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X 25020 : 2021 (ISO/IEC 25020 : 2019)
表C.1−QMを文書化するための要素(続き)
項目 内容 必須(Y/N)
測定の信頼性の N
QMがこの選択基準をどの程度満たしているかに関する記載,並びにその判断
証拠 に使用した試験方法及び証拠の記述。測定方法及び基本的仮定に基づいて,高,
中,低の程度を定める順序尺度を採用してもよい。さらに,測定の信頼性を総
合評価するための統計的方法がある。測定量の信頼性を確立するための方法の
追加情報については,附属書Bを参照する。
次のテンプレートが使用可能である。
“<測定量>の信頼性は,<信頼性の証拠>に<評定>依存する...”
例 <ファンクションポイント当たりの欠陥数>の信頼性は,<欠陥及び機能規
模の数の集計,さらには,テスト方法及び機能規模測定の規格の遵守>に
<高>依存する。様々な機能規模の測定方法については,JIS X 0135-6,
ISO/IEC 20926,JIS X 0143,ISO/IEC 29881,ISO/IEC 20968,及びISO/IEC
24570を参照する。
測定の費用 N
QMがこの選択基準をどの程度満たしているかに関する記載,並びにその判断
に用いた試験方法及び証拠の記述。QMEの収集に関連する費用の分析に基づい
て,高,中,低の程度を定める順序尺度を使用してもよい。費用の検討の例に
は,データが既に収集されているかどうか,収集に新しいツールが必要かどう
か又は手動で実行する必要があるかどうか,及び収集するデータ量を含む。
例 低。予測モデルによる計算,及び規模測定を行うようなツール又は環境
は,通常は利用可能である(新しい予測モデルを開発する場合,追加費用
が発生するときがある。)。
役割別の利用シ N
測定の目的を満たすために,QMをどのように使用するかの記載。これには,
ナリオ 誰が測定量を使用するか,いつ使用するか,及び測定結果に基づいて行うこと
もある様々な種類の決定の影響を受けるのは誰か,を含むことが望ましい。
例 ソフトウェア品質保証要員は,このQMを使用して,適格性確認テスト
中に推定障害密度を評価することが可能である。この測定量が示す傾向
は,品質保証プロセスの一部として,欠陥除去活動及びソフトウェアの
信頼性向上の状況を評価するのに利用可能である。
開発者又は試験者は,このQMを使用して,ソフトウェア統合テスト中に推定
障害密度を評価することが可能である。この測定量が示す傾向は,次のテスト
段階にコードを公開する判断の一部として,欠陥除去活動及びソフトウェアの
信頼性向上の状況を評価するために利用可能である。
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X 25020 : 2021 (ISO/IEC 25020 : 2019)
附属書D
(参考)
QMを正規化する測定の関数
QMの値域及びその変化の傾向は,簡潔に表示するには大きく変化しすぎる可能性がある。このような
問題は,ここに示す測定の関数の例を使用して解決することが可能である。品質特性及び品質副特性を評
価するための定量的でかつ比較可能な値を得るために測定の関数を使用することによって,QMEの値を,
01の範囲のQMの値に変換可能である。
測定関数の計算式の例を次に示す。
a) 利用者は最大要求事項を提示し,実際の結果は,常に利用者の要求事項の部分集合になる。例えば,
成熟性に属する障害修正性の測定量は,検出した信頼性に関係のある障害のうち,修正した障害の割
合を表すために使用する。この場合,式(D.1)は測定の関数を記述するのに適している。ここで,xは
設計フェーズ,コーディングフェーズ又はテストフェーズで修正した信頼性に関係のある障害の数で
あり,Rは設計フェーズ,コーディングフェーズ又はテストフェーズで検出した信頼性に関係のある
障害の数である。設計フェーズ,コーディングフェーズ又はテストフェーズで修正した信頼性に関係
のある障害は,常に検出した信頼性に関係のある障害に属する。この場合,Rが最大要求事項である。
xの値はRの値を超えることはない。このシナリオでの測定には,次の測定関数を使用する。
x
M fx (D.1)
R
ここで, M : QMの値である。
x : QMEの結果の値である。
R : QMEの期待される値である。
