
注3) ピラーの間隔は,ピラー配列の中の隣り合うピラーの中心間距離とする。
放射による熱コンダクタンスhrは,式(JA.5)による。
1
1 1 3
hr 4 σ 1 Tm (JA.5)
εc,1 εc, 2
ここに, σ : ステファン・ボルツマン定数=5.67×10−8 W/(m2・K4)
εc,1,ε c,2 : 真空層に接する二つのガラス面の修正放射率(−)(6.1
参照)
Tm : 真空層に接する二つのガラス面の絶対温度の平均値(K)
真空層内の気体の熱コンダクタンスhaは,式(JA.6)による。
――――― [JIS R 3107 pdf 12] ―――――
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R 3107 : 2019
γ 1 R P
ha α (JA.6)
γ 1 8π M Tm
ここに, α : 2枚のガラス表面の適応係数4)(−)
γ : 比熱比(=cp/cv)
cp : 気体の定圧比熱[J/(kg・K)]
cv : 気体の定積比熱[J/(kg・K)]
R : 気体定数[=8.314 J/(mol・K)]
P : 気体の絶対圧力(Pa)
M : 気体のモル質量(kg/mol)
T'm : 気体の平均温度(K)
注4) 適応係数は,気体分子と固体との熱の授受における効率を表す係数をいう[6]。
真空層内の熱コンダクタンスhaは,概算で0.4Pとなる5) 7]。詳細な情報がない場合には,この値を使用
してもよい。
注5) 真空層内の気体が空気の場合,適応係数α=0.33,定圧比熱Cp=1 008[J/(kg・K)],定積比熱Cv
=720[J/(kg・K)],モル質量M=0.029 (kg/mol),気体の温度T'm=283 [K]によって,式(JA.6)は,
ha=0.4P[W/(m2・K)]となる。
――――― [JIS R 3107 pdf 13] ―――――
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附属書JB
(規定)
フィルム材で分割した中空層の熱コンダクタンスの計算方法
JB.1 一般
この附属書は,複層ガラスの中空層をガラス板ではない1枚の樹脂製フィルム材で2分割した中空層の
熱コンダクタンスの計算方法について規定する。ここでは,フィルム材の常温熱放射の波長域(以下,長
波放射という。)の透過を考慮する。
なお,この附属書の計算方法を拡張することで,2枚以上のフィルム材によって中空層を3分割以上に
する場合にも適用することができる。
注記 この計算方法は,ISO 15099に規定する多層ガラスのエネルギーバランスの解法を参照[8]。
JB.2 計算方法
2枚のガラス板に挟まれた中空層が1枚のフィルム材で仕切られている場合,その二つの中空層の熱コ
ンダクタンスは,式(JB.1)及び式(JB.2)による(図JB.1参照)。
q1,s
h1,s (JB.1)
Tf T1g
q2,s
h2,s (JB.2)
Tg 2 Tf
ここに, hs,1 : 中空層1の熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
hs,2 : 中空層2の熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
qs,1 : 中空層1の熱流束(W/m2)
qs,2 : 中空層2の熱流束(W/m2)
Tg1 : ガラス1の絶対温度(K)
Tf : フィルム材の絶対温度(K)
Tg2 : ガラス2の絶対温度(K)
二つの中空層の熱流束は,気体の伝導及び対流の成分並びに放射成分を合計し,式(JB.3)及び式(JB.4)に
よる。
qs,1=hg,1・(Tf−Tg1)+J2−J1 (JB.3)
qs,2=hg,2・(Tg2−Tf)+J4−J3 (JB.4)
ここに, hg,1 : 中空層1の気体熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
hg,2 : 中空層2の気体熱コンダクタンス[W/(m2・K)]
J1 : ガラス1からフィルムへの放射熱流束(W/m2)
J2 : フィルムからガラス1への放射熱流束(W/m2)
J3 : フィルムからガラス2への放射熱流束(W/m2)
J4 : ガラス2からフィルムへの放射熱流束(W/m2)
中空層1及び中空層2の気体熱コンダクタンスは,5.3による。
ガラスからフィルム又はフィルムからガラスに向けて射出される放射熱流束は,フィルムの長波放射の
透過成分を考慮し,式(JB.5)式(JB.8)による。
J1=ε1・σ・Tg14+ρ1・J2 (JB.5)
J2=ε2・σ・Tf4+τ2・J4+ρ2・J1 (JB.6)
J3=ε3・σ・Tf4+τ3・J1+ρ3・J4 (JB.7)
――――― [JIS R 3107 pdf 14] ―――――
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J4=ε4・σ・Tg24+ρ4・J3 (JB.8)
ここに, εi : 面iの修正放射率(−)
σ : ステファン・ボルツマン定数[=5.67×10−8 W/(m2・K4)]
ρi : 面iの長波放射の反射率(−)
τi : 面iの長波放射の透過率(−)
注記1 長波放射の反射率及び透過率は,JIS R 3106のJB.2.2(垂直放射率の計算)及びJB.3.2(透
過率の計算)による常温熱放射の波長域における反射率及び透過率をいう。
面1 面2 面3 面4
τ3
ρ3
ρ2
ρ1 ρ4
τ2
J1 J2 J3 J4
qs,1 qs,2
Tg1 Tf Tg2
室外 中空層1 中空層2 室内
ガラス1 フィルム材 ガラス2
図JB.1−フィルム材で分割した中空層の熱伝達モデル
放射熱流束J1J4は,式(JB.5)式(JB.8)を連立方程式とし,式(JB.9)によって求めることができる。
1 4
J1 1 ρ1 0 0 ε1σ Tg1
4
J2 ρ2 1 0 τ2 ε2σ Tf
4 (JB.9)
J3 τ3 0 1 ρ3 ε3σ Tf
4
J4 0 0 ρ4 1 ε4σ Tg 2
ここで,式(JB.9)中の温度Tg1,Tf及びTg2は未知数であるので,8.2と同じく,反復循環収束による数値
計算を行う。
なお,フィルム材を挟む二つの中空層の熱流束には,式(JB.10)に示す熱平衡条件を加える。
qs,1−qs,2=0 (JB.10)
注記2 式(JB.10)は,熱貫流率の計算のために板ガラスが受ける日射量をゼロとした場合のものであ
る。JIS R 3106に従って日射熱取得率を計算する場合は,式(JB.10)の代わりに,式(JB.11)を
用いる。
qs,1−qs,2=I・αe,f (JB.11)
ここに, I : 日射強度(W/m2)
αe,f : フィルム材の日射吸収率(−)
――――― [JIS R 3107 pdf 15] ―――――
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JIS R 3107:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10292:1994(MOD)
JIS R 3107:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.040 : ガラス > 81.040.20 : 建築物に使用するガラス
JIS R 3107:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISR3106:2019
- 板ガラスの透過率・反射率・放射率の試験方法及び建築用板ガラスの日射熱取得率の算定方法