JIS S 1200:2012 家具―収納ユニット―強度及び耐久性試験方法 | ページ 6

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S 1200 : 2012
附属書B
(規定)
引出しの急速開閉試験装置
B.1 原理
軽い(空の)引出しは,重い(収納物が入った)引出しより必ず速い速度で急速開閉されるが,摩擦は
急速開閉速度に大きく影響することはない。
これらの条件を模擬的に作り出すためには,摩擦ができるだけ小さい標準的な“空の”引出し(5 kg)
及び“満杯の”引出し(35 kg)を用いる。これら基準の引出しを用いて,引出しの急速開閉装置の速度を
規定の急速開閉速度に調節する。
B.2 試験装置
引出しの急速開閉試験には,次の二つのタイプの装置を推奨する。
B.2.1 空気圧で急速に閉める装置
空気だめから供給される空気の圧力を調整する手段を備えた,空気圧で作動する低摩擦ピストン・シリ
ンダからなる。
ピストン・シリンダと空気だめとの間の空気の流れは,空気作動弁で制御し,この制御弁は,作動した
ときに,空気だめに貯められた空気を急速にピストン・シリンダに接続することができる。流量は,内径
及び長さが適切な接続管を組み込むことによって制御する(図B.1参照)。
B.2.2 おもり及びひもの付いた急速に引き出す装置
引出しは,ひもで引出しに取り付けた質量mのつり下げ式おもりで開閉しなければならない。おもりが
作用する力は,引出しがエンドストッパに達する10 mm手前で取り除く。引出しは,完全に開いた位置か
ら300 mm手前のところで開始する(図B.2参照)。
B.3 補正
B.3.1 空気圧で急速に閉める装置
質量がそれぞれ5 kg及び35 kgで,ランナー内における総摩擦力が10 N以下の二つの基準の引出しを用
いて,表A.1に示す開閉速度が得られるように装置を補正する。初めに,35 kgの基準の引出しの補正速度
を得られるように圧力を調整する。次に,圧力調整器からの管の長さ(図B.1参照)を調整して,5 kgの
基準の引出しの補正速度を得る。
B.3.2 おもり及びひもの付いた急速に引き出す装置
次の式を用いて,つり下げ式おもりの質量mを計算する。
3M
m K
ここに, m : おもりの質量
M : 引出しの総質量
K : 表A.1に示す値
表A.1で与えられるKの値を用いた場合,300 mmの移動距離の後に急速に引き出す速度は,空気圧で
急速に閉める装置によって得られる急速に閉める速度に等しくなる。
表A.1に示すもの以外の補正条件によるその他の引出し移動距離の場合,係数Kは,空気圧で急に閉め
る装置との比較ができるように,実験によって求めなければならない。

――――― [JIS S 1200 pdf 26] ―――――

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S 1200 : 2012
B.4 手順
B.4.1 急速に閉める試験
引出しを最大300 mmまで,引出しの内のり(奥行き)寸法の3分の1,又は少なくとも100 mmが家具
の中に残る箇所まで,引き出す(図B.3参照)。
その位置から,引出しを急速に閉める。
B.4.2 急速に引き出す試験
この試験は,開いた位置にエンドストッパがある引出しだけに適用する。
引出しを,完全に開いた位置に達する300 mm手前まで閉めるか,又は引出しの引出し距離が300 mm
未満の場合は,完全に閉める(図B.2参照)。
その位置から,引出しを急速に引き出す。
単位 他に規定がない限りmm
図B.1−空気圧式引出し急速開閉試験装置の回路図の例

――――― [JIS S 1200 pdf 27] ―――――

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S 1200 : 2012
単位 mm
注記 対応国際規格図を我が国の使用実態に合わせて修正している。
図B.2−引出しの急速開試験
単位 mm
注記 対応国際規格図を我が国の使用実態に合わせて修正している。
図B.3−引出しの急速閉試験

――――― [JIS S 1200 pdf 28] ―――――

                                                                                                                                              S1
2
附属書JA
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(参考)
0 : 2
JISと対応国際規格との対比表
012
JIS S 1200:2012 家具−収納ユニット−強度及び耐久性試験方法 ISO 7170:2005 Furniture−Storage units−Determination of strength and durability
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
規格
箇条番号及び題 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
番号
名 の評価
3 用語及び定義
3.5 ランナー 引出しのレール − − 追加 国内の家具の状況を説明。 国際規格見直しの際,提案する。
3.9 ラッチ機構 簡易的に維持する機構 3.8 JISとほぼ同じ 変更
4 一般試験条件
4.1 準備 温度及び湿度 4.1 JISとほぼ同じ 変更 国内の状況を反映してJIS Z 我が国の温度及び湿度の事情に
8703の内容に変更した。 よる。
WTO/TBT協定事項に該当するた
め問題ない。
5 試験環境及び
試験装置
5.1 床面 金属板 5.1 JISとほぼ同じ 追加 構造骨組強度試験の床には金 国際規格見直しの際,提案する。
属板を追加。
5.6 おもり(質 注記 小袋にて区分収 5.6 追加 参考情報であり実質的な差異は
注記を追加し,応力が再分散し
量) 納 ないように記述した。 ない。
箇条6及び箇条 図6図16及び図18 6,7 JISとほぼ同じ 変更 使用実態の図面に修正した。 我が国の使用事情による。
7
7 可動部分の試
験手順
7.6 ロック及び この試験は,ロック機 7.6.1 JISとほぼ同じ 追加 試験内容を明確にした。 国際規格見直しの際,提案する。
ラッチ機構 構並びにロック及びラ
ッチ双方の機構をもつ
収納ユニットに実施す
る。

――――― [JIS S 1200 pdf 29] ―――――

     (I)   JISの規定                (II)      (III)国際規格の規定             (IV)   JISと国際規格との技術的差異の箇条(V)   JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
附属書B 図B.2及び図B.3 Annex B JISとほぼ同じ 変更 使用実態の図面に修正した。 我が国の使用事情による。
(規定)引
出しの急
速開閉試
験装置
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : ISO 7170:2005,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加·················· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更·················· 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD··············· 国際規格を修正している。
S1 200 : 2012
2

JIS S 1200:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 7170:2005(MOD)

JIS S 1200:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS S 1200:2012の関連規格と引用規格一覧