JIS S 0122:2022 乳幼児に配慮した製品の共通試験方法―部品の外れ

JIS S 0122:2022 規格概要

この規格 S0122は、乳幼児に配慮すべき製品に付いている部品のうち,乳幼児がつかむことができる部品(装飾部品など),身体を預けたり体重を乗せたりする身体支持部品(安全ベルト,セーフティガードなど),製品を構成するフレーム,製品固定部品(ねじなど)などの外れやすさの試験方法について規定。

JISS0122 規格全文情報

規格番号
JIS S0122 
規格名称
乳幼児に配慮した製品の共通試験方法―部品の外れ
規格名称英語訳
Common testing methods for products with consideration of babies, toddlers and young children -- Detachment of components
制定年月日
2022年1月20日
最新改正日
2022年1月20日
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‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

97.180, 97.190
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2022-01-20 制定
ページ
JIS S 0122:2022 PDF [21]
                                                                                   S 0122 : 2022

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[2]
  •  3 用語及び定義・・・・[2]
  •  4 部品外れによって想定される危険・・・・[2]
  •  5 部品外れ確認試験・・・・[3]
  •  5.1 乳幼児がつかむ・つまむ・くわ(咥)えることができる部品の外れ・・・・[3]
  •  5.2 押し引き力による部品外れ・・・・[5]
  •  5.3 製品落下による部品外れ・・・・[9]
  •  附属書A(参考)子どもの身体特性・・・・[10]
  •  附属書B(参考)表示・・・・[19]

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           S 0122 : 2022

まえがき

  この規格は,産業標準化法に基づき,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本
産業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

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                                      日本産業規格                            JIS
S 0122 : 2022

乳幼児に配慮した製品の共通試験方法−部品の外れ

Common testing methods for products with consideration of babies, toddlers and young children-Detachment of components

序文

  規格には,製品全般の安全確保のための指針,総則などの基本規格,類似の各種製品に共通して使用す
ることが可能な試験方法,安全基準などの共通規格,及び個別製品ごとに作成した製品規格がある。この
規格は,日常生活において乳幼児が接触する各種製品に横断的に適用することが可能な共通の試験方法規
格であり,製品本体から外れてはならない部品が不用意に外れてしまう可能性を確認するための規格であ
る。
製品において,部品外れは,部品が外れることによって乳幼児が転落·転倒する,外れた部品を乳幼児
が飲み込み窒息したり内臓を損傷したりするなどによって致命傷に至る場合もあるため,部品外れの可能
性を確認することは重要である。
また,この規格では,成人によって加えられた荷重又は衝撃力による部品外れについては規定していな
いが,部品が外れることによる切傷·刺傷などの危険は大人にも及ぶ可能性があるため,製品の主な使用
対象によらず大人においても注意が必要であることを記載している。

1 適用範囲

  この規格は,乳幼児に配慮すべき製品に付いている部品のうち,乳幼児がつかむことができる部品(装
飾部品など),身体を預けたり体重を乗せたりする身体支持部品(安全ベルト,セーフティガードなど),
製品を構成するフレーム,製品固定部品(ねじなど)などの外れやすさの試験方法について規定する。
なお,意図して着脱するよう設計されている部品(条件によっては又は条件によらずに外れてよい部品)
には適用しない。
また,この規格は,乳幼児が触れることによって加わる押し引き力による負荷及び製品の落下又は転倒
によって加わる衝撃力を主な要因とする製品の部品外れの可能性を確認するものであり,成人によって加
えられる荷重又は衝撃力による部品外れは含まず,全ての部品外れを対象とするものではない。また,製
品全体の安全性を担保するものでもない。
部品外れとは,製品を構成するフレーム,装飾部品,固定装置自体(バックル自体,ストッパー自体)
などが不用意に外れる事象のように製品から部品が分離することをいい,製品の割れによって破片が分離
することは意味しない。部品外れは,ねじなどの緩み,亀裂,はめ合いの不適合などによって生じるが,
いずれの場合であっても分離した破片についてはここでは適用対象とせず,分離し得る部品を対象とする。
長期使用(ここでいう長期使用には,製品の保管期間,リユースなどの期間を含めるものとする。)にお