b) 利用者が要求事項の上界を提示して,下界は提示しない。例えば,時間効率性の平均スループットの
測定量は,単位時間当たりの平均完了ジョブ数を表す。この要求事項の一般的な表現は,“スループッ
トは毎秒100トランザクションを超えるのがよい。”のようになる。スループットが高いほど,測定量
の関数によって計算した結果は良くなる。式(D.2)は,このシナリオでの測定量の関数を記述するのに
適している。図D.1に,Rが100に等しい場合の測定量の関数曲線を示す。
x
E xR
0≦≦
R (D.2)
M fx
R
1 1 E xR
>
x
ここで, M : QMの値である。
x : QMEの結果の値である。
R : QMEの期待される値である。
E : 利用者によって決定したRに対応する測定量の指数の
値である(例 E=0.6)。
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X 25020 : 2021 (ISO/IEC 25020 : 2019)
記号説明
M : QMの値
x : QMEの値
図D.1−式(D.2)の関係曲線
c) 利用者は要求事項の下界を提示して,上界は提示しない。例えば,性能効率性の平均応答時間の測定
量である。この要求事項の一般的な表現は,“平均応答時間は100ミリ秒未満であるのが望ましい。”
のようになる。応答時間が小さいほど,測定量の関数を使用して計算した結果は良くなる。式(D.3)は,
このシナリオに適している。図D.2に,Rが100に等しい場合の測定量の関数曲線を示す。
x
1 1 E xR
0≦≦
R (D.3)
M fx
R
E xR
>
x
ここで, M : QMの値である。
x : QMEの結果の値である。
R : QMEの期待される値である。
E : 利用者によって決定したRに対応する測定量の指数
の値である(例 E=0.6)。
記号説明
M : QMの値
x : QMEの値
図D.2−式(D.3)の関係曲線
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X 25020 : 2021 (ISO/IEC 25020 : 2019)
異なる測定量においては,xは異なる意味をもってもよい。例えば,機能網羅性の測定量(FCp-1-G)で
は,xは実装済みの明記した機能数を示し,明記した機能数から未実装機能数を減じた値と等しくなる。
可用性の平均ダウン時間の測定量では,xはダウン時間そのものではなく,ブレイクダウンごとのダウン
時間を表す。
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X 25020 : 2021 (ISO/IEC 25020 : 2019)
附属書E
(参考)
ISO/IEC/IEEE 15939の測定情報モデル
測定情報モデルは,情報ニーズをそれに関連する適切な実体及び属性に結び付ける構造になっている。
この規格で議論する品質において,実体には,システム,ソフトウェア製品及びデータを含む。この測定
情報モデルは,図E.1に示すように,関連する属性をどのように定量化し,意思決定の基礎を提供する指
標に変換するかの方法について記載したものである。測定情報モデルに関する詳細な情報は,
ISO/IEC/IEEE 15939に記載されている。
図E.1−ISO/IEC/IEEE 15939における測定情報モデルの重要な関係
情報ニーズを取り扱う適切な測定量の選択又は定義は,測定可能な概念から始める。測定可能な概念と
は,測定可能な属性が情報ニーズに関連しているという考え,及びそれらがどのように関連しているのか
ということである。測定の計画作成者は,これらの属性を明記した情報ニーズに結び付ける測定の構成概
念を定義する。この測定情報モデルは,基本的な用語及び概念を識別する。これは,測定の計画作成者が
測定の計画,遂行,及び評価の期間に明記するために何が必要であるかを決定することに役立つ。
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JIS X 25020:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 25020:2019(IDT)
JIS X 25020:2021の国際規格 ICS 分類一覧
JIS X 25020:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称