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ける劣化によって部品が外れる事象についてもこの規格では対象としないが,長期使用の劣化状態を推定
することが可能な加速試験(長期使用時の劣化を促進させる試験)などが技術的に可能である場合にはそ
れらの試験を行い,その上でこの規格の確認試験を行うことが期待される。加速試験などが技術的に不可
能である場合でも長期使用時の注意·警告情報を記載することが期待される。使用者が組み立てて使用す
る製品は,適切な組立を行っていないために部品外れに至る可能性があるため,組立についての注意事項
を具体的に記載することが期待される。

2 引用規格

  次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項
を構成している。この引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
JIS Z 8050:2016 安全側面−規格及びその他の仕様書における子どもの安全の指針

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS Z 8050:2016による。
3.1
乳幼児
0歳から満6歳まで(生後0か月以上84か月未満)の者
3.2
製品
一般的に流通し,最終消費者が容易に購入,使用,設置などを行うことが可能な物品及び乳幼児が家庭
内で接触する頻度が高い物品
3.3
部品外れ
製品から部品が分離すること

4 部品外れによって想定される危険

  部品外れによって,乳幼児が転落したり,誤飲して窒息したりするなどの重大事故に至る事象を回避す
るためには,製品に接触する乳幼児の年齢,発育程度及び接触しそうな部位を予見した上で部品外れの可
能性を確認することが重要である。次に示すリスクについて検討し,想定されるリスクがある場合には,
箇条5(部品外れ確認試験)の試験を行う。製品使用時の禁止事項などについては,附属書B(参考)を参
考としてもよい。
a) 小部品の外れによる誤飲又は誤えん(嚥)のリスク このリスクの検討においては,ISO 8124-1:2018
の5.2(小部品の試験),5.3(特定の玩具の形状及び寸法の試験),5.4(小球の試験)及び5.5(ポンポ
ンの試験)を参考とすることが望ましい。
注記 小球(球形の小形部品),半球状,ドーム状又は円状に丸みを帯びて広がる縁のある部品及び
ポンポン状の部品は,必ずしも小部品とはいえないものであったとしても,その丸み形状に
よって,特に誤飲又は誤えん(嚥)のリスクを検討する必要がある。
例1 小さな取付けねじが外れた場合に,それを乳幼児が誤飲又は誤えん(嚥)して窒息又は内臓

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損傷に至る可能性及びそれによる危害の度合い
例2 電池,磁石などの収納部の蓋が外れる可能性[電池を乳幼児が誤飲又は誤えん(嚥)して窒
息又は内臓損傷に至る可能性]及びそれによる危害の度合い
b) 部品外れによる乳幼児の転落·転倒のリスク
例3 転落などを防止するための柵,セーフティガードなどが外れて,乳幼児が転落·転倒してけ
がなどに至る可能性及びその危害の度合い
c) 部品外れによる切傷·刺傷·擦傷·やけどのリスク これらのリスクのうち,切傷·刺傷のリスクの
検討においては,ISO 8124-1:2018の5.8(鋭いエッジの試験)及び5.9(鋭い先端の試験)を参考とす
ることが望ましい。
例4 部品が外れた場合に,その部品又は部品が取り付けられていた側に鋭利な部分が存在し,乳
幼児が切傷などを負う可能性及びその危害の度合い
d) その他の考え得るリスク

5 部品外れ確認試験

5.1 乳幼児がつかむ・つまむ・くわ(咥)えることができる部品の外れ

5.1.1 確認事項
乳幼児の手の届く範囲にある保護キャップ,装飾などの部品は,乳幼児が指,手又は歯で部品をひねっ
たり,引っ張ったりしても製品に確実に固定されている必要があるため,5.1.2の試験によって,部品の外
れ,亀裂,緩み,縫い目のほつれなどがないことを確認し,これらがあった場合には,部品外れが生じる
可能性が高いと判断する。
5.1.2 小部品へのトルク試験及び引張試験
5.1.2.1 準備
荷重計(トルクゲージ,トルクレンチ,プッシュプルゲージなど),製品固定用の床,容易に動かない台
などを準備する。また,必要に応じて,トルク又は引張荷重をかけるためのクランプなど(部品に合わせ
て部品をつかむことができるもの。図1及び図2参照)を準備する。
図1−トルク試験用クランプの例
F
図2−引張試験用クランプの例

――――― [JIS S 0122 pdf 5] ―――――

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JIS S 0122:2022の関連規格と引用規格一覧

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